RERAのウイスキーブログ

40過ぎのおっさんが、ジャパニーズ、スコッチを中心にウイスキーを飲み、独断で評価していきます。

2015年07月

b50aこのブログでは基本的に、書いている時点で手に入るウイスキーを紹介していますが、今回はとっくの昔に生産終了したボトルを紹介します。
それがニッカウヰスキーが販売していた「黒の50」 です。

黒の50は1975年に発売されました。ネーミングの由来は、発売当時が「昭和50年」だったからという単純な理由だそうです。黒いボトルにしたのも、現在でも看板商品であるブラックニッカにあやかったものと思われます。
ターゲットを若者向けにしていたようで、CMもディスコで使われていたソウルミュージックを使ったり、ロッド・スチュワートをイメージキャラクターに起用していました。

サントリーでは、ホワイトをサミー・デイヴィスJr.を起用するなど、若者向けをターゲットにしていただけに、黒の50はホワイトの対抗馬として作られたかもしれません(どちらも当時は1級ウイスキーでした)。
当時の価格は1000円で、今の物価に換算すれば2000円ほどになるかと思われます。

1979年に黒の50デラックスにリニューアルした後、1990年代には販売終了したようです。

今回、行きつけの酒屋さんに行ってみると、なんと生産終了した北杜など、レアなボトルが並んでいました。
これもチャンスがあれば採り上げようと思います。

そしてそのお店にあった黒の50をGETしました。
ニッカウヰスキーデータベースによると、 ボトルにはDELUXEの文字がないため、1975年~1979年に販売されていた初代のようです。
ラベルは一部はがれていますが、「ウイスキー1級」と、25年以上前のウイスキーであることを証明してくれます。
b50b


キャップはスクリュー方式で、見た目にはしっかりと栓がされているようですが、軽くキャップ部分が回るので、隙間がある恐れはあります。

b50c飲まずにコレクションする気はないので、この貴重なボトルを開けて飲んでみます。
グラスに開けてみますが、香りが失われている感じは少なく、劣化は少ないように思えます。

まずはストレートで。 
う~ん、 住居の地下室のようなにおいがします。倉庫にしばらく置いてあったということなので、スタッドレスタイヤなどのにおいがついてしまった可能性はあります(余市モルトに感じられるゴムのにおいとは異なりました)。

それを抜いてみると、全体的にはまろやかで、 ほのかなブドウ、ナシ、リコリス(甘草)を感じます。スモーキーな感じはほんのりする感じです(倉庫臭が誘っている可能性はありそうですが...)。
味わいは以外にも穏やかで、アルコールからの辛味は少なく、余市モルトらしい酸味が主体となっています。

ロックにすると、やはり倉庫臭が真っ先にやってきますが、ストレートで感じられた香りは抑えられ、ウイスキーとしては薄っぺらい印象になります。 
味わいこそ酸味がまだ残っている感じです。
やはりモルト原酒が限られてしまうため、以前に飲んだ初号ハイニッカ復刻版よりも香りを少々上乗せした印象になります。

発売時期が、私が生まれて間もないころですので、実際に飲んだ方も最低で50代後半、メインで還暦を超えた方々でしょう。

ボトルは720mL、アルコール度数は40度になっています。

倉庫臭が当時からあったかについては、当時飲まれた方の意見を聞くとして、それを差し引くと、現行のブラックニッカ リッチブレンドやクリアに通じる、若い人に向けたライトなブレンドになっている気がします。 
ただ、現行品としてブラックニッカクリアやリッチブレンドがありますので、黒の50が復活する可能性は低いように思えます。

<個人的評価>
・香り C: 余市モルトならではのブドウ、ナシ、バニラが感じられる。スモーキーさは控えめ。
・味わい C: ニッカらしい酸味がメイン。甘さはほとんどない。
・総評 B: 当時1000円のウイスキーとしてはコスパが高かったと思われる。 続きを読む

本坊酒造のマルスウイスキーの中から、ブレンデッドのツインアルプスを飲んでみます。

twinAlps以前にも紹介しましたが、鹿児島に本社のある本坊酒造は、長野県にマルスウイスキーの蒸留所を抱えています。1985年に建設されたマルス蒸留所は、ウイスキー消費の低迷によって1992年に蒸留を停止してしまいます。
2011年に操業を再開し、この新しい原酒がマルスウイスキーの未来を担うでしょう。

今回飲むツインアルプスとは、マルス蒸留所のある駒ケ岳山麓が、中央アルプスと南アルプスという2つの山脈に囲まれていることに由来します。
ボトルには、上部に中央アルプス、下部に南アルプスの稜線を模したデザインがされています。

今回はロックで飲んでみます。
飲み口はアルコールの辛さとピート、さらにはブドウの香りが強烈にやってきます。後からはナシ、モルト、カラメルの香りがついてきます。
味わいは一貫して辛口。甘さや酸味はほのかにあるものの、辛さの前に目立ちません。
加水されていくと、アルコールの刺激は抑えられ、程よい酸味とさわやかさ、奥からはビターが出てきます。

一方でストレートにおいては、アルコールから来る辛さは一転して抑えられて、 ロックにするよりも飲みやすく感じられます。

意外にも、ロックではきつく、ストレートや水割り、ハイボールではおいしく飲める印象です。

750mL、アルコール度数は40度で、価格は1500円ほど。
地ウイスキーとしてはお手ごろな価格で、ブレンデッドスコッチとも渡り合える印象です。 

<個人的評価> 
・香り B: 先にブドウ、ピート、後からナシ、カラメル。
・味わい C: ストレート、水割りでは酸味とさわやかさがあるが、ロックでは激辛。
・総評 B: 1500円で本格的な香り、味を楽しめる地ウイスキー。 


smokeheadスコッチウイスキーでは、日本のようなメーカーとして蒸留所と販売網を持つ会社と、自ら販売する蒸留所のほかに、蒸留所から樽ごと買い取って独自にブレンド、販売するボトラーという会社があります。

そんなボトラーの一社、イアン・マクラウド社が発売するボトルがスモークヘッドです。
アイラモルトとは言われているものの、どこの蒸留所の原酒を使っているか、熟成年数は非公開となっています。

まずはストレートで飲んでみます。
グラスからくる香りは、アイラモルト独特の海藻や正露丸のような香りです。

口に含むと、やはりアイラモルトらしい独特のスモーキーさがありますが、それはさほど強くはなく、奥からナシや青リンゴのようなさわやかさが追いかけてきます。
味わいも酸味がメインで、アルコールから来る辛さはそれほど強く感じません。

ロックにすると、アイラモルトらしいスモーキーさはそのままに、さわやかな香りが強くなる印象があります。
味わいは酸味があるものの、煙たさが強くなって雑味が強くなる印象です。

一説にはアードベッグだといわれていますが、以前飲んだ10年物に比べるとピートの強さがさほどに感じられませんでした。
どちらかといえばカリラやラガヴーリン程度の強さでした。

700mL、アルコール度数43度で、価格は4000円ほど。 ノンエイジのボトラーとしてみれば妥当な価格ですが、仮にアードベッグだとしても10年物が1000円もプラスせずに買えることを考えると、さほどに推すだけのボトルには思えません。
ほかにアイラモルトがなくてこれしかないのであれば、買うだけの価値はあるでしょう。

<個人的評価> 
・香り B: アイラモルトらしい海藻、正露丸の香りのするピート。でもさほど強くはない。
・味わい B: 酸味が主体。加水されると灰のような味が...。
・総評 C: オフィシャルのボトルが高くないことを考えると、是非というほどでもない。


スモークヘッド(イアンマックロード)

スモークヘッド(イアンマックロード)
価格:4,000円~(税別、送料別)

今回はスペイサイドモルトの一つ、グレンファークラスの12年物です。

glenfarグレンファークラスは、スペイ川の中流、ベンリネス山のふもとにあり、3kmほど西にはクラガンモアがあります。

ポットスチルはバルジ型で、ガスによる直火式、熟成させる樽は、シェリー樽と新樽を使用しています。

まずはストレートで飲んでみます。グラスに注ぐと、そこからの香りはレーズン、青リンゴの香りが漂ってきます。
飲み口は青リンゴの香りが前面に広がり、後からカラメル、ウッディな香りがついてきます。ピートの香りは控えめながらも鼻を通っていきます。
味わいは酸味がメインで、甘さは控えめです。 

ロックにすると、香りこそストレートと変わりませんが、アルコールからくる辛みが出てきて、飲みにくい印象になります。
むしろ濃い目のハイボールにすることで、炭酸の刺激も加わってスパイシーなハイボールとして飲めます。

全体的には、スペイサイドモルトらしさがあり、ザ・マッカランのようなシェリー樽原酒の香りと、グレンフィディックなどのようなフレッシュな香りがミックスされたバランスの良いものになっています。
ボディも比較的軽めであるため、ウイスキーを飲みなれていない人でも受け付けやすいかと思います。

700mL、アルコール度数43度で、価格は3500円ほど。10年物が3000円程度でしたので、すこしお金を出しても12年物を選んだほうがいいかもしれません。

<個人的評価> 
・香り B: シェリー樽原酒ならではのレーズンの香りと、スペイサイドらしいさわやかなフルーツの香り。
・味わい C: ストレートでは甘さもあるが、加水すると辛さが強くなる。
・総評 C: 香り豊かだがロックには合わない。ストレート、ハイボールがおすすめ。


今までニッカの銘柄をいろいろ飲んでいきましたが、1万円で買えるものとしてはこれが最後となります。
鶴17年です。

tsuru鶴17年は1976年に発売され、ニッカウヰスキー創業者、竹鶴政孝が最後に手掛けた銘柄です。
察しの良い方だと分かるかもしれませんが、そもそもの最初のボトルが登場した時点では、宮城峡蒸溜所が建設されたのが1969年でまだ17年熟成の原酒がないわけですから、モルト原酒としては余市しか使ってないということになります。

それ以降、常にニッカのブレンデッドのフラグシップとして君臨してきましたが、ネット時代の今においては、検索をかけても「竹鶴17年」が先にヒットしてしまうため、この鶴17年の存在を知らない人もいるかもしれません。
ただし、蒸留所の無料試飲コーナーで飲めましたから、それで覚えている人もいるでしょう。

ではまず、ストレートで飲んでみます。
グラスから香るのは、少々のエステリーさを持ちつつも、ウッディ、レーズン、ナシなどの様々な香りです。
口に含むと、意外なほどアルコールの刺激が強く、辛さがダイレクトにやってきます。
香りは、グラスから来るのと同じレーズン、ナシ、さらにはピートから来るスモーキーさ、レモンのような柑橘系の爽やかさがあります。
味わいは先ほどのアルコールの辛さと酸味が強く、ストレートで飲むにはつらさがあります。

一方でロックにしてみると、先ほどのアルコールの強烈な刺激はどこ吹く風、ドライフルーツや柑橘系の香りが目立ってきます。
味わいも酸味が程よく残り、アルコールからの辛さが消えています。

この香りや味の変化は、「ザ・ニッカ12年」に似ています。ストレートでは癖が強いけど、ロックや水割りでは程よくなるブレンドは、竹鶴翁が手掛けた鶴17年が先に実現させていたのでしょう。
そういう意味では、ザ・ニッカ12年は、鶴17年の後継にふさわしいかもしれません。

一方で、同じブレンデッドのサントリー響17年と比べると、ストレートでの強烈な辛さが同じなのは興味深いところです。
しかし、加水後の傾向は、鶴17年のほうが酸味が強く、余市モルトが織りなす癖とボディの強さを残している印象です。

本物のウイスキーにこだわった竹鶴政孝がたどり着いた先は、奇しくもサントリーが目指した、日本人がよく飲む水割りに最適なウイスキーだったというのは面白いところです。
むしろ彼の亡き後で登場した、シングルモルト余市や竹鶴ピュアモルトは、ストレートでもまろやかで飲みやすいものになっています。
このあたりは、日本人の嗜好の変化という点でも面白い題材になるでしょう。

700mL、アルコール度数は43度で、価格は9000円ほど(通販では倍以上のプレミアムがついている模様...。行きつけの薄野のお店に3つ在庫があったのは奇跡か?)。
一方、ガラスのボトルのほかに、白磁のボトルも同価格で販売しています。

残念なことに、2015年8月で、販売終了してしまいます。もしお店で見かけたときには、清水の舞台から飛び降りる覚悟で買ってみるのも一興です。

<個人的評価>
・香り A: ストレートではアルコールの刺激が強いが、加水することで豊かな香りが広がる。
・味わい B: ストレートでは辛すぎる。ロック、水割りなどで、酸味の強い余市らしさを堪能できる。
・総評 A: 竹鶴政孝最後の作品として飲む価値はある。


個人的にバーボンが苦手ですが、今回はあえてその定番の銘柄、ワイルドターキーの8年を試します。

wt8ワイルドターキーは、1869年にトーマス・リピーが蒸留所を建設したのが始まりで、1940年に、七面鳥狩りの際に持参したバーボンがハンターたちの人気となり、七面鳥にあやかってワイルドターキーのブランドが生まれました。
現在は60年以上にわたって蒸留所に勤めるジミー・ラッセルが責任者となって作られています。

一般的なバーボンは、法律によって、蒸留時のアルコール度数は80度まで、樽詰め時には62度まで下げないといけません。
しかしワイルドターキーでは、蒸留時は60~65度、樽詰め時は55度程まで下げています。
あまり蒸留時の度数をあげてしまうと、アルコール以外の成分がより多く失われ、原材料の香りも逃げてしまうからです。さらにボトリングでも加水量が増えてしまうために、さらに香りが薄くなってしまいます。
ワイルドターキーでは豊かな香りを得るために、効率が悪いこの方法を採用しています。

今回飲む8年はワイルドターキーのオリジナルで、ノンエイジであるスタンダードに比べてアルコール度数が50度と高く、ボトリングでの加水量も少なくなっています。

まずはストレートで飲んでみます。
グラスからはバーボンならではのエステりーな香りが強く漂います。
口に含むと、接着剤のような刺激は強くなく、奥からナッツ、バニラ、ナシ、ライムの香りが追いかけてきます。
味わいは酸味と苦みが強く、 甘さは控えめです。

次にロックにしてみると、エステりーさは弱くなり、ストレートと同じバニラや柑橘系、ナッツの香りが鼻を通っていきます。最後にはアイラモルトにもあるヨードのような独特の香りがフィニッシュとなります。
味わいも、ストレート以上にレモンやグレープフルーツを思わせる酸味と苦みが来ます。 

個人的にバーボンの中でも癖があると思っていますが、意外にもスムーズで面喰ってしまいました。
やはりレギュラーよりも長い8年の熟成がまろやかにしているのかもしれません。 

アルコール度数が高いため、ハイボールにしても香りが消えずに飲めるでしょう。
私も、ゼロカロリーのペプシで割ってみたり、ノンアルコールビールでボイラーメーカー風にして飲んでみましたが、なかなかのものでした。

価格は700mLで2500円ほど。少々お高いですが、 最近のスタンダードなバーボンが苦手な人でも受け入れられるでしょう。

<個人的評価> 
・香り A: バーボンならではのエステりーな香りは控えめ。ナッツ、バニラ、ナシ、ライムと香りが豊富。後からヨード。 
・味わい C: 柑橘系のような酸味と苦みがメイン。加水することで抑えられる。
・総評 A: 8年熟成で、50度のアルコールも感じられないほどまろやか。バーボンが苦手でも勧められる。 


passport久しぶりの1000円台のブレンデッドスコッチで、パスポートを紹介します。

パスポートは1968年、ウィリアム・ロングモア社が発売した銘柄で、古代ローマ時代の通行証(パスポート)を模したデザインが描かれています。
キーモルトは、スペイサイドのグレンキースで、比較的軽いブレンドになっているそうです。

実際にストレートから飲んでみます。
飲み口は甘さと酸味が半々で、香りははちみつ、ウエハース、ライムに近い感じです。 ピートは強くは感じられません。

ロックにすると、 ウッディな香りが強く出てきて、味わいも酸味が少々強めに感じられます。

全体的にさっぱりしていて、気軽に飲むのに向いています。

750mL、アルコール度数40度で、価格は1500円ほど。日本での知名度は低いですが、十分日本でも通用するブレンドです。

<個人的評価> 
・香り C: はちみつ、ウエハースの甘さと、柑橘系のさわやかさが交差する。
・味わい C: 甘さと酸味が半々。全体的にはさっぱりしている。
・総評 C: 1000円スコッチとしては悪くないレベル。


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