ブレンデッドウイスキーでは、大麦麦芽を使って単式蒸留器で蒸留したモルトウイスキーと、トウモロコシやライ麦などを使って複式蒸留器で蒸留したグレーンウイスキーをブレンドして作られます。

グレーンウイスキーは、安定したブレンドを保つ上でも脇役として個性を出さないものが求められるのが一般的です。
しかしニッカでは、あえて個性が少し顔を出すような蒸留機を使っています。

ニッカが使う複式蒸留機は、カフェ式蒸留機と言われます。イーニアス・カフェが1830年に発明したもので、現在使われる複式蒸留機に比べて、元の醸造酒が持つ香りや味をある程度残す特徴があります。
ある程度純粋なアルコールを造ることが目的の複式蒸留機から見れば不良品のように思われますが、このカフェ式によって、ニッカのウイスキーはある程度の香りと味を持たせることができたのです。

coffeyGrainそんな脇役であるカフェグレーンウイスキーをメインにブレンドされたのが、ニッカ カフェグレーンウイスキーです。
2012年にヨーロッパで発売されると、2013年には「ワールド・ウイスキー・デザイン・アワード2013」でベストグレーンウイスキーを受賞、さらに同年にはインターナショナル・スピリッツ・チャレンジ2013でも金賞を獲得しました。
これらの栄冠を持って、この年に日本でも発売されました。

あえてストレートで味わってみると、アルコール度数45度にもかかわらず、アルコールの刺激はほとんどなく、華やかな香り(蜂蜜、リンゴ、エステル系)が広がります。奥からはナッツやウッディな香りも漂います。
味はリンゴや蜂蜜の甘い味やチョコレートのような渋みのある味が交互にやってきます。

グレーン主体と言ってもバーボンのような独特の香りはなく、かといってアルコールの塊のような味気なさもなく、単体でも十分楽しめる味と香りに仕上がっています。

ニッカのラインナップでは、カフェグレーンウイスキーの多いハイニッカやブラックニッカクリアがありますが、それでも単なるアルコールでは終わらない、ウイスキーとして十分な飲み応えを持っていることを考えると、このカフェグレーンがおいしいのも納得がいきます。
熟成年数こそ書かれていませんが、おそらくはハイニッカに使われるものよりも熟成させているでしょう。

価格は700mlで4500円前後。どうしてもモルトウイスキーよりも格下だと思われるグレーンウイスキーとしては、とても割高に感じるでしょう。 
しかし、ニッカのブレンデッドを支える名脇役がどういうものかを知る上では無視するわけにはいかないでしょう。

<個人的評価> 
・香り B:とても華やか。ピート香は感じられない。
・味わい A:アルコールの刺激が少なく、ニッカとしてはとても甘みがある味。
・総合評価 B:割高だが、ニッカファンであればカフェグレーンの神髄を堪能してもらいたい。 
 
<余談>

先日購入した竹鶴17年と、このカフェグレーンを1:1にして飲んでみると、スーパーニッカ??
いえいえ、2000円で買えるスーパーニッカとは訳が違う、甘さ、辛さ、華やかさ、重厚感が絶妙のバランスで強烈にやってくる究極のブレンデッドになります。
まだ鶴17年は飲んでいませんが、ニッカの本気を感じられるようなバラエティ豊かな味わいです。