ウイスキーの主な産地として、スコットランドとアイルランドがありますが、スコットランドが地域の名前なのか、国の名前なのか、曖昧に思っている方が居ると思いますが、その辺を深掘りしようと思います。

「カントリー」という概念

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日本人が一般に言う「イギリス」という国は正式な国の名ではなく、「イングランドの」という意味のポルトガル語、"inglez"またはオランダ語の"engelsch"が転訛されて出来た日本での呼び名です。江戸時代にはオランダ語から転訛された「エゲレス」という呼び方もされました。

イギリスの正式な国名は、「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」で、英語での略称は連合王国という名前から"The United Kingdam"、"U.K."と呼びます。

連合王国という呼び名の通り、歴史的にはイングランドが周辺のウェールズ、スコットランド、アイルランドを支配していった経緯があります。
その後アイルランドは、宗教的に対立のあった地域が1922年に独立し、今に至っています。

さて、イギリスを構成する4つの地域、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドは「カントリー」あるいは「構成国」と言われます。
それぞれのカントリーは国家としては独立しておらず、様々な法律を総括した(法典としてまとめられていない)連合王国の憲法をもとに、各地域の法律があり、イングランドを除く地域では独立した議会があります。

カントリーはアメリカの州に比べると独立性がありながらも、国家としては成立していないポジションにあります。
ただしサッカーやラグビーの場合、出場国としてはそれぞれが独自に参戦(ラグビーにおいて北アイルランドはアイルランドとの共同チーム)しています。これはサッカーやラグビーがイギリス発祥だという経緯があると言えます。

EU離脱で湧き上がった独立運動

現在のスコットランドは、連合王国の一部として一定の自治権を持った状態にありますが、歴史的にスコットランドではイングランドによって国家としての独立性を奪われたと思う人が居て、幾度となく独立の気運が起こってきました。

最近では、イギリスがEUから離脱することが住民投票で決まった後、スコットランドが独立して、独自にEUに残留しようという動きまでありました。
それ以前の2014年には独立をするかの住民投票が行われましたが、55%の反対票があり否決されました。

現在ではEUから離脱した状態のままイギリスのいちカントリーとして残っていて、離脱によるウイスキーの関税による経済的ダメージも、EUとの通商協定を結ぶことで関税ゼロを維持することが出来ました。
ただ、今後のイギリスとEU、あるいは周辺国との情勢によっては、再びスコットランドに独立の気運が高まってもおかしくないでしょう。