RERAのウイスキーブログ

40代のロスジェネおっさんが、世界各地のウイスキーを飲み、独断で評価していきます。 Whisky reviews and informations

カテゴリ: 番外編

平成から令和へと元号が変わった2019年、年末になったので、この1年を振り返ってみます。

ワールドウイスキーの登場

日本のメーカーにおいては大手も原酒不足の解消にはまだまだ時間がかかる反面、中国などでの需要が伸びたことによって、さらに深刻な状況に立たされているようです。

2019年においても、元々4000円以下だった山崎と白州のノンエイジは7000~9000円の値がつきつつも品不足状態です。

ao_そんな中で注目を集めたのは、サントリーが5つの産地の原酒をブレンドして作った「ワールドウイスキー 碧<Ao>(あお)」です。

サントリーがビーム社を買収したことで、グループ内でジャパニーズ、スコッチ、アメリカン、カナディアン、アイリッシュの5つの原酒を手に入れられる環境ができたことで生まれたともいえます。

しかしその裏には、深刻な山崎と白州モルトの不足を、他の地域の原酒で補おうという実験的側面も予測できるものでした。

当初、碧は1万円を超えるプレミアムな値段がつけられましたが、徐々にその香り、味がわかると、一気にメーカー希望小売価格レベルにまで下がりました。



すでに一部のメーカーでは、スコッチのバルクウイスキーを買い取って自社で樽詰め、熟成して販売する、あるいはまだ3年に満たない自社の原酒とブレンドして販売する試みも行われていますが、サントリーが幅広い原酒を使って新しいウイスキーを生み出すことについては、もっと様子を見た方がいいでしょう。

気になったボトル

2019年で気になったボトルをいくつか。

角鷹(南アルプスワインアンドビバレッジ)

kumataka_自社ブランドだけでなく、イオンやセブン・アンド・アイにプライベートブランドのウイスキーを供給しているメーカーですが、価格の割にはうまいかな、というレベルのものが大半でした。

そこで飲んだ「角鷹(くまたか)」はちょっとした驚きでした。

同社には蒸溜所の情報がないため、使用している原酒はスコットランドのバルクウイスキーと思われますが、それでもシェリー樽原酒由来の強いレーズンの香りが印象的で、大手メーカーの1000円台のウイスキーと比べても群を抜いた印象でした。

晩酌用として考えてもお買い得感は高いと感じました。

一方で1000円以下の価格帯にある蜂角鷹(はちくま)や、セブン・アンド・アイ向けのハリスホーク、ローソン向けの琥珀郷はいまいちでした。


ザ・ニッカ(ニッカウヰスキー)

the_nikka_ニッカのラインナップで、唯一年数表記のついたブレンデッドとして残されていた「ザ・ニッカ12年」が販売終了し、ノンエイジに変わりました。

これで年数表記のボトルは竹鶴の17年と21年だけになってしまいました。

事実上のモデルチェンジとなった新しいザ・ニッカですが、香りや味わいは12年とは別の方向にシフトしていて、単純に品質が劣化したと思わせない工夫を行ったように思えます。

この試みは、余市や宮城峡が10年ものに変わってノンエイジをラインナップした際にも行われましたが、白ブドウのフレッシュな香りをメインに持って行ったブレンドはうまくいっているように思えます。

また、若さ(アルコール感)をあまり感じさせないまろやかな仕上がりにもなっています。

ニッカのブレンデッドにおいては、蒸溜所限定の「鶴」がありますが、一般に購入できるものとしてはザ・ニッカがフラグシップになります。
そのフラグシップとしての出来においては、新しいザ・ニッカは遜色ないように思えます。


2020年はクラフトウイスキーの時代か?

さて、2020年は日本のウイスキーにとっても大きな転換点になるかもしれません。

2016年にかけて建設された、全国各地の蒸溜所で3年熟成のウイスキーが次々リリースされる可能性があるからです。
  • 堅展実業 厚岸蒸溜所(北海道)
  • ガイアフロー 静岡蒸溜所(静岡県)
  • 長濱ロマンビール 長濱蒸溜所(滋賀県)
  • 本坊酒造 マルス津貫蒸溜所(鹿児島県)
日本の法律では、熟成を行わない場合でも条件を満たせばウイスキーとして売れますが、上記の4蒸溜所ではスコットランドのルールに従って3年未満の原酒をウイスキーとしてリリースしていません。

3年を経過した原酒をどのように仕上げてくるのか、来年はウイスキーファンには楽しみな年になるでしょう。

前回に引き続き、今回は4種類の炭酸水を比較します。
使用するウイスキーは、引き続きサントリーの角瓶を使います。

ドン・キホーテ 情熱価格 強炭酸水

donki_情熱価格は、ドン・キホーテが発売するプライベートブランドです。

製造元は明記されておらず、ガスボリュームの表記もありません。

採水地も書いていないため、元の水の質は期待できないでしょう。

実際にハイボールにして飲んでみると、炭酸はそれほど強くなく、ピリピリした辛味も少ないです。

角瓶自体の香り、味わいがそのまま出ているようで、水割りと大差ない印象です。

いい意味で言えば、ウイスキーの香りや味わいを殺さない炭酸水と言えるでしょう。

サントリー ソーダ

pro_soda_サントリーは飲食店向けに炭酸水を発売していましたが、ハイボールブームや、炭酸水を飲む健康法、嗜好の変化で強い炭酸の刺激を求める声が強くなったことで、2017年にリニューアル、5.0GVの強炭酸タイプにリニューアルされました。

単に炭酸を入れているだけでなく、硫化マグネシウムと塩化カルシウムを添加しています。

値段については、後述する南アルプス スパークリングよりも10円高い設定です。

ハイボールにして飲むと、炭酸は強く感じられるわけではないですが、ピリッとした辛みは少々強めです。

また、酸味がプラスされて角瓶の甘みは抑えられた印象です。

サントリー 南アルプス スパークリング

alps_spark_前回紹介した 天然水 スパークリングのプレーンタイプになります。

レモンと異なるのは、表記が「天然水」ではなく、採水地である「南アルプス」となっている点です。

サントリーの天然水の採水地は、白州蒸溜所に隣接する南アルプス、鳥取県の奥大山、熊本の阿蘇の3か所ですが、スパークリングとしては南アルプス、奥大山の2か所のみとなります。

これも東日本、西日本でそれぞれ違う採水地のブランドで売られていると思われます。

一応は強炭酸タイプを謳っていますが、ガスボリュームは明記されていません。

ハイボールにすると、炭酸自体は強くなく、辛みも抑え気味です。しかし、酸味はサントリーソーダよりも少々強めで、苦みが舌に残る印象です。

コカ・コーラ カナダドライ ストロング ザ・タンサン

cd_kyotansan_カナダドライでは、ジンジャーエールのブランドとして30年以上日本でも親しまれていますが、それとともに炭酸水としてクラブソーダ(現:クリアスパークリング)、そしてトニックウォーターも発売しています。

そのカナダドライから2018年に発売されたのが、強炭酸タイプの「ザ・タンサン」です。
ガスボリュームは明記されていませんが、炭酸の泡もフィルタリングをして磨きをかけていることを売りにしています。

現状、コンビニなどで手に入るのはザ・タンサンで、クリアスパークリングは酒屋さんに行く必要があるでしょう。

ハイボールにして飲んでみると、炭酸は強く感じられ、ピリピリした刺激もしっかり感じられます。ただ、酸味はそれほどプラスされず、角瓶の甘みも抑えられて、とてもドライなハイボールになります。

今回は番外編として、ハイボールに使う炭酸水を飲み比べてみます。

ハイボールブームと健康志向で普及

10年前から若い人を中心に飲まれるようになったハイボールは、ウイスキーを炭酸水で割って作られます。

かつて炭酸水は、酒屋さんでないと手に入らず、スーパーやコンビニでは糖分がプラスされたサイダーがほとんどでした。

しかし10年前からハイボールが人気を得るようになり、炭酸水による胃腸の活性化、疲労回復、ダイエットの効果が期待されるようになると、コンビニでも簡単に炭酸水が手に入るようになりました。

その後、ペットボトルの製法が改良されたことで、炭酸ガスの含有量を5.0GV(1Lの水に対して5.0Lの炭酸ガスを封入)まで充填された強炭酸水が登場し、刺激と酸味、辛味が強い商品も出てきました。

炭酸水においては、サントリーの炭酸水、アサヒ飲料のウイルキンソン タンサン、コカ・コーラのカダドライ クラブソーダ、更には天然炭酸水としてフランスのペリエ、イタリアのウリベートが主流でした。

しかし、グループ内でウイスキーを作っているサントリー、アサヒが炭酸水のラインナップを増やし、コカ・コーラも強炭酸水をリリースしたほか、中小の飲料メーカー、スーパーやコンビニ、ドラッグストアのプライベートブランドも含め、炭酸水だけでも乱立するようになりました。

また、そのままでも飲みやすいよう、レモンなどの香料を加えたものも増え、ハイボールにする場合でも爽やかさが加わったものにすることもできます。

当ブログでは、プレーンとレモン香料入りの炭酸水に着目して、それぞれの銘柄でハイボールの味や香りに変化があるかを数回に分けてチェックしていきたいと思います。

1回目は6種類の炭酸水を比較していきます。

アサヒ飲料 ウィルキンソン タンサン

tansan_01ウィルキンソンは、1904年に誕生したブランドで、当初は兵庫県西宮市生瀬町(JR福知山線 生瀬駅の南)で採取された鉱泉水を使っていました。

1951年にアサヒビールが販売で提携したのち、1983年に実質的に傘下に入れます。
採水も、生瀬の炭酸鉱泉から、兵庫県明石市の工場からに切り替わりました。

ウィルキンソンは炭酸水のほかに、生姜エキスを使ったジンジャーエールも有名です。
現在ではレモンなどのフレーバーを加えた炭酸水や、機能性食品として食物繊維をプラスした炭酸水も販売しています。

飲んでみると、炭酸の強さはそこそこで、ピリッとした辛味として刺激を得られます。まだ角瓶の甘い味わいが勝っている印象です。
刺激がありつつも、ウイスキーの香りや味わいをあまり殺さない点でも、ハイボールで味わうにはいいかもしれません。

VOX

tansan_04VOXは、2015年に福岡県大野城市に誕生した、比較的新しい炭酸水のメーカーです。

近年の炭酸水の人気に乗る形で誕生したこのメーカーは、基本的にはAmazon、楽天、ヤフー!での通販が基本で、24本1ケースでの販売になっています。

ペットボトルで充てんできる限界に近い、5.0GVの強炭酸で、マイクロバブル圧縮充填という、炭酸ガスの泡を小さくして水に溶け込ませる製法を特徴としています。

飲んでみると、ウイルキンソンよりも炭酸は弱めで、ピリピリ感もそれほどありません。ただ、角瓶の甘い味わいは抑えられ、酸味が強めに感じられます。

泡を小さくして充填していることで、のどごしが細かく感じられるかもしれません。

セブンアンドアイ 超炭酸水

tansan_05セブンアンドアイとアサヒ飲料が共同開発したプライベートブランドです。

ただ、セブンイレブンなどのサイトには特別なことは書いておらず、ウィルキンソンとは別物と見たほうがいいでしょう。

実際に飲むと、ピリピリ感はウィルキンソンよりも弱く、味わいにしても角瓶の甘みがしっかり伝わる印象です。

すっきりと飲める感覚は少なく、ウイスキーの香り、味わいをしっかり楽しめるように思えます。

アサヒ飲料 ウィルキンソン タンサン レモン

tansan_02前述したウィルキンソン炭酸のレモン味です。

といっても、レモン果汁が含まれているわけではなく、レモンの香料を加えたのにすぎず、糖分もないゼロカロリーとなっています。

飲んでみると、レモンの香りがしっかりと訪れ、プレーン同様にピリピリした刺激のある炭酸を感じ取れます。

その奥からは角瓶の甘い香り、味わいがやってきて、広がりのあるハイボールになります。

レモン入りのハイボールのレシピを考えるにしても、このボトルであれば、ウイスキーの香りや味わいをつぶさず、レモンの香りも堪能できるでしょう。

サントリー 天然水スパークリング レモン

tansan_03サントリーはウイスキーの蒸留所を建設する条件として水が豊富でおいしいことを含めています。
現在の山崎、白州の両蒸留所とも、おいしい水が採取できる場所にもなっています。

現在売られている天然炭酸水において、東日本を中心に販売されているものについては、白秋蒸留所に隣接する南アルプス白州工場で採水、ボトリングされた「南アルプスの天然水」として販売されています。

一方で西日本では、鳥取県を代表する山、大山の南側にある奥大山ブナの森工場で採水、ボトリングされたものが売られています。

飲んでみると、レモンの香りは抑えめで、味わいこそレモンの酸味が得られるものの、炭酸のピリピリ感、酸味の増幅は少なく、かなり穏やかです。

一方で角瓶の甘みのある味わい、香りもマスキングされていて、さっぱりした印象が強いです。

セブンアンドアイ 超炭酸水レモン

tansan_06こちらもセブンアンドアイとアサヒ飲料が共同開発したプライベートブランドです。

レモン果汁を入れて居らず、香料によってレモン風味に仕上げています。

飲んでみると、ウィルキンソン同様にレモンの香りがしっかり感じられ、酸味も得られます。

一方で炭酸からのピリピリした感覚は少なく、ウイスキーの香り、味わいもマスキングされてしまいます。

正直、ハイボール用に飲むには向いてないように思えます。

まとめ

6銘柄で飲み比べましたが、プレーンの炭酸水でも香りや味わいが異なるのがわかりました。

炭酸自体の強さだけでなく、どのように充填するかによっても変わってくるように思えます。

家でハイボールを作る場合においても、銘柄の選び方や注ぎ方にも注意をした方がいいかもしれません。

これ以外にもいくつの銘柄があるので、後日レビューしていきたいと思います。

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今後とも、RERAのウイスキーブログをご覧ください。

ニッカ 竹鶴25年ピュアモルトがジャパニーズウイスキー部門でトロフィーを獲得

今年のISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)で、ニッカの竹鶴25年が、ジャパニーズウイスキー部門で最高賞にあたるトロフィーを獲得しました。


ニッカのウイスキーがトロフィーを獲得するのは、2009年の竹鶴21年(ウイスキー部門)、2015年のロムザバレル(ウイスキー部門)に継ぐ3回目となります。

このほか、竹鶴25年と同21年はダブルゴールドも獲得しています。

インターナショナル・スピリッツ・チャレンジとは?

このインターナショナル・スピリッツ・チャレンジとはどういうものでしょうか。

インターナショナル・スピリッツ・チャレンジは、イギリスの酒類雑誌「ドリンクス・インターナショナル」が主催する、蒸留酒の品評会で、2019年で24回目を迎えました。

ウイスキーだけでなく、ジン、ウオッカ、ブランデーなどの他の蒸留酒の部門もあります。

ブラインドテイスティングによる審査によって、現在では優れているものから順にダブルゴールド、ゴールド、シルバー、ブロンズの賞が与えられます。

そして、ダブルゴールドを獲得した銘柄を元に、各部門の最高賞となるトロフィーを決めます。

さらに各部門のトロフィーの中から、蒸留酒としてもっと優れた銘柄に「シュプリーム・チャンピオン・スピリット」の称号が与えられます。

過去にこの「シュプリーム・チャンピオン・スピリット」を日本のウイスキーが獲得したことがあります。
2017年にサントリーの「響21年」が手にしています。

ただ今年は...

従来のISCにおいては、ウイスキー部門は世界中でまとめて一つの部門でしたが、今年から産地毎(ジャパニーズ、アメリカン、スコッチ、アイリッシュ、ワールド)にカテゴライズされてしまい、竹鶴25年が獲得したのは「ジャパニーズウイスキー」部門、つまりは日本一のウイスキーに格下げにされたのです。

そういう意味でも、トロフィーを手にしたと言っても、あまり手放しでは喜べないでしょう。



おかげさまで、ウイスキーのブログとキーワード検索すると、当ブログも上位に来るところまで来ました。

たかが一個人の趣味の延長であるにもかかわらず、多くの方に閲覧くださることを感謝します。

一方で、当ブログに文句を言うアンチも生まれていて、某掲示板では15スレッド(14000件以上)に至っています。

当ブログからコメント欄を廃止してからは、エゴサーチ自体はほとんどやっていませんが、そこで気になった事柄について返そうと思います。

感想がリンゴ、ナシ、ライム、バニラ、ブドウしかない

正直言って、味覚も嗅覚も優れているとは自分も思っていません。
プロのウイスキージャーナリストのテイスティングノートだと、トフィやリコリスといったものが出てきますが、日本人でこの香りや味をわかる人はどれだけいるでしょうか。
記事を書く上では、自分もわからないような香り、味を表現することは避けています。

しかし、300銘柄以上を飲んでいくと、使用する麦芽、樽の種類が限定されている今においては、大まかな部分で似たり寄ったりになっているように思えます。

麦芽に関して言えば、日本のメーカーであってもスコットランドから輸入、モルティングも自前でやらず、スコットランドのモルトスターという業者に頼んでいるため、一極化に近い状況が生まれています。

樽にしても、新樽や自前の原酒を貯蔵した樽の再利用の例は少なくなり、バーボンやシェリー酒の樽を使うことが大半になっています。
そうなると、シェリー樽ならブドウ、レーズン、バーボン樽だとバニラの香りが目立つのが自然の成り行きになります。

また、スコッチモルトになると、目立った特徴を持つのが、正露丸や海藻、ヨードを伴うアイラモルトと、リンゴやナシの香りが目立つスペイサイドモルトで、ブレンドをする上でもいずれかをキーモルトにしていくため、どちらかの特徴をほぼ必ず持っていることが多いです。

銘柄によって幅があるといっても、多くの銘柄は上記のいずれかに収斂されるように思えます。

とはいえ、ここ2,3年で誕生した国内の蒸留所のニューポット、ニューメイクを飲むに、それ以外の新しい香りが見いだされるので、今後の動きは見逃さないほうがいいでしょう。

ニッカびいき

私が北海道出身であり、地元のウイスキーを愛することに、何の問題があるでしょうか。
自分の趣味の延長なので、新聞やテレビのように不偏不党の精神は持っていません。

もっとも、サントリーも値段さえ出せば香りや味わいの優れたボトルがありますし、昭和時代の角瓶やオールドなども、スモーキーで個性のあるボトルで、本気を出せば、安価でウイスキーファンも納得できるボトルを出せるポテンシャルがあると思います。

果たして、三菱商事、ローソン出身の新浪社長がどう判断するのかは見ものに思えます。

今回は、今迄飲んできた中で、1000円で購入可能なウイスキーをまとめたいと思います。

ここ10年で、角ハイボールを端に発するウイスキーの消費増加に伴い、多くの国内メーカーがウイスキーの製造、販売を始めました。

自社で蒸溜を行う新興のメーカーについては、まだ3年熟成を超えるボトルは出てきませんが、仮に出ても1000円ではとても買えないものになると推測されます。
絶対的な製造量が少なく、必然的に高価なものになるからです。

その一方で、1000円以内で買えるブレンデッドウイスキーを出せるところとなると、大量の原酒を仕込める大手と、スコットランドなどの海外からバルクウイスキーを購入し、自社の原酒とブレンドして出す中小のメーカーに限られてきます。

近年では後者に該当するメーカーから、いくつものボトルが出ています。

それらも含めて、改めてまとめていきます。

なお、掲載するものは500mL以上のフルボトルに限ります。また、詳しい内容は、リンクをクリックして、当該の記事をご覧ください。

サン.フーズ(富永貿易) 甲州韮崎オリジナル

nirasaki_r_山梨県にあるワインなども手がけるメーカー。

ウイスキーの製造免許は2010年代と新しい。

モルト、グレーンの他にスピリッツも含まれているものの、値段の割に香り、味わいはそこそこで、アルコールも目立たない、熟成感もある程度持つボトル。










三菱食品(サン.フーズ) グリーンフォレスト

greenf_三菱食品が販売するボトルで、飲食店の他、ローソンでも購入可能。

製造はサン.フーズ。

前述の甲州韮崎と比べるとアルコールの刺激、辛みが強めで熟成感が少ない。

香りもカラメルやナッツなど、安物のウイスキーらしい薄っぺらさが目立つ。
味わいも雑味が目立ち、上手いとはお世辞にも言えないレベル。






トップバリュ ベストプライス ウイスキー

top_vp_イオンのプライベートブランド、トップバリュから販売されているウイスキーの2代目。

製造メーカーは合同酒精から南アルプスワインアンドビバレッジに変更されている。

初代が焼酎に毛が生えた程度の、ウイスキーと言えぬ代物として、ネットでも話題になったボトルだが、2代目については値段に比べてウイスキーとしての香り、味わいを備えたものになっており、ストレートでもアルコールの刺激が少なく、それなりの熟成感を得られる。






南アルプスワインアンドビバレッジ ハリス・ホーク

haris_トップバリュ ベストプライス ウイスキーを手がける南アルプスワインアンドビバレッジのボトルで、こちらはセブンイレブンなどで販売されているボトル。

グレーンウイスキーを使わず、モルトとスピリッツでブレンドしたもの。

ストレートでは甘みが得られ、アルコールの刺激が少ないものの、ロックでは雑味が目立ち、ハイボールでは酸味が前に出る。

トップバリュと比べると一段劣る印象。






南アルプスワインアンドビバレッジ 蜂角鷹(はちくま)

hachikuma_南アルプスワインアンドビバレッジが手がけるナショナルブランドのウイスキー。

中身については、トップバリュ ベストプライス ウイスキーとほぼ同じ。

イオン以外のサイトでも購入が出来ることと、値段が割高になっていることが違い。











続きを読む

先日、丸山穂高国会議員が北方領土を元島民と訪れた際に、泥酔の末に元島民に絡んで戦争による領土奪還をすべきか問いただしたり、夜間の外出禁止を無視して外出を強行するなどの暴挙に出て、国際問題へと発展してしまいました。

北方四島を戦争で奪還すべきかの議論はさておき、国民から選出された国会議員が、公務の一環である北方領土の訪問でルールやマナーを破るなど言語道断です。

それによって、長年の間、元島民が現島民と平和的な交流を深めて、現実に即した解決の努力をたった一晩で全て潰してしまったのですから、元島民の怒りは計り知れないでしょう。

事前に酒を飲むことについても控えるようレクチャーを受け、自身も酒に弱く、過去にも泥酔によるトラブルを引き起こしているにも関わらず、結局酒に飲まれて愚行をしたのですから、大人としても恥ずべき事であり、アウトと言わざるを得ません。

単なる発言の撤回では済まされず、国民の代表たる国会議員も辞職するのは当然ではないでしょうか。
ロシアと国境を接し、危機がすぐそこにやって来得る北海道の人間としても許せません。

「酔うために飲む」ことのリスク

酒飲みの一人であり、ウイスキーのブロガーとしても、お酒に対する接し方について、いろいろ書きたいと思います。

今回の事件において「酒の席だから許してやれ」という意見もネットで散見されました。

しかし、個人差はあれど、飲酒によって精神的な「緩み」が発生し、建前や理性で隠してきたその人の本音、本性が出てきます。
酔った勢いでの発言は、まさにその人の本来の姿だと言っても過言ではないです。

人によっては、飲み会や得意先との酒宴を、相手の心を見るコミュニケーションアイテム、ビジネスツールとして活用するのも、そうした本音、本性を引き出せる理由があると言えます。

そうした本音、本性が曝け出される事を考えると、それによる乱行を許すというのは考えられないはずです。

泥酔によって前後不覚に陥り、鞄に入っていた大事な書類、データを紛失、盗難に遭い、個人情報や機密情報の漏洩で、所属する会社の社会的信用を失ってしまうなど、人生を棒に振ることもあります。

それだけでなく、強盗などの犯罪に遭いやすい、逆に暴行や傷害などで犯罪を犯してしまう、生命の危険にさらされることもあり得ます。

「酔うため」に酒を飲むことは、こうしたリスクが伴うことを自覚しないといけません。
酒に飲まれてしまっては、建前で築いてきた自分の信用、品格、実績をも破壊しかねません。

酒は嗜んでナンボ

酒を「嗜む」(たしなむ)という言い方があります。一般的に嗜むという言葉には「愛好する」「親しむ」という意味の他に、「慎む」「心掛ける」「身なりを整える」という意味もあります。

飲酒によって酔っ払った際に、建前や理性が崩れ、醜態を晒してしまいかねません。

だからこそ、慎み、酔っ払わないよう心掛けて飲む行為から「嗜む」という意味が使われるようになったのかもしれません。

飲酒は大人の特権ですが、だからといって世間でのストレスや憂さを晴らす、嫌なことを忘れるために酔っ払う目的で飲むのは「子供の飲み方」に過ぎません。
それで飲み続ける先には、アルコール依存症などの精神的な病へも陥りかねません。

「嗜んで」お酒を飲むことこそ、本当の大人の飲み方ではないでしょうか。
ウイスキーのみならず、あらゆる酒についても、香りや味のいいものを選び、それらを楽しみつつ、嗜んで欲しいと思います。

5月1日より、平成という時代から、令和の時代に入ります。

ウイスキー冬の時代

gloria_平成の30年間を振り返ると、販売の点で言えば平成中期までは冬の時代が続いたと言ってもいいでしょう。

昭和58年をピークにウイスキーの販売量は減っていき、平成20年には1/3以下にまで落ち込みました。

ウイスキーの大手の一つであったメルシャン(旧オーシャン、三楽)も撤退、軽井沢蒸溜所も閉鎖されました。

それ以外の中小メーカーも蒸溜所の休止、閉鎖、撤退が相次ぎました。

生き残ったメーカーも生産量を削減することでしのいでいきました。

「ジャパニーズウイスキー」ブランドの誕生

それによって、半ばだぶついていた原酒が長期熟成される結果を生み、一方でウイスキー人気を復活させようと様々な試みが行われるようになりました。

そして平成13年、イギリスのウイスキーマガジンで行われたコンテストで、新樽原酒を使ったニッカのシングルカスク余市10年が最高得点を獲得し、日本のウイスキーが海外で評価され、海外でもジャパニーズウイスキーと、代表的なウイスキーの産地として認知されるきっかけを作りました。

ハイボールの復権、ウイスキーの復活

kakubin01そして平成21年に入り、若者を中心にハイボール人気が生まれました。

サントリーはこれまでもハイボールを軸とした販売戦略を繰り返してきましたが、提供されるグラスはタンブラーで、1:3とアルコール度数が10度を超える濃いものでした。

そこで、提供されるグラスをビールやチューハイ(サワー)と同じジョッキに変更し、安定かつ低温で強い爽快感を出すために、ハイボールタワーという専用のサーバーを開発、割合も1:4とアルコール度数を下げ、飲食店を回る、セミナーを開くなど安定品質を提供する努力を行っていきました。

その結果、食事と一緒に飲む爽やかなお酒としてハイボールが認知されることとなり、角瓶の原酒が不足するほどの急速な復活を遂げることとなりました。

このウイスキーの人気に拍車を掛けたのが、NHKで放送された連続テレビ小説「マッサン」。
主人公のモデルとなったのが、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝で、様々な苦難を乗り越えて日本のウイスキーを誕生させた物語に感動した人々が、ニッカを中心としてウイスキーを購入していきました。

この結果、平成末期に入って平成20年頃に比べて倍近い消費量にまで回復しました。平成初期の水準に近づきました。

令和は日本のウイスキー試練の時代

しかし、長期熟成を必要とするウイスキーは、こうしたブームに乗ることは出来ず、各メーカーとも原酒不足に悩むこととなり、年数表記された長期熟成のボトルを中心に販売終了に追い込まれています。

サントリー、ニッカともに、生産量を増やしている状況ですが、潤沢に10年以上の原酒を提供出来るには、令和10年頃まで待たないといけません。

如何にして短期熟成の原酒を使って人気をつなぎ止めるのか、アイデア勝負の時代になるでしょう。

他方で、平成末期になって、海外でのジャパニーズウイスキーの評価、国内での消費増加に呼応する形で、全国各地で蒸溜所の建設、ウイスキーへの新規参入、復帰をするメーカーが増えています。

これらのメーカーが必要な熟成期間を経た原酒を提供するのは令和になってからとなりますが、ニューポット、ニューメイクを飲む限りでは、各地で個性的な香り、味わいを持つ原酒に出会えたので、既にわくわく感が止まりません。

いずれにしても、令和の時代、日本のウイスキーが更に発展するのか、それとも一過性のブームとして衰退していくか、大小関係なく試練の時を迎えることになるでしょう。

P.S. 令和は、4年ほど住んでいた名古屋で迎えます。

2018年も残り僅かになりましたので、今年私が飲んだ中で印象に残ったものをピックアップします。

サントリー 響21年

hibiki21_1いわずと知れたサントリーのフラグシップ ブレンデッドウイスキーです。

今年の初めの時点で、すでに4万円ほどのプレミアがついていましたが、その後2,3か月でさらに6万円ほどまで値上がりしたので、ちょっとはラッキーだったかな、と思っています。

さすがに21年熟成だけあって、ハイボールにしても消えないほどのドライフルーツのような濃厚な香りと、ストレートでもアルコールの刺激をほとんど感じないとてもまろやかで甘酸っぱい味わいは印象的です。

バーでワンショットでも飲んでおいて損はないと思います。

アードベッグ アン・オー

an_oa_強烈なピートで有名なアードベッグの新しいボトルであるアン・オーは、ペドロヒメネスのシェリー樽、新樽の原酒を加えています。

さすがにTENでも使われているバーボン樽原酒の強烈なピートが前に来ることに変わりはなく、その次の段にシェリー樽原酒の甘いレーズンのような香りがやってくる印象です。

TENに比べれば若干マイルドではありますが、やはり癖の強さは平均的にみればずっとあり、ウイスキーに慣れていない人にとっては半分罰ゲームに感じるかもしれません。







キルホーマン 2011 バーボンバレル

kil_cs_bc2011_同じアイラモルトながら、キルホーマンのバーボンバレルについては、シングルカスクでカスクストレングスでありながらも、マイルドな印象がありました。

ただ、そろそろキルホーマンの12年ものが呑みたいです。

値段的には2万円で間に合うかどうかでしょうけど...。








キリン 富士山麓 シグニチャーブレンド

fuji_sig_残念ながら、コストパフォーマンスに優れた樽熟原酒50°の販売終了がアナウンスされてしまいましたが、2018年はワンランク上のシグニチャーブレンドがリリースされました。

熟成年数が表記されていませんが、最も熟成が達した期間を見極めた原酒を使っていると言うことですが、それも嘘とは言いにくいまろやかさがあります。

キリンについては、低価格帯に樽薫るが残りますが、樽熟原酒50°に比べても見劣りはしないでしょう。






イオン トップバリュ ベストプライス ウイスキー

top_vp_個人的に興味深かったのは、前回、最悪の評価をしていたトップバリュのウイスキーがリニューアルしたことです。

さすがにウイスキーのブームが起きたことで多くの消費者がウイスキーを飲んできたことで、半端なものが作れないと判断したのかと思います。

それでも、ウイスキーにあらず、から、ウイスキーとして最低限の香りと味がある、というところまでたどり着いたように思えます。

トリスのエクストラに比べても見劣りはしない感じです。

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