RERAのウイスキーブログ

40代のロスジェネおっさんが、世界各地のウイスキーを飲み、独断で評価していきます。 Whisky reviews and informations

カテゴリ:ウイスキー > モルトウイスキー

今回は、山都酒造のシングルモルトウイスキー 山都を飲んでみます。

熊本初の地ウイスキー?

yamato_wi_山都酒造は、熊本県山都町にある酒造メーカーです。山都町は農業用水を送る水道橋、通潤橋で有名な町です。

山都酒造は様々な本格焼酎と日本酒を造っていますが、ウイスキーの製造免許は2017年に取得したばかりです。

そんなこのメーカーが出したシングルモルトウイスキーが山都です。

ラベルを見ると、いかにも某有名なシングルモルトを思い起こさせますが、元々パロディ商品を出すメーカーであるため、半分ジョークなのかもしれません。

新樽を使って熟成したとありますが、そもそも免許取得から2年ほどしか経っておらず、モルトウイスキー用のポットスチルを入れたという情報も無いため、おそらくはスコットランドから買い付けたバルクウイスキーではないかと思われます。

オリエンタルな香りが広がる

では、ストレートから飲みます。
グラスに注ぐと、液色は少々濃いめの琥珀色、香りは樽からのウッディさが強く表れています。

口に含むと、ホワイトオークの木材の香りが先に訪れ、後からシナモン、ブドウ、クローブが続きます。
味わいは、アルコールの辛みは少なく、ほろ苦さが主体になっています。

ロックにすると、ウッディさは影を潜め、シナモンやクローブなどのスパイシーな香りが主体になります。奥からはブドウの香りも感じ取れます。
味わいは、引き続きほろ苦さが先立ちますが、後から甘みが広がってきます。

ハイボールでは、ウッディな香りがさらに引き立つようになり、スパイシーさもストレート以上に強まる印象になります。
味わいは、渋みが強いものとなり、甘みはあまり感じられません。

ネタに走ったといわれますが、オリエンタルなスパイシーさと木の香りが印象的で、人によってはエグい香りに感じられるかもしれません。そのあたりは、新樽を使ったことが影響しているかもしれません。

700mL、アルコール度数43度、価格は5000円ほど。地ウイスキーというエクスキューズをつけても、この値段はいささか高いように思えます。

<個人的評価>

  • 香り B: ウッディな香りが主体。奥からクローブ、シナモンのスパイシーさ、ブドウの香りが続く。
  • 味わい C: 苦みが強め。甘みは加水とともに消えていく。
  • 総評 C: 個性的だが、癖が強すぎる上に熟成感が薄い。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

山都 シングルモルト ウイスキー 43度 750ml
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今回は、沖縄 ヘリオス酒造のくら ザ・ウイスキー シェリーカスクフィニッシュを飲みます。

ラム酒樽熟成、シェリー樽フィニッシュのバルクもの

kura_shelly_ヘリオス酒造は泡盛やラム酒の製造で有名ですが、2000年代前半まではウイスキーも手がけていました。

しかしウイスキーの消費が伸び悩んでいたために製造を中止していましたが、近年のウイスキーブームに火がついたようで、しばらく寝かせていた原酒を限定販売することをきっかけに、ウイスキーの製造を再開するようになりました。

ただ、まだ本格的な蒸溜所でのウイスキー作りの話は出てきておらず、現在はスコットランドからバルクウイスキーを購入し、自社の持つ樽に入れて熟成、ボトリングしている状況です。

今回のシェリーカスクフィニッシュも、バルクのモルト原酒を自社で貯蔵に使ったラム酒樽で熟成させた後、スペインから輸入したオロロソの樽で後熟(フィニッシュ)を行ったものになります。

シェリー樽らしさが目立つ

では、ストレートから飲みます。
グラスに注ぐと、液色は淡いシャンパンゴールド、香りはワインの持つブドウとアルコールが目立っています。

口に含むと、白ワインのようなアルコールの刺激とレーズンの香りが口に広がります。その後はライムの爽やかな香りが追いかけます。最後にはカラメルやカスタードクリームのような甘い香りが締めます。

味わいは、アルコールの辛みはそこそこあるものの、その先は強い酸っぱさを感じられます。奥からは苦み、甘みがついてきます。

ロックでは、ライムの香りが強く前に出るようになり、アルコールの刺激のある香りも強まります。
大分落ち着いてきてから、ブドウとピートが広がる印象です。

味わいは、苦みが強く出て、酸味は少々抑え気味になります。甘さは大分控えめになります。

ハイボールにすると、ライム、アルコール、柿その後にブドウの香りがやってきます。
味わいは、酸味が強めに感じられます。

すでに発売されたラム酒樽熟成の原酒をさらにシェリー樽で仕上げたと理解できるほど、ブドウの香りが加わった印象を強く感じられます。

750mL、アルコール度数40度、価格は5000円ほど。

<個人的評価>

  • 香り B: シェリー樽からのワイン、レーズンの香りが主体。その後はライム、カラメル、カスタードクリーム。
  • 味わい B: ストレートではアルコールの辛みが目立つが、全体的に酸味が強く感じられる。加水で苦みが出るが、さらに進むと目立たなくなる。
  • 総評 B: 香り、味わい豊かで、嫌みが無く飲みやすい。


ニッカウヰスキーは、竹鶴ピュアモルト17年、21年、25年の販売を終了することを発表しました。



報道によると、ニッカウヰスキーは3月末日をもって、竹鶴ピュアモルト17年、21年、25年の販売を終了、ノンエイジについてもリニューアルを行うとのことです。

taketsuru212016年に深刻な原酒不足が判明し、竹鶴ピュアモルト、ザ・ニッカを除く銘柄の年数表記ものの販売を終了し、人気の高い竹鶴ピュアモルト向けに長期熟成原酒を残す戦略を行ってきましたが、昨年にザ・ニッカ12年の販売が終了、そして今回の竹鶴ピュアモルトの年数表記ものも販売を終えることとなりました。

日本でのウイスキーブームは下火になりつつありますが、欧州や中国でのジャパニーズウイスキーの人気は根強く、ニッカの予想を上回る消費が続いていることが、今回の判断につながったといえるでしょう。

一方で、サントリーの角ハイボールが人気になってニッカの販売も上がっていたであろうにもかかわらず、増産に踏み切らず、朝の連続テレビ小説「マッサン」放送後にニッカの人気が急上昇しても、増産を行ったのが2018年からで、ニッカの経営判断が後手後手に回ったことも、今までに膨らんだニッカの人気に大きく水を差す結果になりかねないでしょう。

何より、価格改定以前には、竹鶴ピュアモルト17年は5000円で買えるなど、原酒保有量が絶対的に少ないのに、販売量が増えても需給バランスを考えて改訂を行わなかったことも、大きな痛手になったように思えます。

元々、高品質のウイスキーを低価格で売って売り上げを増やすことで純利益を上げようというのが、ニッカにアサヒビールが参画してからずっと続けられた戦略でしたが、長期熟成もののウイスキーを出す上では長期的に供給量の確保を行うことが前提になっていなければ成立しません。

その意味で、販売量が増えても生産量の調整を行わず、長期熟成ものを「バーゲンプライス」で出し過ぎたことに対しても、ニッカおよびアサヒビールの経営責任が問われかねないでしょう。

これによってニッカの人気が一気に低下し、販売量にも影響すれば、ニッカ自体の経営も危うくなるかもしれません。

一方でサントリーは、角ハイボールの人気が上がったあと、2009年頃から増産を開始しており、12年ものの原酒は早ければ2021年には増えてくる見通しです。


こうした経営判断の違いが、2020年代に入ってサントリーとニッカの明暗を分ける形になるかもしれません。


今回は、日本のウイスキーメディアサイトが初めて手がけたボトル、マグ・メル ウィリアムソン12年を飲みます。

第一弾はアイラモルト

mag_mell_w_「マグ・メル」とは、ケルト神話における喜びの島という名前で、死後、楽しさと幸せを永遠に得られる楽園として伝えられる土地だと言われています。

このボトルを手がけるのは、ウイスキーメディアとして知られる「BARREL」で、ウイスキーのボトルや飲み方を伝える情報サイトとして日本で最も閲覧されています。

今回のボトルが、プライベートボトルとして初めて手がけるものになります。

ウィリアムソンという名前は、実はアイラモルトの王様ことラフロイグの別ブランドです。
大人の事情でラフロイグの名前を使えない際に、このウィリアムソンの名前が冠されるようです。

ウィリアムソンとは、1950年代から1970年までラフロイグ蒸溜所のマスターディスティラーを務めていたベッシー・ウィリアムソンから名付けられたと言われます。

ベッシー・ウィリアムソンは、20世紀初頭に蒸溜所の建て直しを行った創業家出身のイアン・ハンターの秘書でしたが、次第にウイスキー造りにも加わるようになり、イアン・ハンターから様々な秘伝を受け取った後、彼の後継者として15年にわたってラフロイグを手がけました。

その間に、ラフロイグの人気はどんどんと上がっていきましたが、蒸溜所単体の体力ではこれ以上の人気に対応できないと判断した彼女は、蒸溜所を売却しました。

ラフロイグの名声を上げたことで、ブランド名として残されていると言えます。

使用される樽はバーボン樽のみ、その12年以上熟成された原酒を加水無しにボトリングしています。

さて、このマグ・メル ウィリアムソン12年のラベルには、新進気鋭の画家、今井喬裕氏の絵が使用されています。
彼は近年珍しい、写実的な美人画を手がける画家で、あたかも実在するようなリアリティのある描写を行うことで、注目されつつあります。

アイラモルトらしさ全開

では、ストレートから飲みます。
グラスに注ぐと、液色はシャンパンゴールド、香りは正露丸とグレープフルーツが交互に訪れます。

口に含むと、正露丸の香りと灰のような煙たさが一気に広がります。奥からはレモン、グレープフルーツの爽やかな香りが追いかけます。
味わいは、アルコールからの辛みが比較的強く、その後は柑橘系のような酸味、ほのかな苦味が続きます。

ロックにすると、柑橘系の爽やかな香りが前に出るようになり、スモーキーな香りは少々潜む印象です。しばらく経つと、軽くバニラの甘い香りがやってきます。
味わいは、ビターが先に出るようになり、酸味はそれなりになります。しかしその余韻には甘みもほのかに得られます。

最後にハイボールでは、再び正露丸を伴ったスモーキーなピートが全体に強く広がります。奥からはカラメルやシナモンのような甘い香りが出てきます。
味わいは、苦味が先んじますが、後からはほのかな甘みとうま味が舌を覆います。

オフィシャルのラフロイグ10年と比べると、特徴的な正露丸を伴うピートは幾分柔らかくなり、グレープフルーツの香りが新鮮に感じられます。
それでもアイラモルトらしさを堪能できるボトルであることに間違いはないです。

700mL、アルコール度数54度、価格は19,580円。ただし販売された210本はすぐに完売してしまいました。
先行して飲食店向けに販売していましたので、もし見つけたら是非味わってください。

<個人的評価>

  • 香り A: 強烈な正露丸と燻煙。その後にグレープフルーツ。加水でバニラ、シナモン、カラメル。
  • 味わい B: ストレートでは酸味が強め、加水で苦味が勝ってくる。後味は甘みとうま味。
  • 総評 B: 少々まろやかだが、アイラモルトの強い個性を堪能できる。

今回は、島嶼系のモルト原酒をブレンドしたシックスアイルズを飲みます。

六つの島の蒸溜所モルトをブレンド

sixisles_シックスアイルズとは6つの島という意味がありますが、その6つとは、アイラ島、ジュラ島、スカイ島、マル島、オークニー諸島、アラン島です。

アイラ島は島嶼系の中でもアイラモルトとして特別に地域分類され、ボウモア、ラフロイグ、アードベッグを始め、大小様々な蒸溜所が存在します。

それ以外の上記に示す島々も、潮風を受けた荒々しい特徴を持つ銘柄が多いです。比較的有名なのが、スカイ島のタリスカー、オークニー諸島のハイランドパーク、マル島のトバモリーです。

これらの島々にある蒸溜所のモルトをブレンドして誕生したのが、シックスアイルズになります。

若々しく強烈なピートが印象的

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色はとても淡いホワイトゴールド、香りは正露丸を思わせるほどの強烈なピートが鼻を突き通していきます。

口に含むと、強烈な正露丸と煙の香りが一気に広がり、後からマスカット、レモンの爽やかな香りが続きます。

味わいは、アルコールからの辛みが強烈で、その後も柑橘系の酸味が強く舌を刺激します。

ロックでは、スモーキーなピートは抑えめになり、レモンの爽やかさが強調されます。
味わいは、酸味が強めにきた後、灰のような苦味が後を引きます。

最後にハイボールにすると、正露丸の香りはほのかになり、レモンの爽やかな香りが主体になります。しばらくたつと、マスカットの甘めの香りが追いかけてきます。
味わいは、若干苦味を伴いつつも、酸味の方が全体的になります。

色味からしてもかなり若いモルトを使っていると思えますが、ラフロイグやアードベッグ、タリスカー、ハイランドパークを思わせる強烈なピートが印象的です。
ただ、加水が進むと早く腰砕けになり、苦味を持ちつつもレモンの爽やかさが広がっていきます。

ただ、それ以外のモルトの特徴が薄く、もっと香りや味わいの広がりがあってもいいのでは、と疑問に思いました。

700mL、アルコール度数43度、価格は5000円ほど。見た目に若いノンエイジのブレンデッドモルトと考えると、割高感が強い印象です。

<個人的評価>

  • 香り B: 正露丸、灰のような強烈なピート。後からマスカット、レモン。加水でフルーツが強まる。
  • 味わい C: 灰のような苦味の後に酸味が追いかける。それ以外には広がりがない。
  • 総評 C: 強烈なスモーキーなウイスキーをストレートで飲みたい人向け。




今回は本坊酒造の北海道限定ウイスキー、岳樺(だけかんば)を飲みます。

国分北海道が企画したウイスキー

dakekanba_岳樺は、食品の卸売り商社、国分の北海道にある子会社が企画したウイスキーです。
国分北海道の岳樺はウイスキーに限定せず、北海道限定の製品向けのブランドとしても展開するそうです。

岳樺とは、カバノキ属の木で、白樺に比べると樹皮が赤茶みがかっていて、森林限界点に近い高所に生えています。

北海道ならではの木というわけでは無く、本州の高山帯にも生息しています。

本製品は、2019年10月16日にブレンデッドモルトウイスキーとして発売されました。

ターゲットを北海道に限定し、北海道民の嗜好にマッチしたモルト原酒をヴァッティングして造ったとのことです。

実際に製造を手がけたのは、マルスウイスキーを販売する本坊酒造ですが、ブレンデッドモルトと書いている辺り、信州蒸溜所のモルト以外(おそらくはスコッチモルト)も使われている可能性があります。

ウイスキーの要素を多く詰め込んだ秀作

では、ストレートから飲みます。
グラスに注ぐと、液色は少し濃いめの琥珀色、香りは白ブドウとリンゴが感じられます。

口に含むと、先に樽のウッディさが口に広がり、正露丸を思わせるピートも一緒にやってきます。
その後はリンゴ、白ブドウのフルーティな香りが続きます。

味わいは、ほろ苦さが先行し、後から果物由来の甘みがほのかにやってきます。
ノンエイジですが、アルコールからの辛みはあまり感じられません。

ロックにすると、柿や栗の甘い香りが現れて、奥からライム、シナモン、ウッディさもふんわりと訪れます。一方でピートやリンゴ、白ブドウは現れなくなります。

味わいは、苦味が強まり、甘みは奥の方から感じ取れるほどです。

最後にハイボールだと、再びウッディさが先んじて、シナモン、柿、リンゴと続きます。ピートも正露丸っぽさが伝わってきます。
味わいは、甘みがやっと主体となり、飲みやすさが増します。

信州の職人さんには申し訳ないですが、今迄飲んだマルスウイスキーの信州モルトでは感じられない香り、味わいが豊富に感じ取れ、おそらくはアイラモルトも含まれているかもしれないかな、と推測されます。

いわばワールドモルトに該当すると言えますが、どのような飲み方でも熟成感をしっかり感じられ、癖はあるもののきつさは抑えられているように感じます。

700mL、アルコール度数は43度、価格は5000円ほどです。ノンエイジのブレンデッドモルトとしてはお値段は高めですが、今の相場から考えると十分値段相応の出来に思えます。

<個人的評価>

  • 香り A: 樽香と正露丸を思わせるピートが先行する。あとから白ブドウ、リンゴ。加水で柿、栗、シナモン、ライムも訪れる。
  • 味わい B: ビターが前面に来るが、後から甘みがジワジワくる。加水で苦味は抑えられる。
  • 総評 B: モルトの出所はわからないものの、香り豊かで飲みやすく、損はしない。



今回は、ザ・マッカランの免税店限定ボトル、クエストを飲みます。

2万マイルの旅の末に見つけた樽材

macallan_quest_2018年より、ザ・マッカランは免税店限定のボトルとして、クエスト・コレクションをリリースしました。

これまでに職人たちが、マッカランにふさわしい樽材を求めて2万マイル以上を旅をしたと言われ、そうした先人たちの苦労に敬意を表す形で、クエストと名のつくシリーズをリリースすることとなったのです。

クエスト・コレクションは4種類あり、下位からクエスト、ルミナ、テラ、エニグマの順にラインナップされています。

今回飲むクエストは、バーボン樽を中心に、シェリー酒の熟成に使われたアメリカンオーク、ヨーロピアンオークの樽、そしてホグスヘッドの4種類の樽を使って熟成されたモルト原酒を使用しています。

クエストのパッケージには青空が広がるデザインになっていて、幾度も空を飛んで果て無き旅を続けてきたイメージになっています。

レギュラーにはないフローラルさが目立つ

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は赤みがかったアンバー、香りは濃厚なレーズンが鼻を通っていきます。

口に含むと、レーズンと共にバターの甘い香りが訪れます。その後はエスプレッソコーヒーやダークチョコのような濃い香ばしさが追いかけます。

味わいは、アルコールの辛みは少ない代わりに、ほろ苦さが主体になっています。

ロックにすると、レモンを思わせる爽やかな香りが揮発します。バターのような香りは抑えられ、レーズンの香りが強調されるように感じられます。その後には石けんを思わせるフローラルさが続きます。

味わいは、柑橘系の酸味が前に来る印象に変わり、苦味が加わって柑橘系の感じが強調されます。

最後にハイボールにすると、香りはレーズンと石けんが主体になります。特にレーズンは、濃厚なブドウの香りをしっかり残している印象です。

味わいは、比較的酸味が先立っていて、ほんのりとうま味も感じ取れます。

ノンエイジなれど、若さ故のアルコールの刺激は少なく、相当な熟成を経た原酒を使ったように思えます。
また、フローラルさが目立つなど、レギュラーのシェリーオーク、ダブルカスクと比べ、ホグスヘッド樽を使うことでのアクセントが生まれているように思えます。

1000mL、アルコール度数40度、価格は7000円ほど。700mL換算だと5000円弱ですので、レギュラーと比べてもお得感があると思います。

<個人的評価>

  • 香り B: レーズンバターからエスプレッソ。加水でレモン、石けんが顔を出す。
  • 味わい C: ストレートではほろ苦さが目立つ。加水されるたびにフルーツの酸味が増す。
  • 総評 B:マッカランらしさは薄いものの、ロック、水割り、ハイボールで楽しめる。



ちまたではラグビーのワールドカップが行われていますが、日本代表は、アイルランド、スコットランドという、2つのウイスキーの産地の国と戦うという妙が生まれています。

それに因んでか否か、今回はアイリッシュウイスキーから、ブッシュミルズ シングルモルト10年を飲みます。

伝統の3回蒸溜で作られる10年もののシングルモルト

bm10_ブッシュミルズ蒸溜所は、イギリス 北アイルランドのアントリム州にあります。

1608年に創業したアイリッシュウイスキー最古の蒸溜所では、大麦麦芽はアイルランド産、モルティング時にピートを使わないノンピート麦芽に仕上げます。

蒸溜はポットスチルを使うものの、ジャパニーズやスコッチが2回蒸溜するのが一般的なのに対して、ブッシュミルズはアイリッシュウイスキーの標準である3回蒸溜を行います。

熟成に使う樽は、バーボン樽、シェリー樽、ポートワイン樽、マディラワイン樽、ラム酒樽になります。

ブッシュミルズは、レギュラーのブレンデッドの他、シングルモルトとして10年、12年、16年、21年をラインナップさせています。

青リンゴとハチミツの甘い香り

では、ストレートから飲みます。
グラスに注ぐと、液色は中庸な琥珀色、香りは青リンゴの爽やかさを感じられます。

口に含むと、鼻から通った青リンゴの香りが一気に広がり、あとからハチミツ、バニラの甘い香りが続きます。
味わいは、アルコールからの辛みはそこそこあるものの、後から軽いほろ苦さの後に甘みがジワジワ伝わってきます。

ロックでは、レモンのような爽やかな香りが揮発します。その後は青リンゴが広がり、ハチミツやバニラの香りは奥に潜みます。
味わいは、苦味が少々前に出るものの、あまり尖った印象は少なく、奥から酸味が追いかけます。

ハイボールにすると、再び青リンゴの香りが前に出てきて、バニラ、ハチミツの甘い香りも続きます。
味わいは、多少のほろ苦さがあるものの、甘さが主体になります。

ブレンデッドウイスキーのレギュラーと傾向は同じですが、10年熟成によって苦味は抑えられていて、特にストレート、ハイボールでは飲みやすいものになっています。
ウイスキーを飲み慣れてない人でも、香りが良くて飲みやすいと思います。

700mL、アルコール度数40度、価格は3000円ほど。

<個人的評価>

  • 香り B: 青リンゴが主体、あとからハチミツ、バニラの甘い香り。加水でレモンが広がる。
  • 味わい C: ほろ苦さが先行するも、後から甘さが舌を支配する。ロックでは苦味が強く出る。
  • 総評 B: 苦味が気になるも、フルーツの爽やかさと甘い香りがとっつきやすい。



今回は、長濱蒸溜所から、アマハガン エディションNo.3 ミズナラウッドフィニッシュを飲みます。

ミズナラ樽で後熟した習作

amahagan3_アマハガンは、長濱蒸溜所で本格的なシングルモルトのリリースに先立って、3年未満の長濱モルトと海外のバルクウイスキーをブレンドして、ブレンドの技術を習熟する目的でリリースされています。

第三弾となるこのボトルでは、既に発売されているNo.1のブレンド済みの原酒をミズナラの樽に入れて後熟しているのが特徴です。

ミズナラは日本原産の楢の木の一種で、主に北海道に生息しています。
ウイスキーの樽としては、元々は第二次世界大戦時によって入手困難となったホワイトオークの代わりにすぎませんでした。

また、樽材としては原酒が漏れやすい欠点がある上に、新樽としては木の香りが強く出すぎて、癖の強い原酒になるデメリットもあります。

しかし、何度か使ってはリチャーを行うことで、香木のような個性的な香りを帯びるようになり、日本のウイスキーの大きな個性として世界中でもてはやされるようになります。

最近では海外のメーカーでもミズナラ樽で後熟を行う所もあるほどです。

こうした特徴を持つミズナラの樽にアマハガンのブレンドを入れるとどうなるのでしょうか。

ミズナラのオリエンタルさが引き立つ

では、ストレートから飲みます。
グラスに注ぐと、液色は少し淡い琥珀色、香りは白ワインを思わせるフルーティさがあります。

口に含むと、ラムレーズンと樽からのウッディさが先にやってきます。程よくピートからのスモーキーな香りが続き、カカオとウエハースが締めます。

味わいは、アルコールからの辛みはそれなりであるものの、その後は酸味と柑橘系の苦味が半々に訪れます。後味にはほんのりとした甘みが顔を出します。

ロックでは、ゆずと柿、栗の香りが揮発します。その後はシナモン、ウッディ、バニラ、最後にはスモーキーな香りが後を引きます。
味わいは、渋みが真っ先に感じられますが、時間が経つにつれてほんのりした甘みが舌全体を支配していきます。

最後にハイボールにすると、白檀とレーズンの香りが先立ち、その後にバニラの甘い香りが続いていきます。
味わいは、苦味が少々目立つものの、後からはほんのりと甘い印象があります。

まだ未熟な長濱モルトからのとげとげしいアルコール感は否めませんが、ミズナラ樽の特徴がしっかりと得られます。
おそらくは新樽を使っていると思われますが、後熟として短期間だけ貯蔵することで、香りや味がくどくならないよう調整が利いているように思えます。

700mL、アルコール度数47度、価格は7000円ほど。

<個人的評価>

  • 香り B: ラムレーズンと樽香が先行し、ピート、カカオ、ウエハースが続く。加水で白檀、シナモンゆず、柿、栗が現れる。
  • 味わい B: まだ未熟さはあるものの、柑橘系の酸味と苦味が先行、後から甘みが得られる。
  • 総評 B: フィニッシュにすることで、程よくミズナラの個性が引き出せている。



今回はハイランドモルト、トマーティンのカスクストレングスを飲みます。

ファーストフィルバーボン樽、シェリー樽原酒を使用

tma_cs_トマーティン蒸溜所は、ハイランド地方中央部にあります。
1980年代に経営が悪化しましたが、そこに手を差し伸べたのが日本の宝酒造でした。
現在、宝酒造は経営権を手放しましたが、一部のボトルは現在も輸入販売しています。
一方でトマーティンのシングルモルトは、国分株式会社が輸入しています。

トマーティン蒸溜所では、バーボン樽、シェリー樽、バーボン樽を解体、再構築したホッグスヘッドの樽を使った原酒を使用していますが、カスクストレングスでは、ファーストフィルのバーボン樽、ファーストフィルのオロロソ・シェリー樽のみを使っています。

ヴァッティング後は加水をせず、冷却濾過も行わずにそのままボトリングしています。

近年になってボトルを新しくし、従来のストレートな形状から、根元にくびれを持つふくよかな形状になっています。

レーズン、リンゴ、焼きたてのパンの香りがしっかり

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は少々淡い琥珀色、香りはレーズン、バターの香りが強い焼きたてのパンが続きます。

口に含むと、アルコールからの刺激はそこそこに訪れ、その後はレーズン、パン、バター、リンゴが続きます。
味わいは、流石にカスクストレングスだけに辛みはとても強く、その後は強い酸味が占めます。

ロックにすると、アルコールの刺激はまだ続き、その後はオレンジやライムの爽やかな香りが揮発します。レーズン、リンゴも一気に広がります。
味わいは、ほろ苦さを帯びつつも酸味が引き続き全体を占めます。

ハイボールでは、パンのような酸味を伴った甘い香りが先立ち、その後はレーズン、リンゴが続きます。
味わいは、穏やかな酸味の奥に甘みが顔を出してきます。

ノンエイジのカスクストレングスゆえに、ストレートやロックでのアルコールのきつさは避けられませんが、香りがとてもフルーティかつ豊かで、しっかりと楽しめるボトルに思えます。

700mL、アルコール度数57.5度、価格は正規品では9000円ほど、並行輸入品であれば6000円ほどになります。

<個人的評価>

  • 香り A: アルコールの刺激が強いものの、後からレーズン、焼きたてのパン、リンゴがしっかり香る。加水でオレンジ、ライムの爽やかさも加わる。
  • 味わい B: ストレート、ロックではアルコールの辛みが強い。その後は酸味が全体を支配する。加水で甘みが顔を出す。
  • 総評 B: 若さが強いカスクストレングスだが、豊かな香りは評価できる。



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