比較的低価格なウイスキーもある程度飲んだところで次をどうしようかと悩んでいましたが、肝心なものを忘れていました。
それがサントリーホワイトです。

whiteサントリーホワイトは、本格的な国産ウイスキー の第1号としても知られていますが、その開発においては、サントリーの創業者である鳥井信治郎と、後にニッカウヰスキーを創業する竹鶴政孝が関わっていることはあまり知られていません。

ワインで成功し始めていた鳥井は、さらなる事業拡大のために国産のウイスキーの製造に目を向けました。
そのときに招聘したのが、スコットランドで本格的なウイスキーを勉強した竹鶴でした。
竹鶴は、ウイスキー作りに適していて、壽屋のある大阪に近い場所として、山崎の地に 蒸留所を建設することを提案しました。
そこで熟成を進めたウイスキーを「白札」として販売し始めました。これが現在のサントリーホワイトに至ります。

しかし最初の白札は、スコッチらしさを強調するがあまり、ピートからくるスモーキーな香りが不評を買ってしまい、成功には至りませんでした。
その後、日本人の口に合う味を求める鳥井と、本格的なスコッチ風ウイスキーにこだわる竹鶴と意見が食い違い、社員契約が満了になった時点で竹鶴は退職し、それぞれの道を歩むに至りました。

サントリーホワイトは1970年代から1980年代にかけてアメリカのミュージシャンを起用したCMを放送し、おしゃれなイメージを持つ少し格上のブランドとして今に至っています。
ただ最近は、トリスや角瓶が前面に押し出されるようになり、ホワイトを置くお店は少なくなっています。

実際にロックで飲んでみると、シェリー樽由来の華やかな香りが比較的強く出てくるものの、アルコールの刺激もそれなりにあり、角瓶よりもオールドの弟分のような味がします。個人的には角瓶よりもおいしく感じました。

価格は1100円ほどで、角瓶よりも少し高い程度。しかし水割りやハイボールを考えた角瓶に対して、ホワイトはロックでも飲める味になっています。
クラス的には中途半端になってしまいましたが、国産ウイスキーの 第1号なだけに、簡単に消えてほしくないですね。

<個人的評価>(A~E)
香り:C サントリーらしく、ピート香は控えめ。シェリー樽由来の華やかな香りが全面にくる。
味わい:B オールドに比べるとアルコールの刺激が強く、少々安っぽさを感じる。 
総評:B 角瓶を選ぶなら、こちらをおすすめ。


サントリー ホワイト 640ml 【05P23Apr16】
価格:1058円(税込、送料別)