RERAのウイスキーブログ

40過ぎのおっさんが、ジャパニーズ、スコッチを中心にウイスキーを飲み、独断で評価していきます。

カテゴリ:ウイスキー > ジャパニーズ

2009年頃からハイボールが人気になり始めてから、スーパーやコンビニでもハイボール缶が出回るようになりました。

しかし、昨今の原酒不足によって、ラインナップも安い銘柄ベースになっており、古くからのウイスキー党の持つ「ハイボールは安酒を飲むための手段だ」というのを鵜呑みにしたような寂しいものになっています。

一方で居酒屋では、サントリー系ならトリス、角瓶、ジムビーム、アサヒ/ニッカ系ならブラックニッカクリア、ジャックダニエル、竹鶴がハイボールの定番ですが、お店によっては響、知多、山崎、白州のハイボール、さらにはチェーン店が独自に発注したシングルモルトのハイボールを出すところまであります。

ここで改めて、コンビニやスーパーで買えるハイボール缶を飲み比べたいと思います。

サントリー

トリスハイボール(アルコール度数7%)

トリスエクストラを炭酸水で割り、さらにレモンの果肉や皮をも漬け込んだレモン浸漬酒を加えて、レモンの香りとコクを最大限に引き出す作りになっています。

レモンの香りがほんのりしていて、樽のウッディな感じもそれなりに感じられます。 良くも悪くも居酒屋さんの飲み放題で飲むハイボールそのものといえます。

トリスハイボール キリッと濃いめ(アルコール度数9%)

トリスの割合を上げたほか、レモン浸漬酒も果汁換算で倍にしています。

レモンの香りと酸味がしっかりしていて、レギュラーよりも爽やかになった印象があります。
反面、ウイスキーのウッディな香りが消えてしまい、ドライな缶チューハイのようになってしまった気がします。

角ハイボール缶(アルコール度数7%)

レギュラーの角瓶を炭酸水で割り、さらにレモン浸漬酒を加えています。

トリスに比べると炭酸が強めで苦みが加わり、逆にウッディな感じが消えています。 レモン味のドライチューハイに近い感じで、食事と一緒に飲むにしても料理の香りや味を邪魔しない印象です。

角ハイボール缶<濃いめ>(アルコール度数9%)

角瓶の分量を多めにしているだけでなく、レモン浸漬酒が加わってない配合になっています。

レモンが感じられない分、角瓶本来のバーボン樽原酒ならではのエステリーさが表に出ています。 味わいも苦みが少なく、後からバニラやナッツのような甘さ、香ばしさがやってきます。

三者三様で、レモンを搾ったハイボールらしさはトリス、すっきりして食事と一緒に飲める角のレギュラー、そして濃厚なハイボールの「濃いめ」 という印象です。

ニッカウヰスキー(アサヒビール)

レモン味のニッカハイボール(アルコール度数7%)

レモン果汁を0.1%配合しています。ただし食物繊維や香料など、トリスハイボールと比べても混ざり物が多いです。

レモンの酸味はあまり感じられず、まるでサイダーのような甘ったるさがあります。
また、ウイスキーらしいウッディさやスモーキー感もなく、目隠しをされてチューハイと飲み比べてもわからないように思えます。

ブラックニッカ クリアハイボール (アルコール度数9%)

ブラックニッカをベースに、強炭酸で有名なウイルキンソンタンサン で割っています。こちらはレモンは含まれていません。

ウィルキンソンタンサンならではの強い刺激が舌に届き、 ブラックニッカクリアの香りもしっかり訪れます。
ただし、角ハイボールに比べると濃厚という感じではなく、すっきりさっぱりした印象です。

まとめ

はっきり言えば、今のハイボール缶でうまいものはない、といっても過言ではありません。
つい2年ほど前であれば、ニッカが竹鶴ハイボール缶を出していましたが、そちらも販売が終了、今はいずれもトリス、角瓶、ブラックニッカクリアと安いものしか残っていません。

実際に飲んでみても、チューハイとどこが違うの、といわれたら、頭を抱えるようなレベルでしかなく、これだったら自分でうまいボトルと強炭酸水を買って自分で作った方が遙かにマシです。

コンビニでも350mLで300円オーバーするプレミアムビールや地ビールが売られていることを考えれば、それだけの値段になるハイボール缶を出せない、とは言い切れないでしょう。 
メーカーはもっと市場をよく見るべきではないかと思います。 

今回は、スーパーニッカを改めて飲んでみます。

1203-11962年に発売されたスーパーニッカは、当時のニッカができる最高のウイスキーを作ろうと目指した逸品でした。

前の年、日本で本物のウイスキーづくりを目指す竹鶴政孝を慕い、遠いスコットランドから日本に移住した妻、リタが亡くなりました。 最愛の妻の死を認めたくなかった政孝は、葬儀にも出席せず、しばらく部屋に引きこもっていたそうです。

そんな彼を立ち直らせたのは、リタの情熱でした。なぜ彼女が日本までついてきてくれたのか。そう、本物のウイスキーを日本に広めることだった。
政孝はそんなリタと自らの思いを胸に、自分たちができる最高のウイスキーをブレンドすることを目指しました。

当時は宮城峡蒸留所がなく、カフェ式蒸留器を使ったカフェグレーンウイスキーもなかった時代。作り上げたブレンドではグレーンウイスキーの配合はわずか、ほとんどが若いものと長期熟成した余市モルトで、シングルモルトと呼んでも過言ではなかったブレンドだったそうです。

さらにボトルにもこだわり、高級ガラスメーカーのカガミクリスタルにあった一つのボトルを政孝が気に入り、手吹きで作られたボトルを採用しました。
もちろん生産できる量が少なく1年で1000本のみで、個体差があるために蓋がしっかり入らないなどの問題を抱えながらも、販売にまでこぎつけました。
当時の価格は3000円でしたが、大学初任給が17000円の時代、今の価値でいえば4万円に匹敵する超高級酒でした。 

その後、カフェグレーン、宮城峡モルトが使えるようになって、少しずつブレンドを改めていき、ボトルも機械で作れるものへと変わっていくことで、今や2000円ほどで買える比較的お手軽なウイスキーに至りました。

super_nikka2015 2009年からブレンドを改めるとともに、背面に「S」 の字を象ったボトルになりましたが、2015年に再びシンプルなボトルに戻し、ラベルもベージュ地のものに変わりました。
ただし、ブレンドは前のボトルと変わらない、と言うことです。

ブログを書き始めて今まで2回ほど飲んでいますが、いずれも酷評しています。
「ニッカらしさがない」「飲みやすいものを求める一般消費者に日和っている」とか、散々にこき下ろしてきました。

ただ、原酒不足によってラインナップが大幅に減り、新しいボトルを出してきた現状で改めて考えると、スーパーニッカのポジションは相対的に上がっていて(ブレンデッドとしては2~3番目)、ここ最近のラインナップを飲んできた上で評価も変わるのではないか、ということで飲むことにしました。 

まずはストレートから。
グラスに注ぐと、液色は少々濃いめのアンバー、香りはウッディさともに、ビネガーに似た酸っぱさがあります。

口に含むと、 先にエステリーさが入り、ゴム、レーズン、柿、ナシ、モルト、カラメルの順に香ってきます。
味わいは先にアルコール由来の辛さがあるものの、あとから酸味と甘さが追いかけます。 

ロックにすると、バニラの香りが先に現れ、そのあとでレーズン、ゴム、ナシの香りがついていきます。
味わいは辛さがまだ来るものの、酸味が強くなり、甘さは抑えられます。 
加水が進むにつれ、香りにナッツ、メロンが加わり、味にも甘味が増えるようになります。

最後にハイボールにすると、香りはバニラ、樽からのウッディさが主体となり、奥からナシ、レーズン、バナナが感じられます。
味わいはほろ苦さがありつつも、あとから甘さが追いかけてきます。

改めて飲んでみると、余市モルトならではのピーティな感じはありませんが、 同じ余市のウッディ&バニリックのような甘さ、宮城峡モルトのローランドを彷彿とさせる甘くて繊細、そして豊かな香りが組み合わさったのだと感じられました。
特に初心者であれば、水割りや濃いめのハイボールにする方が飲みやすいと感じられるでしょう。
ブラックニッカクリアやリッチブレンドは、このスーパーニッカの延長上にあるように思えます。

ただし、ストレートやロックでは若い原酒からと思われるアルコール由来の刺激、辛さがあり、まろやかさの点では及んでない部分もあります。

対抗馬となるのはサントリーローヤルになりますが、原酒の若さで行くとローヤルの方が強く、穏やかさを追求する点では、響 JAPANESE HARMONYとの中間点にあるように思えます。

はっきりと書きます。今までこき下ろしてきた自分が知ったかぶりだったと言うことを。
様々なニッカのモルト、グレーンを飲んでいかないと、スーパーニッカの良さを理解するのは難しいと実感しました。これもまたニッカだからこそのボトルだと言えます。
スーパーニッカが大好きな皆様、大変失礼いたしました。

700mL、アルコール度数43度、価格は2200円です。
ニッカのブレンデッドとなると、ほぼカスクストレングスのフロム・ザ・バレルのほうが値段で上になりますが、現在のニッカのラインナップにとっては、上位のブレンデッドとして恥ずかしくないボトルだと思います。

<個人的評価>

  • 香り A: ストレートではアルコールの刺激があるが、ゴム、レーズン、柿、ナシ、バニラ、モルト、ウッディなどととても豊かで繊細。
  • 味わい B: アルコールからの辛さがあるものの、酸味と甘さがメイン。
  • 総評 A: 余市モルトの独特のスモーキーがないものの、甘くて繊細かつ濃厚な側面にあるニッカのモルトを感じられるボトル。


musashi今回は、東亜酒造のゴールデンホース武蔵を飲んでみます。

以前は、同社の武州を飲みましたが、武蔵はモルト原酒のみとなっていて、いずれもスコットランドから輸入したもの、熟成年数もまちまちとなっています。年数として言えばノンエイジとなります。

早速、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は武州同様に淡いシャンパンゴールド、香りはピートが主体になっています。

口に含むと、アルコールからの刺激が先に来ますが、あとからナシ、青リンゴ、ミカン、バニラ、カラメルと続きます。
味わいはアルコールからの辛さを感じますが、ノンエイジとしてはそれほど強くはありません。その後は酸味、甘さを得てきます。

ロックにすると、ピートからのスモーキーさが立ち上がりますが、比較的軽い印象です。 その後はライム、バニラが追いかけます。加水が進むとヨードっぽさも得られます。
味わいは 酸味が先に訪れ、その後は旨味が追いかけていきます。

最後にハイボールにすると、ピートの香りが先に立ち、あとから青リンゴ、ライム、カラメルと続きます。
味わいは酸味がメインで、後味として甘さも感じ取れます。

武州同様、従来の羽生で作られたモルトを使っているわけではないので、これをジャパニーズと言うには厳しいですが、ボトラーによるブレンデッドモルトと考えると、ローランド、ハイランド、スペイサイド、アイラをうまくバランスを考えてブレンドしているボトルだと言えます。

ストレートでも若さ故の強いアルコールの刺激は少なく、ノンエイジとは思えないほど豊かな香り、飲み方による表情の変化がしっかりしています。
それでありながら、初心者を敬遠させるほどの癖は少なく、取っつきやすいようにも思えます。
そう見ていくと、ブレンダーとしての東亜酒造の実力は侮れません。

700mL、アルコール度数43度で、価格は5000円。割高なのが玉に瑕ですが、ボトラーのブレンデッドモルトと考えれば高いとは言えないでしょう。

<個人的評価>

  • 香り B: ナシ、青リンゴ、ミカン、バニラ、カラメル。加水でピートが開く。
  • 味わい B: ストレートでのアルコールからの辛さは少なめ。あとは酸味、最後に甘味。
  • 総評 B: ノンエイジながら、ブレンデッドモルトとして取っつきやすく表情豊か。

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2014年に、1000円以下で買える国産ウイスキーを比較する記事を書きましたが、その後一部の商品が値上げされて1000円を超えたり、販売終了したこともあり、改めて比較してみたいと思います。

1.サントリー トリスエクストラ

(700mL、40度、950円)

torys2010年に発売されたボトルで、従来のトリスに比べてアルコール度数を40度に引き上げたものになっています。
香りはわずかにレーズン、カラメル、樽の香りがするくらいで、味もカラメルで付けたかのような甘さがする程度です。

ストレートやロックで飲むような代物ではなく、ハイボールやカクテルベースにするのがせいぜいです。
全体的に、従来のブラック、スクエアと大差は無く、度数を上げた意味もわかりません。

<個人的評価>

  • 香り E
  • 味わい D
  • 総評 D

2.サントリー トリスクラシック

(700mL、37度、780円)

toris_cl2015年にリリースされたボトルで、エクストラ以前と同じアルコール度数が37度で、値段もエクストラよりも格安になっています。

エクストラと比べると、ストレートでもアルコールの刺激は少なめで、若干青リンゴやピートの香りも加わっていて、ウイスキーらしさを感じられるようになっています。

後述するサントリーレッドと比べても 、お金がないときに少しでもウイスキーらしさを実感したいと思うなら、サントリーの中でも一番の出来だと思います。

<個人的評価>

  • 香り D
  • 味わい D
  • 総評 C

3.サントリー ウイスキーレッド

(640mL、39度、780円)

suntoryRed1964年に発売され、当時ニッカで売られていたハイニッカに対抗すべく登場したボトルです。 

当時から、トリスよりもワンランク上のウイスキーという位置づけではありましたが、近年ではトリスの陰に隠れるようになりました。

ストレートでは若い原酒の性格が表に出て、アルコールの刺激が強く出ます。

香りもカラメルやウッディさが若干出る程度、味わいもカラメルで味付けしたような甘さくらいしかありません。 

トリスクラシックの登場により、ますますその存在意義は薄くなり、せいぜい大学時代に仲間と飲んだときの思い出に浸るくらいしかありません。

<個人的評価>

  • 香り E
  • 味わい E
  • 総評 E

4.ニッカ ブラックニッカクリア

(640mL、37度、700円) 

clear21997年にノンピートモルトを使用したクリアブレンドとしてリリース、2011年にクリアと改められたこのボトルは、コンビニでも手に入るニッカ定番のウイスキーとなっています。

ストレートでのアルコールの刺激は強いですが、香りとしては樽からのウッディさ、レーズンや青リンゴもそこそこ感じられます。加水することでナシ、バニラ、ナッツの香りも立ち上がります。

味わいも、単にカラメル由来の甘さだけでなく、酸味も感じられ、低価格ながらもウイスキーらしさを得られるものになっています。

1000円オーバーのボトルに比べれば明らかに力不足ですが、トリスクラシックとはほぼ互角の位置にあります。

<個人的評価>

  • 香り C
  • 味わい C
  • 総評 C
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bushu今回は東亜酒造のゴールデンホース武州(2016年リリース)を飲んでみます。

東亜酒造は埼玉県羽生市にあるメーカーで、戦後にウイスキーの製造免許を取得し、当初は輸入したモルト原酒を樽貯蔵し、販売していました。
1980年からは羽生蒸溜所を建設して自社で蒸溜を開始、ゴールデンホースのブランドで販売していました。

しかしウイスキーの消費が落ち込んでいき採算がとれなくなり、 2000年に操業停止、蒸溜所は解体されました。
2004年には日の出みりんで有名なキング醸造の傘下に入り、事業再生の上でウイスキー事業を切り捨てることとなり、貯蔵されていた原酒もほとんど廃棄される危機にさらされました。

その危機を救ったのは、東亜酒造の創業家で社員でもあった肥土伊知郎氏で、福島県にある笹の川酒造に貯蔵された原酒の大半を預けてもらい、自らはベンチャーウイスキーを立ち上げて独立、自前の蒸溜所建設までの間、その原酒をブレンドしたイチローズモルトをリリースし、海外でも好評を得ました。

一方で東亜酒造はスコットランドのモルト原酒にグレーンのスピリッツなどをブレンドした廉価のウイスキーを引き続き販売、2014年で終了しました。

しかしながら、東亜酒造の中ではウイスキー事業をもう一度再開させたい思いが残っていました。
そして事業全体が改善され、日本で再びウイスキーの熱が上がった頃合いを狙い、2016年よりウイスキーの販売を再開させることになりました。

当初は、70年前と同様にスコットランドから原酒を輸入、それらをブレンド、再貯蔵することからはじめ、将来的には蒸溜所を再建、本格的な製造に取り組むとのことです。
そのラインナップとして、ブレンデッドモルトの武蔵、ブレンデッドの武州が発売されました。

武州は、すでにブレンド済みの3年熟成を経たウイスキーに、別のモルト原酒を加えて再ブレンド、それを貯蔵して作り上げたボトルになっています。
以前にも武州がリリースされていましたが、こちらは羽生モルトにスコッチモルト、グレーンをブレンドしたもので、現行品とは異なるものになっています。 

ではいつものようにストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色はとても淡いシャンパンゴールド、香りはピート、青リンゴを感じます。

口に含むと、まず青リンゴの爽やかな香りが広がり、次にカラメル、バニラ、バナナと甘い香りが続きます。
味わいも、アルコールからの辛さはあるものの、その後は甘く、比較的飲みやすい印象です。

ロックにすると、ゴムの香りが先に立ちます。その後はピート、ナシ、青リンゴの爽やかな香りが続き、あとからバニラ、バナナが後を引きます。
味わいは酸味がメインとなり、続いて甘味が訪れます。やはり飲みやすい印象です。

最後にハイボールでは、若干ゴムの香りが先に来るものの、あとはバナナ、バニラが追いかけてきます。
味わいは酸味を先に感じるものの、あとから香りに付いてくるように甘さもやってきて、フルーティでさっぱりした印象です。 

使用する原酒がスコットランドから輸入されたものですので、ジャパニーズとカテゴライズするには厳しいものがありますが、ウイスキー初心者をターゲットにしたような甘さをメインにしたブレンドは、より多くのユーザーを取り込もうとする意図をうかがえます。
その点では、最初から紛い物を出して利益を追求する松井酒造や中国醸造とは違うのではないでしょうか。

また、カラメルで着色しない、若さをありのままにさらけ出す辺り、本物のウイスキーを飲んでほしいという社の決意を感じずには居られません。
まずは本場のボトラーも諸手を挙げるほどのブレンドを出して驚かせてもらいたいものです。

事業再生によって多くの原酒を廃棄しかねない状況を生んだことに批判、糾弾される方も居ると思いますが、その決断無くして東亜酒造は存続できなかったでしょうし、今、新しいウイスキーには出会えなかったでしょう。
個人的には、東亜酒造の新たなる歩みを応援していきたいです。

700mL、アルコール度数43度、価格は3000円ほど。若い原酒を使ったブレンデッドとしては割高なのは否めませんが、どんな飲み方でも甘さメインで 万人受けする本物志向のブレンデッドと考えれば、ぼったくりとは言えないでしょう。

<個人的評価>

  • 香り A: 青リンゴ、ピート、ナシ、バナナ、バニラ。加水するとゴムっぽさが出るが、全体的に甘い。
  • 味わい A : 若い原酒の割にアルコールの辛さは控えめ。全体的に甘さを感じる。
  • 総評 B: 割高なのが玉に瑕だが、甘くて万人受けするブレンドは賞賛できる。

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明けましておめでとうございます。今年もウイスキーブログをよろしくお願いします。

hakushu122017年の1回目は、サントリーのシングルモルト白州12年です。
3年前にも飲みましたが、その際はミニチュアボトルで満足に飲みきれなかったため、今回はフルボトルを購入し、改めてストレート、ロック、ハイボールで飲んでみます。

白州は、山梨県北杜市にある白州蒸溜所のモルトだけで作られたウイスキーです。

南アルプスの甲斐駒ヶ岳の麓にあり、周辺は森林地帯となっていて、そこから採れる水は南アルプスの天然水としても売られています。

白州蒸溜所は、周辺の森林の伐採を最小限に抑え、施設自体も森に囲まれるように建設されました。

そこで熟成されるモルトは、そうした森の香りを吸収したような爽やかさを伴います。

まずはストレートから。
グラスに注ぐと、液色は少し緑がかった琥珀色、香りはメロン、すだち、ラムレーズンと続きます。

口に含むと、メロン、青リンゴ、マスカットの香りが先に訪れ、奥からピート、カラメルが続いてきます。
味わいは、アルコール由来の辛さがありますが、その後は酸味が主体で、続いてビター、最後に甘さが訪れます。 

ロックにすると、ピートとともにメロンなどのエステリーさが立ち上がり、その後はライム、ブドウ、青リンゴ、ナシと続きます。
味わいに於いては酸味よりもビターが強めになり、最後にほんのりと甘さを感じます。

最後にハイボールにすると、程よいピートとライム、メロン、 ナシの香りがしっかり感じ取れます。
味わいは酸味と甘さがほのかに伝わります。
ノンエイジではあっさりした爽やかさが主体でしたが、12年になると深みが増えた印象です。

一見するとスペイサイドモルトのように思えますが、軽くスモーキーなピートやメロンの香りと言ったスペイサイドモルトにはない癖、側面があり、独特の深みを持っています。
ハイボールや水割りにしても腰砕けはせず、十分に白州の香りを堪能できます。 

サントリーの主流となるのは山崎のモルトで、白州は脇役のイメージが強いですが、白角、リザーブなど、白州モルトを生かした爽やかなボトルもあり、サントリーのウイスキーに広がりを与えていることに注目すべきだと思います。

700mL、アルコール度数43度、価格は8000円ほどです。ただし最近ではプレミアが付いて1万円近くなっている場合があるので気をつけましょう。

<個人的評価>

  • 香り AA: ストレートではメロン、青リンゴやマスカットがメイン、加水されるとピート、柑橘系、メロンが立つ。水割りやハイボールでも簡単に消えない。
  • 味わい A: 酸味が主体、後から柑橘系から感じられるようなビターがあり、とてもフルーティ。
  • 総評 AA: 単に爽やかではなく、ピートからの癖、メロンなどの深みがある香りが重なって、とても豊かに感じられる。

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白州12年 43% 700ml
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rin_select今回は久しぶりに、1000円以下のジャパニーズ、宝酒造のキングウイスキー凛セレクトを飲みます。

2016年11月に、凛がリニューアルし、新しい原酒を選んでブレンドを改めました。

ただし、ブレンドに於いてはモルトとグレーンだけではなくブレンド用のアルコールも加えていることは変わりなく、アルコール度数も37度と低めになっていることも同様です。 

いつものようにストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は中庸なアンバー、香りはわずかにアルコールとカラメルの香りがします。

口に含むと、アルコールからの刺激は少なく、ナッツ、カラメル、バニラの香りが主体となっています。ただし全体的にはそれほどしっかりと香りません。
味わいは辛さが強めで、あとから甘さを感じ取れます。

ロックにすると、先にエステリーさが現れ、その後はナッツ、ナシ、ウッディさが目立ってきます。
味わいはリンゴやナシのような酸味が先に現れ、後を引くように甘さが付いてきます。 

最後にハイボールにすると、わずかながらにナシ、ナッツの香りが感じ取れますが、熟成焼酎との差はかなり少なくなります。
味わいも炭酸の勢いが前に出て、酸味も甘味も隠れてしまった感じです。

従来品では、加水をしただけで香りも味わいも吹っ飛んでしまうほど脆弱で、ストレートくらいしか飲みようがなかったのですが、セレクトではストレートでもロックでもいけて、トゥワイスアップ程度の加水でも香りや味が消えないようブレンドを改めたように思えます。

ハイボールや水割りでは香りはそこそこ残るもののほとんど味わいが消えてしまうので、そういった飲み方はあまりおすすめできません。
レモン風味の炭酸水やトニックウォーターだとさっぱり飲めますが、ウイスキーらしさという点では少し疑問に残ります。
ストレートやロックの方が香りを楽しめ、アルコールの辛さがなく堪能できるでしょう。

720mLで価格は700円ほどですが、同じ価格帯のトリスクラシック、ブラックニッカクリアと比べると、一歩及んでない印象です。この両者は1:3位のハイボール、水割りでも香り、味わいをしっかり感じ取れるレベルです。 
ただしサントリーレッド、トリスエクストラを買うくらいなら、こちらの方がましです。 

いずれにしても、従来品よりも改善されたのは事実です。トリスクラシックや、セブンアイのプライムがなければ、もっと評価を上げてもよかったでしょう。
それでも辛口のことを言えば、本物のウイスキーを消費者が求めている以上、もう1,2ランク上の銘柄を考えてもらいたいですね。
それこそトマーティン蒸溜所と縒りを戻して、その原酒をブレンドしたハイブリッドなものも考えてもいいのではないでしょうか。

<個人的評価>

  • 香り C: ナッツ、ナシ、バニラ、ウッディ。多少の加水でもへこたれなくなった。
  • 味わい D: ストレートでは甘く、加水で酸味が開く。でも単調。
  • 総評 D: お金がない前提で買うにしても、トリスクラシック、ブラックニッカクリアがある以上、おすすめには至らない。ストレート、ロックならなんとかなる。

 

hi_3おかわりネタとして、今回はハイニッカを飲みます。

ハイニッカは1964年に二級ウイスキーとして発売され、少ないモルト原酒の混和率ながらも妥協しないうまさを追求したブレンドで人気を博しました。
その後酒税法の改正に伴って、当初はスピリッツを使ってた所に、カフェグレーンを使用することで、クリアーで甘さを帯びたブレンドになっています。

マッサンブームによって、ハイニッカが多く出回るようになりましたが、そもそも原価率が高いためにあまり出されていなかった中で、多く飲まれるようになったせいか、1000円以下だった価格も1200円ほどになってしまいました。

古くからハイニッカを飲んでいた方たちは、値上げで飲み控えているかも知れません。

で、久しぶりに飲んでみます。

ストレートでは、ナッツ、カラメルの香りが先に立ち、わずかながらにピートのスモーキーさもあります。
味わいは総じて甘く、アルコールからの辛さはあるものの、ギリギリ飲める範疇にあります。

ロックでもナッツ、カラメルの香りは健在で、ピートも脇役として演じています。
味わいも甘さがメインで、奥からビターが追いかけますが、ストレートよりもアルコールの辛さが薄まったことで、とても飲みやすくなっています。

ハイボールでは、多少のスモーキーさは残しつつも、カラメル由来の甘い香りがします。
味わいも、酸味、辛さ、甘さが交互に訪れてきます。

値上がりによってお買い得感が薄れてしまいましたが、それでも1000円台前半のジャパニーズとしては遜色は無く、晩酌用として十分楽しめるボトルに変わりはありません。
ウイスキーらしさをしっかり保ちつつも、甘さがメインの味わいに仕上げているのは流石と言えます。

720mL、アルコール度数39度で、価格は1200円ほどです。

<個人的評価>

  • 香り B: ナッツ、カラメルがメインで後からピート、ウッディが漂う。
  • 味わい B: 基本的に甘い。ストレートで多少の辛さがあるがつらくはない。
  • 総評 B: 1000円台前半のカテゴリーになっても、飲む価値のあるボトル。


bnbs今回は、ニッカから新発売されたブラックニッカ ブレンダーズスピリットを飲んでみます。

1956年に特級ウイスキーとしてブラックニッカが誕生してから60年を記念して、 60年前に蒸溜された余市モルトをドレッシング(香り付け)として使った贅沢なボトルになっています。

キーになるのは余市のヘビリーピーテッドモルトで、そこに新樽熟成の余市モルト、シェリー樽熟成の宮城峡モルトを使っていると言うことです。

さらにグレーンウイスキーも、西宮工場で蒸溜され25年以上熟成されたカフェグレーン原酒を使っています。

ボトルも高級感を持たせるように、インディゴに輝くフロスティボトルを採用しています。

では、いつものようにストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は濃いアンバー、香りはピート、レーズン、青リンゴを感じ取れます。

口に含むと、まず軽いゴムの香りとレーズンが口を回ります。その後ナシ、青リンゴ、バナナと続き、最後にバニラの甘い香りが締めます。

味わいは果物の甘さと軽い酸味がメインで、ストレートでも飲みやすく感じます。 

ロックだと、真っ先に余市ならではのヨードを伴ったピートが鼻をくすぐります。そのあとにナシ、レーズン、青リンゴの爽やかな香りが続き、あとをバナナ、ドライマンゴー、バニラの香りが漂います。
そして最後に締める香りがカカオです。

味わいは酸味が強く主体になりますが、後味が甘く、さほど辛くはありません。ビターも伴いますが、グレープフルーツやレモンのそれと言うよりも、ダークチョコに近いです。

最後にハイボールにすると、軽くピートとゴムの香りが先行し、あとからバナナ、ドライマンゴーの濃厚で甘い香りがしっかり追いかけます。
味わいも酸味が多少来る物の、甘さが追いかけるのでこれまた飲みやすい印象です。

700mL、アルコール度数43度で、価格は2500円ほど。
正直言って、限定品だからこそと言えますが、こんな値段で買えるような香り、味わいではありません。
この価格帯で行けば、バランタイン12年、ジョニ黒、シーバス12年が買えますが、そんな12年物のブレンデッドスコッチを軽く撃破してしまうほどの インパクトがあります。

あり得ない、何かの間違いではないのか、と、まだ残していたジョニ青を取り出し、ストレートで飲み比べてみると、ジョニ青は流石にモルト、グレーンともに熟成の長い原酒を選んでいるだけにアルコールの刺激も辛さもなくてとてもまろやか。
一方でブレンダーズスピリットはアルコールの刺激がやってくるので、若さが多少目立ちます。しかし若さ故の活気良さがピートなどの香りに反映されて、ジョニ青よりも華やかで豊かに感じます。 

全体的に見れば、若さと老獪さが見事に融合し、とても豊かで味わい深いボトルに仕上がったと言えます。
ブラックニッカの名前を使わず、エクストリームニッカみたいな名前にして5000円で売ってもバカ売れしたでしょう。
 
いずれにしても、限定品で2000円台にしては破格の香り、味わいと言えます。どんな飲み方をしても、飲みやすくてボトルの魅力を十分堪能できるでしょう。

<個人的評価>

  • 香り AA:  ゴム、ヨードが先に来て、あとから爽やかな青リンゴやナシ、濃厚なレーズン、バナナ、ドライマンゴー、バニラと、とても香り豊か。
  • 味わい AA:  総じて甘くて飲みやすい。ストレートではアルコールの刺激が訪れるが、つらくはない。
  • 総評 S : 2500円で売るにはあまりにも破格。高級ブレンデッドウイスキーを飲める大チャンス。


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reki今回はヘリオス酒造のヘリオスウイスキー ピュアモルト 暦(れき)を飲んでみます。

ヘリオス酒造は沖縄県名護市にあるメーカーで、沖縄特産の泡盛のほか、ビール、発泡酒、ラム酒、ハブ酒を製造しています。
実は、ヘリオス酒造ではかつてウイスキーも手がけていていました。 

しばらく前にウイスキーの製造は終わっていましたが、最近になって15年間眠り続けていたモルト原酒2000Lが見つかり、2016年9月にローソンのみ、200本限定で500mLのボトルとして予約が受け付けられ、すぐさま埋まりました。

その後この15年ものの原酒に若いモルト原酒をブレンドしたノンエイジのボトルとして、 ローソンから180mLのボトルとして発売されました。

早速ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は中庸な琥珀色、香りはサクランボのような甘い香りがします。

口に含むと、ゴムの香りが先に届き、その後濃厚なバニラ、サクランボ、バナナと続き、最後にスモーキーさが締めます。
味わいは若い原酒からの辛さがあり、その後は酸味とビターが半々です。

ロックにしてみると、燻したような強いスモーキーさが 口に広がり、あとからバニラ、バナナ、ドライマンゴーと濃厚な甘い香りが続きます。そして最後には栗の香りも鼻を通ります。
味わいは酸味が先に訪れ、あとからビターが付いてくる感じです。

最後にハイボールにすると、スモーキーさは健在で、ゴムの香りのあとにバナナ、バニラとハイボールの割具合にしては強い香りが残ります。最後にはヨードも感じ取れます。
味わいは炭酸とともに酸味が先に来て、甘さが追いかける格好です。

全体的にとても熟成が進んで濃厚でボディも重く、終売してしまった余市10年を彷彿とさせます。
若いモルト原酒を使っているわけですが、それでも15年熟成のモルトが強いキーとなっています。
恐らくは暖かい沖縄の気候によってバーボンのように速く熟成が進んだのではないかと推測されます。 
ハイボールでも十分に香りが堪能できて、高いポテンシャルを見せつけます。

180mL、アルコール度数は40度で、価格は800円ほど。720mL換算にすれば3200円ほどですので、山崎や白州のノンエイジよりも若干安い価格帯になります。 
ただし、15年原酒に限りがあるため、すぐになくなる恐れがあるので気をつけましょう。

眠っていた原酒の潜在能力からすれば、日本や海外で火が付いているウイスキーブーム に乗って事業再開というのもあるかも知れません。同社にはラム酒樽が多く在庫しているので、それを使ったウイスキーというのもおもしろいかも知れませんね。

<個人的評価>

  • 香り AA : 先にゴム、煙が来るので違和感があるが、あとからバニラ、バナナ、ドライマンゴーと濃厚な香りが追ってくる。
  • 味わい A : ストレートでは辛さがあるが、加水することで酸味、ビターが半々。
  • 総評 AA :  南国のハンデを乗り越えた高いポテンシャルを秘めた原酒。

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