これからお歳暮、お年賀で贈り物をする季節になりました。
最近はそういった習慣が薄れてはいますが、1年間お世話になった方に贈り物をしたいという人もまだまだ多くいるかと思われます。

その中で、人気が出てきているウイスキーはどうだろうと思う人もいるかと思います。
そのような方のために、個人的に飲んだ中で最適な銘柄をピックアップしていきます。
あまり高い値段の銘柄だと、相手からのお返しが厳しくなってしまいますので、必要十分と思われる5000円前後をターゲットにしていきます。

今回はジャパニーズを採り上げていきます。

<ジャパニーズ> 
サントリー 響 12年 (ブレンデッド、700mL、43度、4500円)

hibiki12サントリーの最高級ブランドである響の12年です。
単に12年物のモルト、グレーン原酒を使うだけではなく、30年熟成の原酒を香り付けに加え、さらに梅酒樽でマリッジさせて仕上げています。

ロックで飲んでみると、ピート香は程よく、そこからバニラ、レーズン、はちみつの香りがついてきます。さらには梅酒樽でマリッジしたことによる梅の香りをほのかに感じます。

味はモルトの甘みが前面に出た感じになっています。かといって甘ったるいわけではなく、自然な甘みに抑えている感じです。そのあとから酸味がついてきます。
一方でアルコールの刺激はかなり抑えられています。

サントリーは角瓶から日本人向けのブレンドを目指していますが、響もまたその理想を忠実に再現したウイスキーになっています。
かつては5000円の領域にローヤルがありましたが、今や半額に成り下がってしまい、この響12年が担っています(昔はクレスト12年というのがありましたが...)。

<個人的評価> 
・香り A:山崎12年に通じる程よいピート香、その後バニラ、レーズン、はちみつ。
・味わい B:いやらしくない甘さの後に酸味がついてくる。
・総合評価 A:日本人の舌に合わせつつもウイスキーらしさを追求した銘柄。


サントリー シングルモルト 山崎(ノンエイジ)(シングルモルト、700mL、43度、4000円)

yamazakiNa山崎蒸留所のシングルモルトの底辺にあるノンエイジです。
かつては10年がありましたが、ハイボールブームで原酒が足りなくなってしまい、やむを得ず廃止して、シェリー樽ではなくワイン樽をメインにしたノンエイジが発売されました。

使用しているのはミズナラの新樽とワイン樽で、シェリー樽主体の12年以降とは異なるヴァッティングになっています。

香りは12年や10年のようなスモーキーさが少なく、シェリー樽ならではのレーズンのような香りも少なく、穏やかなイメージが強調されています。
味わいはサントリーならではの甘みがメインで、スタンダードな銘柄の延長にあるように思えます。

山崎ならではを求めるのであればやはりシェリー樽がメインであるので、ノンエイジを贈る場合は自ら試されることをお勧めします。個人的にはこのあたりの価格帯のウイスキーとしては最低レベルだと思います。

<個人的評価>(A~E)
香り B: スモーキーさは抑えられて華やかな香りが漂います。
味わいB: 力強さはないものの、まろやかで飲みやすいです。
総評 C: 12年以降の香り、味とは別物。贈り物にするなら一度試されることをお勧めする。

サントリー シングルモルト 白州(ノンエイジ)(シングルモルト、700mL、43度、4000円)

hakushu白州のシングルモルトのノンエイジの場合、山崎とは違い、12年と同じモルトの若い物を採用しているため、白州12年よりも若さを感じるものになっています。
元々白州モルトが好きな方であれば、ノンエイジでも満足できるでしょう。

<個人的評価>(A~E)

香り:B サントリーにしてはピート香は強め。その後柑橘系やナッツのような香りが広がる。
味わい:B アルコールの刺激は少なめ。さわやかで軽い。 
総評:A 初心者にもハイボール、水割りで勧められ、ウイスキーファンにとってもロック、ストレートで楽しめる。




ニッカ ザ・ニッカ12年(ブレンデッド、700mL、43度、5000円)

nikka12ニッカウヰスキーが2014年に新発売した銘柄です。

ターゲットはサントリーの響12年ですが、ピートからの香りが強いことを差し引いても、響を意識したブレンドになっています。
ちっとは余市の個性を求めるのであれば、ザ・ニッカのほうが伝わるでしょう。

グラスに注いで改めて香りをかぐと、意外にアルコールの刺激が強めで、その奥からはバニラ、カラメル、バナナの香りがついてきます。
ストレートで飲んでみると、アルコールの刺激、辛みが先に立ちます。そのあと、バナナ、青リンゴ、ウッドの香りが続きます。
味わいはアルコールの辛みがかなり強めで、甘さは少なく、酸味が上回っています。

1:1で加水してみると、アルコールの刺激は一気に薄れ、ピートや樽からのスモーキーな香りが立つようになりました。
味わいも辛みが抑えられて酸味がメインになりました。しかし甘い香りにつられて甘みも感じられるようになりました。ストレートでは荒さが目立ちますが、トゥワイスアップでバランスが良くなり、飲みやすくなります。

最後にロックで飲んでみると、やはり最初はアルコールの刺激があってとがったイメージがあります。ただ、冷えたことによって余市モルト由来のピート香と樽由来のモルティが目立ってきて、重厚さが際立ってきます。
氷が解けていくことでフルーティさが増し、別の顔を楽しめます。

ストレートでは刺激が強くて飲みにくいですが、ロックや割って飲む分には豊かな香りと味わいがあります。

<個人的評価> 
・香り A: アルコールの刺激が強いものの、ピート、ウッディ、バニラ、カラメル、バナナ、青リンゴと豊富な香り。
・味わい A: ストレートではわかりにくいが、加水、冷却されることで酸味、甘みが主体になる。
・総評 B: 価格が4000円あたりに落ち着けば、響と十分戦えるポテンシャルがある。 

ニッカ 竹鶴ピュアモルト17年(ヴァッテドモルト、700mL、43度、4800円)

taketsuru17_wwa余市と宮城峡の17年以上熟成させたモルトを使用したウイスキーです。今年、ワールド・ウイスキー・アワードでワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキーの賞を獲得した実力派です。

ロックでやってみると、まず深いピートの香りと華やかなシェリー系の香りが一緒にやってきます。
余市の重厚さと華やかさが兼ね備わったモルトと、宮城峡の柔らかな香りを持つモルトがともにやってきます。 
甘さは控えめで、余市モルト由来の磯の香りからか、塩気も感じられます。

重厚なボディと濃厚な華やかさが合わさった、とてもパワーのあるウイスキーです。香りも飲み応えも抜群で、ウイスキーを飲んだという満足感に浸れます。 

普通に考えれば1万円以上してもおかしくないレベルですから、ジャパニーズの中では破格のウイスキーと言えます。

<個人的評価>
・香り AA:しっかりしたヨードを含んだピート香とシェリー樽由来の華やかで濃厚な香りが両方楽しめる贅沢な香り。
・味わい A:甘さ控えめで、 塩っ気を感じる。甘いウイスキーが好きな人には敬遠されるかも。
・総合評価 AA:4000円台にしてはあまりにも贅沢なウイスキー。本格的なウイスキーを堪能したい人には是非とも飲んで欲しい。  

ニッカ シングルモルト余市10年(シングルモルト、700mL、45度、4500円) 

yoichi10純粋に余市のモルトを堪能できるウイスキーです。
香りは余市ならではの強いピート香を備えていて、どっしりとした雰囲気を感じ取れます。奥からはほのかにレーズンやバニラの香りもやってきます。

味わいは少々の酸味があり、シナモンのような味も訪れてきます。

全体的には、とても飲みごたえがあるガツンとしたウイスキーですので、あまりの見慣れていない人には癖があって厳しいかもしれません。スコッチが好きな人であれば受け入れられるかもしれません。

<個人的評価>
香り:B 重厚なピート香。その後レーズンやナッツのような香りが広がる。
味わい:A アルコールの刺激は少なくてスムーズ。時折シナモン(ニッキ)のような味も楽しめる。 
総評:B 武骨な男性を思い起こさせるような重さ、硬さを感じる。癖がしっかりしているので人を選ぶ。

ニッカ シングルモルト宮城峡10年(シングルモルト、700mL、45度、4500円) 

miyagikyo10ニッカのもう一つの蒸留所、宮城峡のシングルモルトです。 

香りはフローラルな柔らかい香りと青リンゴやナシのようなさわやかさが主体となっています。
ボディは軽めで、味わいも甘さが前に出ていて、酸味や苦みは抑えられています。

初めてウイスキーを飲む、あるいはなじみが薄い人に本格的なものを贈るというのであれば、無難な選択だと思います。

<個人的評価>(A~E)
香り A: フローラル感が強めでさわやかな香りが後を押す。
味わい B: ほんのりピーティ、甘みが強く、飲みやすい。
総評 B: ボディが軽めでスムーズ。比較的万人受け。



ニッカ カフェモルト(シングルグレーン、700mL、45度、5000円)

coffeyMaltニッカではグレーンウイスキーの蒸溜にカフェ式の連続蒸留器を使っています。一般的な連続式に比べるとアルコールの抽出効率が悪く、素材の香りが残りやすい特性がありますが、逆にそれをモルトとブレンドするうえでの香りづけとして利用しようと考えたのが、創業者の竹鶴政孝でした。

そのカフェ式蒸留器でモルト原酒を蒸溜して作られたのが、カフェモルトと呼ばれるウイスキーです。

わざわざモルト原酒を連続蒸留器で香りと味を殺すなど考えられない、という一般の常識を逆手にとって、カフェ式だからこそ残る香りをうまく利用した新しい発想のものでできたウイスキーです。

ストレートで飲んで最初に感じられるのは、ゴムや硫黄のような香り、そのあとにバナナのような甘い香りがしてきます。 奥にはウッディな香りもしています。
味わうと多少のアルコールの辛味はあるものの、香りにつられるかのようにバナナのような味、 さらにはナッツのような味が奥から伝わります。

加水すると、鼻に伝わる香りにはビネガーのような刺激が加わった印象です。
舌に転がすと、甘い香りは穏やかになってモルトやウッディな香りが前に出てきます。 
味わいは、先ほどのビネガーの香りを延長したかのように酸味が加わり、深みが加わった感じがします。

ポットスチルで蒸溜するモルト原酒とは異なる、酸味がメインになった他にはないうまさがあります。

<個人的評価>
・香り B:アルコールの刺激の後にバナナのような香り、奥からウッディ。加水するとビネガーの刺激が加わる。
・味わい B:バナナ、ナッツのような甘い味。加水すると酸味が加わる。
・総評 B:ニッカしか作れない独自のウイスキーを楽しむうえでは決して高いとは言えない。