女イメージ4「きょう、親いないから」と定雄を家に誘った沙知恵。
愛し方も知らないまま、ふたりは青い体を重ね合った。
一方、幸一は、校門で沢村ミキを待っていた。
自分の想いを打ち明けるつもりだったのたが――


 R18   ロマン派 《H》 短編集 
 第20話  空からパンツが降ってくる〈終章〉

このシリーズは、管理人が妄想力を働かせて書いた、
Hだけどちょっぴりロマン派な、官能短編小説集です。
性的表現を含みますので、18歳未満の方はご退出ください。



 ここまでのあらすじ  授業中、教室の窓の外をヒラヒラと舞い落ちていった一枚のパンツ。こんなものをいったいだれが…? 定雄と幸一の「落とし主探し」が始まった。容疑者は、その時間、授業を休んだ女子の中にいる。該当者は全部で3人。そのうちのひとり、書道部の鈴木沙知恵は、「エッ、また落ちてきたんですか?」と驚き、パンツの色を尋ねる定雄の前で「見ますか?」と一回転して見せた。一方、幸一が当たった軽音楽部の沢村ミキは、幸一がアリバイを尋ねたとたん、口をつぐんで、その場を逃げ出した。最後のひとり、井村多恵子は、男子にはまったく不人気の秀才タイプ。アリバイを尋ねられて「生理!」と答えた多恵子は、「そのパンツ、見せてよ」と言い出した。「落とし主は、男に愛されたい願望が強い女だね」とプロファイリングした多恵子は、「あんたたち、この件には深入りしないほうがいいよ」と言う。翌日、沙知恵が教室に定雄を訪ねてきた。貴重な情報があると言うのだ。校庭の木陰に連れ出した定雄に、沙知恵は「チューしてくれたら教えてあげる」と唇を突き出す。その口から語られた情報。パンツが落ちてくるのは、毎月第2月曜日の5時限目に決まっている、というのだった。その時間に何がある? 頭をひねる定雄と幸一の前に、多恵子が一冊の雑誌を投げてよこした。学園の理事長・園田啓太郎のインタビュー記事が載った雑誌だった。そこに紹介されたプロフィル。理事長は、学園経営のかたわら、「星夢ガールズ」を抱える芸能事務所「タラント21」を運営し、消費者金融「DOOR to NEXT」の会長を兼ねていた。ネットで検索した定雄は、そこに驚きの記事を見つける。「タラント21」が女子だけのインスト・ユニットを企画中だというのだ。定雄の脳裏に、クラリネットを吹く沢村ミキの姿が浮かんだ。沙知恵も加わって3人となった探偵団を前に、委員長・井村多恵子が「とっておきの情報がある」と言う。パンツが落下する毎月第2月曜日は、理事長が学園に姿を現す日、というのだ。定雄たちは、第2月曜日5時限目の理事長室を、スマホで撮影する計画を立てた。屋上からスマホを吊るして映し出した理事長室。部屋に入ってきたのは、沢村ミキだった。そのミキをいきなり自分のひざの上に抱きかかえた理事長は、手をいやがるミキのスカートの中に潜らせていく。剥ぎ取られたパンツが、窓から投げ捨てられる。無防備となったミキのそこへ、理事長は腰を突き上げた。一部始終を画像に収めた定雄たちだったが、その画像をどう使うかについて、意見が分かれた。結局、結論は、ミキの意思を確かめてからにしようということになった。ミキの説得に当たったのは、多恵子と沙知恵だった。涙ながらに語り出したミキによると、ミキを理事長に引き合わせたのは、学園のアイドル・美保だった。「有名になりたいだろう?」「TVで演奏してみたいだろう?」と、甘いアメをぶらさげて見せながら、体に伸ばされてくる理事長の手をミキは拒めなかった。「後悔している」というミキの声に、定雄たちは理事長糾弾の決意を固めた。ミキも含めて5人で知恵を出し合った結果、定雄たちは、ネットで告発することにして、その文案と画像を用意した。サイトにアップロードすると、たちまち大きな反響が寄せられた。翌日、校門前には「理事長糾弾」を求める生徒たちの人だかりができ、それを取材するTVカメラも押しかけた。そして、その火の手は芸能界にも飛び火。理事長は、当局に検挙された。学園に再び、平和な日々が戻ってくる。そんなある日、下校しようとする定雄の腕をつかんで、沙知恵がささやいた。「きょう、親、いないんだ」。騒動が片づいたら「させてあげる」と交わした沙知恵との約束。その約束を実現するために、定雄は沙知恵の家に行った――
⇒この話は、連載18回目です。この話を最初から読みたい方は、こちらから、
  前回から読みたい方は、こちらからどうぞ。


 制服の上着を脱がせ、ブラウスを脱がせ、スカートを脱がせると、沙知恵は露わになった下着だけの姿を隠すように、両腕を胸の前で交差させた。
 定雄は、その腕を持って、ゆっくりと開かせた。

 「恥ずかしい……」

 沙知恵が小さな声をもらした。
 パンツと同じパープルのブラジャーの、フリルで縁取られたエッジから、沙知恵の胸の初々しいふくらみが、ほんのり汗を滲ませて顔をのぞかせていた。
 どこで外すんだろう――と迷っている定雄の手を、沙知恵はそっと、背中のホックに誘った。
 ホックを外すと、ブラジャーはパラリと解け、その下から洋梨のようなふくらみが現れた。
 どんな数式を使っても表せない、美しい二次曲線。胸に沿って少しずつ緩やかになる下向きのアーチ。これ以上進むと上向きに転じるというその先端で、レーズンのような果実が上向きに小さく尖って、その存在を主張していた。

 「この子だけ、怒ってるみたいだね」

 コリッと硬くなった先端を指先で摘むと、沙知恵は、「あっ…」と小さな声を挙げ、それから「ね……」と定雄の耳元にささやいた。

 「わたし……恥ずかしい。ベッドに寝かせて……」

 パンツだけの沙知恵をベッドに寝かせると、沙知恵は毛布を目の下まで引き寄せて、裸の全身を隠した。両手で毛布の端をつかみ、その縁から目だけをのぞかせて、定雄を見つめる。その目が「来て」と言っているように見えた。
 定雄は、自分もパンツ一枚になって、沙知恵の横に潜り込んだ。
 沙知恵の脚が定雄の脚と、腹が腹と、胸が胸と、毛布の中で触れ合い、触れ合った部分を通して、定雄は、沙知恵の肌がその熱を伝えてくるのを感じた。

 「脱・が・せ・て……」

 定雄の肩に頭を埋めたまま、沙知恵が消えるような声でささやく。
 定雄は恐る恐る手を伸ばして、沙知恵のパンツの縁をつかむと、それをゆっくり下に引っ張る。
 しかし、それは、沙知恵のヒップの山に引っかかって、下まで下ろすことができない。

 「先輩、パンツはね……お尻のほうから下ろすのよ」

 言いながら、沙知恵が腰を浮かす。
 定雄はその下に手をもぐらせて、パンツを沙知恵の尻から下ろした。

       バラ

 それから、どうするのか?
 定雄も、沙知恵も、それから先のことを知らなかった。

 「オレ、知らないんだけど……」
 「わたしも……」
 「どうする?」
 「でも……し・た・い……。先輩のアレを、私のあそこに当ててみて」

 言われるままに、定雄はカチンカチンになったものを沙知恵の脚の間の、柔らかく湿った部分に当ててみた。
 少しヌルッとしたものが、定雄の先端に触れた。
 定雄は闇雲に、そこへふくらみの先端を押し当てて突き進もうとしたが、それはすぐに何かに行き当たってしまった。

 「先輩、そこ、違う。ちょっと待って……」

 沙知恵が毛布の中に手を伸ばして、定雄の硬くなったものを人差し指と親指でつかんだ。つかんだまま、それを自分の体の中心へとナビする。
 定雄の先端が、周りに比べて一段と柔らかく感じる沙知恵の皮膚を捕らえた。少し力を加えると、先端が潜り込んでいく感じがする。

 「ここ……でいいのかな……?」
 「た・ぶ・ん……。ズンってしないでね。少しずつ、ゆっくり……」

 定雄のそれは、沙知恵の皮膚の壁に遮られているように見えた。
 しかし、少し力を込めて押してみると、先端がズブリ……と入っていく感触があった。

 「い・た・ッ……」
 「痛い? 止めようか?」
 「ウウン。ゆっくり……やさしくしてくれたら、ダイジョーブ。あっ……」

 定雄は、自分の想いの丈を、少しずつ、少しずつ、沙知恵の体の中へ送り込んでいった。
 抵抗していたゲートをジュルリ……とくぐり抜けると、定雄の銀河鉄道は、トンネルの中にズブズブと引き込まれていった。
 こんなに入るんだ……。
 そのことに定雄は感動し、それが沙知恵が自分を受け入れてくれる愛の深さのように思えて、全身を感動の血が駆け巡った。
 沙知恵は、目を閉じ、脚を定雄の脚に絡ませ、両手で定雄の背中にしがみつきながら、定雄の想いが自分の体を貫く感動に打ち震えた。

 「先輩ッ! 大好きッ!」
 「オレもだよ、サッちゃん」

 ふたりは、いつまでも、おたがいの体を抱きしめたまま、何度も何度も、キスを交し合った。

       バラ

 同じ頃、幸一は、校門で、部活を終えたミキが出てくるのを待っていた。

 「今回は、キミを騒動に巻き込んでしまってごめん。あの……オレ……」

 と、自分の気持ちをコクるつもりだった。
 やがて、校舎のほうから、何人かの女子のにぎやかな声が聞こえてきた。
 その中に、クラのケースを抱えた沢村ミキの姿があった。
 校門まで来ると、女の子たちは、「じゃね」「お疲れ」と手を振って、それぞれの家路へと分かれていく。
 ミキが帰る方向に同行する女子はいない。

 よし、ひとりになった。いまだ!

 幸一が一歩を踏み出そうとしたそのときだった。
 後ろから走ってきたバイクが、「ビービー」とクラクションを鳴らした。
 振り向いたミキの顔が、一瞬でパッと輝いた。
 バイクの男が、ヘルメットをポンと投げて寄越す。
 ミキは、メットを頭に被ると、バイクの後ろにまたがり、楽器ケースを抱えたまま男の腰に両手を回してしがみつく。
 ブォン……とエンジンをふかしたバイクが走り出し、またがったミキのスカートが風に舞い上がった。
 あっけにとられて、幸一がその姿を見送っていると、後ろからポンと背中を叩いた者がいる。

 「ま、そういうわけよ」

 井村多恵子が、腰に手を当て、勝ち誇ったような顔を見せていた。

 「どうしても寂しかったら、お茶一杯ぐらい、つき合ってあげてもいいけど?」

 カンベンしてよ――と思ったが、よくよく見ると、憎たらしいと思っていた多恵子の顔も、まんざら捨てたものでもない。
 ふられた者同士、茶飲み話でもしてやるか――。

 「オレは寂しくなんかないけどさ……」
 「何よ?」
 「おまえのウサ晴らしにつき合う時間ぐらいならあるぜ」

 ふたりは、駅前の「マック」に向かって、「バ~カ」「おまえこそ間抜け」などと毒づき合いながら歩いていった。
 K学園の校舎は、何事もなかったかのように、夕陽に校舎を染めて輝いていた。

=第22話「空からパンツが降ってくる」は、これにて完=
お詫び最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回作をどうぞお楽しみに。


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