Reo's Journal

美食と旅の、麻生玲央ブログ。

カテゴリ: デンマーク編

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「Royal Danish Theater」、或いは「Det Kongelige Teater」と呼ばれるデンマーク最古の歌劇場。
一つ前の記事で英国ロイヤルオペラハウスを書いたので、ついでに王立劇場のほうも書いておこうかな、と。

デンマーク王立劇場、外観・内装全てにおいて世界の名だたる歌劇場と並ぶだけのグレードはあると思う。前に書いた英国ロイヤルオペラハウスはホール内シャンデリアがないが、こちらにはあるしね(笑)。そのへんはまた後述。

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場所はニューハウン近く。コンゲンス・ニュートー広場エリアにあり、有名ホテル「ダングラテール」からもすぐの良立地。
コペンハーゲンはパリやロンドンと違って観光客が夜に楽しめるスポットが少ないので、コペン滞在中は夜の娯楽としてよく通った。

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客層の服装は北欧らしいというか、カジュアル系の人が結構多かった印象。パリとかだったらスーツでビシっと決めている人や、着物を着て鑑賞しに来る気合の入った人達も見かけるが、ここではそういう人の割合は少ない感じ。

まぁ、テーブルクロス無しのガストロブームを生み出した国ですからね。自由でナチュラル。良いことだ。

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それにしても天井やシャンデリアの作り込み具合が超職人クラス。あの時代だからこそ、ここまで素晴らしい劇場を造り出すことができたのでしょう。今の感覚だと異世界のような美麗さに感じられる。

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こういう雰囲気が好きなんだよね。ボクが欧米に旅する理由の一つ。
日本でこんな伝統的かつ美しい歌劇場はないし。

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上を見上げると、こんな感じ。FFの世界観というか、ラスボスとか出てきそう(笑)。

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コレコレ! コレです。やはり歌劇場にはホール内シャンデリアがあってほしい! ガルニエほど大きくないけど、十分に美しく立派。
英国ロイヤルオペラハウスにも巨大シャンデリアを設置してほしいなぁ。

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さらにアップで(笑)。
見惚れてしまうほどの細かい細工の数々。ヨーロッパならではの文化ですね。

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鑑賞後は夜遅ディナーへ。

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コペンハーゲンの朝。ホテルの朝食で出たパンがあまりにクオリティ低かったんで、早朝から野菜スムージーだけ飲んでホテルを出た。ホテル近くのお気に入りカフェは休店日だし、ランチまで時間があったので観光でもしようとバス停へ向かう。

で、お腹減ってるからちょっぴりイラつき気味でバス停で観光バスを待っていると、どこからともなくパンの良い香りが・・・。周りを見るとパンを持って歩いている人達が何人か・・・。

こんな早朝のバス停前の道路に人が歩いているだけでもビックリだが、そのほとんどの人達がパンを抱えている。ということは、この近くにパン屋があるということ!。

素早くスマフォで自分のいる場所をグーグル(マップ)検索して近くにパン屋があるかとうかを確認してみるが、バス停近くにパン屋の記載は見当たらない。

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・・・いやしかし、バス停から道を挟んだ向こう側に小さい看板が見える(上画像はトップ画像を拡大したもの)。・・・ん? どこかで見覚えのあるアルファベットの綴りとフォント・・・え?・・・いやこれはまさか・・・MEYERS BAGERI(マイヤーズ・バゲリ)の看板! ってこれはマイヤー先生の!? こんな朝早くから営業しているとは・・・しかもバス停前にオープンしてたのは知らなったよ!。
いやはや、ありがたい。朝から野菜スムージーだけのボクには、まさに救世主。

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しかもエステートコーヒーの文字まで! 朝からバゲリのパンにエステートコーヒーまで飲めるなんて嬉しい。
バス停でグーグルMAP検索した時に、この店が出てこなかったのは(訪問当時)まだオープンして間もなかったからかも。
どちらにしてもツイてる! 薄幸のボクでもたまには良いことが起きることもある(笑)。

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さっそく店内に入ると、美味しい匂いに生き返るような心地良い気分に。

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パンとコーヒー、その他の食材を多々購入。

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そしてそのままホテルの部屋まで戻って、MEYERS BAGERIのパン&コーヒーで朝食タイム。
コーヒーは「エステートコーヒー」のものが飲める(というか、この店舗はバゲリとエステートコーヒーが合体した店舗になっている)。

あと、パンに関して詳細紹介されている動画があったので貼っておきますね。何を話しているのかはたぶん分からないと思いますが(笑)、何となく感じ取ってください(美味しさが少しでも伝われば・・・)。



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ちなみにMEYERS BAGERIはアメリカにもあります。ニューヨークのグランドセントラルのフードホールとか。
日本でもそろそろ「MEYERS BAGERI」が出店してきてもおかしくないかも(誰か招致してきて!w)。

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北欧で買って(食べて)気に入った食料品をいくつかピックアップしてみました。基本的にどこの国に行っても市場&スーパーマーケット巡りは欠かせません。その国の人達が普段どんなものを食べているのか? 流行はどうなのか? を知るにはスーパーに行くのが一番の近道ですからね。

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春らしい食材が並んでいる。日本と同じような食材も多いけど、品種が違うし、味わいも当然違う。
土壌や自然も違うからテロワール的な意味でも食べていて面白い。

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フルーツも日本とは全然違う。特にリンゴとジャガイモは実に多彩だ。

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北欧といえば、やはりブルーベリー! ベリー系はどこのスーパーに行っても充実してましたね。

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他にも「fakta」というスーパーマーケットもよく使いました。店名、現地の人に発音を教えてもらったが北欧語は難しい(笑)。

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そしてデンマークでもっとも有名なスーパーマーケット「Irma」。土産物も含めて、この一軒さえあれば大体の物は揃う超便利な存在。

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コペンの大通りにセブンイレブンが!(笑)・・・実はセブンイレブンってコペンの街には結構あるんです。ここはその内の一軒。
日本のセブンイレヴンと品揃えが全然違っていて、かなり北欧化してます。

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ジュースマンのコールドプレスジュースがドーン! と並ぶあたりが北欧の超ヘルシー潮流を物語るかのよう。
日本も最近は野菜ジュースが増えまくっているし、世界的に健康志向は流行を超えて定着レベルの域にきてる感。

ネット時代となり、情報が溢れすぎる時代。その恩恵として確実に世界の消費者たちは賢くなってる。無駄なものや高いものは買わない。でも健康という実用的な価値には課金する。世界がビオ潮流になってきているのも、その流れの一つでしょう。

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もちろん買いました(笑)。日本のセブンイレヴンにも同じ商品を置いてほしい! 絶対売れまくるよ。

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北欧スイーツ巡りも。上画像は「Leckerbaer」という名のペストリーショップ。

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この手作り素朴感が西洋っぽい。

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他の店に移動してジェラート店でダブル。これが超濃厚! ジェラートの価値はフレッシュな食材をどれだけたっぷりとケチらずに使うかで決まると思ってる。

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基本的に海外ではホテルの朝食は食べずに、市場やスーパーで買ってきたものをホテルの部屋で食べるか、カフェで食べるようにしています。以下、デンマークで朝食用に買ってきた食料品をピックアップ。

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Irmaちゃんのミネラルウォーター! ガス入りとガスなしの2種類あります。

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コペンハーゲンはいろんな野菜ジュースが売っているので嬉しい。

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メイヤー先生ブランドのやつも。

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野菜ジュースはコールドプレス系グリーン派です。

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野菜ジュースの種類だけでいえば世界トップクラスではなかろうか。

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アッポージュース。デンマーク語で書いてあるから何の飲み物か分かりにくい(笑)。
どうしても分からない時はジャケ買いする。

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パンはデンマークならではの伝統的なものが多くて良かった(クオリティはともかく)。
上画像は「Snegl」。英語でいえば「Swirl」。日本語でいえば「ロールパン」。

日本語というかカタカナで北欧語の発音を表記するのは絶対に無理だけど、ようするにシナモンロールみたいなやつ。いくつか種類があって、これはブラウンシュガーバージョン。

デンマークのパンといえば大体はこの「Snegl」。たぶん、日本だと「アンデルセン」でも売っていると思います。

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「Tebirkes」という名のパン。これもデンマークでは伝統的なパンらしいです(知らんけどw)。
説明するのが難しいので詳しく知りたい人は下記のアドレス先でどうぞ(笑)。

https://da.wikipedia.org/wiki/Tebirkes

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クリームパン系は世界共通の人気パン。みんなトロトロ柔らかいのが好き。

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北欧産バターも多々買い。酪農王国だけあって種類が多かった。

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野菜はベビーケールとトマトを中心に購入。洗ったらすぐに食べられるので重宝する。

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フルーツは旬のイチゴ。
中までちゃんと赤い! めちゃウマでした。

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朝食のタンパク質補給がてら購入していたのは鰊! さすがは鰊料理が郷土料理だけあり、スーパーで売っているパック入り鰊でも旨かった。脂ノリノリ。

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北欧産チーズ。
酪農王国とはいえ、やはりチーズはフランスやイタリアのチーズのほうが地方色に富んでいてボクは好き。

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コペンの市場で買った魚のすり身を使った揚げ物。日本でもよく売ってますが、この店のはスパイス効かせてあってタイ料理っぽい味付けでした。

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以上、ホテルの部屋で食べた食料品の一部でした。外で食べる朝食カフェ編もまたいずれ。

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北欧の二つ星レストラン「A・O・C」(2017年現在のシェフはSøren Selin氏)にディナー訪問。

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席間の広さに驚く。グランドメゾンといってもいいぐらい。ムーディな雰囲気もボクが持つ北欧のイメージに近いものがあって楽しい。

以下、コース料理です。

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若芽巻き。

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キュウリのマリネ。

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コケの上に2種類のフライ物。

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鳥の巣の卵状のものはセロリアックで作られており、奥に見える小皿のバタークリーム&魚卵を塗って食べる趣向。

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手巻き鮨のように自分で具やソースを巻いて食べる手巻きクレープ。

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鮨のように見える盛り付けだが、デンマーク産チーズと魚、モルネーソースというグラタン的な一皿。

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帆立やアスパラ根菜を薄くスライスし、下はディル風味のクリームソース。先程の料理もそうだが、酪農王国らしいクリーミーな料理が続く。

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キングクラブをポーチしたもの。スープというか出汁は昆布を使ったものとのこと。
最近はパリやロンドンでも「出汁」や「茶碗蒸し」的な料理が出るけど、北欧は特に昆布を使った料理が多い印象。日本料理ブームというのもあるのかもしれないが、やはり北海道と同じく北欧のような北の海では昆布が良く育つからかな。

良いと思った食材や調理法はどこの国のものでもボーダレスに取り入れ、その上で自分達の国の料理にする大胆さが今の時代の前衛になるためには必要なんだろうね。

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ここでブレッド登場。アイスランドの海藻を使ったクリームが北欧らしい。

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新ジャガとキノコ、デンマークチーズの泡。これと別添えでハーブの花束もついてくる。

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ラム。

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炙ったロメイン。

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菊芋とヘーゼルナッツのデザート。

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ノルディック ヴァニラ。

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AOC、面白美味しいレストランだった。今のコペンハーゲンでもっとも三ツ星に近い二つ星レストランじゃないかな。

北欧料理の面白いところは、料理の自由さにあるとボクは思っている。
例えば。フランス料理であれば、どんなソースであっても古典料理(カレーム時代からエスコフィエの「Le Guide Culinaire(本)」まで)の基本から外れることはないが(創作料理系は別として)、新北欧料理のソースは、そういった枠にとらわれない自由さが面白い。

これはどんなソースだろう? この組み合わせでシェフが伝えたい味やコンセプトは何か? どれだけの仕事量が施してあるのか? 隠し味は何か? そんなことを考えながら全神経を皿の上に集中させて食べる料理(ガストロノミー)の楽しさたるや! 未知を既知にする喜びと達成感。これぞ北欧ガストロノミーの魅力ではなかろうか。

単に美味しいもの(旨いもの)を食べたければ、熱々の白御飯に明太子を乗せて食べればいい。精肉店でA5和牛を買って家でしゃぶしゃぶ(タレは市販のゴマダレ&ポン酢)を作って食べればいい。家ならピールもワインも小売価格で飲める。外食だって日本ならワンコインでいくらでも旨い料理が食べられる。

でもガストロノミーは違う。ガストロノミーは職人芸、芸術、音楽、そういった文化と並ぶものの一つだ。単に食べるものではなく、皿の上に表現された(あるいはコースの構成で表現された)技術力とセンスの極みを楽しむエンターテインメント(もちろん内装や接客レベルも大事な要素)。

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新北欧料理は短期間に集中して食べ歩いていても飽きないんだよね。みんな個性派ぞろいだから。
伝統的な北欧の郷土料理を今を生きるシェフが様々な国の要素を取り入れながら新しい料理(レシピ)として生み出す。

テロワール主義はもちろん、世界のどこにもない、人から真似されるぐらい凄い料理を生み出すこと、自分だけのオリジナリティを生み出すことに人生をかけている。

新しい味(料理)の発見は新しい星の発見よりも人類の役に立つ(byブリア・サヴァラン)という名言があるが、人は常に新しい味(料理)を求める好奇心旺盛で貪欲な生き物だ。そういう意味でも、現代のフーディーズ(プロも含めて)の好奇心が新しい味を生み出す可能性の塊である北欧や中南米の食文化に興味が注がれるのも納得である。

次のブームは北極大陸か、アフリカか、南極大陸か。人が新しい味を求め続ける限り、世界の食文化の進化は止まらない。

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北欧ではカフェも楽しみの一つ。

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☆店データ☆
店名 ; Restaurant AOC
住所 ; Dronningens Tværgade 2, 1302 København K, DK
電話 ; +45 33 11 11 45


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デンマークのストロイエにある「Europa 1989」はガイドブックのカフェ特集ページでもよく載っている有名人気カフェ。ストロイエというコペンハーゲンの中心街にあり、観光の休憩スポットとしても重宝する一軒です。

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店内はバーカウンターとテーブル席。イマドキの北欧風モダンデザインではなく、イタリアのバールっぽい雰囲気といえばいいかな。夜にはアルコールで一杯、みたいな使い方が似合いそう。

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日本は深煎り、北欧は浅煎り、とよく言われるが北欧カフェと言っても実に様々。今回の北欧旅ではガストロ系レストラン巡りと同時に北欧カフェ巡りもしながら、現在、そして未来のコーヒー業界の方向性に関して勉強する機会が多かったのは予想外の収穫だった。

まぁ、その辺はボクがイキリ長文を書くよりも(笑)、SNSで分かりやすい記事へのリンクを見つけましたのでコピペしておきます。興味ある人は読んでみてくださいまし。

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