サントリー響は1980年代後半にローヤルを超えるフラグシップとして発売されました。
当初は酒齢の短いもので17年で、価格も8000円を超える高級酒で、なかなか手にできないものでした。

hibiki12そんな中で、2009年により手頃に味わえるよう、響12年が発売されました。
従来の17年以降とは異なり、12年熟成のモルト、グレーンウイスキーを使うのはもちろんですが、それを梅酒の熟成に使った樽にマリッジし、さらに30年以上熟成させたモルトをブレンドすることによって厚みをつけています。
つまりは単なる12年もののブレンデッドではないというわけです。

2月にベビーボトルで飲みましたが、11月になってフルボトルでガッツリ飲んでみようということで購入しました。
すると以前のレビューとは印象が変わったので、内容をがらりと書き換えています。

ロックで飲んでみると、ピート香は程よく、そこからバニラ、レーズン、はちみつの香りがついてきます。さらには梅酒樽でマリッジしたことによる梅の香りをほのかに感じます。

味はモルトの甘みが前面に出た感じになっています。かといって甘ったるいわけではなく、自然な甘みに抑えている感じです。そのあとから酸味がついてきます。
一方でアルコールの刺激はかなり抑えられています。

かつてのフラグシップだったローヤルと比べても、本格的なウイスキーを追求した香り、味は圧倒的に上です。12年物の銘柄を飲んでしまうと、ローヤルがばかばかしいほどイミテーションのような感じをしてしまうほどです。

価格は700ml、43度で4000円台後半と、スコッチの12年もののブレンデッドで高い部類に入るオールドパーと比べても割高です。
一方でニッカも2014年9月末に「ザ・ニッカ12年」を発売し、響12年に対抗する商品を出しましたが、価格は5000円ほど。
不思議なことに、目指す香り、味は比較的似ていますが、ザ・ニッカはストレートではきつく、ロックやトゥワイスアップで響き似た香り、味を表現しています。

対極の考えを進めてきた両社が、このブレンデッド12年というレンジで類似したものを出してくるのは興味深いです。
一方で、サントリーが4000円以上出さないと本気を出さないというのも通っています。

<個人的評価> 
・香り A:山崎12年に通じる程よいピート香、その後バニラ、レーズン、はちみつ。
・味わい B:いやらしくない甘さの後に酸味がついてくる。
・総合評価 A:日本人の舌に合わせつつもウイスキーらしさを追求した銘柄。