RERAのウイスキーブログ

40過ぎのおっさんが、ジャパニーズ、スコッチを中心にウイスキーを飲み、独断で評価していきます。

カテゴリ:ウイスキー > ジャパニーズ

hibiki21前の記事でも紹介したインターナショナル・スピリッツ・チャレンジ2017ですが、グレーンウイスキー部門のトロフィーを獲得したニッカのカフェモルトよりもさらに上の賞を獲得したのが、サントリーの響21年です。

これまでも響21年は、ワールドウイスキー部門で今年を含めて5年連続でトロフィーを獲得する快挙を成し遂げましたが、さらにすべての蒸留酒の中でトップに輝く、「シュプリーム・チャンピオン・スピリット」までも獲得しました

響21年は山崎のシェリー樽原酒をキーモルトにした21年以上の熟成を経たモルト、グレーンをブレンドしたボトルになります。

わたしはまだ17年までしか手をつけていないので、いずれ21年もテイスティングしたいと思います。
ただ、早めに手をつけないと、さらにプレミアがついて手に入らないかもしれませんね。

coffeyMalt毎年、世界中の蒸留酒を品評するインターナショナル・スピリッツ・チャレンジが今年も開催され、グレーンウイスキー部門で、ニッカウヰスキーのカフェモルトが最高位に当たるトロフィーを獲得しました

カフェモルトは2014年に発売が開始され、ニッカが持つグレーンウイスキー蒸留に使うカフェ式連続蒸留器で、モルト原酒を蒸留して作られるウイスキーです。

モルト原酒を使っているものの、単式蒸溜器(ポットスチル)で蒸留しないため、分類としてはグレーンウイスキーにカテゴライズされます。

モルト原酒をグレーンウイスキーとして造ること自体が贅沢と言えますが、さらに連続蒸留器としては効率の劣る、旧式のカフェ式連続蒸留器を利用することで、香りを残す絶妙なウイスキーに仕上がったといえます。

ニッカはカフェ式連続蒸留器のほか、余市には石炭を使った直火加熱によるポットスチルもあります。

どちらも、本場スコットランドでも効率の問題でほとんど消え去ったものになりましたが、それらの古い方式を頑なに守ってきたからこそ、ニッカは海外でも高い評価を得ているのかもしれません。

なお、私のレビューはこちらから。

そのまま飲んでもおいしいですが、様々なシングルモルトと合わせて、自分だけのなんちゃってブレンドで飲んでも楽しめます。
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suntory21_今回は、1980年代に発売された、サントリーウイスキー21を飲んでみます。

サントリーウイスキー21は1984年に発売されました。
この当時は、1970年代後半に始まった第一次焼酎ブーム(本格焼酎ではなく、甲類焼酎メイン)が訪れ、若者を中心にチューハイなどで多く飲まれるようになりました。

一方で高度経済成長が終わり、高根の花だったウイスキーも手が届くようになり、カフェバーなどではカティサークなどの安価なスコッチも嗜まれるようになりました。
しかし、ウイスキーの消費は1980年ごろをピークに下がり始めていました。

そんな中でサントリーは、より若者にターゲットを絞り込み、カティサークのように軽くて飲みやすいウイスキーをリリースしていきました。

まず1983年に出されたのが、「サントリーウイスキーQ」(1級)で、当時日本でも人気のあったデュラン・デュランを起用し、カティサークよろしく、緑のボトルで登場しました。
しかし、単に緑でまねるだけではなく、ウイスキーらしくないボトル、ラベルデザインにして、今までにない挑戦をしました。

そして第二弾として出たのが、特級ウイスキーのサントリーウイスキー21でした。
こちらもライト&スムースというコンセプトはQと同じく、モルト原酒を多く使ったものでした。
21という名称は、21世紀を担う当時の若者をターゲットにした目的があったように思えます(そんな若者も今は50を過ぎているわけですが...)。

発売当時はCMも作られ、フランス バイヨンヌ出身のピアニストデュオ、ラベック姉妹(カティアとマリエル)を起用しました。現在はそれぞれ結婚しましたが、活動を続けています。
(しかし、「二十歳を過ぎたら21」って、どこの新潟のテレビ局のオープニングをパクったのでしょうか?(前年に件のテレビ局は開局、作詞をしたのが秋元康ですが、関係する?))

しかし販売は思わしくなく、1980年代終盤には販売が終わっていたようです。

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は淡いシャンパンゴールド、香りは青リンゴが強く出てきます。

口に含むと、アルコールの刺激がとても強く、後から青リンゴ、接着剤、その後はナッツ、ウエハースの香りが追いかけます。
味わいは、とても辛く、落ち着いてきてから酸味が現れる印象です。

ロックにすると、アルコールの刺激は一気に抑えられ、先にナッツ、バニラの香りが出てきます。あとになると、ほんのりとナシ、ブドウもやってきます。
加水が進むと、ほんのりと燻製のようなスモーキーさも出てきます。

味わいは依然として辛さがメインで、後になるほど酸味、ビターが強まってきます。
しかし加水されていくと、辛さは落ち着き、後味に甘さが加わってきます。

最後にハイボールにすると、軽くナッツ、バニラ、青リンゴの香りがやってきます。
味わいは、少々酸味が強めです。
ただし、1:3くらいの濃いめでも、香りはそれほどやってきません。

ライト&スムースの名の通り、全体的にはさわやかなフルーツの香りと酸味がメインで、白州モルトが主体になっている印象です。しかし加水されるとスモーキーさも出てきて、一筋縄ではいかない側面もあります。

ただ、ストレートではアルコール由来の刺激、辛さが強く、正直おすすめはできません。
1980年代前半だと、まだまだ水割り、ロックが主体で、それに合わせたブレンドのように思えます。

緑のボトルで見栄えをよくする目的なのか、敢えてカラメルでの着色を抑えていますが、使用している原酒の熟成年数はかなり短いように思えます。

前述のとおり短命に終わったボトルですが、これをもとにスモーキーさをさらに抑え込んで淡麗に仕上げたのが、白角だといえます。

500mL、アルコール度数40度、当時の値段は2200円でした。700mL換算で3000円ほど、当時の角瓶が2750円でしたから、それよりは少し上、オールドよりは下、という位置づけになります。

ネットオークションだと3000円ほどで取引されていて、よほど天日にさらしてない限り、状態の悪いものをつかまされる確率は低いでしょう。

<個人的評価>

  • 香り B: ストレートではアルコールの刺激が強すぎる。青リンゴ、ナッツ、バニラが香る。加水でスモーキーさが現れる。
  • 味わい C: 飲み始めは辛さが目立つ。ロックや加水により、酸味が前に出て、後味に甘さも感じる。
  • 総評 C: 軽めでさわやかだが、スモーキーさもあって侮れない。ストレートに向かないのが難点。


snikka_old01_今回はスーパーニッカの古酒を飲んでみます。

スーパーニッカは1962年にニッカウヰスキーより発売されましたが、創業者の竹鶴政孝が、前年に亡くなった最愛の妻、リタに捧げる、ともに臨んだ夢を具現化したウイスキーでした。

当時はまだ余市蒸溜所しかなく、カフェ式蒸留器もない時代。実際の内容はほとんど長期熟成された余市モルトだったと思われます。ボトルもカガミクリスタル製の手吹きボトルということで、とても高価なものになっていました。

その後カフェグレーン原酒が出来、宮城峡蒸溜所が建設され、宮城峡モルトも使えるようになり、涙滴型のボトルも量産化が可能となったことで、ブレンドも改められていき、徐々に購入しやすいものへと変化していきました。

その間に、ニッカはスーパーニッカを積極的にテレビCMで宣伝を行い、ライバルのサントリーリザーブ、ローヤルへ対抗していきました。


現在のボトルは、2009年より余市の新樽原酒をキーモルトに加え、従来よりもまろやかさを強調したブレンドに改められています。当時は「S」の文字を背負ったようなデザインでしたが、2年前に現在のシンプルなボトルに改められました。

今回入手したボトルは、特級表記が書かれたものであり、ラベルは「SUPER」の表記が大きく、ボトルも量産化されたものですので、1977年から酒税が改正される前の1989年3月までのものと思われます。

早速飲む前に、対象として現行品と比較していきます。
ちなみに容量において、古酒では主に760mLのものが多いですが、これはアメリカでの0.8クォート(=757.082mL)に相当すると言うことで、スコッチウイスキーでも古い物はこの容量になっています。
その後はメートル法準拠で750mL→700mLへと変化しています。
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まずはストレートから。特級ボトルのスーパーニッカをグラスに注ぐと、液色は中庸な琥珀色、香りはレーズンとナシ、ピートが織り交ざってきます。

口に含むと、ゴム、レーズン、ナシが強く口に広がり、後からスモーキー、バナナ、カラメルへと続きます。
味わいは、アルコール由来の辛さはそこそこありますが、その後は甘さが主体となり、酸味、ビターが引き立てる感じです。

一方で現行品の場合、香りは全体的に薄く、ピートからのスモーキーさの後にナッツとカラメルが比較的表に出ており、後からレーズン、ナシ、バニラへと続きます。
味わいはアルコールからの辛さが比較的しっかり出ていて、後から酸味、奥から甘さが追いかける印象です。

次にロックにした場合、特級ボトルではピートとナシが先に突き抜け、後からレーズン、バナナ、バニラ、カカオと続きます。
味わいは、酸味が先に現れるがほのかで、後から甘さがしっかり覆い、ドライフルーツの印象が強く感じられます。

現行品では、特級ボトル以上にピートとナシが大きく開き、後からバニラ、カラメル、マンゴーへ続きます。
味わいは酸味がメインになり、甘さは控えめです。後味としてほのかにしょっぱさもあります。

最後にハイボールにすると、特級ボトルの場合、香りはゴム、レーズン、リンゴ、バナナと、1:3で割ったにしては比較的しっかりと香ります。
味わいはドライフルーツのような甘さが主体で、奥から酸味をほのかに感じる印象です。

一方で現行ボトルの場合、香りはバニラと青リンゴが訪れるものの、その先はあまり感じ取れません。
味わいはほのかに酸味と甘みが少し来る程度で、特級ボトルよりも淡麗です。

今回入手した特級ボトルは、現行品に比べると香りがワンランク上で、ハイボールでも香りが消えない点でも、スーパーの名にふさわしいといえます。
現行品も悪くはないですが、特級時代に比べるとライトな印象に思えます。

一方で初号の復刻版に比べると、余市モルトの持つピーティでソルティな面は、宮城峡モルト、カフェグレーンによって丸められ、品格の高く豊かな印象に仕上げられたように思えます。

どの時代のスーパーニッカが一番だ、と軽々に比較、評価すべきではなく、消費者がどういう香り、味わいを求めるかによって、ブレンドをシフトしていったとみたほうがいいでしょう。

中古ボトルを扱う酒屋さんだと1万円オーバーがざらですが、ネットオークションであればかなり安い値段で手に入るでしょう。
ただし、保存状態はピンキリなので、あまり過信してはいけません。

<個人的評価>

  • 香り A: 余市のスモーキーでバニラやバナナの目立つ原酒と、宮城峡のレーズン、ナシの繊細さが織り交ざり、とても豊か。
  • 味わい AA: ノンエイジながら、アルコールの辛さが少なく、甘く飲みやすいボトル。
  • 総評 AA: スーパーの名にふさわしい、上品で芳醇なウイスキー。


ichiro_dd_今回は、ベンチャーウイスキーのブレンデッドモルト、イチローズモルト ダブルディスティラリーズを飲んでみます。

ダブルディスティラリーズは、ゴールデンホースブランドでウイスキーを販売している東亜酒造が、かつて所有していた羽生蒸溜所で製造されたモルト原酒と、ベンチャーウイスキーが所有する秩父蒸溜所のモルト原酒をブレンドしたボトルになります。

ベンチャーウイスキー創業者の肥土伊知郎氏は、東亜酒造の創業家の出身で、同社がウイスキー事業から撤退し、所有していた羽生蒸溜所を閉鎖、原酒をすべて廃棄するとした際に、福島にある笹の川酒造で原酒の保管を取り付け、廃棄を回避することに成功しました。

秩父蒸溜所の建設、そして原酒の蒸留、熟成が完了するまで、この残された羽生モルトなどを使い、イチローズモルトとしてブレンド、ボトリング、数多くの国際的な賞を勝ち取っていきました。

羽生蒸溜所の原酒はパンチョン樽とシェリー樽で、秩父蒸溜所の原酒はミズナラ樽で貯蔵、熟成されたものと言われています。

現在は秩父モルトがメインとなり、羽生モルトも残りわずかとなっていますので、このボトルが飲めるのも長くはないでしょう。

では、いつものようにストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は明るい黄金色、香りはメロンのような芳香が強く感じ取れます。

口に含むと、先にメロンの香りが口に広がり、後からピート、ナッツ、バニラ、レーズンと続きます。
味わいはアルコールからの辛さが少々強く、後から酸味が広がります。

ロックにすると、ナッツの香りが強く感じられ、後からメロン、レモン、ラム酒、バニラと変わっていきます。
味わいは、辛さ、酸味、ビターが一緒に舌を刺激してきます。喉を通り過ぎたところで、後味として甘みを感じられるようになります。

最後にハイボールにすると、レーズン、ライム、メロンの香りがほのかに漂います。
味わいはビターが少々強めに感じるものとなり、トニックウォーターで割ったような印象になります。

やはり、スコッチモルトにも似ていない、かといってサントリー、ニッカ、キリンとも似ていない、独特の個性を持ったモルトであることに変わりはないです。
MWRに比べるとピートは薄いですが、熟成がそれほど経過していないのか、エッジが立った若々しさを感じられます。

700mL、アルコール度数46度、価格は7000~9000円。
秩父蒸溜所のシングルモルトになると1万円を軽く超えるものばかりで、なかなか手に入れるにも躊躇うレベルですので、この値段を高すぎるとは言い切れないでしょう。

<個人的評価>

  • 香り A: メロンが主体。あとからピート、ナッツ、ライム、レモン、バニラ、レーズンと続く。
  • 味わい C : アルコール由来の辛さが加水されても続き、若気の至りを感じられる。奥から酸味とビター。後味としてやっと甘くなる。
  • 総評 A: 羽生と秩父の2つのモルトが織りなす、かけがえのない個性が興味深い。


mild_nikka_今回は、ニッカの古酒、マイルドニッカを飲んでみます。

マイルドニッカは、1983年に特級ウイスキーとして発売され、1997年に販売が終わりました。

余市と宮城峡のモルト、そしてカフェグレーンをブレンドしているのはもちろんですが、特徴的なのは、ブレンド後に再び樽に貯蔵、後熟(マリッジ)を行っている点です。
テレビCMや広告でも、マリッジウイスキーを売りにしていました。

それになぞらえて、広告では恋人役として2体のロボット、アポジーとペリジーが登場しました(この名前は一般公募されたものでした)。


のちに2体のロボットをベースにしたセンサーロボが、抽選でプレゼントされました(このノベルティは余市蒸留所にも保管されています)。さらにはイメージアルバムが作られ、戸川純がペリジー役となった楽曲も収録されていました。馬の骨の皆様はいろいろチェックしてもいいでしょう。

いずれにしても、このCMシリーズは2年近く続けられており、ニッカは結構気合を入れていたように思えます。

今回入手したボトルは、特級表記がついているため、1983~1989年3月までに販売されたものと思われます。

では、いつものようにストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は中庸な琥珀色、香りはほのかなピートとナシが感じ取れます。

口に含むと、先にカラメルの甘い香りから始まり、次にゴム、レーズン、バナナ、カカオ、バニラへと続きます。
味わいは、アルコール由来の辛さはかなり控えめで、酸味が主体で、後味として甘さ、そしてしょっぱさを感じ取れます。
ボトルから見ても澱は目立たず、保存状態はかなりいいようです。

次にロックにすると、香りはライムやナシ、ピートが表に出てきて、レーズンやゴムがそれを支えるように香ります。
味わいはビターをまとうように酸味を感じ、後からしょっぱさも得られます。

最後にハイボールにすると、香りはゴムとレーズンの香りが先に訪れ、次にドライマンゴーへと続きます。1:3の割合ですが、香りを感じることは難しくありません。
味わいは酸味が先にやってきて、後からビター、甘みへと続きます。

マイルドの名は伊達ではなく、ストレートであってもアルコールの刺激、辛さはさほど感じられず、後熟をしたことのメリットをしっかり享受した印象です。

しかしながら、ある程度のスモーキーさも残っており、ニッカらしい本格的なスコッチウイスキーを目指した姿勢は残されているように思えます。

一方でハイボールにしても、香りが消えることはなく、濃厚で甘いフルーツを感じられます。

マイルドニッカの登場から2年が経って発売されたのが、同じく後熟を行ったのち、加水をほとんど行わずにボトリングした、フロム・ザ・バレルになります。
いわばニッカの技術面において、過渡期に誕生したウイスキーとも言えます。

760mL、アルコール度数は43度、発売当初は2850円で売られていました。酒税の税率の変化と物価の上昇率を考えても、今の価値では2000円台前半になると思われますが、それでも価格以上の価値はあったと思います。

<個人的評価>

  • 香り A: アルコールからの刺激はストレートでもなく、ゴム、レーズン、ピート、バナナ、カカオ、バニラととても豊か。
  • 味わい B: ストレートでは少々辛いが、後から酸味、ビター、甘さがしっかり伝わる。後味には塩気がある。
  • 総評 A: マイルドの名は伊達ではないが、加水してもへし折れないしっかりした香りもある。


royal_1960_01サントリーの古酒として、オールド、角瓶を飲んでいきましたが、第三弾としてローヤルを飲んでみます。

サントリーローヤルは、創業から60年を迎えるのとともに1960年発売であることのダブルミーニングとして、ラベルには大きく「’60」が描かれていました。

このボトルにおいてマスターブレンダーを務めていたのが、創業者の鳥井信治郎でしたが、2年後の1962年に亡くなったため、このローヤルが最後の作品となりました。

その翌年には、2代目の佐治敬三が、父が成し遂げられなかったビール事業の成功を夢見て再び事業化に着手することとなり、併せて社名を寿屋からサントリーと改められました。

さて、今回入手したボトルですが、ネック部分のラベルが一部剥がれていたものの、社名としてサントリー、住所として中之島の表記があることから、サントリーの社名に変更した1963年3月からサントリービルに移転する前の1971年3月のボトルだと推測されます。
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もし寿屋の表記であれば、3年ほどしか流通していない貴重なボトルでしょう。

発売当初は、「Rare Old Whisky Suntory "ROYAL"」と、ローヤルの名称は控えめに記載されていましたが、その後1980年代初頭までは、「Suntory Whisky Royal」と改められています。
「'60」の表記も、1980年代前半には「SR」とイニシャル表記に改められ、1990年代以降は幾度となくラベルデザインが改められました。

「酉」の形をモチーフにしたボトルには、当初紐による封印がされていました。これをナイフでブチっと切る様をCMで見ていてあこがれを持っていました。
現在のボトルにはそういった封印が省略されています。

今回も、現行品と比較していきます。
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まずはストレートから。
1960年代のボトルでは、グラスに注ぐと、液色は少々濃いめの琥珀色、香りはアルコールの後に青リンゴとピートの香りが続きます。

口に含むと、先にレーズンの香りが現れ、あとからカラメル、バナナ、ナシ、オレンジが続きます。
味わいは、アルコール由来の辛さはそこそこあるものの、後から酸味、ビターと続き、最後に甘さがやってきます。古いボトルならではの埃っぽさは少なく、比較的状態はいいです。

一方で現行品は、アルコール由来の刺激は割と強く、先にバナナ、次にカラメル、樽からのウッディさが続きます。シェリー樽原酒由来のレーズンの香りはほとんど感じ取れません。
味わいはアルコールからの辛さがメインで、酸味、甘さと続き、ビターは控えめです。

次にロックにすると、1960年代では青リンゴやライムの香りが立ち始め、奥からバニラ、バナナが追いかけます。
味わいは酸味がメインとなり、加水が進むほど、ほんのりとした甘さを感じやすくなります。

一方で現行品は、先にピートが感じられ、後からナシ、ライム、青リンゴと続きます。バニラ、バナナはよくよく嗅いでいかないとわからないです。
味わいはビターが強めで、その後に酸味と続きます。甘さはそれほど感じられません。

現行品も決して悪くはないのですが、1960年代のローヤルは、香りが豊かでストレートでも比較的まろやかに作られていて、1,2ランク上のボトルだと感じ取ることができます。
当時のローヤルの値段を現代の価値で換算すれば3万円以上はするわけですが、現在のボトルと比較しても響 JAPANESE HARMONYよりも上、7000~8000円くらいの価値はあるでしょう。

竹鶴政孝とともに日本のウイスキーの先駆者として走り続けた鳥井信治郎が、残り僅かな魂の炎を感じながら作り上げた渾身の一品なんだと感じられます。
50年近くたって、このボトルを飲めることに幸せを感じます。

<個人的評価>

  • 香り A: 先にレーズン、カラメル、バナナ、オレンジ。加水されるとライム、青リンゴが開く。
  • 味わい A: アルコールからの辛さは控えめ。酸味、甘さがメインで、ビターは控えめ。
  • 総評 AA: 現行品も悪くないが、香りが豊かで濃厚。鳥井信治郎の情熱がこもった十分高級、上品なボトル。

bs01_昨年に限定販売された、ブラックニッカ ブレンダーズスピリットですが、要望が多かったのか、今年3月に再販されました。

しかし、ネットなどでは再販されたボトルは最初とは香り、味が変わっているといううわさが流れ、当ブログにもそういったコメントが多く寄せられました。

そこで今回は緊急企画として、新旧のブレンダーズスピリットを飲み比べてみます。
当方では初販ボトルを3本ストックしていましたので、そのうちの1本を開けて比較したいと思います。

まず新旧のボトルを比べると、ラベルの前面においては、「60th ANNIVERSARY」のデザインが異なり、再販ボトルでは「Bottled in 2016」の表記がありません。
まぁ、今年再販したわけですから当然ではあります。
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では、実際にストレートで飲み比べてみます。
旧ボトルのほうは、香りとしてアルコールの刺激は控えめで、まずレーズン、次にナシ、ライム、カラメル、ナッツ、カカオと続きます。全体的にも香りは豊かに広がります。
味わいは、辛さはそこそこありますが、後から酸味がほのかに訪れ、最後は甘さが舌を支配します。

一方で新ボトルはというと、香りとしてレーズンが少し控えめで、ナシ、ライム、カラメル、ナッツと来ますが、カカオのほろ苦い香りがちょっと届きません。
味わいにおいては、酸味のほうが若干強く、甘さは控えめになっています。

だいぶ減っていた新ボトルのほうが、空気に触れたことによる香りの変化というのもありますが、正直に言って明確に変わったというには非常に微妙で、個人的にはブレンドを変えてしまったというのは難しいです。

とはいえ、レギュラーのブラックニッカと比較すれば、とても豊かな香りであることに変わりはなく、失望させるには至らないと思います。クロスオーバーのエッジを立たせ過ぎたものを考えれば、再販ボトルでも十分満足できるでしょう。

crossover1_今回は、5月23日に新発売した、ブラックニッカ クロスオーバーを飲んでみます。

ブラックニッカ クロスオーバーは、ブレンダーズスピリットに次ぐ限定品の第二弾になります。
キーモルトとして、余市のヘビーピート原酒と、宮城峡のシェリー樽原酒を使用し、性格が大きく異なる2種類のモルトをぶつかり合わせるブレンドとなっています。

北海道の場合、距離的なハンデのため、東京などに比べて2日遅れでの販売となってしまいます。
amazonで予約したものの、やはりこの日数を超えることはできませんでした。

ここ最近の新しいボトルの多くが、余市のヘビーピート原酒を使うことが多く、個人的には食傷気味になっているのに加え、ブレンダーズスピリットが60年物の原酒を使っていたこともあり、今回はそれほど良くはないだろうと予想しています。

今回は比較対象として、限定ボトル第1弾のブレンダーズスピリット、そして同じくヘビーピート原酒を主体としたレギュラーボトルのディープブレンドも飲んでいきます。

まずはストレートから。
グラスに注ぐと、液色は少々濃いめのアンバー、香りは焼き立てのパン、そしてマスカットと続きます。

口に含むと、まずライムとナシの香りが先に立ち、あとからタール分を感じさせるピートが追いかけます。最後にはパン、レーズンが締めます。
味わいはしびれるほどとても辛く、後々から酸味が続いてきます。

続いてはブレンダーズスピリットです。
こちらはクロスオーバーに比べると香りは丸く落ち着いた雰囲気で、レーズンの香りが先に訪れ、その後にピート、その後に青リンゴ、カカオと続きます。
味わいは辛さは控えめで、酸味、ビター、そして甘さを感じます。

最後にディープブレンドです。
こちらはライムが先に現れ、その後にバニラ、ナッツ、カカオが追いかけます。
味わいはこちらも辛さは控えめで、酸味がメインとなっています。
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次にロックで飲んでいきます。
まずはクロスオーバーから。
香りは先ほどと一変してレーズンが表に出てきて、ピートは少々落ち着いた感じです。あとからライム、ナッツ、カカオへ続きます。
味わいはストレートでの強烈な辛さが消え、酸味とビターが舌を支配します。

続いてブレンダーズスピリット。
香りはナシ、青リンゴが先に現れ、ピートはほのかに感じるほどになります。その後はゴム、マスカット、ナッツ、ウッディがやってきます。
味わいは酸味がメインですが、その後は甘さがやってきます。

最後にディープブレンド。
香りは青リンゴ、ナシが前に来ますが、ピートはしっかり立っていて、後にモルト、ナッツが続きます。
味わいは甘さが少々勝った印象で、ビター、酸味がそれを引き立たせる感じです。

そして今度はハイボールで飲んでみます。
まずはクロスオーバー。
香りはほのかにピートが来た後、軽くライムを感じる程度で、香りが立つ印象ではありません。
味わいはビターが少々目立ち、渋い印象にあります。

次にブレンダーズスピリットです。
香りは、軽くナシ、柿、バニラが感じられ、ピートはだいぶ薄れた印象です。
味わいは甘みと酸味が交互に感じられ、飲みやすくなります。

最後にディープブレンド。
香りはレーズンが先に感じ取られ、後に柔らかくバニラが包み込む印象です。
味わいは甘さが先に立ち、こちらもかなり飲みやすい印象です。

駆け足で3種類を比較しましたが、クロスオーバーはアクの強さを前面に出した印象で、かなり人によって好き嫌いが激しく分かれる印象です。

ストレートでは若い原酒を使っているせいか、辛すぎて飲むに堪えられませんでした。ウイスキー2に対して、水を1の割合で加水すれば、辛さが幾分収まって、ヘビーピートとシェリーの調和がバランスよくとれる絶妙なハーモニーを感じ取れます。が、多面性ではかなり劣ります。

つまり、ストライクゾーンが狭く、飲み方をかなり限定される印象です。メーカーのテイスティングノートは正直あてになりません。

おそらくは、連続テレビ小説「マッサン」に惹かれ、本格的なスコッチ由来のウイスキーを飲みたい、というユーザーを反映したブレンドにしたように思えますが、いろいろなスコッチのシングルモルトを飲んだ身としては、コレジャナイ感が半端なくやってきました。

佐久間チーフブレンダーは、マーケティングの要望に頭を抱えたに違いない、と、あえて擁護させていただきます。

700mL、アルコール度数43度、価格は2000円ほど。値段を考えれば悪くないですが、ブレンダーズスピリットを飲んだ人が期待すると、痛い目に遭うでしょうね。

<個人的評価>

  • 香り B: 先にライム、ナシ、その後にタール感の強いピート、その後にレーズン、ナッツ、カカオ。
  • 味わい C: ストレートでは辛すぎて飲めない。軽い加水で絶妙な酸味と甘さがやってくる。
  • 総評 C: ストライクゾーンを理解すればとびきりうまい。しかし狭すぎて万人受けできない。

kaku_1960_04今回はサントリー角瓶、特級時代のオールドボトルを飲んでみます。

角瓶は1937年に「サントリーウイスキー12年」として販売され、2017年で誕生から80年を迎えるボトルです。

当初のボトルには12yearsの表記がありましたが、その後は復刻版で再現されたように表記が外されました。

また、同じく当初から「Suntory Liqueur Whisky」という表記でしたが、これも1970年代前半には「Suntory Whisky」と改められました。

「角瓶」という名称は、もともとは愛称であり、1950年代からは正式に商品名としても使われるようになりましたが、ラベルの表記については現在においても角瓶、Square Bottleという表記はされていません(業務用のペットボトルだと「角瓶」表記がされています)。

kaku_1960_01今回入手したボトルは、箱と専用の包装紙がついてきたもので、「SUNTORY」の表記と、中之島の住所が記載されていたため、サントリーに改称した1963年からサントリービルに移転する前の1971年の間に作られたと推測されます(ちなみに同じラベルデザインで「KOTOBUKIYA」表記のボトルもネットで確認済みです)。

外箱のみならず、専用の包装紙がついている点からしても、当時の角瓶のステータスが今よりもずっと上にあったと推測できます。

特級のウイスキーというだけでも、当時は値段も高くてぜいたく品というイメージがあったかもしれません。

未開封でしたが、キャップ周りの外装を外して開けようとすると、容易にキャップが回り、現行品のようにしっかり封印する構造にはなってませんでした。そのせいか、そこそこ目減りしていました。
また、底のほうにわずかながらも澱が確認できるため、いい保存状態ではないと想像できます。
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