コメントを頂き、ニッカが新商品を出したことを知り、「ニッカ、飲まずにはいられないッ!!」と、仕事の帰りに緊急購入しました。
実はマッサン放送開始記念でもっと高い銘柄を買っていたのですが、見事に買うタイミングとモノを間違えてしまいました...。orz 
ええ、衝動買いですよ、わかりますよね。

その新商品こそが、「ザ・ニッカ12年」です。
nikka12ニッカのブレンデッドのラインナップを見ると、2000円台にスーパーニッカ、3000円前後でザ・ブレンド、そして9000円台に鶴17年があります。
限定販売で12年物のブレンデッドはあったものの、今のラインナップにおいては12年物のブレンデッドの椅子がずっと空席のままでした。
価格を見ても、ザ・ブレンドと鶴17年は3倍以上の価格差があります。
シングルモルトやブレンデッドモルトを売りにしているとも言えますが、ブレンデッドウイスキーが好きな人にはもどかしさがあったのではないでしょうか。

ニッカウヰスキー創業80年を記念したことも兼ねて誕生したザ・ニッカ12年ですが、価格は5000円(700mL、43度)で、対抗銘柄であろうサントリー響12年よりも割高、スコッチの有名どころを比較しても、価格の高いオールドパーよりも上、ジョニ黒やバランタイン12年、シーバスリーガル12年においては倍以上の価格差があります。
それに見合うプレミアム感が、このザ・ニッカにはあるのかを調べてみます。

ボトルは非対称的な角形で、最近のニッカにはない、大きなコルク栓が使われています(余市、宮城峡、竹鶴ともにスクリューキャップ)。 雰囲気はサントリーローヤルのスリムボトルに近いです。

ボトルからくる香りは、ビネガーに近い酸味があって、今までのニッカの香りとは異質に感じます。むしろカフェモルトで感じたものに近い気がします。 
今回はストレートから飲んでいきます。
グラスに注いで改めて香りをかぐと、意外にアルコールの刺激が強めで、その奥からはバニラ、カラメル、バナナの香りがついてきます。
飲んでみると、アルコールの刺激、辛みが先に立ちます。そのあと、バナナ、青リンゴ、ウッドの香りが続きます。
味わいはアルコールの辛みがかなり強めで、甘さは少なく、酸味が上回っています。

1:1で加水してみると、アルコールの刺激は一気に薄れ、ピートや樽からのスモーキーな香りが立つようになりました。
味わいも辛みが抑えられて酸味がメインになりました。しかし甘い香りにつられて甘みも感じられるようになりました。ストレートでは荒さが目立ちますが、トゥワイスアップでバランスが良くなり、飲みやすくなります。

最後にロックで飲んでみると、やはり最初はアルコールの刺激があってとがったイメージがあります。ただ、冷えたことによって余市モルト由来のピート香と樽由来のモルティが目立ってきて、重厚さが際立ってきます。
氷が解けていくことでフルーティさが増し、別の顔を楽しめます。

面白いことに、飲み方によって味が三者三様に変わり、1本のボトルでいくつもの楽しみをもたらしてくれます。
ただ、ストレートではきつく、よほどアルコールの刺激が好きな人でなければお勧めできません。
割って飲むのが基本で、ロックも趣深いものがあります。

さて、このウイスキーに5000円の価値があるかというと、妥当か少々高めという印象です。
価格がこなれて4000円あたりになれば、響12年と対等に渡り合えるようになり、ブレンデッドの飲み比べという意味でも面白いことになるでしょう。
また、竹鶴17年が4000円台後半で買えることを考えると、5000円ではカフェグレーンをブレンドすることによるバランスを試そうという気がない限り、このウイスキーは売れる気がしません。
いつもながらに価値の勘定の下手くそなニッカウヰスキーですが、職人気質だからこそ、それがいい、と思いたいですね。 

ちなみに限定販売ですが「ザ・ニッカ40年」も発売されました。終戦の1945年の余市モルトと、竣工時である1969年の宮城峡モルト、そして40年物のカフェグレーンををぜいたくに使ったウイスキーで、価格はなんと50万円!!私の給料では2か月出しても足りません...(;_;)

<個人的評価> 
・香り A: アルコールの刺激が強いものの、ピート、ウッディ、バニラ、カラメル、バナナ、青リンゴと豊富な香り。
・味わい A: ストレートではわかりにくいが、加水、冷却されることで酸味、甘みが主体になる。
・総評 B: 価格が4000円あたりに落ち着けば、響と十分戦えるポテンシャルがある。 


<2016/1/23追記>

対抗馬と言われていたサントリーの響12年が販売終了し、4月からはノンエイジのJAPANESE HARMONYが5000円に値上がりする予定になりましたので、相対的にザ・ニッカ12年のコスパが上がったといえます。

ただ、今後ザ・ニッカ12年が値上がりとなれば、話もまた変わるでしょう。