RERAのウイスキーブログ

40過ぎのおっさんが、ジャパニーズ、スコッチを中心にウイスキーを飲み、独断で評価していきます。

カテゴリ:ウイスキー > グレーンウィスキー

coffey_wmGWに余市蒸溜所に逝った際に、3種類の限定シングルモルトを買いましたが、それとともに、シングルカフェグレーンの限定ボトルもあったので、ついでに買いました。

カフェグレーンについては、余市ではなく、仙台市にある宮城峡蒸溜所で作られていますが、こちらもかつては蒸溜所限定で12年ものとしてウッディ&メロウが売られていました。 

残念ながら、昨年の自分はそれを無視して購入していませんでした。

今回はノンエイジながら、レギュラーのカフェグレーンとの違いを感じてみたいと思います。

いつものようにストレートから。

グラスに注ぐと、液色は少々淡いアンバー、香りは、メープルシロップのような甘い香りがします。

口に含むと、アルコールの揮発感があるものの、あとはナッツ、メープル、モルトの香りがしっかりします。

味わいも甘さが強く、55度のアルコールの強さを感じにくくなっています。 

ロックにすると、エステリーさが強調され、甘さよりも接着剤のような刺激が強くなります。 

味わいは甘さよりも、柑橘系のビターな感じが強まります。

バーボンも、グレーンウイスキーのようなものが多数を占めますが、加水した時の印象がまさにバーボンのようなものでした。
むしろストレートのほうが甘く飲みやすいのは意外です。

レギュラーのカフェグレーンでは、アルコール度数が45度と加水がされていますが、むしろアルコールの刺激が強く、甘さはストレートではそれほど感じませんでした。
そういう意味でも、ウッディ&メロウのストレートでの甘さは特筆できるでしょう。

モルト原酒に比べ、グレーン原酒は安定させるために無個性だ、と思い込んでいる人にとっては、驚嘆のボトルになると思います。

500mL、アルコール度数が55度で、価格は6800円。180mLでは2300円ほどになります。

お金に余裕がある人は、シングルモルトとともにカフェグレーンもフルボトルで購入し、 なんちゃってブレンドで楽しむのも一興です。

<個人的評価>
・香り A : メープルの香りが主体。あとからモルトも感じ取れる。
・味わい B: ストレートのほうが甘さが堪能できる。加水すると苦い。
・総評 B: グレーンは無個性だと思い込んでいる人の幻想をぶち壊せるインパクト。 

9/1に、サントリーから新しいウイスキー、知多が発売されました。
見た目には山崎や白州と同じシングルモルトに見えますが、こちらは「シングルグレーン」になります。

愛知県知多市にあるサングレイン知多蒸溜所では、サントリーウイスキー向けのグレーン原酒を造っています。
連続式蒸留器を使用するグレーンウイスキーは、サイレントスピリッツといわれるほど個性の薄いウイスキーと思われがちですが、知多では3種類の異なる原酒を、スパニッシュオーク樽、ワイン樽など様々な樽で熟成することで、多種多様な香りと味わいを実現しています。

今回は、先日にレビューした、愛知県限定発売の「知多蒸溜所」と飲み比べてみます。
chita

まずはストレートから。
「知多」は、色は輝くシャンパンゴールド、グラスからの香りは西洋ナシのさわやかさが伝わります。
口に含むと、アルコールの刺激の奥から先ほどのナシの香り、さらにはバニラ、生クリームの柔らかな香りがついてきます。
味わいは酸味が主体で、多少のビター感もあります。

一方で「知多蒸溜所」は琥珀色で、香りもドライフルーツの芳醇な香りが立ちます。
口に含むと、アルコールの刺激は少なく、先に立つのはゴムのような香り、そのあとからレーズン、ドライマンゴー、ハチミツ、カラメルの香りがついてきます。
味わいはこちらも酸味があるものの、甘みが加わって全体的に濃厚です。

次にロックで。
「知多」では、ストレートでは見えなかったゴムのような香りが現れ、「知多蒸溜所」 同様のドライフルーツの濃厚な香りが開いてきます。また、ピートの香りが立ってスモーキーさも感じられます。
味わいはビターがメインで、奥にほのかな甘さを感じ取れます。
ブラインドテストでこれをロックで出して、モルトウイスキーだと勘違いしてもおかしくないほどです。 

一方で「知多蒸溜所」は、飲み始めにタイヤの置かれた地下倉庫のような印象の悪い香りが先に来ます。芳醇な香りが強すぎて悪臭に変わるようなものでしょうか。
加水されると、ピートの香りが強く感じられ、奥からドライフルーツのエキスがどっと出てきた印象になります。
こちらはロックで飲むには重すぎて、水割りやハイボールにしたほうがいいかもしれません。

比較してみると、やはり「知多蒸溜所」のほうがより熟成された原酒を使っていると思われますが、却ってくどくなってしまい、飲み方を選んでしまう印象があります。
その点で「知多」は、若い原酒を使って比較的バランスの取れたヴァッティングにされている感じがします。

グレーン=チープというレッテルを張っている人にとっては、それが引っぺがされるほどの印象をもたらしてくれることでしょう。

これで、ニッカのカフェグレーンとカフェモルト、そしてサントリーの知多と、両社のグレーンウイスキーが出そろいました。
モルトウイスキーこそ至高だという人こそ、これらのジャパニーズグレーンをご賞味されることをお勧めします。

<個人的評価>
・香り B: ドライフルーツの芳醇な香り、加水するとピートも現れる。
・味わい B: 酸味がメインで、ビターも感じる。加水されると甘さが際立つ。
・総評 A: 「響」の豊かな香りと味わいを演出したのが知多のグレーンであることを実感させてくれるボトル。


sg_chitaサントリーでは、山崎、白州のほかに蒸溜所を持っています。それが愛知県にある知多蒸溜所です。
正確には子会社であるサングレインが管理していますが、サントリーのブレンデッドウイスキー向けに作られるグレーンウイスキーは、この知多市にある蒸溜所が賄っています。

実際の蒸溜所は、山崎や白秋とは大きく異なり、周辺の工業団地に並んでまさに化学プラントの様相を呈していて、観光スポットとして訪れるのにはあまりふさわしくないかもしれません。

その中で作られるグレーンウイスキーですが、蒸溜所限定で12年以上の熟成されたグレーンウイスキーをボトリングした特製ウイスキーのほか、2014年に愛知県限定で販売されたのが「シングルグレーンウイスキー 知多蒸溜所」です。ある意味、「マッサン」ブームに乗じたといっても間違いではないでしょう。

で、最近レアなボトルを入荷していたススキノの某酒屋さんでなぜかおいていました。せっかくだから買って飲んでみることにしました。

まずはストレートから。
グラスからはラムレーズンのような芳醇な香りがします。 
実際に飲んでみると、 少々ゴムのような香りがするも、やはりラムレーズンの香りが口に広がります。
味わいも酸味が中心で、ニッカのカフェグレーンとも渡り合えるレベルにあります。

ロックにすると甘さが引き出され、香りもストレートからあまり衰えることがありません。

確かに、このシングルグレーンからは、ローヤルや響のような香りの一部を感じ取ることができます。
サントリーのブレンデッドウイスキーの中で、この知多のグレーンがかなり目立っていたことを改めて感じました。
「サイレントスピリッツ」なんてとんでもない!ニッカのカフェグレーン、カフェモルトと同じく、サントリーのグレーンウイスキーも十分主役を張れる逸材だとわかります。

そのお店での価格(参考までに)ですが、700mL、アルコール度数43度で6000円ほどでした。ニッカのカフェグレーンよりもかなり割高です。

さて、この知多のグレーンですが、2015年9月に、「サントリーウイスキー知多」 として全国販売されることとなりました。ノンエイジのみですが、サントリーのグレーンウイスキーも負けていない、ということを実感できるかもしれません。

<個人的評価> 
・香り A: 芳醇なラムレーズン。サイレントスピリッツとは言えないほどの主張。
・味わい A: 酸味がメインで、あたかも余市を彷彿させる部分も持ち合わせている。
・総評 B: サントリーのグレーンも面白い。9月の「知多」も見逃せない。 


今回は、ニッカ独自に作られたカフェモルトを採り上げます。
ニッカ・カフェモルトは2014年1月にヨーロッパで先行販売され、6月には日本でも発売が開始されました。

ニッカウヰスキーでは、グレーンウイスキー向けの複式蒸留器としてカフェ式蒸留器を採用しています。
これは、一般的な複式蒸留機に比べると効率が悪いものの、素材となる醸造酒の香りが残りやすい特徴があります。
創業者の竹鶴正孝は、早くからカフェ式蒸留機に目をつけていて、アサヒビールの子会社にあったこの蒸留器を使いたいと親会社に嘆願し、1960年代からグレーンウイスキーの蒸留用として使われてきました。
1999年には宮城峡蒸留所に移され、グレーンウイスキーの蒸留用にとして現役で使われています。

この蒸留機を利用して作られたのが、カフェモルトウイスキーです。
原料はモルトウイスキーと同じく大麦麦芽で、モルティングから醸造してもろみ(ウォッシュ)を作るまではモルトウイスキーと同じですが、蒸留をカフェ式の蒸留器で行うのが大きな違いです。
製造工程でいえば、モルトウイスキーではなくグレーンウイスキーの一種と言えます。

モルトのもろみを複式蒸留器にかける場合、コーンなどとは異なり、メンテナンスが厄介になることや、残りを家畜の飼料にしにくいなどのデメリットがあります。
また、グレーンウイスキーが格下とみられていた時期にカフェモルトウイスキーを作ること自体が無謀、贅沢な行動だったといえます。
それでも奇跡的できたのは、ニッカのブレンダーからの素朴な疑問と挑戦があってのことだといえます。

現在、カフェモルトを使っている銘柄は、オールモルト、モルトクラブ、そして宮城県限定販売の伊達の3銘柄です。

coffeyMalt_a今回は、カフェモルトと比較するために、まだ残しておいたカフェグレーンも飲んでみたいと思います。
そのため、ロックではなく、ストレートとトゥワイスアップにしてテイスティングします。

カフェモルトは、飲む前の香りはアルコールの刺激の奥にカラメルのような香りが伝わってきます。
ストレートで飲んで最初に感じられるのは、ゴムや硫黄のような香り、そのあとにバナナのような甘い香りがしてきます。 奥にはウッディな香りもしています。
味わうと多少のアルコールの辛味はあるものの、香りにつられるかのようにバナナのような味、 さらにはナッツのような味が奥から伝わります。

加水すると、鼻に伝わる香りにはビネガーのような刺激が加わった印象です。
舌に転がすと、甘い香りは穏やかになってモルトやウッディな香りが前に出てきます。 
味わいは、先ほどのビネガーの香りを延長したかのように酸味が加わり、深みが加わった感じがします。

いずれにしても、余市や宮城峡のシングルモルトとは異なる印象に仕上がっています。

対象として、カフェグレーンも味わってみます。

飲む前の香りは、アルコール由来の刺激が大勢を占めていて、甘い香りはあまりしません。少しエステリーな香りが来るかどうかという感じです。
ストレートで飲んでみると、カフェモルトと同じゴムのような香りが最初にしますが、そのあとには不思議と甘い香りはそれほどしません。バーボンほどではないもののエステリーな香りが後から続いて、多少とうきびのような香りが奥からします。
味わいはアルコールの辛味が強めで、甘みはそれなり。味はカラメルというよりも砂糖の持つ純粋な甘さを感じます。

加水すると、飲む前の香りはストレートと大差はないです。
舌に転がすと、アルコールの刺激が大勢を占めることに変わりはなく、多少加えたモルト原酒からくるモルトそのものの香りが後から追いかけてくる感じです。
味わいもストレートと比較してもさほど変わらない印象です。強いて言えば、バニラのような甘さが加わった印象です。 

全体的にみると、カフェグレーンがモルトウイスキーのとがった個性を穏やかにする役割を持たせるためか、とても当たり障りのない香りと味わいがありましたが、カフェモルトはモルトウイスキーのように主体性を持たせるためなのか、カフェグレーンよりも甘みや酸味が強く感じられました。

最後に両者を1:1でヴァッティングしてみました。
飲む前の香りは、不思議なことにそれぞれを嗅いだ時とは異なって華やかさがふえました 。
エステリーさがありつつも、シェリー樽原酒のようなブドウのような香り、さらにはメロンっぽい独特の刺激を伴い甘い香りも感じられました。

ストレートで実際に口にしても、ゴムっぽい印象はあるものの、 そのあとになぜかレーズンのような香りが後に来ます。後からはバナナ、バニラっぽさのある甘い香り、奥からはモルト、ウッディな香りが追いかけてきます。
味わいはアルコールの刺激、辛みが強いものの、奥からはバナナのような味を感じます。

1:1で加水すると、先ほどまでの香りは鳴りを潜めます。
舌に転がしてみると、モルト由来の香りと甘みが強く感じられ、 奥からはウッディな香りが顔を出します。
味わいはアルコールの刺激が控えめになり、モルトの甘みが感じやすくなっています。意外にもカフェモルト単体で感じた酸味は消えていました。 

3種類の方法で飲んでみましたが、驚くほど印象がそれぞれ異なる結果になりました。
特に1:1でヴァッティングしたときに、それぞれの印象とは異なる第三の印象が出てきたことはとても興味深いです。改めてウイスキーの奥深さを堪能できました。 

カフェモルトについていえば、単体でもカフェグレーン以上に個性が強く出ていて十分楽しめるものになっていました。
どうしてもグレーンウイスキーは格下に見られがちですが、カフェモルトはその概念を覆せるほどの個性を持ったウイスキーになっています。

価格は700ml、45度で5000円台前半が相場。ノンエイジのピュアグレーンウィスキーとしては割高なのは否めないですが、他の世界各地のメーカーが真似をしていないことを考えれば、十分な価値がある値段だと思います。

<個人的評価>
・香り C:アルコールの刺激の後にバナナのような香り、奥からウッディ。加水するとビネガーの刺激が加わる。
・味わい B:バナナ、ナッツのような甘い味。加水すると酸味が加わる。
・総評 B:ニッカしか作れない独自のウイスキーを楽しむうえでは決して高いとは言えない。



ニッカ カフェモルト 700ml 【RCP】

ニッカ カフェモルト 700ml 【RCP】
価格:4,590円(税込、送料別)

続きを読む

このページのトップヘ