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2月27日(金)と28日(土)に、オープンソースカンファレンス2015 Tokyo/Spring に参加してきました。
展示発表とセミナー発表を行い、たくさんの方とお話しすることができました。
皆様、本当にありがとうございました。

展示発表について
展示発表は2日間とも行い、Processingについてご紹介しました。
上の写真が展示スペースの様子です。
くまモンTシャツで頑張りました!

展示内容としては、Leap Motionを使ったProcessingの作品がメインでした。
こちらにコード等詳しい内容を書いています :
Processing で Leap Motion を動かしてみた : だらっと学習帳
展示してみると、ProcessingというよりLeap Motionの方が注目されてしまい、
Leap Motionの性能チェックをされる方が思ったより多かったのが反省点です。
もっとProcessingを全面にアピールすべきでしたし、
Processingの楽しさ・手軽さが伝わるような作品を練るべきでした。
特に、Processingのコードについてはうまく伝えるしくみが必要であると感じました。
コードと作品を見比べないと、手軽さは伝わりませんから、
次からはコード自体も展示できるように工夫したいと思います。
今回のアピールポイントとしては、Processingはこういった外部機器と接続しての作品も簡単に楽しくつくれるということだったのですが、
しかしProcessingだけに焦点を当てるためにインタラクティブ性のない作品(眺めるだけの作品)を展示するのもあまり面白みがないでしょうし…難しいところです。

また、今回は先日つくった私の作品集も展示しました。
キンコーズでProcessingの作品集を製本してもらった話 : だらっと学習帳
これはつくって良かった、持ってきてよかったなと感じました。
というのも、やはり PC + Leap Motion の展示はうまく動かないこともありました。
そういった時に再実行や再起動するわけですが、その間の良いピンチヒッターになってくれました。
もし、同じようにデジタルな作品を展示・発表する方がいらっしゃいましたら、
アナログな作品集づくりは本当にオススメですのでぜひ挑戦してみてください。
問題としては、製本料金が少し高いので、
もし評価してくださる方がいても、その場でポンと渡すことができないことです。
これは非常に悔しいことです。
何とかしてコストを下げるという解決策もアリですが、
作品集を同人誌と捉えると、それに対応するところの「ペーパー(同人サークルが無料配布するチラシのようなもの)」を制作してみるのもよいかなぁ、と思いました。
名刺とは別に、ペーパー配布で作品を覚えてもらうというのも楽しい試みかもしれません。
ぜひ挑戦してみたいですね。

もうひとつ、BNN新社さんの「[普及版]ジェネラティブ・アート」も展示品として持参しました。
実はこの本の編集を少しだけお手伝いさせていただいたので、PRも兼ねて展示しました。
「[普及版]ジェネラティブ・アート」の日本語版編集協力としてお手伝いさせていただきました! : だらっと学習帳
Processingのアートな部分をお伝えするための心強い展示品となりました。
コードがたくさん載っているので言語としての特性も説明しやすかったです。
題材も、技術系の方々にはおなじみのセル・オートマトンやフラクタルといった要素が取り入れられているので、
アート方面にあまり詳しくない方にも説明しやすかったと思います。

セミナー発表について

「プログラミング初心者さんにもオススメ!アートなプログラミング言語 Processingについて」というタイトルで、
28日(土)10時からセミナー発表を行いました。
朝早くからの発表にもかかわらず、30名ほどの方にご参加いただきました。
内容としては、Processingの特徴や長所についてはもちろん、
今回は大学授業にProcessingを取り入れた話を中心にご説明しました。
ざっくり言うと、「Processingはプログラミング初心者にも『なんだか自分にもできそうだぞ』と思わせてくれる言語である」ということを軸にお話ししました。
今まで、C言語のみの授業では具体的な結果(プログラミングによる成果物、ゲームやアプリ等)が見えてこず、
さらには内容自体も難しいことから、
「自分にはプログラミングは向いてないんじゃないか」
「プログラミングの授業を受けても楽しくない」
「課題だけ解いても達成感がない」
といった気持ちが受講者の中にはあったと思います。
そこをProcessingを導入することで解決していこう、というお話でした。
スライド中にも書いていますが、授業中、
スマホのゲームを見せて「Processingでこんなゲームつくれますか?」と質問してくれた受講者がいらっしゃいました。
シューティングゲームだったのですが、私は「つくれますよ」と答えました。
しかし、(表現は悪いですが)素人考えであっても、
まったく作れる見込みがなさそうならそもそもそんな質問はしないと思います。
自分にもできるんじゃないか、と思ってくれたからこそ、質問してくれたのだと思っています。
そういったところからプログラミング学習に希望が生まれて、
学びが深まるのではないか、というのが私の主張です。
まずはProcessingで、簡単に、手軽に、楽しく、丁寧にやっていけば、
プログラミング学習はもっともっと、面白くて刺激的なものになるのではないでしょうか。

今回の発表は、以下の記事をベースにしています。
大学の授業で Processing を取り入れた話 : だらっと学習帳
反響が大きかったので、発表としてまとめました。
なお、上記の記事に、実際に授業で使用した資料をまとめています。

まとめ
今回、このカンファレンスで、Processingについてお話ししていく中で、
「名前は聞いたことあるけどやったことはない」という方がとても多かったのが印象的でした。
これは私としては、実は少し嬉しいことです。
数年前までは、Processingは名前すらも知られていませんでした。
それが、アート方面はもちろん、最近では教育方面やデータビジュアライズ方面等、
様々な場所でProcessingが活躍することで、
なんとか、名前だけは届いているらしいということがわかりました。
次のステップは、「やったことはあるけど挫折した」層を増やすことです。
まずは、挑戦してもらうこと。その後挫折しても救済のやり方はいくらでもあります。
私の授業を受けた受講者が、その後「やったことはあるけど挫折した」層になっても良いでしょう。
プログラミングの授業のアプローチ方法が色々あるように、
Processingを挫折した後のアプローチもそれはもうたくさんあることでしょう。
まずはそこから始めていきたいですね。


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今回のカンファレンスでたくさんの方とお会いしましたが、
お話ししきれないことも多々ありました。
よろしければぜひ以下のプロフィールページもご覧ください。
過去の活動についてまとめています。
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