RERAのウイスキーブログ

40過ぎのおっさんが、ジャパニーズ、スコッチを中心にウイスキーを飲み、独断で評価していきます。

2015年05月

yoichiBlニッカの余市蒸溜所の見学のおみやげに限定販売のウイスキーを、と思って売店を見てみると、180mLでも2,000円以上するボトルばかりで、十分な予算を持っていないと尻込みをしてしまうでしょう。
その中でも、一番安くて比較的手に入れやすいのが、今回紹介する「北海道ニッカウヰスキー余市蒸溜所」です。
ストレートな名前ですが、その名の通り、余市蒸溜所限定で売られているブレンデッドウイスキーです。

ストレートで飲むと、先にバナナのような香りが訪れて、その後モルト、ウッディな香りが追ってきます。
味わいもストレートでありながらアルコールの刺激は少なく、フルーツの甘さがメインになってきます。

ロックで飲んでみると、ピートの香りが開き始め、マスカット、ナシ、青りんごのような爽やかさが主に香ってきます。
味わいは酸味が加わってきて、ストレートよりも余市らしさを感じられるようになっています。 

全体的には、ブラックニッカスペシャルやG&Gよりもさらに熟成された印象で、ノンエイジのブレンデッドでありながらも、まろやかで不満を感じない出来になっています。

360mLのハーフボトル、アルコール度数は40度で、価格は2000円ほどです。
フルボトルだと4000円近い価格になりますが、それに見合った熟成感とまろやかさがあり、お土産としても文句はないでしょう。

<個人的評価>
・香り B: ストレートではバナナの香り、加水されるとピート、マスカット、ナシ、青りんごの香り。
・味わい A: ストレートでは甘く、加水されると酸味が加わる。ただし癖は控えめ。
・総評 B: ニッカのブレンデッドとしてはまろやかで飲みやすい。お土産に向いたウイスキー。 

taketsuru21ニッカの値上げで、特に竹鶴の値上げが顕著だったため、まだ飲んでいなかった竹鶴21年を必死に探し、やっとのことで手に入れることに成功しました。昨年末までは17年もまだまだ手に入りやすかったすすきのの酒屋さんでも、17年は全滅、21年も大半が品切れとなっていました。
なんとかGETできただけでも奇跡かもしれません。

さて、竹鶴の中でも非限定品のトップに有る21年は、WWA(ワールド・ウイスキー・アワード)のベストブレンデッドモルトに4度輝き、2009年にはISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)では、ウイスキー部門の最高賞、トロフィーを手にしました。

まずはストレートから飲んでみます。
グラスからの香りは、リンゴ酢のような酸味とフルーティさを併せ持った香りがします。

口に含むと、ピートの香りが土台をなす中で、レーズン、りんご、なし、ライムなどのフルーティな香りが舞台に立ち、その後樽からのウッディ、カラメルの甘い香りが後を追っていきます。
味わいはさほどアルコールからの辛味、刺激は少なく、酸味や苦味、しょっぱさが絡みあい、甘いだけのウイスキーではないような主張があります。 

次にロックにしてみると、ストレートよりもピートの香りが抑えられて、華やかでフルーティな香りが強くなります。
味わいも飲み始めにおいては苦味やしょっぱさが強くなり、甘さが奥に隠れた印象になります。しかし加水が進んでいくとくどいほどの個性が薄くなることで、程よくなっていきます。

全体的にみると、17年よりも尖った印象はないですが、代わりに香りが強くなったことで別の癖が強まった印象があります。
個人的には、加水するとくどくなってしまった感じがあり、むしろストレートで飲むほうが甘さが目立ちすぎず、飲みやすい気がします。
逆に言えば、水割りやハイボールにしてもその個性が消えることがなく、ウイスキーにあまり慣れていない人でも十分に感じられるでしょう。

この記事を書いている時点での価格は10,000円ほどですが、 価格改定で15,000円ほどになる予定です。
そもそもシングルモルトの20年物が20,000円ほどですから、改定されてもまだまだお値打ちであることに変わりはないです。

<個人的評価> 
・香り A: レーズン、リンゴ、柑橘系の香り。加水するとピートの香りが目立つ。
・味わい A: 意外に加水するよりもストレートのほうが甘さがメインになる。加水時には酸味、しょっぱさが出てくる。
・総評 A: 17年に比べると味や香りが濃厚になるが、人によってはくどく感じるかも。ロックで飲むときは要注意。 


今回は久しぶりのハイランドモルト、アバフェルディの12年物を飲んでみます。

aberアバフェルディはハイランド地方の南にあり、アメリカでもっとも有名なスコッチウイスキー、デュワーズのキーモルトで、デュワーズ社が建設した蒸留所でもあります。
ゲール語で「水の神のプール」という意味を持つこの蒸留所の付近には、スコットランド最長のテイ川と、その支流であるピティリー川に面していて、使用される水も、水量豊富なピティリー川の水を使用しています。

まずはストレートで飲んでみます。
グラスからかおる香りは、柑橘系に近いさわやかさがあります。
しかし口に含むと、すぐに甘い蜂蜜のような香りが漂い、奥からミカンの皮のような香りが来ます。
味わいも先に甘さが来るものの、すぐにビターと酸味が覆い隠していきます。 

加水すると、酸味や柑橘系の香りが薄れ、甘さと苦さが両方やってくる不思議な味覚があります。 

ロックで飲んでみると、ストレートで感じた蜂蜜に近い甘い香りが伝わりやすく、ストレートで飲むよりも甘さを感じやすくなります。 それとともに、ピートの香りがうっすらあり、苦みを増幅させている感があります。

全体的には比較的穏やかで甘みもある仕上がりなので、あまりウイスキーを好まない人でも飲める銘柄だと思います。

700mL、アルコール度数40度で、価格は3500円ほど。12年もののシングルモルトとしては比較的安いほうかと思います。 

<個人的評価> 
・香り B: 蜂蜜、ミカンの皮、下地にほんのリピートの香り。
・味わい C: 甘さがあるものの、苦さが組み合わさって、不思議な感覚。
・総評 C: 穏やかだが癖もある、ただでは終わらせない複雑なモルトウイスキー。 


蒸溜所限定のシングルモルト余市12年の中で、最後の一つがシェリー&スイートです。
その名の通り、シェリー樽原酒で熟成させた余市モルトを使用しています。

yoichi12_ssストレートで飲んでみると、口の中にレーズンの香りがこれでもかと広がります。この感覚は、ザ・マッカラン シェリーオーク12年を飲んだ時とほぼ同じくらいです。その奥からはカカオのような苦味を持った香りがついてきます。
そして最後には、余市らしい力強いピートの香りで締められます。
味わいは甘さが主体で、アルコールからくる辛さと苦味がアクセントになっています。 

加水すると、強いレーズンの香りは抑えられますが、柑橘系のようなフレッシュな爽やかさが現れてきます。
味わいは辛さが抑えられて、苦味もダークチョコレートほどになりますが、酸味が現れ、複雑でありながらも甘さを損なわずに引き立てるようになります。

3種類の限定ボトルの中でも、シェリー&スイートになると、高級なチョコレートのような上品な甘さと苦味があり、ザ・マッカランが好きな人であれば気に入る香りと味ではないかと思います。

アルコール度数は55度、500mLで価格は6,680円。度数から考えれば、レギュラーの12年ものとほぼ同じくらいの価格といえるでしょう。

3本のボトルは見事に対照的で、異なる地域にある蒸留所のモルト原酒を、余市だけで作り出していることは、海外のウイスキーファンなどからは驚かれることでしょう。
さらに余市ならではのモルト原酒、さらには宮城峡でも同様に異なる特徴を持つモルト原酒、そしてカフェグレーン、カフェモルトがあれば、ニッカだけでバラエティ豊かな銘柄を揃えることも不可能ではないかと思います。

<個人的評価>
・香り A: レーズンの甘い香りが主体。奥からカカオ、そしてピート。
・味わい A: 甘さがメイン。ストレートでは辛さ、苦さが強め。加水すると酸味が出る。
・総評 AA: 日本人が好む甘さが際立つボトル。ウイスキーに慣れてない人にはおすすめ。

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サントリーが4月にウイスキーの高価格帯の値上げに踏み切ったばかりですが、ニッカも一部銘柄の値上げを決めました。
特に人気の高い竹鶴ピュアモルトにおいては、4割以上の値上げとなっています。

詳細な情報はこちら

taketsuru17_wwaただ、 元々竹鶴ピュアモルトは同じ熟成年数のシングルモルト余市、宮城峡とくらべてバーゲンプライスだったわけで、今回の値上げにおいても、まだまだシングルモルトよりも安い価格となっています。
例えば、余市や宮城峡の15年ものは9000円ほどなのに対して、価格改定した竹鶴ピュアモルト17年が7000円です。
個人的には適正な価格にしたことで、売りやすくなったのではと思います。これに合わせて竹鶴の12年ものを4000円くらいで復活させることができれば面白いことになるでしょう。
しかしそれでも、2年連続でWWAのベストブレンデッドモルトウイスキーに選ばれた17年は、海外でも人気があるので、手に入れるのが難しくなることに変わりはないでしょう。

前の記事にも書きましたが、サントリーもニッカも、消費者が求める長期熟成の原酒がとても少なくなっています。
プレスリリースにも書かれるように、10年ほど前に、ウイスキーの原料であるスコットランド産の大麦が不作になったことで価格が高騰していました
さらにこのころ、国内でのウイスキーの消費は史上最低を更新していて、バブル経済期の1/3にまで落ち込んでいました。

そこで下手に多く仕込んでしまっては供給過剰で価格が暴落し、大損で潰れかねません。
ですので、この時代の原酒はもともと少なかったと言えます。
そのときに、まさかハイボールで人気が復活し、ドラマでさらに油が注がれるとは思っても見なかったでしょう。

消費者が不平不満を言うのは自由ですが、ウイスキーは簡単に作れない、しっかりした熟成をさせるには数年以上の時間が掛かる以上、流行に最もついていけないお酒と言えます。

ハイボールのブームで増産した6年前から先の原酒については大きな問題が無いですが、12年以上の原酒となれば、さらに6年以上の辛抱が必要となります。
その前に、最も少ない原酒の時期がやってきますので、なおさら長期熟成のウイスキーは希少なものになるでしょう。

この値上でブームが一気に冷めてしまうのであれば残念ですが、日本のウイスキー産業を応援するのであれば、ウイスキーは流行り廃りで飲むのではなく、文化として愛飲し続けることが重要でしょう。
 

yoichi12_wv余市蒸溜所では、限定のウイスキーがいくつか売られていますが、その中でも余市12年として、以前に紹介したピーティ&ソルティのほか、ウッディ&バニラ、シェリー&スイートの3種類がラインナップされています。

その中でもウッディ&バニラは、ISC(International Spirits Challenge)2014で金賞を獲得しました。

今回はロックから飲んでみます。
飲み始めは、銘柄のとおりバニラの香りが先に立ち後からバーボンの持つエステリーな香りがほのかにやってきます。
味わいについては、全体的に苦さが強めで、意外に甘さが感じられません。
更に加水が進むと、全体的にバーボンのような香り、味わいを伴うようになり、苦手な人ほどなおさら飲めないものになっていきます。

一方でストレートで飲んでみると、却ってこちらのほうが先ほどの苦さが少なく、むしろバニラの甘さを感じやすくなります。エステリーな香りもアルコールの刺激もそれほどやって来ません。 

ウイスキーでは加水されることで香りが開くことがありますが、 このウッディ&バニラはバーボン好き方向に開いてしまっている感じがあります。

500mL、アルコール度数55度で、価格は6,680円(蒸留所での価格)。 

<個人的評価>
・香り B: バニラの香りがメインだが、エステリーさが伴う。加水するとバニラが薄くなる。
・味わい C: ストレートではバニラの甘さを感じるが、加水すると苦さが強くなる。
・総評 C: 飲み方によって複雑に顔が変わるが、甘いウイスキーが好きな人には向かない。

以前、このブログでも書いたように、ニッカの蒸留所でかつて販売されていたシングルカスクが、原酒が足りなくなったことを理由に停止していましたが、GWに再び余市蒸留所を訪れると、代わりとして新しいシングルモルトウイスキーが売られていました。
それが「シングルモルト余市 1980's」「~ 1990's」「~2000's」です。

5年、10年、15年という区切りでは、特定の年の原酒だけが減ってしまうので、それを抑えるために、10年間単位の原酒をヴァッティングして販売するという方法に出たと言えます。
しかし、2000年代においては最もウイスキーの国内消費が最も少ない時期であるために、仕込まれた原酒も多いとは言い切れないのが現状でしょう。
 
3種類のうち、1980'sは180mLでも15,000円、500mLでは38,400円と、とても高価でさすがに手を出せませんでした(26~35年ものなので、5万円以上する竹鶴25年に比べればバーゲンプライスですが...)。
実は有料試飲コーナーで飲んでみたのですが、カスクストレングスでありながらもアルコールの刺激はゼロ、リンゴジャムのようなとても甘い香りと味が広がっていて、スイスイと行ってしまいそうになりました。
ちなみに有料試飲コーナーでの1ショットのお値段は1,500円!札幌のバーで飲むよりは安いでしょうけどね。
yoichi1980

yoichi2000結局一番安い2000'sを選びました。それでも500mLで6,500円ほどです(これ以外にも3種類のボトルを購入し、トータル2万円使っちゃいました)。 

まずはストレートで飲んでみます。
グラスからくる香りは、レーズンのような香りが強く出ている感じです。
口に含むと、やはりレーズンの香りが真っ先に口に広がり、あとからピートの香りが追ってくる感じです。
味わいはしょっぱさと渋みを伴いながらも、ぶどうの甘さ、酸味を感じます。
以前飲んだ、シングルカスク余市5年と10年を掛けあわせたような感じです。 

ロックにしてみると、加水された時にアルコールからくる刺激と辛味が強くなって、ナシに近いさわやかな香りが出るようになります。ストレートに比べると、若い余市モルトらしさが現れるように思えます。

アルコール度数は57度ですが、若い原酒が含まれているにもかかわらず、ストレートではそれほどアルコールの刺激は感じられず、飲み慣れていない人でも楽しめるかと思います(もちろん、チェイサーは忘れずに)。
癖なく飲むのであれば、案外水割り、ハイボールのほうがいいかもしれません。
余市蒸留所限定品ですが、一部のお店で通販として入荷している場合があるので、うまく手に入れればラッキーでしょう。

<個人的評価> 
・香り B: レーズンの香りが主体。余市モルトらしいピートの香りは10年よりも控えめ。
・味わい B: ぶどうのような甘さと酸味がメインで、しょっぱさ、ビターが奥からくる。
・総評 B: レギュラーのシングルモルト余市10年、12年とは異なる顔を持ち、興味深いボトル。

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なんだか12年物のウイスキーでローラー作戦を展開しているようですいません。(^^;
でも選んでしまったのがそうだったので仕方ないです。

ahts今回、本格的なローランドモルトとして、オーヘントッシャンを飲んでみます。

ゲール語で野原の片隅という意味を持つオーヘントッシャンは、スコットランドの商業都市、グラスゴーから北西に10kmほど離れた場所にあります。
モルトはそれほどピートの香りをつけないライトなものを使用し、蒸留は一般的なモルトウイスキーよりも1回多い、3回の蒸留を行います。
それによって、とても軽いボディを持つウイスキーへと仕上げられています。

まずはストレートで飲んでみます。 
グラスからの香りは甘く、はちみつやオレンジマーマレードを髣髴とさせます。

飲み口は比較的甘めで、オレンジのような柑橘系が中心の香りになります。その奥からはカラメル、麦チョコのような甘い香りがついてきます。
味わいも、アルコールの辛みがあるものの、クリーミーでほのかな甘みと酸味を持っています。

ただ加水すると、 ストレートでの香りや味わいが一気に薄れてしまい、何とも無味乾燥した印象になってしまいます。
香りと味わいを楽しむのであれば、2:1で加水は少なめにするほうがいいかもしれません。それでもアルコールの刺激や辛みが抑えられて、とても飲みやすくなります。

700mL、アルコール度数が40度で、価格は3500円ほど。12年物のシングルモルトとしては安い部類に入ります。

<個人的評価>
・香り B: ストレートではオレンジマーマレードやはちみつのような甘い香りが支配する。加水するとすぐ薄れる。
・味わい C: とても軽く、ほのかに甘みと酸味を感じられる。少量の加水でアルコールの辛みが消える。
・総評 B: とてもライトで、独特の香りがあるので、カクテルベースにすると面白いかも。


ileachボトラーが手掛けるアイラモルトのボトルは、蒸留所を明記していないものが多くあります。
今回紹介するアイリーク(イーラッハ)もその一つで、蒸留所名は非公開です。
アイリークはノンエイジ、12年、ノンエイジのカスクストレングスの3種類が流通していますが、今回はノンエイジ(40度)を飲みます。

今回は最初からロックで飲んでみます。
飲み初めには、アイラモルトならではの正露丸あるいはヨードチンキのような独特のピート香が強烈に発し、それが続きます。 それとともに、海水のような潮の香りがまとわりつきます。
味わいも海水のようなしょっぱさが主体で、いくばくかのスパイシーさもあります。

どのモルトを使っているかについて公開されていないので想像によりますが、比較的ラフロイグのような、直球勝負のピーティさがあるように感じます。
アードベッグなら、もっと青リンゴやナシを思わせるさわやかさが伴ってくるでしょうし、ラガヴーリンやカリラはもっとおとなしい印象があります。

700mL、アルコール度数40度で、価格は2300円ほど。ノンエイジのアイラモルトとしては妥当な価格と言えるでしょう。
初心者が手軽な価格で、いきなり強烈なアイラモルトを感じるなら、このボトルがいいですが、もっと穏やかなものとなれば、以前に取り上げたマクレランズのアイラ(ボウモアに近い)がいいと思います。

<個人的評価> 
・香り C: アイラモルトらしさが強烈に猪突猛進してくる。それ以外の脇役が見つからない。
・味わい B: しょっぱさがメインで、スパイシーさも感じる。
・総評 B: ラフロイグの強烈さを手軽に味わいたいときにはこれがいいかも。


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