February 11, 2012

吉村昭範/D.I.G ARCHITECTS オープンハウス

11FEB2012

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名古屋に来て知り合った建築家の吉村昭範さんよりオープンハウスのご案内を頂き、行ってきました。
吉村さんは早稲田大古谷研出身、鈴木了二事務所という、2人の偉大な建築のもとで修行を積んだ血筋の持ち主。
さらに、奥様の真基さんは早稲田大石山研出身、FOBAで修行を積んだ、これもまた並の根性ではとてもつとまらないだろう経歴の持ち主。
吉村夫妻は2005年にD.I.G ARCHITECTSを設立して以来、数々の受賞に現れているように、経歴を裏切ることなくその実力を発揮している。

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さて、訪れたのは「The Garden 覚王山」と名付けられた3棟の住宅からなる建築。
私にとって名古屋に訪れてしばらく仮住まいをしていた池下と名古屋大学の間にある覚王山は徒歩で通っていた場所で、幹線道路から少し入ったところに目的の建築はある。
各棟はすべて木造、2棟は地下1階地上3階建て、1棟は地上3階建てで、それぞれ96から120m2の規模を持つ。
外壁は黒、白、ベージュの色彩が施され、階層構成によるのだろうが各棟の間に設けられている隣棟間隔により垂直性が印象的な外観を持つ。

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コストの制約か、外壁は成形板に塗装を施しただけで、素材としては極めて抽象的な材料が用いられている。
こうしたスタンスは北山恒にも通じるものがあるだろう。

中に足を踏み入れると合板、成形坂、コンクリート、スチール(手すり)といったむき出しの材料が一部塗装のほか素のまま用いられている。
ここでは写真を撮ろうとするとどうしてもタテになる。
というのも、スキップフロアによりスパイラルアップする空間構成により正面、上、下とスペースがずるずるとつながっていくからだ。
スキップフロア自体は、実際には新規性があるわけではないが、この空間における居心地の良さは何かと考えたとき、後で写真を見返してみて感じるのは光の取り入れ方が巧妙であるという点だ。

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階段の蹴込み、内部壁面に設けられた縦長の開口、外壁面に設けられた矩形の開口、
部位(床)と部位(壁)の間、突出したボリューム越しに差し込む光が、訪れた日時の天候の良さもあったのだろうが、
壁、床に明確な明度差をつくり、空間に躍動感を生んでいる。
どちらかというと無彩色な素材とそうした素材による緊張感のある空間のなかで、一部壁面いっぱいに広がるペイント画のテイストとその中に用いられた青や黄色が、脱力感を誘い、住宅としての用途が持つべき雰囲気作りに寄与している。

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ちなみに、東北大建築学科で同期だった北野博宣(大学院より早稲田大古谷研究室に進学)と吉村さんは、早稲田大古谷研で先輩後輩の関係だったという。
北野もまた内藤廣事務所で修行した後、独立しているが、そうしたところにも早稲田大の教育の方針とその成果が現れているのだろう。

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