今回は、ウィズワンの ピュアモルト 麻布を飲んでみます。

スコッチモルトなのに「国産」とはこれいかに?

azabu_ウィズワンは、大阪に本社がある酒類の企画、販売などを手掛ける企業です。

すでに海外向けのウイスキーとして、本坊酒造と手を組んで「Jp.もしもしウイスキー」をリリースしていますが、この「麻布」は、山梨県にあるサン.フーズと提携して作られています。

まず、「麻布」という名称、由来については何も書かれていません。
本社が大阪で、東京にも酒屋さんを展開していますが、麻布にはありません。

次に、このウイスキーが「国産」(Product of JAPAN)としているところです。
実はこのウイスキーの原酒は、4年熟成のスペイサイドのシェリー樽原酒と、3年熟成のハイランドのバーボン樽原酒なのです。日本で作られたモルト原酒は一切使われていません。

これを、サン.フーズの工場で加水、ボトリングをしているわけです。
同社では韮崎という自社製のウイスキーを作っていますが、個々の原酒は全く使われていないようです。

スコッチモルトを国内でボトリングしているだけにすぎず、国産、ジャパニーズという範囲には入らないはずです。
「鳥取」「倉吉」を出している松井酒造もそうですが、販売戦略に悪意を感じます。

「若い原酒を使ったブレンデッドモルトウイスキー」以上

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は中庸な琥珀色、香りはブドウ、青りんごが主体です。

口に含むと、ブドウの香りが先に訪れ、ピートのスモーキーさもほんのり感じられます。
その後は青りんご、ナシのフルーティさが続きます。最後に樽香が広がります。
味わいは、アルコールからの辛みが強いものの、あとから甘みがやってきます。

ロックにすると、ほんのりゴムの香りが先に立ち、その後はピート、そしてブドウの香りが一気に広がります。後から青りんごのさわやかさが続いてきます。
味わいは、酸味がメインになり、ビターも少々感じられます。一方で甘みは抑えられます。

最後にハイボールでは、レーズンの香りが比較的強く、後からスモーキーさもほんのりとえられます。
味わいは、少々甘みが前に出ている印象で、比較的飲みやすくなります。

4年熟成のスペイサイド、バーボン樽原酒に、3年熟成のハイランド、ヘビーリーピーテッドのバーボン樽原酒を合わせた、となると、そんなにサプライズもない、それ以上のシナジーを感じられないボトルに思えます。

普通にうまいのは認めるにしても、スコッチモルトだけを使っている以上、国産を言うには苦しすぎます。

700mL、アルコール度数40度、価格は4000円ほど。
ぎりぎりスコッチウイスキーを名乗れる原酒を使っていることを考えると、値段が高すぎるように思えます。

<個人的評価>

  • 香り C: 3,4年熟成のわりに、ブドウ、ナシ、青りんご、ピートの香りは鮮明。
  • 味わい C: 若さゆえのアルコールのきつさは否めない。それを越すと、最初に酸味、後から甘さが続く。
  • 総評 E: 「これはスコッチブレンデッドモルトウイスキーです。異論は認めません。」
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