RERAのウイスキーブログ

40代のロスジェネおっさんが、世界各地のウイスキーを飲み、独断で評価していきます。 Whisky reviews and informations

カテゴリ: 番外編

今回から不定期で、日本のウイスキーの歴史を解説していきます。

日本のウイスキーの歴史に於いて、まず語るべき企業が摂津酒造という会社です。
現在は宝酒造に吸収されていますが、この企業がウイスキー作りを目指さなければ、日本のウイスキーの歴史は大きく変わっていたでしょう。

大阪府住吉区住吉町に存在した摂津酒造は、後に取締役となる岩井喜一郎が考案した連続式蒸留器を使って高品質のエタノールの蒸溜に成功した企業でした。

海外との不平等条約が改正され、輸入された洋酒に高い関税が掛けられて高騰した事を受けて、国内での洋酒のニーズが一気に高まる事となりました。

すでに寿屋(現:サントリー)と「赤玉ポートワイン」の製造下請けとして力を付けていた同社にとって、次の狙いにしたのがウイスキーの製造でした。

摂津酒造の社長であった阿部喜兵衛と岩井は、広島の造り酒屋の息子であり、岩井の母校の後輩にして彼をしたって入社した竹鶴政孝を、ウイスキー作りの勉強のため、1918年にスコットランドに留学させました。

竹鶴はグラスゴー大学で蒸溜に関する化学を学び、ロングモーン、ヘーゼルバーンといった蒸溜所でウイスキー作りの実習を行いました。

そして1920年、現地で知り合い結婚したリタを連れて帰国し、2年間の勉強の記録は竹鶴ノートとして、岩井の手に渡りました。

しかし、第一次世界大戦後の恐慌によって、摂津酒造は新たな蒸溜所の建設の資金がなく、ウイスキー造りを断念する事となりました。

その後1964年に、摂津酒造は宝酒造に買収され、その歴史を終えました。

しかしながら、摂津酒造が蒔いた種は、二つの芽を伸ばし、ジャパニーズウイスキーという大樹を生み出す事となります。

摂津酒造の工場は、1973年に解体され、現在は団地となっています。
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しかし、団地の中には今も取水口の跡が残されています。
2016年には、大阪市の顕彰史跡として登録されました。


前回の続きとして、蒸留工程から見ていきます。

仕込み棟の奥にあるのが、モルトウイスキーの蒸留棟になります。
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余市蒸溜所との違いとしては、
  • ポットスチルの形状が、途中に膨らみのあるバルジ形
  • 水蒸気の通る管を使って加熱するスチーム式
  • 温度調節はコンピューター管理
という特徴があります。
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スチーム式にする事で加熱のムラが少なくなり、比較的癖の少ない原酒が抽出できるというのがニッカの話です。スコットランドの蒸溜所でもスチーム式が大半を占めるようになっています。

なお、コンピューター制御は1976年から導入されていて、食品の製造工程への導入としては初めてだと言われています。

古くからの伝統を継承する余市と、最新の技術を駆使する宮城峡という点でも、個性の異なる原酒を造る上で対照的にしていると言えるでしょう。

一方で共通するのは、ネックの部分に飾られる注連縄です。
元々造り酒屋の家であった竹鶴家の伝統をここでも継承しています。

ビジターセンターの方まで戻り、その先に進むとモルト原酒の貯蔵庫があります。
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貯蔵庫ではダンネージ式で2段に樽が並べられている様子を見学できます(見学用なので原酒が熟成されているとは限らないでしょうけど)。
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2段積みにする理由としては、建物の気温差によって上下の熟成の度合いを少なくしようとする目的があると思われます。この点は余市と共通しています。

これにて見学は終わり、ゲストホールにて無料の試飲が行えます。
この試飲では、スーパニッカ、宮城峡、アップルワインが飲めます。

一方で有料のセミナーでは、シングルモルト宮城峡のほかに3種類の異なる性格の原酒、カフェグレーンを試飲して、その違いなどを感じる事ができます。

このほかゲストホールには有料の試飲所もあり、セミナーで飲める3種類の宮城峡も飲めます。

さらに、ゲストホールにはショップが併設してあり、蒸溜所限定のウイスキーが購入可能です。

さて、全体を見学しての感想としては、余市蒸溜所がスコットランドの雰囲気を継承した異国情緒のある建物群が多かったのに対して、宮城峡蒸溜所は近代的な工場をイメージさせるような雰囲気を感じました。

それにリンクするかのように、余市はピートがしっかりした重厚感のあるモルト原酒なのに対して、宮城峡はピートを抑えてフルーティ、フローラルな香りがする軽快なモルト原酒に仕上がっているように思えます。

これだけ個性が異なる原酒がそろう事で、ニッカは様々なタイプのウイスキーを出せると言えるでしょう。

ウイスキーブームによって長期熟成原酒が不足しており、それらが潤沢になるまではまだまだ数年かかりますが、ニッカにはこれからもこのバランスあるウイスキーの製造を続けてもらいたいと思います。

前回に続いて、ニッカウヰスキー 宮城峡蒸溜所のレポートを続けます。

筆者は札幌の人間ですが、宮城峡蒸溜所までの道のりは下記の通りです。

(自宅)→JR札幌駅→(千歳線・40分)→新千歳空港→(1時間20分+待合)→仙台空港→(仙台空港アクセス線・24分)→JR仙台駅→(仙山線・38分)→JR作並駅→(徒歩25分)→宮城峡蒸溜所

朝一で出発しても、午後3時に到着できれば御の字というレベルです。
個人的に仙台は初めての行き先なので、他に行きたい場所もあったので、前日に作並温泉で一泊してから向かいました。
なお、JR作並駅からはシャトルバスが運行しています。

まず、蒸溜所見学をする際には、入り口からほど近くにあるビジターセンターの受付で申し込みを行う必要があります。
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余市蒸溜所では受付を行わずとも大半の施設をそのまま見学できますが、宮城峡ではできませんので気をつけましょう。

なお、このビジターセンターでは簡単なウイスキーの製造工程や、創業者 竹鶴政孝に関する資料などが展示されています。
見学の前に、一度一通り見ておくといいでしょう。
(歴史的な史料については、余市蒸溜所のほうが詳細です)

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見学コースは2種類あり、製造工程の見学と無料の試飲(スーパーニッカ、宮城峡、アップルワイン)ができる無料のコースと、30分のテイスティングセミナーが付いた1000円のコースがあります。

1000円のコースは1日2回のみ、土日祝日に限られているので気をつけましょう。

私は無料のコース(平日の見学だったため)を選択しました。

見学の前に、宮城峡蒸溜所の概要を説明したビデオの上映が行われます。
上映の後、ガイドのもとで各施設を見学します。

miyagikyo_05まずはキルン棟。

ここでは大麦の種もみを発芽させたのち、加熱させて成長を止めるモルティングという工程を行う場所です。

この加熱の際に使われるのが泥炭(ピート)です。
ピートから上がる煙によって慰撫されるような形で、大麦麦芽に独特のスモーキーな香りが加わるのです。

現在ではこのキルン棟は余市同様に使用されておらず、スコットランドにあるモルトスターにモルティングを依頼し、輸入を行っています。

その手前には、グレーンウイスキーの蒸溜を行う連続式蒸留器がある蒸留棟があります。

この蒸留棟にあるのが、世界的にも珍しいカフェ式連続蒸留器です。

miyagikyo_06カフェ式は連続蒸留器としては古いもので、蒸溜の効率が悪く、もろみの癖が残りやすいという特徴を持っています。

本来は純粋なアルコールに近いものを作るためのものであったため、大半の蒸溜所ではグレーンウイスキー用としては使われなくなりました。

しかしニッカでは、癖が残る事を逆に利用して、香りのあるグレーンウイスキー、カフェグレーンを生み出し、ブレンドに利用しています。

見学ではカフェ式蒸留器は見る事ができません。

キルン棟の奥にあるのが、サイロです。
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ここにはウイスキーに使われる大麦の種もみ、ならびにモルティングされた大麦麦芽が貯蔵されます。

サイロの奥には仕込み棟があります。
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ここは大麦麦芽をお湯に漬けて麦芽糖を抽出し、酵母を加えて発酵させる場所になります。
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宮城峡の特徴としては、この仕込みから蒸溜の工程がコンピューターによって制御されている事です。

余市蒸溜所では蒸溜自体は石炭を使った直火式で、随時職人が火加減を見ながら石炭をくべて温度管理をするのに対して、宮城峡では水蒸気を通すパイプを使って加熱する方式で、温度管理はセンサーを通して制御されます。

撮影はできませんでしたが、この仕込み棟に制御室があり、近代的な様には余市との大きな対比ができるかと思います。

次回は蒸留工程以降を見ていきます。

今回から番外編として、ニッカウヰスキー 宮城峡蒸溜所の見学について数回に分けてレポートしていきます。
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宮城峡蒸溜所は、宮城県仙台市青葉区(建設当時は宮城郡宮城町)に1969年に建設された、ニッカウヰスキー第二の蒸溜所です。2019年には設立から50周年を迎える予定です。

1960年代に開かれたGATT(現在のWTOの前身となった協定)ケネディラウンドで、日本に対して洋酒の関税引き下げを求められ、当時の政府がそれに応じる事が決まり、より多くの輸入ウイスキーの値段が下げられて市販され、国産との競争が激しくなる恐れがありました。

また、戦後に起きたベビーブームで産まれた子供たち(団塊の世代)が成人を迎える時期に入り、ウイスキーの消費も大幅に上がる可能性もありました。

その動きに対し、当時のニッカ社長であった竹鶴政孝はそれに合わせ、新しい蒸溜所の建設を行ってより多くの販売に対応できる体制を取ろうと考えました。
その場所の選定は1967年に、息子である竹鶴威が行いました。

その候補地の一つとして、余市よりも温暖ながらも昼夜の寒暖差が大きく、広瀬川と新川川が合流して多湿になる宮城町の作並地区が挙げられました。

実際に政孝がその地を訪れ、新川川の水をくみ取り、持ってきたウイスキー(諸説あり。ニッカではブラックニッカと説明)をその水で割って飲んだところ、そのうまさを絶賛し、その地を新しい蒸溜所の場所と決めました。
その際、政孝が川の名前を聞いたところ、「新川(にっかわ)」だとわかり、名前の偶然性に驚いたと言われています。

1968年に着工され、翌1969年に宮城峡蒸溜所(当時は仙台工場)が完成しました。
完成の際、企業誘致に積極的だった当時の宮城県知事が、蒸溜所の地域の住所を「ニッカ」に変更するよう政治的に働きかけ、ニッカウヰスキーへプレゼントされました。

1999年には、西宮工場にあったカフェ式連続蒸留器が移設され、ニッカのアイデンティティーとも言えるカフェグレーンウイスキーの蒸溜のほか、近年ではジン、ウオッカの製造も行っています。

実際に訪れてみると、森や山に囲まれた土地に近代的な施設がそびえ立っているものの、所々に木々や緑地帯が設けられるなど、なるべく周辺の自然環境を壊さないような配慮がされていました。

次回は、実際に蒸溜所内の様子を作業工程を辿る形で見ていきます。

denkibran今回は番外編として、日本由来のハードカクテル、電気ブランオールドを飲みます。

電気ブランは、1882(明治15)年に、現在のオエノンホールディングスのルーツとなる「みかはや銘酒店」の創業者、神谷伝兵衛の手によって作られました。
1912(明治45)年に、浅草のみかはや銘酒店を改装して、西洋風に生まれ変わった「神谷バー」の看板メニューとなりました。

電気ブランは、ブランデーをベースに、ジン、ワイン、キュラソー、ベルモット、薬草をブレンドしたもので、詳細な比率などは非公開になっています。

明治時代にまだ珍しかった電気という言葉にハイカラなイメージがあった事で名付けられたとされています(インターネットの普及時に「E~」という言葉が流行ったのに似てます)。
一方で、当時アルコール度数45度と高かった事で、アルコールからのピリピリした辛さから、しびれるイメージで電気ブランだ、という俗説もあります。

現在ではアルコール度数30度の「デンキブラン」と、アルコール度数40度の「電気ブラン オールド」が売られています。

いつものようにストレートから飲んでみます。 
グラスに注ぐと、液色は中庸な琥珀色、香りはジンのようなジュニパーベリーやベルモットのニガヨモギを思わせます。

口に含むと、ジュニパーベリーやニガヨモギの香りが口に広がります。
味わいはアルコール由来の辛さと刺激がありデンキブランのなのごとくビリビリと舌を刺激します。その後は強い苦みがあります。

次にロックで飲むと、香りはストレートと変わらず、アルコール由来の辛さが取れて、苦みの奥から甘みも感じられるようになります。

ハイボールにすると、メインとなるブランデー由来のブドウの香りがほのかに漂います。
味わいも酸味が主体となり、比較的飲みやすくなります。

神谷バーでは、よく冷やした電気ブランがストレートで出され、チェイサーとして氷水が用意されます。
そのほかメーカーでは、チェイサーとしてビールを用意して飲む方法や、ロック、ハイボール、ジンジャーエール割りも推奨しています。

電気ブランオールドは、720mLのボトルで値段は1100円ほどです。

<個人的評価>

  • 香り C: ジュニパーベリー、ニガヨモギの香りが広がる。
  • 味わい B: ビターがメイン。ストレートではアルコールの辛さが目立つが、ロック、加水で甘みが出てくる。
  • 総評 C: ジンやベルモットに慣れてないと厳しいか。慣れている人には飲み飽きないかも。

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kurayoshi経済主体の週刊誌、「東洋経済」から興味深い記事が出ていたので紹介します。
「ジャパニーズウイスキー」の悲しすぎる現実

この記事のメインになっているのは、日本でウイスキーを作るメーカーの中に、バルクウイスキーと呼ばれる、ノーブランドのスコットランドなどの輸入原酒を使いつつ、ジャパニーズを名乗っているというものです。

このブログでも採り上げましたが、実際、ジャパニーズウイスキーといいつつも、実際にはスコッチモルトを加えているものもいくつか存在しています。

大手メーカーにしても、キリンはカナダのシーグラム社と合弁でウイスキーの子会社を設立しましたが、その最初のボトルとなるロバートブラウンも、当初は国産の原酒ではなく、スコッチモルトとグレーンのみのブレンドでした(現在は御殿場のモルトに切り替えています)。
ただ、当時はまだジャパニーズウイスキーというブランディングがなかった時代(1970年代)でしたので、特に批判らしい話はありませんでした。

現在の酒税法については、原料についての規定はあるものの、どこで作られた(醸造、蒸溜された)原酒なのかは明記されていません。
原酒自体もスコットランドから輸入したものを使っても、日本で熟成、ボトリングしたからジャパニーズだ、などというデタラメも通用してしまうのが現実です。

とはいうものの、そうしたまがい物を作るメーカーでも、近年では自前で蒸溜所を設立し、自ら原酒を供給する動きにシフトする企業も存在しています。
「甲州」「富士山」を手がけるサン.フーズ、「戸河内」を手がける中国醸造もその一部です。
他国の原酒を使い、売れる事を確信して自社製造に切り替えたとなればいいですが、一方で消費者を欺き続けるメーカーも存在しているのも事実です。

その中で、記事では業界団体である日本洋酒酒造組合が、ジャパニーズウイスキーの定義を明確にしようとする動きが出ているようです。
これが酒税法に反映されるかは政治的な問題になってきますが、世界中の消費者が「まがい物」をいれたウイスキーを日本産だと信じて飲むという、不都合が真実が消える事になれば、個人的には幸いだと思います。

oak_bottle_01今回は番外編として、セラヴィが発売するオークボトルを紹介します。

オークボトルとは、その名の通り、アメリカンオークで作られたボトルで、内側はウイスキーの樽のようにチャーリング(内面を焦)されています。

一般的なウイスキーを貯蔵する樽は200Lなのに対して、オークボトルは355mLと750mLの2種類になっています。
そのため、樽に比べると原酒全体に対する樽材の接触の割合が大きくなるため、樽材からしみ出される成分を多く吸収することとなり、樽での熟成に比べて極めて早く進めることが可能になっています。

ウイスキーの場合だと、目安は8~72時間となっています。それ以上熟成させることも可能ですが、却ってくどくなる恐れがあります。

使用する場合にはいくつかの注意点があります。

まず、使用する前に必ず水を入れて水分を含ませる必要があります。これをスウェッティングといいます。
そうしないと、乾燥した状態のオークボトルでは液漏れが発生する恐れがあるからです。
このスウェッティングは4~24時間行います。もしそれでも液漏れがある場合は、オークボトルに付属するワックスで漏れる箇所に塗って防止します。

スウェッティングが終わった所で、水を捨て、ウイスキーを注ぎます。

熟成が終わって注いだウイスキーをすべて出した後は、水を入れて洗います。この際、洗剤などを使ってはいけません。

そして再び熟成に使う場合、しばらく経過して乾燥したときには、再びスウェッティングが必要です。

今回は違いがわかりやすいよう、ニューポットの原酒を用意しました。
長濱蒸溜所の、長濱ニューメイク59° ライトピーテッドです。

左はオークボトルに入れる前、右は24時間熟成させたものです。
写真を見ても、明らかに色の違いがおわかりかと思います。
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実際にストレートで飲み比べてみます。
まず熟成前は、アルコールの刺激、辛さがしっかりしていて、ほんのりとスモーキーな香りはしますが、とてもきつい印象です。

一方で24時間熟成させたものにおいては、アルコールの刺激は抑えられ、バニラのような香りと樽のウッディさが加わり、まろやかな印象になっています。
ただし、アルコール度数が59度もあるので、辛さは依然としてしっかりやってきます。

トゥワイスアップにすると、熟成前は、ピートの香りがしっかりしますが、それ以上の香りはやってきません。
味わいにしても、ウオッカをそのまま飲んだ印象で特別な味わいはしません。

一方で24時間熟成させたものだと、香りにバニラ、バナナの香りが加わり、味わいも甘さを得られるようになります。
全体的に香りも味わいも薄いですが、ウイスキーらしさを感じられるレベルになります。

熟成させていないニューポットを使ったため、24時間ではまだ熟成に物足りなさを感じますが、国内の1000円未満で売られている安いウイスキーであれば、2日熟成させることでとても味わい深いウイスキーに変化することは十分予想できます。

価格は、355mLが9,000円、750mLが13,000円になります。
結構なお値段ですが、あまりお金をかけずに長期熟成のウイスキーを飲みたいのであれば、このオークボトルを買うのも一考でしょう。

なお、オークボトルではウイスキーだけでなく、赤ワインやブランデー、焼酎などの蒸留酒の熟成にも利用できます。
日本の焼酎は、財務省の規制によってウイスキーのような琥珀色になるほどの熟成が出来ないため、このオークボトルを使って長期熟成状態にすることも出来ます。
日本では買うことの出来ない長期熟成の焼酎を自分で生み出して楽しむのもいいですね。


bacardi_gold_今回は、番外編として、ラム酒、バカルディのゴールドラムを飲みます。

ラム酒は、17世紀頃からカリブ海の島々を中心に生産された蒸留酒です。
原材料となるサトウキビは、原産国だった東南アジアからスペイン人などが持ち込んだことで、中米で盛んに栽培されるようになりました。

その後、サトウキビのプランテーションが広がるごとに、製糖の過程で生まれる廃蜜糖(モラセス)を原料としたインダストリアルラムが盛んに作られるようになりました。

イギリス海軍では20世紀後半まで、士気の高揚や娯楽の目的でラム酒を兵士に支給していました。
今ではカリブの海賊とともにラム酒がカリブ海のアイコンとして日本人にも浸透しています。

ラム酒(インダストリアルラム)は製造方法によって2種類に大別されます。

酵母を入れて発酵、醸造させた後、連続式蒸留器で蒸溜した後で樽に貯蔵するものをライトラムといいます。
このうち、熟成したまま出荷するものはゴールドラム、活性炭で濾過して色を取り除いたものをホワイトラムと言います。

一方でモラセスを自然発酵させ、単式蒸留器で蒸溜、樽に貯蔵したものはヘビーラムと言われます。
この中で3年以上熟成させたものはダークラムと言われ、色の濃い液色になります。
その中で、癖を抑えた製法を取り入れたものはミディアムラムと呼ばれます。

ラム酒のメーカーとして有名なバカルディは、1862年にキューバで設立されました。
同社のラム酒は、カクテルベースとして使われ、モヒート、ダイキリ、クーバ・リブレといったカクテルを生み出すこととなりました。

しかしキューバ革命が起こり、国営化を恐れたバカルディ社はバミューダ諸島に移転、現在に至っています。

バカルディブランドとしてのラム酒は基本的にライトラムで、ホワイトラムのスペリオール、ゴールド、長期熟成させたブラックの3種類がレギュラーラインナップされています。

最初は、ストレートから。
香りはゴム、そしてカラメルへと移り変わります。
味わいは、アルコール由来の辛みはそこそこありますが、その後は甘みがメインになります。

ロックでは、ゴムの香りの奥からバナナを感じられるようになります。
味わいは軽い酸味や苦みを持ちつつも、やはりフルーツやカラメルの甘みが支配します。

そのままで飲んでも美味いですが、ここで代表的なカクテルを紹介します。

<ダイキリ>

レシピ

  • ラム酒:45mL
  • ライムジュース:15mL
  • シロップ:小さじ1杯
キューバにあるダイキリ鉱山で働いていた技師が作ったと言われています。
基本的にはカクテルグラスに注ぎますが、私はこれをちょっとアレンジしたものを飲んでいます。daikiri_
  • ラム酒:3
  • ライムジュース:1
  • 炭酸水:9
  • 氷:適量
簡単に言ってしまえばダイキリソーダです。砂糖やシロップは入れません。

ゴクゴクといきたいときにはいいかと思います。

他にはクラッシュアイスを加えてシェイクして作るフローズンダイキリというものもあります。

<クーバ・リブレ>

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レシピ

  • ラム酒:45mL
  • ライムジュース:10mL
  • コーラ:適量
ラムコークとも呼ばれる、第二次キューバ独立戦争において、キューバの自由を祝して作られたと言われています。

ライムジュースを使わないレシピもあるので、ハイボールの感覚で気軽に作って飲めるカクテルです。

<モヒート>

レシピ

  • ラム酒:40mL
  • ライムジュース:30mL
  • ミント:6葉
  • 砂糖:小さじ2杯
  • 炭酸水:適量
タンブラーにミントの葉と砂糖を入れ、すりこぎ棒などで軽くすりつぶした後、ラム酒、ライムジュース、炭酸水を加えてステアして作ります。

手間がかかるカクテルですが、バカルディからあらかじめ混ぜ合わせたリキュールが発売されていて、炭酸水を割るだけで簡単に作れます。


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2017年もあとわずかになりましたが、今年飲んだウイスキーの中で、気になったものをピックアップしていきます。
昨年だとトップ10を発表していましたが、正直言うと10個挙げるのもつらいほど、ピンとくる銘柄が少なかった印象です。ですので今年は、かなり数が少ないのでご了承ください。

1.サントリー 特級ウイスキー

royal_1960_01今年は古酒、特にサントリーの特級時代の銘柄をいくつか飲みました。

今でも看板として現役である角瓶、オールド、リザーブ、ローヤルですが、等級制度が存在した1989年以前のボトルは、いずれも現行のボトルと比べても香り、味わいともに深くて豊かな印象でした。

特に顕著だったのが燻製のようなスモーキーな香りがしっかりしていて、ウイスキーらしさが実感できる点です。
現行品ではスモーキーさをしっかり出しているのはローヤルくらいで、オールド、リザーブ、角瓶ともにノンピートモルトを使っているような希薄さです。

等級制度が廃止されて30年近くが経過していますが、その間に幾度か減税が行われて安価になっていった中で、サントリーは便乗して品質を下げているのではないか、と疑いを持ってしまいました。

原酒不足が徐々に解消されつつある中で、サントリーは比較的低価格の部類で巻き返しを図るのか、見守っていきたいです。

2.ザ・マッカラン ダブルカスク

maca_w12一方で、現行品で今年飲んだ中でベストだと思ったのは、3月にリリースされた、ザ・マッカラン ダブルカスクです。

値段が7000円近くと高価ですが、シェリーオーク12年と比べるとマイルドで飲みやすく、ストレートでもとっつきやすさを感じました。

12年もののシングルモルトとしては熟成感がしっかりした印象です。

残念ながら、このボトルを超えるものを今年飲むことは出来ませんでした。これ以上になると、本当に2万円近い投資が必要なのか、個人的にも不安があります。
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3. ニッカウヰスキー 鶴 ノンエイジ

tsuru_na_01_01次点としては、ニッカウヰスキーの鶴を挙げます。

従来品は17年ものとして売られていましたが、2015年で製造終了してしまいました。
しかし蒸溜所限定、ノンエイジとして復活を果たしました。

価格は蒸溜所でも14,000円と大きく値を上げてしまいましたが、従来よりもアルコールからのとげとげしさが抑えられて、ストレートでも飲めるブレンドにスイッチしました。

原酒不足によって、ニッカの現行品が軒並み香りの層が薄く熟成感に欠けるものが多いですが、この鶴においてはそのような物足りなさを感じることはありませんでした。

おいそれと買える値段ではないですが、十分に金を払っただけの満足感は得られるでしょう。

併せて、シングルモルト余市 2000'sも復活したのが朗報でした。

4. ザ・フェイマスグラウス メロウゴールド

fg_mg_最後に、甘くて万人受けで比較的手に入りやすいボトルとして、ザ・フェイマスグラウス メロウゴールドをピックアップします。

このボトルも今年リリースされましたが、レギュラーに比べてファーストフィルのシェリー樽原酒を主体にしたブレンドになっていて、最初にラムレーズン、後々でメープルシロップの香りが続き、甘さが支配する印象になっています。

その中で、ライムのような柑橘系の爽やかな香りがアクセントになっていて、甘さ一辺倒にならないようバランスが取られています。

ストレート、ロック、ハイボールいずれの飲み方でも甘さが堪能できて、ウイスキーに親しんでない人でも取っつける印象を受けました。
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以上が、2017年で特に印象深かった銘柄でした。

国内においては、昨年から今年にかけて多くの蒸溜所が建設、製造を開始しましたが、熟成されたウイスキーが出るのは、早くても2019年からになるでしょう。

その中で、来年において既存のメーカーがどのような攻勢を仕掛けるかも見物かと思います。
東京五輪が行われる2020年以降は、国内のウイスキーが激戦となる時代になるかもしれません。
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sun_今回は番外編として、アサヒビールの甲類焼酎、燦とSAZANを飲んでいきます。
発売こそアサヒビールですが、実は両方とも製造はニッカウヰスキーが手掛けています。

燦(SUN)は、元々協和発酵(現:協和発酵キリン)が、第一次焼酎ブームである1970年代後半から発売していた焼酎です。
原材料としては、廃糖蜜、麦、麦麹となっています。

協和発酵は、発酵技術をもとに抗生物質などの医薬品の製造と焼酎、清酒、ワインの製造をメインにしていました。

しかし同社が医薬品事業に集中するため、2002年に酒類製造と販売部門を分離、アサヒビールとの合弁会社として独立、のちにアサヒビールの子会社であるニッカウヰスキーが買収しました。

北九州市にある門司工場は、現在ニッカウヰスキーの所有となっていて、燦のほかに、大五郎やダイヤといった甲類焼酎、そしてかのかなどの本格焼酎の製造拠点となっています。

sazan_一方でSAZANは2002年に発売されました。ちょうど合弁会社を設立した時期と重なります。
原材料は、廃糖蜜とトウモロコシです。

大きな特徴としては、一般的な連続式蒸留器で蒸溜された原酒のほかに、宮城峡蒸溜所にあるカフェ式蒸留器で蒸溜した「カフェ焼酎」をブレンドしている点です。
最近になって、ジン、ウオッカの蒸溜にカフェ式蒸留器を使った製品を出していますが、15年前からこうしたアプローチが行われていたわけです。

では、まずストレートで飲み比べてみます。

燦は、全体的な香りはさほど感じ取れません。味わいこそ、原材料由来のほのかな甘みがあるくらいです。樽熟成された原酒もブレンドしているはずですが、あまり感じ取れません。

一方でSAZANは、トウモロコシならではの香りがほのかに訪れます。一見するとポップコーンっぽさがあります。
味わいも甘みがあるものの、砂糖というよりゆでたトウモロコシをかじったときに甘さに近いです。

次に炭酸水で割ってみます。香りを確認したいので、1:1と濃いめにします。

まず燦ですが、香りはほんのりと麦焼酎のようなものが現れます。味わいもストレートから感じ取れた甘みが崩れていない印象です。

一方でSAZANは、香りはストレートほどトウモロコシっぽさは感じられず、むしろ残り香として花を通ってきます。味わいは、若干ビターな印象が出て、単純な甘さだと感じられません。

双方の特徴や傾向は異なり、チューハイなど割ったときに香りや甘さが表に来る燦に対して、ストレートでも楽しめることを考えたSAZAN、という風に感じられました。

個人的にこのジャンルで一番だと思うのは、宝焼酎 純やレジェンドですが、SAZANはストレートで飲むのであれば、純に匹敵する印象がありました。


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