RERAのウイスキーブログ

40過ぎのおっさんが、ジャパニーズ、スコッチを中心にウイスキーを飲み、独断で評価していきます。

カテゴリ:ウイスキー > ブレンデッドウイスキー

togochi今回は、日本の地ウイスキーから、中国醸造の戸河内ウイスキーを飲んでみます。

戸河内ウイスキーとは、広島県廿日市市にある中国醸造が販売しているウイスキーで、同じ広島県安芸太田町戸河内(旧戸河内町)にある貯蔵庫にウイスキーを熟成させたものになります。

この貯蔵庫は、かつての国鉄が387mにわたる試掘トンネルとして掘られたもので、年間14℃ に保たれていることから、ウイスキーを熟成させるのに都合が良いと再利用されたものです。

使用されている原酒を調べてみると、中国醸造で自前で蒸溜しているという記載はなく、蒸溜所やポットスチルの写真もありません。
おそらくはスコットランドからニューポットのモルト原酒とグレーン原酒を樽ごと輸入して、そのまま貯蔵庫で熟成させたのではないかと思われます。

先行して限定販売された18年も、元はスコッチのモルト原酒と4年熟成のカナディアンのグレーンをブレンドしてから18年マリッジさせる形で貯蔵したものだったそうで、ジャパニーズウイスキーという定義では「?」がつきます。

何はともあれ、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色はなんととても淡いメッキをかける前のホワイトゴールド。着色でカラメルを使っていない感じです。香りはアルコールがメインにあります。

口に含むと、メロン、バニラ、クリームの香りが口に広がります。

味わいは酸味が主体で、後から甘さがついてきます。

ロックにすると、エステリーさが強くなり、青リンゴ、ナシの香りが強くなります。
味わいも酸味の後にビターが感じ取れるようになります。

全体的にふと感じられるのは、ウイスキーというよりも熟成された本格焼酎に似た雰囲気でした。
中国醸造は日本酒、焼酎の製造もおこなっていますが、ウイスキーを熟成する貯蔵庫には、日本酒、焼酎も熟成のために貯蔵しているようです。
それとは関係あるかがわかりませんが、以前に飲んだ樽熟成された麦焼酎に似た香りを感じました。

ただ、ウイスキーとしての出来においては悪いとは言えず、大手のウイスキーを飲んだ人には興味深い香りと味わいに思えるでしょう。

しかしながら、ジャパニーズウイスキーを語るのであれば、モルト原酒、グレーン原酒も自前で醸造、蒸留して仕込んでほしいと心から思います。

700mL、アルコール度数40度、価格は2500円ほど。

<個人的評価>
・香り B: 若いながら、メロン、バニラ、青リンゴ、ナシと豊富な香り。
・味わい C : ストレートでは甘さ、加水すると酸味とビターがメイン。
・総評 C: 悪くはないが、ジャパニーズウイスキーを名乗るのはどうかと...



1000円前後のウイスキーを比較する特集の最後として、これまでに私が飲んだ中で気に入ったスコッチウイスキーからピックアップしていきます。   

バランタイン ファイネスト

  • 700mL、40度、1000円
ballantinesバランタインのスタンダードボトルです。消費税導入前には5000円近くして、高嶺の花だったこともありますが、1000円で買えるウイスキーとしては十分なほど香りも味わいも満足できます。

実際にロックで飲んでみると、香りはレーズンやバニラとともに、しっかりしたスモーキーフレーバーがあります。

味わいは甘さがめいんで、後からビターが追います。
単に香り豊かな感じでは終わらずガツンとした重厚感もあります。

初めてウイスキーを飲む上では、香りの要素の大半が凝縮されていて、勧められます。

<個人的評価>(A~E)
香り A: レーズン、バニラといった華やかさを持ちつつしっかりとしたスモーキー感。
味わい A: 甘さがメイン。アルコールの刺激はうまく丸められている。
総評 A: 本格的なスコッチを味わうなら、これを入門編にするのがベストかと。


ジョニーウォーカー レッドラベル

  • 700mL、40度、1200円
jwrこちらはジョニーウォーカーのスタンダードボトルになります。
ジョニーウォーカーといえばブラックラベルのほうが有名ですが、レッドラベルはスモーキーさが少なく、甘さが表にたった印象です。
ボトルからくる香りは、アルコールの刺激が強くて判別できませんですが、ストレートで飲んでみると、 不思議とアルコールの刺激はそれほど訪れず、ピートや樽からくるスモーキーさとウッディな香りがメインになります。
味わいは甘く、黒ラベルほどではないものの飲みやすくなっています。

加水すると、香りに青りんご、なし、レーズンなどが加わって華やかさとさわやかさが合わさってきます。
味わいも甘さと多少の酸味が来るようになり、ハイボールにしても甘さを堪能できます。
サントリーの角瓶などと比べても、程よい甘さとアルコール由来の刺激、辛みが抑えられているため、パフォーマンスでは圧倒的に上です。

<個人的評価>
・香り A: ストレートではスモーキーだが、加水すると華やかになる。
・味わい A: アルコールの辛みが少なく、ストレートでも甘さを実感できる。飲みやすい。
・総評 AA: 1200円で十分に堪能できる銘柄。


カティサーク

  • 700mL、40度、1100円
cuttysarkかつて迅速に紅茶を運ぶために建造された帆船、カティサーク号を模した銘柄で、古くから日本でも知名度が高いです。

使用されている銘柄は、スぺイサイドのグランロセス、マッカラン、オークニー諸島のハイランドパークなどです。

いつものようにロックで飲んでみると、アルコールの刺激があるものの、ともにシェリー樽原酒の持つ華やかな香りがやってきます。一方でスモーキーな香りは抑え目です。
マッカランのシェリーオークが、これでもかといわんばかりのシェリー樽原酒の香りを持っていたので、その影響が強く出ている気がします。

味わいはアルコールの辛みが強めで、奥から青りんご、ナッツの味が後を追ってきます。それでも全体的にはあっさりした印象があります。

ブレンデッドでもとっつきにくい銘柄がありますが、カティサークはウイスキーを飲みなれていない人でも華やかな香りに魅せられるブレンドになっています。

<個人的評価>
・香り A:シェリー樽原酒の華やかな香りが支配する。癖が少ない。
・味わい B:香りと裏腹にあっさり、さっぱりした味。ハイボールでも行ける。
・総評 A:万人受けする味と1000円強の価格は魅力。日常飲むウイスキーとしてはうってつけ。

VAT69

  • 700mL、40度、1200円
vat691883年に、ウィリアム・サンダーソンが100種類のブレンドをためし、それぞれを桶(ブレンド、後熟用の樽?)にそれぞれ詰めた後、ウイスキーの評論家たちを集めて比較させました。
その結果、69番目のブレンドがもっともよかったことで、これを製品化しました。それがVAT69の由来です。

しかし、使用されるキーモルトは時代によって変わり、現在はロイヤルロッホナガーがキーモルトになっています。

ロックで飲んでみると、飲みはじめはそこそこのスモーキーとアルコールの刺激が先に来た後、 麦チョコ、柑橘系の皮を削った時のような爽やかな香りが漂ってきます。
味わいは酸味が主体で、甘さは控えめ、ビターはそれほどなく比較的飲みやすいかと思います。

全体的には多少のくせがあるので、スタンダードなから変化球がほしいな、というときにはいいかもしれませんね。

<個人的評価>
・香り C: なかなかのスモーキー。後からモルト、柑橘系。
・味わい B: ライムっぽい酸味がメインで甘さは控えめ。 苦さはない。
・総評 B: 1000円スコッチとしては合格ライン。

インバーハウス グリーンプレイド

  • 700mL、40度、1000円
inberインバーハウスは、ノックドゥ、スペイバーン、オールドプルトニーなどの蒸留所を所有する企業で、ブレンデッドウイスキーのブランドとしてはほかにマッカーサーもそろえています。
今回のグリーンプレイドは、ウイスキーの評論家として権威のあるジム・マーレイが、自著のウイスキーバイブル2008で、100点満点で90点の評価がつけられており、コストパフォーマンスとしては期待ができるボトルになっています。

まずはストレートから。グラスからはナシのような香りが強めに感じられます。
口に含むと、意外に刺激が弱く、紅茶、ハチミツ、洋ナシ、食パンの香りがします。
味わいは甘味、酸味、苦味が等しく舌を刺激してきます。

ロックにすると、奥に潜んでいたであろうピートの香りが顔を出し、洋ナシの香りが突き出てきて、味わいも酸味と苦味が強く感じられるようになります。
さらに加水されていくと、しょっぱさも感じ取れるようになり、様々な原酒をブレンドしたという奥深さを知ることができます。

下手に甘さや飲みやすさを出さず、ウイスキーらしさをアピールしながらも癖がつきすぎない程度に抑えたブレンドになっているように思えます。
平均的なスコッチウイスキーとして、飲み方によって個性が変わり、様々に味わうことができます。

<個人的評価>
・香り C: ストレートでは紅茶、ハチミツ、食パン。加水されると洋ナシ、ピートが前に出てくる。
・味わい B: 甘さだけでなく、酸味、苦味、しょっぱさと、様々な原酒が織りなす味を堪能できる。
・総評 A: 1000円スコッチでありながら、様々な香り、味を秘めたボトル。

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akashiRed今回は、江井ヶ嶋酒造のホワイトオークあかしレッドを飲んでみます。

公式サイトを見ても、以前に飲んだ「明石の地ウイスキー」(ロゴが黒いラベル)との違いが明確に書かれていませんが、ほかの情報からすると、レッドのほうがグレーンの割合が多めだ、というようです。

実際にストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は少々濃いアンバー。香りはトーストに似た香りがします。

口に含むと、「明石の地ウイスキー」同様に、ラムレーズンとトーストの香りが先に訪れます。後からカカオが追いかけてきます。

味わいは、多少の酸味と甘さが半々に訪れ、ストレートでも飲みやすさを感じられます。

加水してみると、エステリーさが前に出てきて、ストレートのようなカカオなどの甘い香りは引いています。

味わいも柑橘系のような酸味と苦さが強くなり、少々癖が出てきます。

全体的な傾向は明石の地ウイスキーとほぼ同じですが、加水した時の香りが薄くなった印象です。
それでも、下手に安いウイスキーと比べても十分ウイスキーとしての体は成立していて、初めての人でも受け入れられる変なくせのない仕上がりになっています。

500mL、アルコール度数は40度で、価格は840円。700mL換算だと 1176円ですから、角瓶くらいの価格帯になります。

そう考えても、角瓶がもう飲めなくなるほどの豊かな香りと甘さのある味わいがあり、、ストレートでもロックでも水割り、ハイボールでも十分飲みごたえのあるウイスキーになっています。

たまたま某コンビニで発見しましたが、普通は酒屋さんで探さないと手に入らないでしょう。

<個人的評価>
・香り B: 先にレーズン、トースト。あとからカカオ、モルト。加水するとエステリーに。
・味わい B: 酸味と甘さがあって、ストレートでも飲みやすい
・総評 A: 角瓶と同じ価格帯のウイスキーとしてははるかに上。


ホワイトオーク あかし レッド 500ml

ホワイトオーク あかし レッド 500ml
価格:745円(税込、送料別)

tarukaoruキリンが3月26日に富士山麓のリニューアルをしたのとともに、新発売となったのが、オークマスター 樽薫るです。

もともとオークマスターはメルシャンが発売していた銘柄で、当時は同社が所有していた軽井沢蒸溜所のモルトを使用していました。

その後キリンがメルシャンを完全子会社にしたのち、2011年に軽井沢蒸溜所を閉鎖、オークマスターも販売終了となっていました。

いわば今回は5年ぶりの復活となりますが、実際に使われているモルトは御殿場のものとなります。

いつものようにストレートから飲んでみます(4月中は網走に長期出張になったため、ホテルで試飲してます)。
グラスに注ぐと、液色はジンジャエールのような黄金色、香りはアルコールの刺激の奥にナシを感じます。

口に含むと、先に感じるのはバニラとウエハース、奥からナシ、マスカットがやってきます。
味わいはアルコールからの辛みが強いものの、後から甘さを感じ取れます。

次にトゥワイスアップにしてみると、先にナシ、マスカット、柿の香りが来るようになり、バーボンに近いエステリーさも見えてきます。ストレートで感じたバニラの香りは奥に下がった感じです。

味わいは酸味が強くなり、全体的にフルーティになってきます。 

新しい富士山麓に比べると、甘さがメインで飲みやすいブレンドになっていて、ストレートでも加水しても癖が少ない、晩酌用のウイスキーとしても適しています。

640mL、アルコール度数40度で、価格は1100円。
販売終了したボストンクラブや、新しい富士山麓よりも割高ですが、それよりもまろやかで熟成感もあるので、不満には感じないでしょう。

<個人的評価>
・香り B: ストレートではバニラ、ウエハースがメイン、加水するとナシ、マスカット、柿。
・味わい B: ストレートは辛さがあるが、加水することで甘くて飲みやすい。ほんのり酸味。
・総評 B: 香りも十分で甘さがメインなので、万人受けする印象。


オークマスター・樽薫る 640ml

オークマスター・樽薫る 640ml
価格:966円(税込、送料別)

seaA01今回飲むのは、ホワイトオーク シーアンカーです。

ホワイトオークというと江井ヶ嶋酒造のブランドですが、このシーアンカーは食品の販社である三菱食品が取り扱う商品で、一般向けではなく業務用(飲食店向け)になります。

早速ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は少々濃い目の琥珀色。香りはパンから香るようなアルコール臭がします。

口に含むと、アルコールの刺激が強く、香りは沈んだ雰囲気で感じ取りにくくなっています。
味も辛さが目立ち、酸味が仄かに感じ取れるほどです。

ロックにすると、ライム、青りんごのような香りが開き始めます。ただ、ボトルに書かれる「バニラの香り」は感じ取れません。

味わいも酸味がメインとなって、フルーティな感覚が目立つようになります。後々になって甘さもやってきます。

一般向けのホワイトオークあかしとは異なるブレンドかと思われます。
あかしでは麦チョコのような香ばしさのあるビターや甘い香りが感じ取れましたが、シーアンカーではストレートで感じ取れる香りはほとんどありませんでした。

ストレートではてんで味がなく、加水してやっと本領を発揮するようで、ロック、水割り、ハイボールで活きてくるでしょう。

業務用といっても、居酒屋、スナック、キャバクラのようなあまり高いお酒を出さないお店向けに思えます。

500mL、アルコール度数が40度、価格は2000円ほど。
軽い気持ちで飲むような人であれば、買っても損はしないでしょう。

<個人的評価>
・香り C: ストレートではアルコールしか感じ取れない。加水してライム、青りんご。
・味わい D: ストレートではほとんど辛いだけ。加水して酸味、ビターが生まれる。
・総評 C: ロック、水割り、ハイボール向け。ストレートでは飲めたものではない。


 

haig01今回は1000円スコッチの一つ、ヘイグを飲んでみます。

ヘイグはジョン・ヘイグ社が手がけていますが、創業は何と1627年!
さらに創業家を遡ると、11世紀にフランスのノルマンディーからイングランドへ侵攻、イングランド建国を果たしたウィリアム1世ともに従軍した騎士の一人に至ります。建国後にスコットランドとの国境に領地を賜り、スコットランドにも影響を与えていきました。

その名家の出身であったロバート・ヘイグが蒸留技術を学び、1627年からウイスキーを作り始めました。
ジョン・ヘイグ社の設立は1894年ですが、それまでにも、連続式蒸留機を使ったグレーンウイスキーの製造に着手したり、同業者を集めてディスティラーズ・カンパニー・リミテッド社というグレーンウイスキーをほぼ独占する起業の取りまとめをするなど、ウイスキーにおいてもヘイグ家は大きな力を持っていました。

ヘイグのウイスキーとしては、レギュラーのヘイグのほか、凹みのある三角形のボトルが特徴的なディンプルも有名です。

ではいつもの様にストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は平均的な琥珀色、香りはアルコールと多少のエステリーさがあります。

口に含むと、アルコールの刺激が先に来ますが、後からリンゴ、エステル系接着剤 がほのかに香ります。

味わいは辛さと酸味が先に来ますが、後から甘さが出てきます。

ロックにすると、アルコールの刺激が抑えられ、リンゴやエステリーが目立ってきます。後々になると、カカオ、モルト、バニラの香りが広がります。

味わいにおいても、ミルクココアのような甘さがはじめから目立つようになります。

名家にして長らくウイスキーの歴史に関わってきたことは伊達ではなく、非常に万人受けする甘さのあるウイスキーと言えます。

700mL、アルコール度数が40度で、価格は1300円ほど。

初めてのウイスキーとして飲むにしても申し分はないでしょう。 

<個人的評価> 
・香り B: 全体的に穏やか。リンゴ、エステル系接着剤、カカオ、モルト、バニラ。
・味わい A: ストレートでは酸味、辛さがあるが、加水されるとミルクココアのような甘さが目立つ。 
・総評 A: クセのあるお酒が苦手な人には十分受け入れられる甘いウイスキー。

ヘイグ 【700ml/40%】

ヘイグ 【700ml/40%】
価格:1,212円(税込、送料別)

fujisanroku2012016年3月22日、キリンディスティラリーが、従来の富士山麓 樽熟50°をリニューアルし、樽熟原酒50°として発売を開始しました。

大きな違いとして、容量が他の一般的な銘柄と同じ700mLになったことと、冷却ろ過を行わないノンチルフィルタードを採用したことです。

従来の樽熟50°は、2005年に発売を開始、1000円前後の銘柄としては珍しい、アルコール度数50°という高さが注目されました。

当時のブレンダーからは、ウイスキー人気が下火になっている状況で、いかに安く美味いウイスキーを提供するか、という命題のものとで心血を注いだと言われています。





fujisanroku202では、どれほどの違いが出てきたのか、従来品と飲み比べてみます。 

まずはストレートから。
グラスに注ぐと、少々濃い目の琥珀色。香りは白ワインに似た感じです。
口に含むと、最初に来る印象は柿の香りです。その後で、マスカット、ウエハース、 グレープフルーツ、香りが続いていきます。

味わいはアルコールの辛さがメインであるものの、軽い果実の酸味と甘みが半々にやってきます。

一方で従来品はというと、最初にバーボンに似たエステリーさがやってきて、その後青りんご、ナシの香りが追いかけてきます。

味わいは酸味が比較的強めになっています。

次にトゥワイスアップにしてみます。
すると、従来品同様のエステリーな香りが一気に立ち上るようになります。また、奥からの香りにバニラが加わるようになり、バーボンの要素が見えるようになります。

味わいも酸味の後に少々のビター、あとから甘さがやってくる印象です。

従来品の場合だと、鼻への刺激が強めで 、ストレートでのさわやかな香りはそのままに、フレッシュな印象になります。

味わいは酸味が少々強め、甘さはそれ程感じません。

飲み比べてみると、新しい樽熟原酒のほうがまろやかでコクのあるウイスキーに感じます。予想よりもかなり印象が異なっていて少々驚きました。おそらくは使用する原酒、ブレンドを大きく変えていると思われます。

最後に樽熟原酒のみロックにしてみると、トゥワイスアップ同様にエステリーさが先に来るものの、バーボンと比べるとかなり大人しく、その後にバニラの香りが目立つようになります。

味わいは、トゥワイスアップで感じた、後味の甘さは抑えられた印象です。

全体的に、従来品よりも熟成感が高まった印象で、「樽熟原酒」の名は伊達ではない気がします。

価格は1200円ほどと値上がりとなりましたが、容量の増加と正比例した程度であり、コスパの点では殆ど変わりません。 
競合の価格帯に入る、 角瓶やブラックニッカ リッチブレンドとくらべても、同列での価値観で言えば、一歩抜きん出た印象です。

最近まで香りや味わいが一辺倒だったキリンのウイスキーですが、新しい富士山麓は少し舵を切ったように思えます。

<個人的評価>
・香り B: ストレートでは柿のような香りが印象的。加水することでエステリーに。後からマスカット、バニラ、ウエハース。
・味わい B: ストレートでは辛さが前にあるが、加水することで酸味、甘みが目立つ。
・総評 A: 1000円台前半の価格帯で、サントリー、ニッカと戦えるオリジナリティのある銘柄だと思う。


富士山麓 樽熟原酒 50度

富士山麓 樽熟原酒 50度
価格:1,515円(税込、送料別)

ham01今回は1000円スコッチの中でも比較的有名な、ホワイト・アンド・マッカイ スペシャルを飲みます。

ホワイト・アンド・マッカイは、1882年にジェームズ・ホワイトとチャールズ・マッカイの二人がグラスゴーで創業した メーカーで、ホワイト・アンド・マッカイ スペシャルもそれからまもなくして発売されました。

2007年には、インドのユナイテッド・ブリュワリーズ・グループが同社を買収しましたが、その会長は、後にF1チーム、フォースインディアのオーナーとなったビジェイ・マリヤです。
一時は同チームのF1マシンにホワイト・アンド・マッカイのロゴが掲出されたことも有ります(余談ですが、現在、チームのマシンデザインを日本人が手掛けるなど、主要陣営に日本人スタッフの多いチームでも有ります)。

ホワイト・アンド・マッカイ スペシャルの製法にはちょっとした特徴があります。
一般的に後熟を行うのは、ブレンドのもととなるモルト原酒、グレーン原酒をすべて樽の中でブレンドして行いますが、ホワイト・アンド・マッカイ スペシャルでは、まずモルト原酒30種類以上をシェリー樽にヴァッティングして半年もの間熟成、そのあとでグレーン原酒をブレンドしてさらに数ヶ月の熟成を行います。
このダブルマリッジ製法により、まろやかで香りのあるボトルに仕上げています。

では、まずはストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は少々濃い琥珀色、香りはアルコールの奥に少々ラムレーズンのような香りがします。

口に含むと、真っ先にレーズンとバニラの香りが広がります。あとからオレンジ、生クリームと続きます。

味わいは柑橘系のような酸味とビターが表にあり、奥からゆっくりと甘さが広がります。

ロックにしてみると、ストレートで感じられた香りは更に広がり、芳醇なイメージをさらに掻き立てられます。

味わいも、多少アルコールからくる辛さはあるものの、ストレートよりも甘さが前に来る感じです。

全体的に、ウイスキーならではの香りを持ちつつも癖は大きく削り、初心者でも楽しめる甘さを持っています。
下手に安い国産ウイスキーを買うよりも、晩酌用として常備するにはうってつけでしょう。

700mL、アルコール度数が40度で、価格は1300円ほど。

<個人的評価>
・香り A: レーズン、バニラの香りがメイン。加水されるとさらに広がる。
・味わい A: ストレートでは酸味がメインだが、ロックにすると甘さが際立ってくる。
・総評 AA: 晩酌用ウイスキーとしてはこの上なく楽しめる逸品。



 

ちょうど1年前にサントリー角瓶のラインナップをまとめましたが、今回はブラックニッカのラインナップです。

昨年9月に、ニッカは価格の値上げと大半のラインナップの廃止を行いましたが、8年を除いて、ブラックニッカは価格を据え置かれました。それだけニッカにとっては看板商品と言えます。

1956年に、当時の特級ウイスキーの規格でブラックニッカが登場し、1965年には1級ウイスキーとしてリニューアル、髭のおじさんことキング・オブ・ブレンダーズ、W・P・ローリーの肖像画がラベルにはられました。

そのブラックニッカも様々なラインナップの変遷をたどり、今に至っています。

ブラックニッカ スペシャル

bnsp好評を得た2代目をベースに1985年に発売されました。

飲み口は余市モルト由来と思われる燻製に似たスモーキーな香りが漂いますが、そのあとにレーズンの香りが追いかけていきます。

味わいはロックやストレートではスパイシーでボディが強め、加水されていくことで甘さが強調されていきます。

ある意味ブラックニッカのベーシックにあたる銘柄ですが、創業者の竹鶴政孝が願う、日本人に本格的なウイスキーを飲んで欲しい、という思いが凝縮されていて、一定のウイスキーらしいスモーキーさと香りの良さを持ちながらも、それを強く出し過ぎないよう日本人の嗜好に合わせたブレンドになっています。

以前は酒屋さんに行っても目にすることが少なかったのですが、ドラマ「マッサン」放送と前後して、比較的手に入りやすくなっています。

ブラックニッカ クリア

1373911997年に、クリアブレンドとして発売され、2011年に現在のクリアに改められました。

スモーキーさの大きな要因となるピートを使ってモルティングをしない、ノンピートモルトを採用することで、癖の少ないスッキリした香りと味わいになっています。

しかし実際に飲んでみると、飲み口からスモーキーな香りが仄かに漂ってきます。これは内側を焦がしている樽からの香りかと思われます。

また、その後にモルトやウッディな香りもついてきていて、ウイスキーとして最低のラインをしっかり守ったブレンドになっています。

価格も700mLで700円で買えることを考えると、お金がないときに選ぶウイスキーとして申し分ないと思います。

ライバルはトリスとレッド、あとはスーパーのPBウイスキーになりますが、他の銘柄が見た目だけウイスキーっぽくした香りと味わいだったことを考えると、まだまだニッカは良心的だと感じます。

ブラックニッカ リッチブレンド

bn_rich012013年にリリースされ、豊かな香りを主体にしたブレンドになっています。

実際に飲んでみると、シェリー樽原酒ならではのレーズンの香りをメインにした甘い香りが口の中を駆け巡るように感じます。その後からはバニラ、ウエハースの香りも追いかけます。

その反面、スモーキーさは控えめになっていて、癖が少ない印象です。

味わいも加水されるごとに甘さが目立ち、水割りやハイボールであれば初心者でも飲みやすくなっています。

価格は1200円と少々値が張りますが、クリアよりも香り豊かで、スペシャルよりも癖の少ないものがほしいという時にはこのチョイスが有ります。



ブラックニッカ ディープブレンド

bn_deep2015年に発売されたもっとも新しいラインナップで、アルコール度数が45度で、スモーキーさを強めたブレンドになっています。

実際に飲んでみると、口の中にピートの香りが広がり、その後からナッツ、青りんご、柑橘系の香りが続いていきます。

味わいにおいても、ストレートでは酸味がメインで甘さは控えめ、加水されると甘さが奥から現れてきます。

G&Gというパンチの効いた銘柄がなくなった代わりに、ディープブレンドは十分にガツンとくる香り、味わい、ボディを持っていて、ヘビーなものを求める従来のファンや、ドラマ「マッサン」で、スモーキーなウイスキーとはどんなものか、というものを知りたい人には勧められるボトルです。 

当初は1000円台後半で売られていましたが、今は価格がこなれてリッチブレンド、スペシャルとほぼ同じ価格になっています。


まとめ

4つの銘柄それぞれにしても、価格帯に対しての、ウイスキーのアイデンティティをしっかりと守っていて、実際に飲んでみて、「ああ、ウイスキーだ」と実感できることは評価できるでしょう。

ライバルのサントリーを見ると、トリス、レッド、角瓶においては、日本人の下に合わせることをメインに置き、「うん、なんだかウイスキーっぽい」という範疇で収めているのとは対照的です。

別な言い方をすれば、ブラックニッカは単体でも飲めるウイスキー、サントリーは食事と一緒にでも飲めるウイスキーという考え方を持っているとも言えるのではないでしょうか。 

bc_tanrei01今回は1000円以下のウイスキーの中から、キリンのボストンクラブ 淡麗原酒を飲みます。

ラインナップとしては、以前に飲んだ豊醇原酒 よりも後に発売されました。

早速ストレートから飲んでみます。

グラスに注ぐと、液色は淡麗の名にふさわしく、淡いシャンパンゴールドで、香りはアルコールからのものが強く感じます。

口に含むと、飲み始めはパン、バニラ、ライムの香りが際立ちます。一方でキリンのウイスキーにありがちなエステリーな香りはほとんどしません。

味わいは酸味が強く 、あとからうっすらとビターを感じます。一方でアルコールの刺激は意外にありません。

ロックにすると、ライムの香りが強く表に現れ、全体的に淡麗、さわやかな印象になります。
味わいはストレート同様に酸味がメインであるものの、ビターが抑えられて飲みやすく感じます。

全体的に見ても、淡麗の名は伊達ではなく、食事と一緒に飲むウイスキーとしてはうってつけに思えます。

640mL、アルコール度数37度で、価格は900円ほど。1000円以下のウイスキーとしてははっきりとした香りと味わいがありながらもあっさりしていて、常飲するにも問題ない品質があります。

しかし残念ながら、豊醇原酒とともに2016年3月で販売終了することが決まりました。
それ以降は、メルシャンがかつて販売していた「オークマスター樽薫る」に代わる予定です。

<個人的評価>
・香り C: ストレートではパン、バニラの香りが感じられるが、加水するとライムの香りが立つ。
・味わい C : 全体的に酸味がメイン。アルコールの刺激は弱い。
・総評 B: サントリーの白角同様に、食事と一緒に飲むには最適。
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