女イメージ4「お許しを、お許しを」――妻・睦子は、
夜な夜なうなされては、身を悶えさせた。
その体に重なって妻の魂を呼び戻す。
気が遠くなるような夜の闘いが始まった――


 R18   ロマン派 《H》 短編集 
 第25話  教祖の生贄〈終章〉

このシリーズは、管理人が妄想力を働かせて書いた、
Hだけどちょっぴりロマン派な、官能短編小説集です。
性的表現を含みますので、18歳未満の方はご退出ください。



 ここまでのあらすじ  妻・睦子の浪費癖に悩む伊原健二は、あるとき、街角で一枚のチラシを受け取る。《5000人を依存症の地獄から救った仙道義春師が、当地でセミナーを開催!》。健二は、「ただの買い物セミナーだから」と言いくるめて、妻を会場に連れていった。会場に山と積まれたグッズ。講師の仙道は、「どれでも好きなものを手に取ってください」と言う。目を輝かせてグッズを手にした参加者を、仙道はひとりずつ壇上に呼び上げて、その欲望を弾劾していく。やがて、伊原の妻・睦子も呼び上げられた。毛皮のコートを手にした睦子は、その理由を尋ねられ、「幸せを感じたかった」と答えた。翌週、クローゼットから靴やバッグがきれいに消えていた。睦子は健二に内緒で、「トゥルー・ライフ・セミナー」の会員になっていた。その名前を聞いた健二の部下・本田が、「そこ、ヤバイですよ」と言う。そのセミナーは、信者を集めてはその財産を巻きあげるカルト教団「真実の幸福」のダミー団体だと言う。本田に言われて預金口座をチェックした伊原健二は、目を疑った。口座から、毎週のように、10万、20万という金が引き落とされている。問い詰めた妻の胸元に、見たこともない赤い痣が残っているのを発見した健二は、そのワケを正そうと、セミナーを訪ねた。応対に出たのは、カウンセラーの笹川清美。最初に健二にセミナーのチラシを渡した女だった。女は、「奥様が買い物依存に走る背後には、邪悪な欲望が潜んでいる」と言う。そして、その欲望は、健二の中にも……と、手を伸ばしてくる。その手で、健二は自分の欲望の場所を探り当てられた。彼女の誘いで教団の道場をのぞいた健二が目にしたのは、聖壇に横たわって衣服をはぎ取られていく妻の姿だった。その体に神体の象られた杖を振り下ろし、肉棒を突き立てる教祖・仙道。精液のしたたるペニスを誇示しながら、仙道は叫んだ。「兄弟たちよ、この女と連なれ!」。その合図を受けて、男たちが次々と妻の体に重なっていく。これは、邪教だ。一刻も早く、妻を抜けさせなくてはならない。そう決意した健二に部下の本田が驚くべき情報をもたらした。教団は、脱会しようとする信者に、ひどいリンチを加えているらしい、というのだ。次のワークショップで、その光景を目撃した健二は――
⇒この話は、連載13回目です。この話を最初から読みたい方は、こちらから、
 前回から読みたい方は、こちらからどうぞ。


 「ああっ、お許しを、お許しを!」
 夜中に、突然、叫んだかと思うと、ベッドの中で身を悶えさせる。
 白い脚を大きく開いては閉じ……を繰り返し、両手が何かを求めて宙をさ迷う。
 睦子は、夢の中でも、教祖・仙道の責めに脅えているのに違いない――と、伊原健二は思った。
 「睦子、睦子……」
 健二は妻の名前を呼びながら、虚空に差し伸べられた手に自分の手を絡ませ、その手をベッドに押さえつけた。
 「お許しを。もう……いたしません。二度と……あの男とは……」
 何を言ってるのだ、睦子は――と、健二は思った。「あの男」とは、だれのことか? それを聞き出したい、と思った。
 「あの男? だれだ、それは?」
 「それは……それは……」
 「言ってみろ! だれだ、それは?」
 「イ・ハ・ラ……ケ・ン・ジ……」
 「おまえの亭主か?」
 「わ・た・し・の・か・ら・だ・は……教祖さまだけのもの……でございます」
 健二の中で、何かが音を立てて崩れた。
 祭壇の台の上に組み伏せられ、仙道に体を貫かれて絶叫する妻の姿態が、目の奥に浮かんだ。妻は、身も心も仙道に支配され、いまだに、そのコントロール下に置かれているのに違いない。
 何てことだ。
 許せない! こいつの体から、あの仙道の幻影を追い払ってやる。
 それは、体の奥からの怒りの炎となって燃えた。

       バラ

 健二のペニスは、久しぶりにいきり立った。
 笹川清美にそそのかされて、意に沿わず反応してしまったときの怒張とは、種類の違う漲り方だった。
 健二は、怒りに膨らむそれを睦子の開かれた脚の奥に突き立てた。
 「あ――ッ、教祖さま。お許しを、お許しを――ッ!」
 まだ言うか――。
 痛いほどに猛り狂ったそれを、これでもかと妻の体に送り込んだ。
 「出て行け、仙道!」
 そう叫びながら送り込んだ。
 先端が、コリッとしたものに触れた。
 それまで感じこともなかったものが、ペニスの先端に当たっていた。そこへグイと肉棒を突き立てると、睦子は、「あ――ッ!」と声を挙げ、両足を健二の腰に巻きつけてきた。
 シリコンのような感触の肉の弾力が、健二の砲身に絡みついて、それをグイ、グイッ……と、断続的に締めつけてくる。
 それまでの夫婦生活の中では感じたことのなかった妻の反応だった。
 夫である自分には見せたことのない反応を、仙道には見せていたのか――。
 それを思うと、健二の頭には、一気に血が上った。
 「出て行け、仙道! このインチキ野郎!」
 蜜を溢れさせながら、絡みついてくる妻の肉壁に、これでもかと腰を打ちつけながら、健二は、妻の首に両手を当てた。
 妻の顔が、見る見る赤く染まっていく。
 「んぐ――ッ!」
 苦しそうな声を挙げ、やがて、その全身からスッと力が抜けていった。
 健二は、首に当てていた手を放した。

       バラ

 夜が来るたびにうなされる妻。
 健二は、そのたびに、妻の体に重なって、自分のペニスを赤く口を開ける睦子の肉の裂け目に突き立てた。
 それは、睦子の心と体の中に棲む仙道義春とその支配を葬り去るために、どうしてもやらなければいけないことだった。
 仙道が暴き出した睦子の欲望の正体の中に、ひとつだけ、健二の胸を痛めたものがあった。
 「あなたは、ご主人から幸せをもらっていないのですか?」
 仙道が問い詰めた問いに、妻は小さくうなずいた。
 それは、自分が、妻の睦子に「女としての幸せ」を感じさせてないことを妻が認めた――ということだった。妻を買い物依存へと走らせたのも、元はと言えば、それが原因だったのかもしれない。
 睦子を元の睦子に戻すためには、いまは、妻が心の底から挙げている渇望に応えるしかない。そして、そうすることでしか、妻を仙道の呪いから解き放つ術はない。
 「おまえを愛しているゾ、睦子」
 睦子の耳に呼びかけながら、健二は、睦子の体に叫び続けた。
 「出て行きやがれ、仙道! このインチキ呪術野郎!」
 それは、気の遠くなるような作業かもしれない。
 しかし、それでも少しずつ、睦子に変化が表れているような気がした。
 そのかすかな変化を、健二は信じてみることにした。

=第25話「教祖の生贄」は、これにて完=
お詫び最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回作をどうぞお楽しみに。


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