RERAのウイスキーブログ

40過ぎのおっさんが、ジャパニーズ、スコッチを中心にウイスキーを飲み、独断で評価していきます。

2014年11月

27日で40歳の誕生日を迎えました。

バースデーケーキでお祝いされる歳でもなく、糖尿病なので甘いものもNGということで、一人でザ・ニッカバーにまた赴きました(その前にエッチなお姉ちゃんと遊んできましたが...)。

scYoichi10そこで気に入っている余市の原酒を飲もうとしたところ、なんと販売停止の文字が!
どうやら余市、宮城峡ともに原酒販売の一時停止をしていることで入手できなくなったようです。

そういえば、最近になって幻のウイスキー状態にあったハイニッカなどがスーパーでも見かけるようになり、夏に余市蒸留所に行った時も中国人の観光客が多く、180mLのシングルカスクのボトルが売り切れているのも見ましたので、前兆はあったのでしょう。

ニッカにとってみれば、ドラマのブームによって売り上げが伸びてきて、ウイスキーファンが愛する銘柄を前面に押し出して攻勢をかけている今、原酒が足りなくなっているのは仕方のないことでしょう。

また、ウイスキーは数年以上の熟成が必要なお酒ですから、需要分をすぐに供給することもできないし、増やしても人気が沈静化して大幅に出荷数が激減すれば経営の危機にも陥りやすくなってしまいますから、とてもリスキーでもあります。 

サントリーもハイボールブームによって原酒が足りなくなって、一部の銘柄を販売終了にするなど大鉈を振るいましたが、ブームが沈静化することなく続き、ドラマでもサントリーの創業者がモデルとなった配役もあって、こちらはうまく波に乗っている様子です。 
長期的な視点で見ると、実はドラマのブームで一番勝ちそうなのはサントリーではないかとひそかに思います。

浮かれている場合でもなく、ニッカにとっては今が最大の勝負どころではないでしょうか。 

今回はジャックダニエルを飲みます。

jdよくバーボンだといわれますが、それには属しません。なぜなら、蒸留所はテネシー州のリンチバーグにあるからです。
バーボンを名乗るためには、最低でもケンタッキー州バーボン郡に蒸留所がある必要があるのです。
ジャックダニエルはテネシーウイスキーと言われます。

 ジャックダニエルでは、トウモロコシをメインにしたグレーンウイスキーを主体にしていて、蒸留の後にサトウカエデの炭に一滴ずつ垂らして濾過を行い、新樽に詰められて熟成されます。今回のブラックでは5年間熟成されます。
はっきり言えば、ジャックダニエルとバーボンとの違いはわずかで、生産地とフィルタリングの2点だけです。

ちなみにジャックダニエルの蒸留所のあるリンチバーグおよび属するムーア郡では、禁酒法が廃止されてもなお禁酒条例が施行されている地域で、

今回は1:1のハイボールにして飲んでみます。
まずグラスにジャックダニエルを注ぐと、メロンのような甘い香りが先にやってきます。

炭酸水を注いで飲んでみると、先ほどのメロンの香りの後で、メープルシロップ、接着剤、ウッディな香りがついてきます。サトウカエデの炭を使っているせいか、カラメルというよりもメープルに近い気がします。 

味は、酸味が強めで、ナシ、リンゴに近い感覚があります。一方で香りにつられるようにメープルシロップのような甘さもあります。

全体的にはバーボンの傾向を持ちつつも、甘さと香りに特徴があります。

一般的な1:3比率のハイボールにすると、独特のエステリーな香りが抑えられ、初心者でも飲みやすくなります。

価格は700mL、40度で1800円ほど。一般的なバーボンに比べると高めですが、香り豊かで甘みのある味わいは十分な価値があるでしょう。

<個人的評価>
・香り B: メロン、メープルシロップの香りが目立つ。
・味わい B: アメリカン独特の癖の上に甘みがあり、単純ではない。
・総評 B: バーボンに非ずの精神は健在。ハイボールでもいける。 

先日、近所にあるイトーヨーカドー(ファッションビルの地下にある食品売り場だけの店舗)に立ち寄ったところ、今まで売り場に存在していなかったハイニッカやブラックニッカスペシャルが陳列していました。
ついこの間までは、酒屋に行ってもハイニッカのボトルなどまったく見かけなかったのに、最近ではドン・キホーテでも登場しつつありました。

朝の連続テレビ小説「マッサン」の影響もありますが、ニッカがもともと推していたものではない、古くからのニッカ党が愛飲する銘柄が表舞台に再登場したことはうれしい限りです。

ブラックニッカスペシャルとハイニッカは、1960年代にコストパフォーマンスを追及して発売された銘柄で、まさに黒いボトルを採用したブラックニッカは1級、ハイニッカは2級の代表格となりました。

しかし最近では、初心者でもなじみやすいサントリー的な流れが強く、ブラックニッカクリアやリッチブレンド といった癖の少ないものがメインになりつつありました。

その中で「マッサン」の放送によって、本物のウイスキーを追求した竹鶴政孝の功績が再評価され、彼が力を込め、晩年には愛飲された銘柄がバイヤーの目に留まったのでしょう。

すでにこのブログでも書きましたが、双方とも本格的なウイスキーのテイストを残していて、竹鶴イズムが凝縮されたものになっています。
もしスーパーでこれらを見かけたのであれば、ぜひとも買って飲んでいただきたい。

ブラックニッカスペシャルのレビュー

ハイニッカのレビュー 

jandb日本で古くから知られているスコッチウイスキーのブランドがいくつかありますが、今回はJ&Bを飲みます。

J&Bとは、イタリア出身のジュステリーニとイギリス出身のブルックスという二人の創業者の名前のイニシャルからとられています。取り扱っていた会社も「ジュステリーニ・アンド・ブルックス社」でしたが、現在はディアジオが買収しています。
J&Bレアは発売当初から、緑のボトルに赤いキャップ、黄色地のラベルに赤くJ&Bと書かれたボトルデザインが特徴となっています。自前のウイスキーをバーなどで目立たせるためにしたとされていますが、現職を大胆に使うイメージはイタリアを想起させてしまいます。
使用しているモルトの多くはスペイサイドで、ノッカンドゥ、ストラスミル、グレンスペイ、オスロスクなどをキーにしています。

いつものようにロックで飲んでみると、飲み口はアルコールの刺激が強めであるものの、そこそこのピート香のあとにはちみつ、 青りんご、なしの香りが追ってきます。このあたりはスペイサイドモルトが活かされているのがわかります。
味わいはストレートに近い状態でも比較的甘味が感じられ、ウイスキーとしての必要十分な癖を伴いつつも比較的飲みやすいものになっています。 

J&Bではカクテルとして楽しむことを勧めていて、コーラハイやマンハッタン(正確にはロブ・ロイ) など、いくつかのカクテルが公式サイトに掲載されています。

価格は700mL、40度で1700円ほど。スタンダードなブレンデッドとしては高めですが、 比較的に飲みやすいので、初心者にも勧められるでしょう。

<個人的評価> 
・香り C: スペイサイドならではのさわやかさに甘さが加わった印象。
・味わい B: 甘さがあり、とっつきやすい。割って飲むのもよし。
・総評 B: 価格が高いのが難点だが、比較的気軽に飲める銘柄。 

お歳暮、お年賀のウイスキーとして個人的にお勧めする特集を組んでみました。
前回はジャパニーズでしたが、今回はスコッチです。
なお、バーボンはそれほど飲んでないうえに高い銘柄は未経験なので、今回は採り上げません。ご了承ください。

<スコッチ> 
シーバスリーガル ミズナラスペシャルエディション(ブレンデッド、700mL、43度、3500円) 

chivasRegalSpecial現マスターブレンダーのコリン・スコットが企画した銘柄で、有名な12年物の原酒をミズナラの樽で後熟してしあげたものになっています。
ミズナラは日本原産で、樽にしたときに原酒に成分がしみこむ割合が少なく熟成に時間がかかりますが、香木の白檀や伽羅といった香りを伴う特徴があり、欧米でも注目されている樽材です。

ロックで飲んでみると、飲み始めから甘い香りと味わいがやってきます。
感覚は蜂蜜やキャラメル、ナシや青リンゴ、というところでしょうか。アルコールの刺激はほどよく抑えられていて、 ビターな味が多いスコッチらしからぬかなり甘い仕上がりになっています。

もともとの12年も甘いストラスアイラのシングルモルトをキーにしているので甘い部類に入りますが、さらにミズナラの樽にマリッジすることで、ジャパニーズっぽい味わいが加わった印象があります。
もともと甘いウイスキーが主流だった日本限定に作っただけに、日本人好みの味に仕上がっている気がします。

<個人的評価> 
・香り B:ピートの香りは抑えられ、甘くて華やかな香りが主にやってくる。
・味わい A:甘い。ナシや青リンゴのさわやかさと蜂蜜やキャラメルの甘さが強く出た印象。
・総合評価 A:通常の12年以上に甘く仕上げられたウイスキー。日本人向けに仕上げられた印象。  

ジョニーウォーカー ゴールドラベル・リザーブ(ブレンデッド、700mL、40度、4500円) 

jwGoldジョニーウォーカーというと、赤ラベルと黒ラベルが有名ですが、その上位として、ダブルブラック、ゴールド、プラチナががあります。

ゴールドは熟成年数が明記されていませんが、12年よりも厳選された原酒を使うことで、さらに濃い仕上がりを求めています。 

ロックで飲んでみると、黒ラベル同様にスモーキーが先にやってきて、後からはちみつ、カラメル、レーズン、青りんごと、さまざまな香りが次々と訪れてきます。

味わいは甘さが主体で、香りにつられてカラメル、はちみつを思い起こせるものになっています。そのあとで酸味もしっかりついてきます。

全体的には、黒ラベルの香り、味をさらに濃くしたようなイメージがあります。ジョニ黒が好きな人であれば、このゴールドも十分満足できるのではないでしょうか。

<個人的評価> 
・香り AA: 黒ラベルをさらに濃くしたような特徴的な香り。スコッチの各地のモルトの良さがそれぞれ引き出された印象。
・味わい A: 複雑な甘さがメインで受け入れやすい。
・総評 A: ウイスキーのすべてがぎょうく宿されたような香りと味。どちらかといえば万人受け。 

オールドパー 12年(ブレンデッド、750mL、43度、3500円) 

oldParr岩倉具視が率いる欧州使節団によって、日本で初めて伝えられた本格的なウイスキーです。 
すでにそのころにはウイスキーと呼ばれるものがありましたが、アルコールに着色料と香料を混ぜたまがい物でした。
明治天皇に献上された本物のウイスキーは、吉田茂や田中角栄などの要人をも虜にしました。

ロックで飲んでみると、シェリー樽原酒由来のレーズン主体の華やかな香りがメインに来ます。追ってレモン、なし、青リンゴの香りさわやかながついてきます。
味わいは甘さが主体で、酸味がそれを引き立てるようにつながっていきます。

サントリーオールドはデザインなどをオールドパーから拝借した部分が多いですが、味わいも手本にしているのが理解できるでしょう。
全体的に穏やかで日本人向きなブレンドですし、古くから高級なウイスキーとして有名である分、贈り物には最適でしょう。

<個人的評価>
・香り A: レーズンがメイン。あとから青りんご、なし、レモンのさわやかさが通り過ぎる。
・味わい A: 甘さが主体、バックから酸味が甘さを引き立ててくる。
・総評 AA: 万人受けするギフト向きの一品。

バランタイン 17年(ブレンデッド40~43度、700~750mL、4500~8000円 )

ballantine17バランタインのラインナップの中でも、ファイネストに次いで古く、 「ザ・スコッチ」の異名を持ちます。
正規品だと8000円もしますが、並行輸入品では4000円台で購入が可能です。

ロックで飲んでみると、アルコールの刺激はそこそこで、後から青リンゴ、ナッツ、カラメル、ハチミツの香りが追ってきます。ピートから来るスモーキーさはほんのり感じられる程度です。
味わいは酸味が主流で、アルコールから来る辛さもあります。 

加水すると、レーズンの香りが前に出てくるようになり、さわやかな香りがなりを潜めます。
味わいも酸味の質が少々変わり、ブドウに近い物になります。

ジョニーウォーカーのゴールドが甘さを追求したブレンドに対して、バランタイン17年は酸味とビターが主体になっています。 
どちらもスコッチのバラエティを実感できるウイスキーですが、贈る相手によって分けて考えたほうがいいでしょうね。

<個人的評価> 
・香り B: さわやかな青リンゴが前に来て、ナッツ、カラメル、ハチミツが付いてくる。
・味わい B: 酸味が主体、辛みが次、ほんのりスモーキー。
・総評 B: 癖が強めで、ある程度飲み慣れた人に向いたブレンド。

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これからお歳暮、お年賀で贈り物をする季節になりました。
最近はそういった習慣が薄れてはいますが、1年間お世話になった方に贈り物をしたいという人もまだまだ多くいるかと思われます。

その中で、人気が出てきているウイスキーはどうだろうと思う人もいるかと思います。
そのような方のために、個人的に飲んだ中で最適な銘柄をピックアップしていきます。
あまり高い値段の銘柄だと、相手からのお返しが厳しくなってしまいますので、必要十分と思われる5000円前後をターゲットにしていきます。

今回はジャパニーズを採り上げていきます。

<ジャパニーズ> 
サントリー 響 12年 (ブレンデッド、700mL、43度、4500円)

hibiki12サントリーの最高級ブランドである響の12年です。
単に12年物のモルト、グレーン原酒を使うだけではなく、30年熟成の原酒を香り付けに加え、さらに梅酒樽でマリッジさせて仕上げています。

ロックで飲んでみると、ピート香は程よく、そこからバニラ、レーズン、はちみつの香りがついてきます。さらには梅酒樽でマリッジしたことによる梅の香りをほのかに感じます。

味はモルトの甘みが前面に出た感じになっています。かといって甘ったるいわけではなく、自然な甘みに抑えている感じです。そのあとから酸味がついてきます。
一方でアルコールの刺激はかなり抑えられています。

サントリーは角瓶から日本人向けのブレンドを目指していますが、響もまたその理想を忠実に再現したウイスキーになっています。
かつては5000円の領域にローヤルがありましたが、今や半額に成り下がってしまい、この響12年が担っています(昔はクレスト12年というのがありましたが...)。

<個人的評価> 
・香り A:山崎12年に通じる程よいピート香、その後バニラ、レーズン、はちみつ。
・味わい B:いやらしくない甘さの後に酸味がついてくる。
・総合評価 A:日本人の舌に合わせつつもウイスキーらしさを追求した銘柄。


サントリー シングルモルト 山崎(ノンエイジ)(シングルモルト、700mL、43度、4000円)

yamazakiNa山崎蒸留所のシングルモルトの底辺にあるノンエイジです。
かつては10年がありましたが、ハイボールブームで原酒が足りなくなってしまい、やむを得ず廃止して、シェリー樽ではなくワイン樽をメインにしたノンエイジが発売されました。

使用しているのはミズナラの新樽とワイン樽で、シェリー樽主体の12年以降とは異なるヴァッティングになっています。

香りは12年や10年のようなスモーキーさが少なく、シェリー樽ならではのレーズンのような香りも少なく、穏やかなイメージが強調されています。
味わいはサントリーならではの甘みがメインで、スタンダードな銘柄の延長にあるように思えます。

山崎ならではを求めるのであればやはりシェリー樽がメインであるので、ノンエイジを贈る場合は自ら試されることをお勧めします。個人的にはこのあたりの価格帯のウイスキーとしては最低レベルだと思います。

<個人的評価>(A~E)
香り B: スモーキーさは抑えられて華やかな香りが漂います。
味わいB: 力強さはないものの、まろやかで飲みやすいです。
総評 C: 12年以降の香り、味とは別物。贈り物にするなら一度試されることをお勧めする。

サントリー シングルモルト 白州(ノンエイジ)(シングルモルト、700mL、43度、4000円)

hakushu白州のシングルモルトのノンエイジの場合、山崎とは違い、12年と同じモルトの若い物を採用しているため、白州12年よりも若さを感じるものになっています。
元々白州モルトが好きな方であれば、ノンエイジでも満足できるでしょう。

<個人的評価>(A~E)

香り:B サントリーにしてはピート香は強め。その後柑橘系やナッツのような香りが広がる。
味わい:B アルコールの刺激は少なめ。さわやかで軽い。 
総評:A 初心者にもハイボール、水割りで勧められ、ウイスキーファンにとってもロック、ストレートで楽しめる。




ニッカ ザ・ニッカ12年(ブレンデッド、700mL、43度、5000円)

nikka12ニッカウヰスキーが2014年に新発売した銘柄です。

ターゲットはサントリーの響12年ですが、ピートからの香りが強いことを差し引いても、響を意識したブレンドになっています。
ちっとは余市の個性を求めるのであれば、ザ・ニッカのほうが伝わるでしょう。

グラスに注いで改めて香りをかぐと、意外にアルコールの刺激が強めで、その奥からはバニラ、カラメル、バナナの香りがついてきます。
ストレートで飲んでみると、アルコールの刺激、辛みが先に立ちます。そのあと、バナナ、青リンゴ、ウッドの香りが続きます。
味わいはアルコールの辛みがかなり強めで、甘さは少なく、酸味が上回っています。

1:1で加水してみると、アルコールの刺激は一気に薄れ、ピートや樽からのスモーキーな香りが立つようになりました。
味わいも辛みが抑えられて酸味がメインになりました。しかし甘い香りにつられて甘みも感じられるようになりました。ストレートでは荒さが目立ちますが、トゥワイスアップでバランスが良くなり、飲みやすくなります。

最後にロックで飲んでみると、やはり最初はアルコールの刺激があってとがったイメージがあります。ただ、冷えたことによって余市モルト由来のピート香と樽由来のモルティが目立ってきて、重厚さが際立ってきます。
氷が解けていくことでフルーティさが増し、別の顔を楽しめます。

ストレートでは刺激が強くて飲みにくいですが、ロックや割って飲む分には豊かな香りと味わいがあります。

<個人的評価> 
・香り A: アルコールの刺激が強いものの、ピート、ウッディ、バニラ、カラメル、バナナ、青リンゴと豊富な香り。
・味わい A: ストレートではわかりにくいが、加水、冷却されることで酸味、甘みが主体になる。
・総評 B: 価格が4000円あたりに落ち着けば、響と十分戦えるポテンシャルがある。 

ニッカ 竹鶴ピュアモルト17年(ヴァッテドモルト、700mL、43度、4800円)

taketsuru17_wwa余市と宮城峡の17年以上熟成させたモルトを使用したウイスキーです。今年、ワールド・ウイスキー・アワードでワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキーの賞を獲得した実力派です。

ロックでやってみると、まず深いピートの香りと華やかなシェリー系の香りが一緒にやってきます。
余市の重厚さと華やかさが兼ね備わったモルトと、宮城峡の柔らかな香りを持つモルトがともにやってきます。 
甘さは控えめで、余市モルト由来の磯の香りからか、塩気も感じられます。

重厚なボディと濃厚な華やかさが合わさった、とてもパワーのあるウイスキーです。香りも飲み応えも抜群で、ウイスキーを飲んだという満足感に浸れます。 

普通に考えれば1万円以上してもおかしくないレベルですから、ジャパニーズの中では破格のウイスキーと言えます。

<個人的評価>
・香り AA:しっかりしたヨードを含んだピート香とシェリー樽由来の華やかで濃厚な香りが両方楽しめる贅沢な香り。
・味わい A:甘さ控えめで、 塩っ気を感じる。甘いウイスキーが好きな人には敬遠されるかも。
・総合評価 AA:4000円台にしてはあまりにも贅沢なウイスキー。本格的なウイスキーを堪能したい人には是非とも飲んで欲しい。  

ニッカ シングルモルト余市10年(シングルモルト、700mL、45度、4500円) 

yoichi10純粋に余市のモルトを堪能できるウイスキーです。
香りは余市ならではの強いピート香を備えていて、どっしりとした雰囲気を感じ取れます。奥からはほのかにレーズンやバニラの香りもやってきます。

味わいは少々の酸味があり、シナモンのような味も訪れてきます。

全体的には、とても飲みごたえがあるガツンとしたウイスキーですので、あまりの見慣れていない人には癖があって厳しいかもしれません。スコッチが好きな人であれば受け入れられるかもしれません。

<個人的評価>
香り:B 重厚なピート香。その後レーズンやナッツのような香りが広がる。
味わい:A アルコールの刺激は少なくてスムーズ。時折シナモン(ニッキ)のような味も楽しめる。 
総評:B 武骨な男性を思い起こさせるような重さ、硬さを感じる。癖がしっかりしているので人を選ぶ。

ニッカ シングルモルト宮城峡10年(シングルモルト、700mL、45度、4500円) 

miyagikyo10ニッカのもう一つの蒸留所、宮城峡のシングルモルトです。 

香りはフローラルな柔らかい香りと青リンゴやナシのようなさわやかさが主体となっています。
ボディは軽めで、味わいも甘さが前に出ていて、酸味や苦みは抑えられています。

初めてウイスキーを飲む、あるいはなじみが薄い人に本格的なものを贈るというのであれば、無難な選択だと思います。

<個人的評価>(A~E)
香り A: フローラル感が強めでさわやかな香りが後を押す。
味わい B: ほんのりピーティ、甘みが強く、飲みやすい。
総評 B: ボディが軽めでスムーズ。比較的万人受け。



ニッカ カフェモルト(シングルグレーン、700mL、45度、5000円)

coffeyMaltニッカではグレーンウイスキーの蒸溜にカフェ式の連続蒸留器を使っています。一般的な連続式に比べるとアルコールの抽出効率が悪く、素材の香りが残りやすい特性がありますが、逆にそれをモルトとブレンドするうえでの香りづけとして利用しようと考えたのが、創業者の竹鶴政孝でした。

そのカフェ式蒸留器でモルト原酒を蒸溜して作られたのが、カフェモルトと呼ばれるウイスキーです。

わざわざモルト原酒を連続蒸留器で香りと味を殺すなど考えられない、という一般の常識を逆手にとって、カフェ式だからこそ残る香りをうまく利用した新しい発想のものでできたウイスキーです。

ストレートで飲んで最初に感じられるのは、ゴムや硫黄のような香り、そのあとにバナナのような甘い香りがしてきます。 奥にはウッディな香りもしています。
味わうと多少のアルコールの辛味はあるものの、香りにつられるかのようにバナナのような味、 さらにはナッツのような味が奥から伝わります。

加水すると、鼻に伝わる香りにはビネガーのような刺激が加わった印象です。
舌に転がすと、甘い香りは穏やかになってモルトやウッディな香りが前に出てきます。 
味わいは、先ほどのビネガーの香りを延長したかのように酸味が加わり、深みが加わった感じがします。

ポットスチルで蒸溜するモルト原酒とは異なる、酸味がメインになった他にはないうまさがあります。

<個人的評価>
・香り B:アルコールの刺激の後にバナナのような香り、奥からウッディ。加水するとビネガーの刺激が加わる。
・味わい B:バナナ、ナッツのような甘い味。加水すると酸味が加わる。
・総評 B:ニッカしか作れない独自のウイスキーを楽しむうえでは決して高いとは言えない。 

サントリー響は1980年代後半にローヤルを超えるフラグシップとして発売されました。
当初は酒齢の短いもので17年で、価格も8000円を超える高級酒で、なかなか手にできないものでした。

hibiki12そんな中で、2009年により手頃に味わえるよう、響12年が発売されました。
従来の17年以降とは異なり、12年熟成のモルト、グレーンウイスキーを使うのはもちろんですが、それを梅酒の熟成に使った樽にマリッジし、さらに30年以上熟成させたモルトをブレンドすることによって厚みをつけています。
つまりは単なる12年もののブレンデッドではないというわけです。

2月にベビーボトルで飲みましたが、11月になってフルボトルでガッツリ飲んでみようということで購入しました。
すると以前のレビューとは印象が変わったので、内容をがらりと書き換えています。

ロックで飲んでみると、ピート香は程よく、そこからバニラ、レーズン、はちみつの香りがついてきます。さらには梅酒樽でマリッジしたことによる梅の香りをほのかに感じます。

味はモルトの甘みが前面に出た感じになっています。かといって甘ったるいわけではなく、自然な甘みに抑えている感じです。そのあとから酸味がついてきます。
一方でアルコールの刺激はかなり抑えられています。

かつてのフラグシップだったローヤルと比べても、本格的なウイスキーを追求した香り、味は圧倒的に上です。12年物の銘柄を飲んでしまうと、ローヤルがばかばかしいほどイミテーションのような感じをしてしまうほどです。

価格は700ml、43度で4000円台後半と、スコッチの12年もののブレンデッドで高い部類に入るオールドパーと比べても割高です。
一方でニッカも2014年9月末に「ザ・ニッカ12年」を発売し、響12年に対抗する商品を出しましたが、価格は5000円ほど。
不思議なことに、目指す香り、味は比較的似ていますが、ザ・ニッカはストレートではきつく、ロックやトゥワイスアップで響き似た香り、味を表現しています。

対極の考えを進めてきた両社が、このブレンデッド12年というレンジで類似したものを出してくるのは興味深いです。
一方で、サントリーが4000円以上出さないと本気を出さないというのも通っています。

<個人的評価> 
・香り A:山崎12年に通じる程よいピート香、その後バニラ、レーズン、はちみつ。
・味わい B:いやらしくない甘さの後に酸味がついてくる。
・総合評価 A:日本人の舌に合わせつつもウイスキーらしさを追求した銘柄。


カティサークのラインナップとして2013年に発売されたのがストームです。
代わって販売が終了したカティサークモルトに対して、こちらはブレンデッドになります。 

cutty_stormスタンダードに対して、マッカラン、ハイランドパークの比較的長い熟成を経たモルトを採用することで、まろやかさを強めたブレンドにしているとのことです。

まずはストレートで飲んでみます。
香りとしては、オリジナル同様にマッカランからくるレーズンの香りがメインになっています。そのあとで甘酸っぱさが口に広がります。
味わいは甘さが強調されていて、アルコールの刺激が多いものの、比較的飲みやすくなっています。

加水してみると、辛みが抑えられて甘さがさらに強調された味わいになっています。香りもナシや青リンゴ、柑橘系のさわやかさも加わってきます。
ハイボールにしても香りは衰えず、甘さを含んださわやかな味になります。

価格は700mL、40度で1800円ほど。多少オリジナルよりも高くなりますが、ちょっと贅沢をするにはいいかもしれません。
ちなみにこの上に12年、18年があり、より熟成されたブレンデッドが控えています。

<個人的評価> 
・香り A: マッカラン由来のシェリー樽元首の甘く華やかな香りが主体。
・味わい B: 甘味がメイン、酸味が後からくる。癖は抑え目。
・総評 A: ストレート、ロック、ハイボールいずれも甘くて飲みやすいウイスキー。 

ノンエイジながら、安価でスコッチのシングルモルトを味わえるマクレランズの中から、今回はローランドを飲んでみます。

mcc_loローランド地方は、州都であるエディンバラや最大の都市であるグラスゴーがある地域で、かつては多くの蒸留所がありましたが、大量生産に切り替えた時に品質が悪化し、禁酒法がアメリカで施行されたことで供給過多に陥ったことで、キャンベルタウンとともに衰退、現在では3つしか蒸留所がありません(グレンキンチー、ブラドノック、オーヘントッシャン)
残念ながら、マクレランズでは蒸留所の名前が伏せてあるため、どこかは不明です。

ロックで飲んでみると、多少のアルコールの刺激があり、スモーキーさもそれなりにあるものの、全体的にナシのようなさわやかな香りがメインになっています。
味わいも比較的甘く、奥に酸味が秘められた感じです。

加水すると、酸味が表に出てきて、甘さは抑え気味になります。さわやかなハイボールを飲むのであればいけるかもしれません。 

若い原酒を使っているにしても、ストレートやロックの飲み初めにおいては香りが豊かで比較的甘みも感じられます。一方で加水すると一変し、酸味が前に出た味になります。
性格が一変するお酒ですが、それらを理解したうえで、好みになるのみかたで飲むのがいいでしょう。

価格は750mL 40度で1800円ほど。アイラ、ハイランド同様に、自分で買うシングルモルトの入門としては悪くないでしょう。

<個人的評価> 
・香り B: さわやかさが中心の香り。加水するとかなり薄くなる。
・味わい C: ストレートでは甘味が強いが、加水すると酸味が前に出る。
・総評 B: シングルモルトの特性を知る上では資料的価値がある。 

各社の報道によると、著名なウイスキー評論家、ジム・マーレイが編纂する「ウイスキーバイブル」の2015年版で、サントリーが2013年に発売した「シングルモルト山崎 シェリーカスク2013」が最高得点をマークしました。

ウイスキーバイブルとは、ジム・マーレイが毎年発行するウイスキーの著書で、世界各国のウイスキーをテイスティングして100点満点で採点しています。
各国のウイスキーのベストと、世界最高のウイスキーを紹介しています。

11月11日に発売される2015年版で、サントリーが2013年に発売した限定品、「シングルモルト山崎 シェリーカスク2013」が、ワールドウイスキー・ベストの部門で97.5点を獲得し、世界最高の座を手にしました。
ジムの評価では「重厚でドライ、スヌーカーボールのようにまろやか」「表現できないほど天才的」「絶妙な大胆さを備えた香り」 と、賛辞が絶えないようです。

シングルモルト山崎のシェリーカスクは、2009年から毎年、パンチョン、バーボンバレル、ミズナラと並んで本数限定で販売されていたもので、 価格は1万円弱、秋ごろに販売されていました。
しかし近年ではハイボールブームによって原酒が少なくなっているためか、これらのバレル限定のものは市販されていません(蒸留所限定で出ているかも不明)。

ライバルのニッカが、「マッサン」の影響で好調なのに対し、モデルになった竹鶴政孝が建設に携わった山崎蒸留所のウイスキーが賞賛されたことによって、サントリーにも注目が集まるかもしれません。
ちなみに「マッサン」でも、山崎の建設までのエピソードがこれから描かれる予定です。

なお、ウイスキーバイブル2015年ではバーボンの銘柄がトップに来る中で、上位5位にスコッチがラインナップされなかったことも言及され、昨今のスコッチブームに伴う原酒不足、それに伴うノンエイジ化の移行に警鐘を鳴らしています。 

ウイスキーバイブルは個人の評価によるものなので気にしすぎるのもいけませんが、6大産地として余市を紹介した同氏なだけに、おざなりにもできないのも現実です。


 

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