RERAのウイスキーブログ

40過ぎのおっさんが、ジャパニーズ、スコッチを中心にウイスキーを飲み、独断で評価していきます。

カテゴリ: スコッチウイスキー

6/24に、イギリスでEU(ヨーロッパ連合)への離脱をするかの国民投票が行われ、わずかの差で離脱に賛成する票が過半数に達し、離脱が決定的になりました。

EUの離脱によって大きな影響を受けるのは、これまではイギリスから他のEU加盟国への輸出においてかけられなかった関税が加わることです。

スコッチウイスキーの生産国であるスコットランドも、イギリスの連合国の一つであるため、EU圏へのウイスキーの輸出においても大幅な値上げが行われる恐れがあり、消費が大きく落ち込む恐れがあります。

また、それ以外の自動車などの産業においてもEU圏への関税が加わることで、輸出量が減る恐れもあり、自動車産業にもダメージを与え、リストラによる労働者の減少、消費の縮小により、ウイスキーの国内消費も減る可能性もあります。

長期的に見ると、ウイスキーの消費減少によって、生産量も縮小され、結果的にスコッチウイスキーの価格高騰も考えられます。 

一方で、日本円と英ポンドとの 為替相場においては、1ポンド160円台から140円台まで急激に円高が進んだため、短期的に見れば、円高差益によってスコッチウイスキーの価格が下がる可能性もあります。

日本のウイスキーメーカーの多くが、スコットランドのモルトスターへの依頼で大麦麦芽を輸入しているため、短期的には麦芽の価格も下がる可能性はありますが、イギリス国内消費の低迷で、麦芽の生産量も減少することになれば、その分での価格上昇も考えられます。

いずれにしても、ウイスキーファンの人たちにとっては、EU離脱が完全なプラスに働くとは考えにくいところです。
また、スコットランドがEU加盟を目的に再び独立の気運が高まるなど、まだまだ予断を許しません。

 

ardmore今回は、ハイランドモルトから、アードモアを飲んでみます。

アードモア蒸溜所は、スペイサイド地域の東側、アバディーン州ケネスモントの郊外に立地しています。
ブレンデッドウイスキー「ティーチャーズ ハイランドクリーム」を生み出したウィリアム・ティーチャーの息子、アダム・ティーチャーが、1898年に設立しました。
現在は、ビーム・サントリーが所有しています。

原酒の多くは、ティーチャーズのキーモルトとして使われ、シングルモルトは限られた数しかリリースされませんでした。
しかし2016年6月に、 本格的に販売するシングルモルトのボトルとして、アードモア レガシーが新発売されました。

年数表記はなく、アルコール度数は40度と一般的な度数に調整されています。

ということで、ストレートから飲んでみます。

グラスに注ぐと、液色は淡いシャンパンゴールド、香りはピートの持つスモーキーな香りを感じ取れます。
口に含むと、ピートの香りが口に広がり、燻製、ヨードを強く感じます。
味わいは、アルコールから来る辛さがやってきます。

ロックにすると、強いレモンと香辛料のような刺激のある香りが現れ、 ピートと伴って強い癖を生み出します。
味わいは、辛さはそのまま続き、奥から柑橘系の酸味を感じます。

ハイランドモルトでありながら、アイラモルトやアイランド系の持つピート、スパイスが感じられるも、 ボディは比較的軽く、あまり後を引かないキレがあります。
傾向としては、現行のシングルモルト余市にも似たものがありますが、それに比べるとフルーティな香りが薄い感じです。

ティーチャーズを飲んだ人にとっては、ブレンドに使われているモルトがアイラ由来ではないかと思ったら、このアードモアによるものだというのが実感できるでしょう。

ドラマ「マッサン」の影響で、スモーキーで癖のあるウイスキーに興味がある人が増えている中で、このアードモアはそれに応えられるボトルかもしれません。

700mLで、価格は3300円ほどです。

<個人的評価>

  • 香り C : ピートとスパイスがメイン。加水するとレモンが加わる。
  • 味わい C : 辛い。加水されると酸味がついてくる。
  • 総評 C : アイラモルトなどの癖の強いものが好きならいいが、万人受けではない。



cs_proh今回はカティサークの中からプロヒビションを飲みます。

プロヒビションとは、英語で「禁酒法」のことで、アメリカで1920年から1933年まで施行されていました。

カティサークが誕生したのは1923年ですから、その当時はアメリカで販売することも出来なかったわけです。

そんな状況で、カティサークを密輸していたのが、「ウィリアム・フレデリック・“ビル”・マッコイ」 という一人の船乗りでした。
彼はバハマを経由して、東海岸へと輸送していました。

しかし、禁酒法時代においては粗悪な模造品も出回っていた中で、マッコイは本物のウイスキーを提供し続けたことで、正真正銘という意味で「The Real McCoy」という慣用句が生まれるほどの伝説を生み出しました。

禁酒法が廃止されると、カティサークはアメリカでも人気のスコッチとなりました。

そんなマッコイの業績をたたえ、2015年にリリースされたのが、今回のカティサーク プロヒビションです。

早速ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は少々薄めの琥珀色、香りはラムレーズンのような芳醇さが有ります。

口に含むと、まずレーズンの香りがふんだんに広がりますが、後から黒胡椒の香りが後にやってきます。

味わいもスパイシーが前に来ていて、50度のアルコールの刺激も正面から当たってきます。ボディもあり、かなりのパンチ力です。

ロックにすると、アルコールの刺激に加えてピートの香りも強くなり、より癖が強くなります。

味わいもスパイシーさがメインになり、ストレート以上に強烈なパンチが浴びせられます。

レギュラーとは打って変わって、甘さは殆ど感じられず、とてもスパイシーで刺激的なボトルになっています。
ですので、レギュラーの気分で買ってしまうと、とても面食らってしまうでしょう。

700mL、アルコール度数50度で、価格は3000円ほど。

<個人的評価>

  • 香り B: ストレートではシェリー樽原酒由来のレーズンの香りが強いが、黒胡椒、ピート、アルコールが後に控える。
  • 味わい C: スパイシー。ストレート、ロックでも辛さがメインで、パンチが効いている。
  • 総評 B: レギュラーとは異なるアイランドモルトのような荒々しいボトル。


coriv今回はアイラモルトの中から、アードベッグのコリーヴレッカンを飲んでみます。

コリーヴレッカンは、2008年にアードベッグ・コミュニティ会員限定で販売され、高い反響を読んだことでレギュラーボトルとして販売されました。

2010年には、ワールド・ウイスキー・アウォードでワールド・ベスト・シングルモルトを獲得しました。

コリーヴレッカンとは、ジュラ島とスカバ島に挟まれた海峡の名前で、ラベルに書かれるように渦潮が現れるなど、荒々しい海として知られています。

その名の通り、熟成にフレンチオーク樽を使用し、10年ものでも強烈なアードベッグをさらに荒々しくスパイシーに仕上げたボトルになっています。
アルコール度数も57.1度とレギュラーよりも高い、ほぼカスクストレングスの高さになっています。

いつものようにストレートから飲んでみます。

グラスに注ぐと、液色はかなり濃厚な琥珀色、香りはアイラモルトならではの強い煙を感じ取れます。

口に含むと、まずアードベッグならではのつよいスモーキーと、香辛料のようなさわやかな香りです。
しかし、アイラモルトならではの正露丸、ヨードのような香りは薄く、炭焼や燻製のような煙を強く感じ取れます。

そして奥からは、ライムの爽やかさも追いかけてきます。

味わいは、とてもスパイシーで、アルコールとは異なるビリビリとした刺激を感じ取れます。 その後からは柑橘系のような酸味、ビターが来ます。

水を1:1に加水してみると、やはりスモーキーさは強く残りますが、後からダークチョコレートやエスプレッソのような香りが加わってきます。

味わいもカカオまたはエスプレッソのほろ苦さが感じ取れ、ストレートとは異なった顔に変わります。

ロックにすると、ストレートでのスパイシーさが更に濃くなり、ライムのようなフルーティさも強めになります 。
加水が進むに連れて、カカオ、エスプレッソの顔も覗き始め、とても複雑で、ボディブローのような強いパンチが効いてきます。

最も強烈なインパクトを求めるなら、ロックにする方がいいでしょう。

700mL、アルコール度数は57.1度で、価格は8500円ほど。
渦潮に巻き込まれるようにハマってどんどん飲んでしまうと、強いアルコールによって一気に酔いつぶれてしまいますので、 我に返られるほどにとどめておきましょう。

<個人的評価> 
・香り B: まず燻製のようなスモーキー、そしてスパイス。後からライム。加水するとカカオ、エスプレッソ。
・味わい B: 強烈な辛さ。奥から柑橘系の酸味、エスプレッソのような強いビター。
・総評 B: 本当にパンチの効いた銘柄が欲しければ、高くても一度は飲んで欲しい。



1000円前後のウイスキーを比較する特集の最後として、これまでに私が飲んだ中で気に入ったスコッチウイスキーからピックアップしていきます。   

バランタイン ファイネスト

  • 700mL、40度、1000円
ballantinesバランタインのスタンダードボトルです。消費税導入前には5000円近くして、高嶺の花だったこともありますが、1000円で買えるウイスキーとしては十分なほど香りも味わいも満足できます。

実際にロックで飲んでみると、香りはレーズンやバニラとともに、しっかりしたスモーキーフレーバーがあります。

味わいは甘さがめいんで、後からビターが追います。
単に香り豊かな感じでは終わらずガツンとした重厚感もあります。

初めてウイスキーを飲む上では、香りの要素の大半が凝縮されていて、勧められます。

<個人的評価>(A~E)
香り A: レーズン、バニラといった華やかさを持ちつつしっかりとしたスモーキー感。
味わい A: 甘さがメイン。アルコールの刺激はうまく丸められている。
総評 A: 本格的なスコッチを味わうなら、これを入門編にするのがベストかと。


ジョニーウォーカー レッドラベル

  • 700mL、40度、1200円
jwrこちらはジョニーウォーカーのスタンダードボトルになります。
ジョニーウォーカーといえばブラックラベルのほうが有名ですが、レッドラベルはスモーキーさが少なく、甘さが表にたった印象です。
ボトルからくる香りは、アルコールの刺激が強くて判別できませんですが、ストレートで飲んでみると、 不思議とアルコールの刺激はそれほど訪れず、ピートや樽からくるスモーキーさとウッディな香りがメインになります。
味わいは甘く、黒ラベルほどではないものの飲みやすくなっています。

加水すると、香りに青りんご、なし、レーズンなどが加わって華やかさとさわやかさが合わさってきます。
味わいも甘さと多少の酸味が来るようになり、ハイボールにしても甘さを堪能できます。
サントリーの角瓶などと比べても、程よい甘さとアルコール由来の刺激、辛みが抑えられているため、パフォーマンスでは圧倒的に上です。

<個人的評価>
・香り A: ストレートではスモーキーだが、加水すると華やかになる。
・味わい A: アルコールの辛みが少なく、ストレートでも甘さを実感できる。飲みやすい。
・総評 AA: 1200円で十分に堪能できる銘柄。


カティサーク

  • 700mL、40度、1100円
cuttysarkかつて迅速に紅茶を運ぶために建造された帆船、カティサーク号を模した銘柄で、古くから日本でも知名度が高いです。

使用されている銘柄は、スぺイサイドのグランロセス、マッカラン、オークニー諸島のハイランドパークなどです。

いつものようにロックで飲んでみると、アルコールの刺激があるものの、ともにシェリー樽原酒の持つ華やかな香りがやってきます。一方でスモーキーな香りは抑え目です。
マッカランのシェリーオークが、これでもかといわんばかりのシェリー樽原酒の香りを持っていたので、その影響が強く出ている気がします。

味わいはアルコールの辛みが強めで、奥から青りんご、ナッツの味が後を追ってきます。それでも全体的にはあっさりした印象があります。

ブレンデッドでもとっつきにくい銘柄がありますが、カティサークはウイスキーを飲みなれていない人でも華やかな香りに魅せられるブレンドになっています。

<個人的評価>
・香り A:シェリー樽原酒の華やかな香りが支配する。癖が少ない。
・味わい B:香りと裏腹にあっさり、さっぱりした味。ハイボールでも行ける。
・総評 A:万人受けする味と1000円強の価格は魅力。日常飲むウイスキーとしてはうってつけ。

VAT69

  • 700mL、40度、1200円
vat691883年に、ウィリアム・サンダーソンが100種類のブレンドをためし、それぞれを桶(ブレンド、後熟用の樽?)にそれぞれ詰めた後、ウイスキーの評論家たちを集めて比較させました。
その結果、69番目のブレンドがもっともよかったことで、これを製品化しました。それがVAT69の由来です。

しかし、使用されるキーモルトは時代によって変わり、現在はロイヤルロッホナガーがキーモルトになっています。

ロックで飲んでみると、飲みはじめはそこそこのスモーキーとアルコールの刺激が先に来た後、 麦チョコ、柑橘系の皮を削った時のような爽やかな香りが漂ってきます。
味わいは酸味が主体で、甘さは控えめ、ビターはそれほどなく比較的飲みやすいかと思います。

全体的には多少のくせがあるので、スタンダードなから変化球がほしいな、というときにはいいかもしれませんね。

<個人的評価>
・香り C: なかなかのスモーキー。後からモルト、柑橘系。
・味わい B: ライムっぽい酸味がメインで甘さは控えめ。 苦さはない。
・総評 B: 1000円スコッチとしては合格ライン。

インバーハウス グリーンプレイド

  • 700mL、40度、1000円
inberインバーハウスは、ノックドゥ、スペイバーン、オールドプルトニーなどの蒸留所を所有する企業で、ブレンデッドウイスキーのブランドとしてはほかにマッカーサーもそろえています。
今回のグリーンプレイドは、ウイスキーの評論家として権威のあるジム・マーレイが、自著のウイスキーバイブル2008で、100点満点で90点の評価がつけられており、コストパフォーマンスとしては期待ができるボトルになっています。

まずはストレートから。グラスからはナシのような香りが強めに感じられます。
口に含むと、意外に刺激が弱く、紅茶、ハチミツ、洋ナシ、食パンの香りがします。
味わいは甘味、酸味、苦味が等しく舌を刺激してきます。

ロックにすると、奥に潜んでいたであろうピートの香りが顔を出し、洋ナシの香りが突き出てきて、味わいも酸味と苦味が強く感じられるようになります。
さらに加水されていくと、しょっぱさも感じ取れるようになり、様々な原酒をブレンドしたという奥深さを知ることができます。

下手に甘さや飲みやすさを出さず、ウイスキーらしさをアピールしながらも癖がつきすぎない程度に抑えたブレンドになっているように思えます。
平均的なスコッチウイスキーとして、飲み方によって個性が変わり、様々に味わうことができます。

<個人的評価>
・香り C: ストレートでは紅茶、ハチミツ、食パン。加水されると洋ナシ、ピートが前に出てくる。
・味わい B: 甘さだけでなく、酸味、苦味、しょっぱさと、様々な原酒が織りなす味を堪能できる。
・総評 A: 1000円スコッチでありながら、様々な香り、味を秘めたボトル。

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haig01今回は1000円スコッチの一つ、ヘイグを飲んでみます。

ヘイグはジョン・ヘイグ社が手がけていますが、創業は何と1627年!
さらに創業家を遡ると、11世紀にフランスのノルマンディーからイングランドへ侵攻、イングランド建国を果たしたウィリアム1世ともに従軍した騎士の一人に至ります。建国後にスコットランドとの国境に領地を賜り、スコットランドにも影響を与えていきました。

その名家の出身であったロバート・ヘイグが蒸留技術を学び、1627年からウイスキーを作り始めました。
ジョン・ヘイグ社の設立は1894年ですが、それまでにも、連続式蒸留機を使ったグレーンウイスキーの製造に着手したり、同業者を集めてディスティラーズ・カンパニー・リミテッド社というグレーンウイスキーをほぼ独占する起業の取りまとめをするなど、ウイスキーにおいてもヘイグ家は大きな力を持っていました。

ヘイグのウイスキーとしては、レギュラーのヘイグのほか、凹みのある三角形のボトルが特徴的なディンプルも有名です。

ではいつもの様にストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は平均的な琥珀色、香りはアルコールと多少のエステリーさがあります。

口に含むと、アルコールの刺激が先に来ますが、後からリンゴ、エステル系接着剤 がほのかに香ります。

味わいは辛さと酸味が先に来ますが、後から甘さが出てきます。

ロックにすると、アルコールの刺激が抑えられ、リンゴやエステリーが目立ってきます。後々になると、カカオ、モルト、バニラの香りが広がります。

味わいにおいても、ミルクココアのような甘さがはじめから目立つようになります。

名家にして長らくウイスキーの歴史に関わってきたことは伊達ではなく、非常に万人受けする甘さのあるウイスキーと言えます。

700mL、アルコール度数が40度で、価格は1300円ほど。

初めてのウイスキーとして飲むにしても申し分はないでしょう。 

<個人的評価> 
・香り B: 全体的に穏やか。リンゴ、エステル系接着剤、カカオ、モルト、バニラ。
・味わい A: ストレートでは酸味、辛さがあるが、加水されるとミルクココアのような甘さが目立つ。 
・総評 A: クセのあるお酒が苦手な人には十分受け入れられる甘いウイスキー。

ヘイグ 【700ml/40%】

ヘイグ 【700ml/40%】
価格:1,212円(税込、送料別)

ham01今回は1000円スコッチの中でも比較的有名な、ホワイト・アンド・マッカイ スペシャルを飲みます。

ホワイト・アンド・マッカイは、1882年にジェームズ・ホワイトとチャールズ・マッカイの二人がグラスゴーで創業した メーカーで、ホワイト・アンド・マッカイ スペシャルもそれからまもなくして発売されました。

2007年には、インドのユナイテッド・ブリュワリーズ・グループが同社を買収しましたが、その会長は、後にF1チーム、フォースインディアのオーナーとなったビジェイ・マリヤです。
一時は同チームのF1マシンにホワイト・アンド・マッカイのロゴが掲出されたことも有ります(余談ですが、現在、チームのマシンデザインを日本人が手掛けるなど、主要陣営に日本人スタッフの多いチームでも有ります)。

ホワイト・アンド・マッカイ スペシャルの製法にはちょっとした特徴があります。
一般的に後熟を行うのは、ブレンドのもととなるモルト原酒、グレーン原酒をすべて樽の中でブレンドして行いますが、ホワイト・アンド・マッカイ スペシャルでは、まずモルト原酒30種類以上をシェリー樽にヴァッティングして半年もの間熟成、そのあとでグレーン原酒をブレンドしてさらに数ヶ月の熟成を行います。
このダブルマリッジ製法により、まろやかで香りのあるボトルに仕上げています。

では、まずはストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は少々濃い琥珀色、香りはアルコールの奥に少々ラムレーズンのような香りがします。

口に含むと、真っ先にレーズンとバニラの香りが広がります。あとからオレンジ、生クリームと続きます。

味わいは柑橘系のような酸味とビターが表にあり、奥からゆっくりと甘さが広がります。

ロックにしてみると、ストレートで感じられた香りは更に広がり、芳醇なイメージをさらに掻き立てられます。

味わいも、多少アルコールからくる辛さはあるものの、ストレートよりも甘さが前に来る感じです。

全体的に、ウイスキーならではの香りを持ちつつも癖は大きく削り、初心者でも楽しめる甘さを持っています。
下手に安い国産ウイスキーを買うよりも、晩酌用として常備するにはうってつけでしょう。

700mL、アルコール度数が40度で、価格は1300円ほど。

<個人的評価>
・香り A: レーズン、バニラの香りがメイン。加水されるとさらに広がる。
・味わい A: ストレートでは酸味がメインだが、ロックにすると甘さが際立ってくる。
・総評 AA: 晩酌用ウイスキーとしてはこの上なく楽しめる逸品。



 

deanston_na01今回はハイランドモルトの中から、ディーンストンのノンエイジ、ヴァージン・オークを飲んでみます。

ディーンストンは、南ハイランド地区のティース川のほとり、スターリングから川を上った場所にあります。

ディーンストンの蒸溜所は、元々は水力紡績機を使った紡績工場として建てられたため、見た目には蒸溜所らしくない建物になっています。

1965年に蒸溜所として改装されましたが、紡績工場時代に使用されていた水力施設を発電用に活用するなど、工場の遺産を有効利用しています。 

ディーンストンの大きな特徴としては、すべての原酒をノンピートモルトで作っていることが上げられます。

ディーンストンのオフィシャルボトルとしては、長期熟成の12年をはじめ、 トーステッドオーク、スパニッシュオーク、そして今回飲むヴァージンオークがラインナップされています。
 
ヴァージンオークではその名の通り新樽を使って熟成された原酒という意味で、冷却ろ過も行われていません。

それではストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色はシャンパンゴールドで、香りはさわやかなライムを髣髴とさせます。

口に含むと、まず柑橘系のような強い酸味が舌を刺激します。その後、レモン、ライム、トーストしてバターを塗ったパンの香りが追いかけます。奥からはカカオのような香ばしさが顔を覗かせます。

味わいは前述のように柑橘系の強い酸味がメインで、後からダークチョコレートの苦さを感じ取れます。

次にロックにしてみると、ストレートに比べて酸味は鈍るものの、柑橘系のような雰囲気は変わらず、爽やかさが持続します。

味わいはストレート以上に灰汁のような苦さが強まってきます。加水されてもその勢いは衰えません。

最後に試しとばかりにハイボールにしてみると、元々の柑橘系のような特徴がレモンを入れたような香りと味わいを生み出し、比較的すっきりと飲めるようになりました。

しかし、バターのような香りがほんのり塩の香りを残してくるため、別の癖が出ている感じです。 

全体的に見ると、ノンエイジならではの若さとはっきりした個性があり、ストレートやロックで飲む場合は人を選ぶように思えます。
ハイボールであれば比較的すっきりと飲めますが、それでも癖が残ることは否めません。

個人的には好みではありませんが、個性が強いぶん、趣がある、興味深い、というのが個人的な感想です。
むしろ特徴の異なるくせの強いシングルモルトと即席ヴァッティングして、自分なりのブレンデッドモルトを生むベースにすると面白いかもしれません。

700mL、アルコール度数が46.3度と少々高めで、価格は3000円ほど。これをシングルモルト入門と言うには厳しいですが、勝手にヴァッティングして楽しむベースにするなら面白いと思います。

<個人的評価>
・香り B: 柑橘名がメイン、奥からバターを塗ったトースト、フィニッシュはカカオ。加水されるとバター成分が明確になる。
・味わい D: 酸味がメイン、加水するごとに苦味が目立つ。バターの香りからくる塩の香りも感じ取れる。
・総評 C: 単体で飲むには辛い。ヴァッティング、カクテルなど、強烈な個性を利用する用途に向いている。


ディーンストン ヴァージンオーク 700ml

ディーンストン ヴァージンオーク 700ml
価格:2,894円(税込、送料別)

longmorn16_1今回はスペイサイドモルトからロングモーン16年を飲んでみます。

以前取り上げたのは、フランスのボトラーである、ラ・メゾン・ド・ウイスキーが発売した12年ものですが、今回はオフィシャルボトルになります。というよりも、この16年を除いて、ほとんどがボトラーから販売されるものです。

ロングモーンといえば、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝が、スコットランド留学中に短期間ながら実際に働きつつポットスチルなどの様子などを学んだ場所としても有名です。

この当時のポットスチルでは余市と同じく石炭を使用した直火炊きを採用していました。むしろこのポットスチルを基に、竹鶴が余市向けに採用したというのが正しい流れでしょう。

しかし1994年に、直火炊き方式をやめ、スチーム加熱方式に切り替えました。
また、それまで自前で行ってきたフロアモルティングも1999年にやめています。

今回手に入れたボトルにしても、おそらくは直火炊き式の原酒ではないと思われます。
もしニッカのルーツ的なものを探求するのであれば、1994年以前に蒸溜されたものを探さないといけないでしょう。

それではいつものようにストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は意外に薄めの琥珀色で、香りはナシのようなエステリーでとても淡くてさわやかなものが漂います。

口に含むと、48度としてはアルコールの刺激は少なめで、ナシ、生クリーム、ウエハース、青りんごの香りが表に出てきます。あとから砂糖、メープルシロップのような甘い香りが引きずります。

味わいはビターが強めで酸味が後押しする感じで、香りにつられてフルーティに感じられます。
このあたりはスペイサイドらしさを十分感じ取れます。

ロックにしてみると、エステリーな印象が強めになり、ともすれば鼻をツンと突くほどになります。さらに加水されることで、鼻からは甘い香りが感じ取れるようになります。

味わいも、グレープフルーツのような苦みが強い酸味を持ちながらも、後味からはダークチョコレートのような苦さへと変化していきます。

しばらく加水させると、やっと砂糖、甘味料のような甘さが顔を出し、各マスコミが出すクイズの題材になっています。

全体的にみると、スタンダードなスペイサイドらしいさわやかなウイスキーに仕上がっていて、それをさらに濃厚にした印象があります。
ただ、価格を見たうえでの判断だと、もっと深く豊かな香りと味わいがほしいと思うのは私だけでしょうか。

グレンフィディックなど、スペイサイドモルトが大好きであれば、十分に楽しめるボトルだといえます。

一方で、マッサンからウイスキーにのめりこみ始めた人や、竹鶴政孝が学んだ蒸留所のウイスキーだという思い入れで飲み始めると、余市のようなスモーキーなものとは対照的な香りと味のため、かなりがっかりするかもしれません。

700mL、アルコール度数が48度で、価格は11,000円!
なかなか簡単に手を出せない価格ですが、スペイサイドが好きな人なら買う価値はあります。
ただし通販でも入手が難しいので、ウイスキー好きにとっても、見つけたらラッキーと思ってもいいでしょう。

ちなみに、日本ではまだ公表されていませんが、オフィシャルの新しいボトルとして、アルコール度数40度のノンエイジがリリースされたようです。価格は9000円を切るかどうかというところでしょうか。

<個人的評価>
・香り B: ナシの香りがメイン。加水されるとメープルシロップのような甘い香りがやっと立ち上がる。
・味わい B: 酸味とビターが主体。加水が進むと甘さも出てくる。
・総評 D: 確かにうまいが、1万円オーバーの酒とすると物足りない。探究心で買うなら...。


ロングモーン16年 48% 700ml LONGMORN

ロングモーン16年 48% 700ml LONGMORN
価格:12,240円(税込、送料別)

swing01今回はジョニーウォーカーの中から、スウィングを飲んでみます。

ジョニーウォーカーといえば、背の高い角形のボトルが定番ですが、このスウィングはドラゴンクエストシリーズに出てくるスライムのような雫型のボトルになっています。

このボトルの特徴は、前後に傾けても真っ直ぐに戻る起き上がり小法師のような作りになっています。

このような形状にしたのは、20世紀前半に盛んとなった豪華客船による船旅でウイスキーをもてなす上で、時より押し寄せる高波で船が大きく揺れても簡単に倒れて壊れないようにするためと言われています。

その上で、多くのVIPの御眼鏡にもかなうよう、ブレンドされる原酒も17年以上のものを使っているとされています。

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、少々濃い目のアンバーな液色で、香りは複雑に折り重なったフローラルさを感じます。

口に含むと、まず舌に強い辛さを感じます。その上で塩気を感じるピート、バニラ、ナッツ、紅茶、オレンジ、ブドウと様々な香りが織りなし、後からウッディな香りが締めてきます。

味わいは、辛さの後でしょっぱさが印象的で、後味はグレープフルーツのようなビターを感じます。

次にロックにしてみます。
香りはナシやライムのようなさわやかなものがメインに変わり、あとからバニラの香りがストレート以上に目立ってきます。

味わいも、ストレートのような辛さは抑えられ、先に酸味が訪れるようになります。そのあとはしょっぱさ、最後にビターという順番です。 

全体的に見ると、豪華客船の船旅向けという発祥からか、海を思わせる潮のイメージを想起させてくれます。
それ以外で見ると、ストレートではアルコールからであろう辛さが強く、癖が強すぎるでしょう。
むしろ加水することで辛さが抑えられ、ブラックラベルのような香りを得られるようになります。
ただ、17年ものと思えるほどの熟成感に乏しく、もっとまろやかで香り豊かであって欲しく感じました。

750mL、アルコール度数が40度で、価格は4,000円ほど。
ボトルのデザインも高級感があるため、ギフトにするにも喜ばれるでしょう。

<個人的評価>
・香り A:  ピート、バニラ、ナッツ、紅茶、オレンジ、ブドウ。加水するとナシ、ライム。
・味わい C: ストレートではアルコールの辛さが強くて飲みにくい。全体的にソルティ、加水で酸味が出る。
・総評 B: 船上で感じる潮風を想起させるブレンド。ギフト用にはいいかも。


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