RERAのウイスキーブログ

40過ぎのおっさんが、ジャパニーズ、スコッチを中心にウイスキーを飲み、独断で評価していきます。

タグ:サントリー

個人的に長期的な夏休みを得ることができたので、これを機にサントリーの山崎蒸溜所に行くことにしました。
yamazaki001

山崎蒸溜所は、日本初の本格的なウイスキー蒸溜所です。大阪府三島郡島本町に建てられており、すぐ先は京都府、目の前には木津川、宇治川、桂川の流れる場所にあります。

鳥井商店(現:サントリー)創業者の鳥井信治郎が、輸入したスピリッツのようなアルコールを樽に詰めて貯蔵し数年経過したところ、樽の成分がしみこんで香りと味が深まったお酒となっていました。
これを瓶詰めして「トリス」のブランドで販売したところ、飛ぶように売れたことから、鳥井はウイスキー作りを志すことになりました。

ウイスキー作りに当たって、当初はスコットランドから職人を招聘する予定でしたが、そこにスコットランドでウイスキー作りを学んで帰国したものの、その腕を発揮できずにいた竹鶴政孝(後のニッカウヰスキー創業者)と出会い、彼と総責任者としての契約を交わしました。

竹鶴は当初、スコットランドの気候に近い北海道に蒸溜所を建設すべきだと主張しましたが、当時は青函トンネルもなく、船便でしか原料や原酒を運べないため、輸送コストは時間の問題で鳥井は却下、当時の本社のあった大阪に近い場所という条件をつけました。

この難題に対し、竹鶴が見つけたのが、大阪と京都の府境にある山崎の地でした。
山崎の地は、元々名水の湧く場所として古くから知られ、千利休も茶室を作っていました。
また、付近には木津川、宇治川、桂川の3つの河川が流れ、下流で合流して淀川となる場所でもありました。
それにより、霧が立ちこめるほどの冷涼で多湿な気候をもたらしていました。

ウイスキーを作る上でも、近畿圏でスコットランドに最も近い気候を持つ山崎を、竹鶴は建設の場所として提案、鳥井も承諾しました。

こうして1923(大正12)年、日本初のウイスキー蒸溜所、山崎蒸溜所が建設されました。

今やこの蒸溜所で作られるモルト原酒は、シングルモルト山崎として日本だけでなく海外でも高い評価を得ています。

さて、私が山崎蒸溜所に行く計画を立てたのは7月下旬、お盆明けも休めることが決まってから。
しかし、その時点で蒸溜所内部の有料見学はすべて埋まっており、見学できるのは無料のウイスキー館見学だけ...。
スケジュールを見ると、9月の平日でもすでに埋まっているところを見ると、人気の工場見学なのでしょうね。今度は長期的に計画を立てないと...。続きを読む

kaku_1960_04今でこそ世界的にも確固たる地位を築いたジャパニーズウイスキーですが、その歴史において、戦争は避けて通れない事実もあります。

戦前のサントリーもニッカも、本格的なウイスキーが当時の国民に受け入れられたとはいえない状況がありました。

両社が進出する前の、アルコールに着色しただけの焼酎にも匹敵するアルコールを、当時の国民はウイスキーと認識していました。

その中で、本格的に製造したウイスキーのスモーキーさに、違和感を感じたのは否めませんでした。

そんな状況でしたから、サントリーもニッカも苦境に立たされていました。
サントリーは国内での試作ブレンドのモニタリングの末、現在の角瓶に当たるサントリーウイスキー12年をリリース、ニッカもようやく第一号ウイスキーを出したときでした。

しかし第二次世界大戦、大東亜戦争が勃発すると、日本はイギリスと敵対したことで、スコッチウイスキーの輸入が途絶えることとなりました。

rareold明治からイギリス式を規範とした大日本帝国海軍は、オフの時のたしなみであるウイスキーが途絶えることは深刻なリスクでした。

その中で、海軍はウイスキーの蒸留、製造をしていたサントリーの山崎とニッカの余市を海軍指定工場として、ほぼ独占的にウイスキーの製造を行わせ、買い取っていきました。

その中で入手困難だった大麦麦芽などの原料も、海軍が独占的に供給を行いました。

こうしてサントリーとニッカは、倒産の危機から脱出しただけではなく莫大な利益を上げることにも成功したのです。

そして戦後、生きて帰還した海軍の兵士や士官によって、サントリー、ニッカの評判が広まることとなりました。

もしこの事実がなかったとしたら、日本のウイスキーは国内で多く飲まれただけでなく、海外に知れ渡るほどに発展したのでしょうか?

戦争を賛美するわけではないですが、ジャパニーズウイスキーが賞賛される背景には、戦争の事実をしっかり受け止める必要があるのです。

hibiki21前の記事でも紹介したインターナショナル・スピリッツ・チャレンジ2017ですが、グレーンウイスキー部門のトロフィーを獲得したニッカのカフェモルトよりもさらに上の賞を獲得したのが、サントリーの響21年です。

これまでも響21年は、ワールドウイスキー部門で今年を含めて5年連続でトロフィーを獲得する快挙を成し遂げましたが、さらにすべての蒸留酒の中でトップに輝く、「シュプリーム・チャンピオン・スピリット」までも獲得しました

響21年は山崎のシェリー樽原酒をキーモルトにした21年以上の熟成を経たモルト、グレーンをブレンドしたボトルになります。

わたしはまだ17年までしか手をつけていないので、いずれ21年もテイスティングしたいと思います。
ただ、早めに手をつけないと、さらにプレミアがついて手に入らないかもしれませんね。

suntory21_今回は、1980年代に発売された、サントリーウイスキー21を飲んでみます。

サントリーウイスキー21は1984年に発売されました。
この当時は、1970年代後半に始まった第一次焼酎ブーム(本格焼酎ではなく、甲類焼酎メイン)が訪れ、若者を中心にチューハイなどで多く飲まれるようになりました。

一方で高度経済成長が終わり、高根の花だったウイスキーも手が届くようになり、カフェバーなどではカティサークなどの安価なスコッチも嗜まれるようになりました。
しかし、ウイスキーの消費は1980年ごろをピークに下がり始めていました。

そんな中でサントリーは、より若者にターゲットを絞り込み、カティサークのように軽くて飲みやすいウイスキーをリリースしていきました。

まず1983年に出されたのが、「サントリーウイスキーQ」(1級)で、当時日本でも人気のあったデュラン・デュランを起用し、カティサークよろしく、緑のボトルで登場しました。
しかし、単に緑でまねるだけではなく、ウイスキーらしくないボトル、ラベルデザインにして、今までにない挑戦をしました。

そして第二弾として出たのが、特級ウイスキーのサントリーウイスキー21でした。
こちらもライト&スムースというコンセプトはQと同じく、モルト原酒を多く使ったものでした。
21という名称は、21世紀を担う当時の若者をターゲットにした目的があったように思えます(そんな若者も今は50を過ぎているわけですが...)。

発売当時はCMも作られ、フランス バイヨンヌ出身のピアニストデュオ、ラベック姉妹(カティアとマリエル)を起用しました。現在はそれぞれ結婚しましたが、活動を続けています。
(しかし、「二十歳を過ぎたら21」って、どこの新潟のテレビ局のオープニングをパクったのでしょうか?(前年に件のテレビ局は開局、作詞をしたのが秋元康ですが、関係する?))

しかし販売は思わしくなく、1980年代終盤には販売が終わっていたようです。

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は淡いシャンパンゴールド、香りは青リンゴが強く出てきます。

口に含むと、アルコールの刺激がとても強く、後から青リンゴ、接着剤、その後はナッツ、ウエハースの香りが追いかけます。
味わいは、とても辛く、落ち着いてきてから酸味が現れる印象です。

ロックにすると、アルコールの刺激は一気に抑えられ、先にナッツ、バニラの香りが出てきます。あとになると、ほんのりとナシ、ブドウもやってきます。
加水が進むと、ほんのりと燻製のようなスモーキーさも出てきます。

味わいは依然として辛さがメインで、後になるほど酸味、ビターが強まってきます。
しかし加水されていくと、辛さは落ち着き、後味に甘さが加わってきます。

最後にハイボールにすると、軽くナッツ、バニラ、青リンゴの香りがやってきます。
味わいは、少々酸味が強めです。
ただし、1:3くらいの濃いめでも、香りはそれほどやってきません。

ライト&スムースの名の通り、全体的にはさわやかなフルーツの香りと酸味がメインで、白州モルトが主体になっている印象です。しかし加水されるとスモーキーさも出てきて、一筋縄ではいかない側面もあります。

ただ、ストレートではアルコール由来の刺激、辛さが強く、正直おすすめはできません。
1980年代前半だと、まだまだ水割り、ロックが主体で、それに合わせたブレンドのように思えます。

緑のボトルで見栄えをよくする目的なのか、敢えてカラメルでの着色を抑えていますが、使用している原酒の熟成年数はかなり短いように思えます。

前述のとおり短命に終わったボトルですが、これをもとにスモーキーさをさらに抑え込んで淡麗に仕上げたのが、白角だといえます。

500mL、アルコール度数40度、当時の値段は2200円でした。700mL換算で3000円ほど、当時の角瓶が2750円でしたから、それよりは少し上、オールドよりは下、という位置づけになります。

ネットオークションだと3000円ほどで取引されていて、よほど天日にさらしてない限り、状態の悪いものをつかまされる確率は低いでしょう。

<個人的評価>

  • 香り B: ストレートではアルコールの刺激が強すぎる。青リンゴ、ナッツ、バニラが香る。加水でスモーキーさが現れる。
  • 味わい C: 飲み始めは辛さが目立つ。ロックや加水により、酸味が前に出て、後味に甘さも感じる。
  • 総評 C: 軽めでさわやかだが、スモーキーさもあって侮れない。ストレートに向かないのが難点。


今回は緊急企画として、日本の大手メーカー2社が手掛けたクラフトジンを飲み比べてみます。

クラフトジンとは

ジンそのものは、オランダで生まれた後、イギリスでドライジンとして発展し、現代に至っています。
その中で、近年ではイギリスやオランダだけではなく、ドイツやアメリカなど、世界各国で小規模の工場で生産されるジンが増えつつあります。
日本でもクラフトジンを扱うお店が増えつつあり、ブームが巻き起こっています。

ジンそのものは、蒸留酒にジェニパーベリーをはじめとした植物を漬け込んで作っていくため、ウイスキーに比べても手間暇が少なく幅広い香りや味わいを持つお酒に仕上げられるメリットがあります。
国内においてもクラフトジンが登場しつつあります。

そんな中で、サントリーとニッカが、ほぼ同時期にオリジナルのクラフトジンをリリースしました。
gin01_

サントリー ジャパニーズクラフトジン ROKU

サントリーは50年以上前からジンを製造しています。現在でも、アイスジン、ドライジンが発売されています。

そんなジンの製造では老舗に入るサントリーですが、傘下に収めたビーム・サントリーと共同で、日本らしさを持つクラフトジンとして「ROKU」をリリースしました。

一般的にジンで使用されるジュニパーベリーをはじめとする植物のほか、桜(桜花、桜葉)、ゆず、山椒、緑茶(煎茶、玉露)の6種類の日本ならではの植物も使用しているのが特徴です。

ニッカ カフェジン

一方でニッカウヰスキーは、ジンの製造についてはあまり歴史はなく、新参者といえるかもしれません(ウィルキンソンのジンを作っているという文句を言う人がいましたが、製造はベン・ネヴィス蒸溜所であり、ニッカ本体ではありません。ギルビージンも一時期作っていましたが、現在はキリンが販売しており、ジンの製造技術は絶えています)。
しかしながら、ウイスキーのノウハウを生かしたジンをリリースしました。

最大の特徴は、グレーンウイスキーで使用されているカフェ式連続蒸留器をジンの蒸溜に使用している点です。

一般的な連続式蒸留器では、比較的純粋なエタノールが得られるので、素材となるもろみの香り、味わいはほとんどありません。
しかしながら、カフェ式蒸留器では素材の香りがある程度残る、悪く言えば中途半端な蒸溜になることで、蒸留したスピリッツに個性を残せるメリットがあります。

このカフェ式蒸留器で作ったカフェジンに、一般的な植物のほか、山椒、ゆずやみかんなどの日本由来の柑橘系の皮を漬け込んで作られています。

飲み比べてみた

では、この2つのジンを飲み比べてみます。まずはストレートで。

まず、「ROKU」ですが、香り自体はジュニパーベリーの独特の香りが主体で、そのあとにゆずの香りが続いてきます。しばらくすると、山椒とお茶の持つ香りが奥から顔をのぞかせてきます。
味わいは独特の苦みがメインですが、山椒由来のピリピリ感も伴います。

次にカフェジンです。香りはゆずやみかんの柑橘系が強烈にアピールしてきます。その奥から山椒がついてきて、一般的なジンに比べるとかなり異質な印象です。最後にジュニパーベリーがやってきます。
味わいも山椒からのピリ辛さが強く、苦いというジンならではの味わいとは一線を画します。

次に1:3の比率で炭酸水で割ってみます。

「ROKU」の場合、香りはジュニパーベリーが先にしっかり立ち上がり、神らしさがしっかり感じられます。ただ、桜や緑茶の香りは消えてしまいます。
味わいは苦みが前に出て、ジンとして安心して飲める印象です。

一方でカフェジンは、先に山椒の持つ香りがフワッと立ち上がり、その奥からゆず、みかんなどの香りが追いかける感じです。
味わいはジンならではの苦さがあるものの、柑橘系由来の酸味も感じられ、ジンを飲んでいるという感覚とは違和感を感じます。

まとめ

両社とも大きく対照的です。
「ROKU」は、ジンの老舗でもあるサントリーならではの安心できるジンのイメージがしっかり出ていて、ストレートでは和風のエレメントをほのかに感じ取れる多様性があるように感じます。

カフェジンは、ジン業界に殴り込みをかけるチャレンジングな新参者の印象で、ジンの愛飲家にとっても今までにない香りと味わいで、強烈なインパクトを与えるかもしれません。

ジンといえば、ジントニックやジンライムをはじめとして、数多くのジンベースのカクテルがありますが、「ROKU」であれば、今までと同じレシピで、ちょっと異なる個性を味わえるように思えます。

しかしカフェジンは今までのジンとは印象が大きく異なり、カクテルのレシピも大きく変える工夫が必要でしょう。
むしろ今までのジンベースのカクテルで行き詰まりを感じるバーテンダーにとっては、大きく変える起爆剤になるかもしれません。

どちらも700mL、アルコール度数は47度と高めです。
ROKUは4000円ほど、カフェジンは4300円ほどです。
どちらにしても、定番のジンに比べると3倍の値段になりますが、ROKUは日本らしい深さを、カフェジンは今までにないインパクトを与えてくれるでしょう。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ニッカ カフェ ジン 700ml 【02P08Jul17】 【PS】
価格:4180円(税込、送料別) (2017/7/8時点)



royal_1960_01サントリーの古酒として、オールド、角瓶を飲んでいきましたが、第三弾としてローヤルを飲んでみます。

サントリーローヤルは、創業から60年を迎えるのとともに1960年発売であることのダブルミーニングとして、ラベルには大きく「’60」が描かれていました。

このボトルにおいてマスターブレンダーを務めていたのが、創業者の鳥井信治郎でしたが、2年後の1962年に亡くなったため、このローヤルが最後の作品となりました。

その翌年には、2代目の佐治敬三が、父が成し遂げられなかったビール事業の成功を夢見て再び事業化に着手することとなり、併せて社名を寿屋からサントリーと改められました。

さて、今回入手したボトルですが、ネック部分のラベルが一部剥がれていたものの、社名としてサントリー、住所として中之島の表記があることから、サントリーの社名に変更した1963年3月からサントリービルに移転する前の1971年3月のボトルだと推測されます。
royal_1960_02

もし寿屋の表記であれば、3年ほどしか流通していない貴重なボトルでしょう。

発売当初は、「Rare Old Whisky Suntory "ROYAL"」と、ローヤルの名称は控えめに記載されていましたが、その後1980年代初頭までは、「Suntory Whisky Royal」と改められています。
「'60」の表記も、1980年代前半には「SR」とイニシャル表記に改められ、1990年代以降は幾度となくラベルデザインが改められました。

「酉」の形をモチーフにしたボトルには、当初紐による封印がされていました。これをナイフでブチっと切る様をCMで見ていてあこがれを持っていました。
現在のボトルにはそういった封印が省略されています。

今回も、現行品と比較していきます。
royal_1960_03

まずはストレートから。
1960年代のボトルでは、グラスに注ぐと、液色は少々濃いめの琥珀色、香りはアルコールの後に青リンゴとピートの香りが続きます。

口に含むと、先にレーズンの香りが現れ、あとからカラメル、バナナ、ナシ、オレンジが続きます。
味わいは、アルコール由来の辛さはそこそこあるものの、後から酸味、ビターと続き、最後に甘さがやってきます。古いボトルならではの埃っぽさは少なく、比較的状態はいいです。

一方で現行品は、アルコール由来の刺激は割と強く、先にバナナ、次にカラメル、樽からのウッディさが続きます。シェリー樽原酒由来のレーズンの香りはほとんど感じ取れません。
味わいはアルコールからの辛さがメインで、酸味、甘さと続き、ビターは控えめです。

次にロックにすると、1960年代では青リンゴやライムの香りが立ち始め、奥からバニラ、バナナが追いかけます。
味わいは酸味がメインとなり、加水が進むほど、ほんのりとした甘さを感じやすくなります。

一方で現行品は、先にピートが感じられ、後からナシ、ライム、青リンゴと続きます。バニラ、バナナはよくよく嗅いでいかないとわからないです。
味わいはビターが強めで、その後に酸味と続きます。甘さはそれほど感じられません。

現行品も決して悪くはないのですが、1960年代のローヤルは、香りが豊かでストレートでも比較的まろやかに作られていて、1,2ランク上のボトルだと感じ取ることができます。
当時のローヤルの値段を現代の価値で換算すれば3万円以上はするわけですが、現在のボトルと比較しても響 JAPANESE HARMONYよりも上、7000~8000円くらいの価値はあるでしょう。

竹鶴政孝とともに日本のウイスキーの先駆者として走り続けた鳥井信治郎が、残り僅かな魂の炎を感じながら作り上げた渾身の一品なんだと感じられます。
50年近くたって、このボトルを飲めることに幸せを感じます。

<個人的評価>

  • 香り A: 先にレーズン、カラメル、バナナ、オレンジ。加水されるとライム、青リンゴが開く。
  • 味わい A: アルコールからの辛さは控えめ。酸味、甘さがメインで、ビターは控えめ。
  • 総評 AA: 現行品も悪くないが、香りが豊かで濃厚。鳥井信治郎の情熱がこもった十分高級、上品なボトル。

kaku_1960_04今回はサントリー角瓶、特級時代のオールドボトルを飲んでみます。

角瓶は1937年に「サントリーウイスキー12年」として販売され、2017年で誕生から80年を迎えるボトルです。

当初のボトルには12yearsの表記がありましたが、その後は復刻版で再現されたように表記が外されました。

また、同じく当初から「Suntory Liqueur Whisky」という表記でしたが、これも1970年代前半には「Suntory Whisky」と改められました。

「角瓶」という名称は、もともとは愛称であり、1950年代からは正式に商品名としても使われるようになりましたが、ラベルの表記については現在においても角瓶、Square Bottleという表記はされていません(業務用のペットボトルだと「角瓶」表記がされています)。

kaku_1960_01今回入手したボトルは、箱と専用の包装紙がついてきたもので、「SUNTORY」の表記と、中之島の住所が記載されていたため、サントリーに改称した1963年からサントリービルに移転する前の1971年の間に作られたと推測されます(ちなみに同じラベルデザインで「KOTOBUKIYA」表記のボトルもネットで確認済みです)。

外箱のみならず、専用の包装紙がついている点からしても、当時の角瓶のステータスが今よりもずっと上にあったと推測できます。

特級のウイスキーというだけでも、当時は値段も高くてぜいたく品というイメージがあったかもしれません。

未開封でしたが、キャップ周りの外装を外して開けようとすると、容易にキャップが回り、現行品のようにしっかり封印する構造にはなってませんでした。そのせいか、そこそこ目減りしていました。
また、底のほうにわずかながらも澱が確認できるため、いい保存状態ではないと想像できます。
kaku_1960_07

続きを読む

今回は、久々のオールドボトルに手を出してみました。その名の通りになるサントリー「オールド」です。

サントリーオールドは1950年に発売されましたが、その間にブレンドのほかに、ラベルも何度か変更されています。
現在でこそ「SUNTORY OLD」という表記ですが、発売当初は「Product of Japan SUNTORY WHISKY」で、1960年代半ばから1970年代にかけては、「VERY RARE OLD SUNTORY WHISKY」となり、「SUNTORY OLD」となったのは1970年代末からです。

1989年4月に消費税導入とともに酒税も改正され、ウイスキーの等級制度も撤廃されましたが、それ以外にも、社名や本社の住所表記など、どの期間に作られたオールドかを特定することが可能です。
  • 昭和20(1945)年3月:大阪市北区堂島浜通1丁目20
  • 昭和25(1950)年:サントリーオールド発売
  • 昭和33(1958)年3月:本社移転(大阪市北区中之島2丁目22 新朝日ビル)
  • 昭和38(1963)年3月:寿屋からサントリーに社名変更
  • 昭和46(1971)年4月:本社移転(大阪市北区堂島浜通2丁目1-40 サントリービル)
  • 昭和48(1973)年:住所表記変更(大阪市北区堂島浜2丁目1-40 サントリービル)
  • 平成元(1989)年4月:消費税導入 酒税改正による等級表示の撤廃(特級表記なしに)
今回、ネットオークションにて4本のオールドなオールドを手に入れました。
old_old_01
まず1番左のボトルですが、ネック部分のラベルが一部剥がれていますが、よく見ると「大阪市北区中之島2丁目」となっており、1958~1971年のボトルだとわかります。
old_old_02
そして正面のラベルは「VERY RARE OLD SUNTORY WHISKY」で、1960年台後半から1971年までに作られたと推測できます。だいたい46~50年ほど前のボトルといえるでしょう。
old_old_03

残り3本のボトルは、いずれも「SUNTORY OLD」で、「特級」表記もありますから、1970年代終盤から1989年3月までのボトルといえます(厳密には1985年以降のボトルはSOが大きく書かれているのでさらに区別できますが...)。
old_old_05

一方でネック部分のラベルを見ると、左から2番目は住所に番地表記がなく、原材料名も書かれていません。
右の2本では、住所名に番地まで表記され、原材料名もあります。
このことから左から2番目のほうが古いボトルだと推測できます。
old_old_04
old_old_06

このほかにも、いくつかの種類があるほか、輸出向けのもの、さらにはお正月向けに販売される干支ラベルなど、これだけをコレクションするにも膨大な数になるでしょう。

続きを読む

2009年頃からハイボールが人気になり始めてから、スーパーやコンビニでもハイボール缶が出回るようになりました。

しかし、昨今の原酒不足によって、ラインナップも安い銘柄ベースになっており、古くからのウイスキー党の持つ「ハイボールは安酒を飲むための手段だ」というのを鵜呑みにしたような寂しいものになっています。

一方で居酒屋では、サントリー系ならトリス、角瓶、ジムビーム、アサヒ/ニッカ系ならブラックニッカクリア、ジャックダニエル、竹鶴がハイボールの定番ですが、お店によっては響、知多、山崎、白州のハイボール、さらにはチェーン店が独自に発注したシングルモルトのハイボールを出すところまであります。

ここで改めて、コンビニやスーパーで買えるハイボール缶を飲み比べたいと思います。

サントリー

トリスハイボール(アルコール度数7%)

トリスエクストラを炭酸水で割り、さらにレモンの果肉や皮をも漬け込んだレモン浸漬酒を加えて、レモンの香りとコクを最大限に引き出す作りになっています。

レモンの香りがほんのりしていて、樽のウッディな感じもそれなりに感じられます。 良くも悪くも居酒屋さんの飲み放題で飲むハイボールそのものといえます。

トリスハイボール キリッと濃いめ(アルコール度数9%)

トリスの割合を上げたほか、レモン浸漬酒も果汁換算で倍にしています。

レモンの香りと酸味がしっかりしていて、レギュラーよりも爽やかになった印象があります。
反面、ウイスキーのウッディな香りが消えてしまい、ドライな缶チューハイのようになってしまった気がします。

角ハイボール缶(アルコール度数7%)

レギュラーの角瓶を炭酸水で割り、さらにレモン浸漬酒を加えています。

トリスに比べると炭酸が強めで苦みが加わり、逆にウッディな感じが消えています。 レモン味のドライチューハイに近い感じで、食事と一緒に飲むにしても料理の香りや味を邪魔しない印象です。

角ハイボール缶<濃いめ>(アルコール度数9%)

角瓶の分量を多めにしているだけでなく、レモン浸漬酒が加わってない配合になっています。

レモンが感じられない分、角瓶本来のバーボン樽原酒ならではのエステリーさが表に出ています。 味わいも苦みが少なく、後からバニラやナッツのような甘さ、香ばしさがやってきます。

三者三様で、レモンを搾ったハイボールらしさはトリス、すっきりして食事と一緒に飲める角のレギュラー、そして濃厚なハイボールの「濃いめ」 という印象です。

ニッカウヰスキー(アサヒビール)

レモン味のニッカハイボール(アルコール度数7%)

レモン果汁を0.1%配合しています。ただし食物繊維や香料など、トリスハイボールと比べても混ざり物が多いです。

レモンの酸味はあまり感じられず、まるでサイダーのような甘ったるさがあります。
また、ウイスキーらしいウッディさやスモーキー感もなく、目隠しをされてチューハイと飲み比べてもわからないように思えます。

ブラックニッカ クリアハイボール (アルコール度数9%)

ブラックニッカをベースに、強炭酸で有名なウイルキンソンタンサン で割っています。こちらはレモンは含まれていません。

ウィルキンソンタンサンならではの強い刺激が舌に届き、 ブラックニッカクリアの香りもしっかり訪れます。
ただし、角ハイボールに比べると濃厚という感じではなく、すっきりさっぱりした印象です。

まとめ

はっきり言えば、今のハイボール缶でうまいものはない、といっても過言ではありません。
つい2年ほど前であれば、ニッカが竹鶴ハイボール缶を出していましたが、そちらも販売が終了、今はいずれもトリス、角瓶、ブラックニッカクリアと安いものしか残っていません。

実際に飲んでみても、チューハイとどこが違うの、といわれたら、頭を抱えるようなレベルでしかなく、これだったら自分でうまいボトルと強炭酸水を買って自分で作った方が遙かにマシです。

コンビニでも350mLで300円オーバーするプレミアムビールや地ビールが売られていることを考えれば、それだけの値段になるハイボール缶を出せない、とは言い切れないでしょう。 
メーカーはもっと市場をよく見るべきではないかと思います。 

明けましておめでとうございます。今年もウイスキーブログをよろしくお願いします。

hakushu122017年の1回目は、サントリーのシングルモルト白州12年です。
3年前にも飲みましたが、その際はミニチュアボトルで満足に飲みきれなかったため、今回はフルボトルを購入し、改めてストレート、ロック、ハイボールで飲んでみます。

白州は、山梨県北杜市にある白州蒸溜所のモルトだけで作られたウイスキーです。

南アルプスの甲斐駒ヶ岳の麓にあり、周辺は森林地帯となっていて、そこから採れる水は南アルプスの天然水としても売られています。

白州蒸溜所は、周辺の森林の伐採を最小限に抑え、施設自体も森に囲まれるように建設されました。

そこで熟成されるモルトは、そうした森の香りを吸収したような爽やかさを伴います。

まずはストレートから。
グラスに注ぐと、液色は少し緑がかった琥珀色、香りはメロン、すだち、ラムレーズンと続きます。

口に含むと、メロン、青リンゴ、マスカットの香りが先に訪れ、奥からピート、カラメルが続いてきます。
味わいは、アルコール由来の辛さがありますが、その後は酸味が主体で、続いてビター、最後に甘さが訪れます。 

ロックにすると、ピートとともにメロンなどのエステリーさが立ち上がり、その後はライム、ブドウ、青リンゴ、ナシと続きます。
味わいに於いては酸味よりもビターが強めになり、最後にほんのりと甘さを感じます。

最後にハイボールにすると、程よいピートとライム、メロン、 ナシの香りがしっかり感じ取れます。
味わいは酸味と甘さがほのかに伝わります。
ノンエイジではあっさりした爽やかさが主体でしたが、12年になると深みが増えた印象です。

一見するとスペイサイドモルトのように思えますが、軽くスモーキーなピートやメロンの香りと言ったスペイサイドモルトにはない癖、側面があり、独特の深みを持っています。
ハイボールや水割りにしても腰砕けはせず、十分に白州の香りを堪能できます。 

サントリーの主流となるのは山崎のモルトで、白州は脇役のイメージが強いですが、白角、リザーブなど、白州モルトを生かした爽やかなボトルもあり、サントリーのウイスキーに広がりを与えていることに注目すべきだと思います。

700mL、アルコール度数43度、価格は8000円ほどです。ただし最近ではプレミアが付いて1万円近くなっている場合があるので気をつけましょう。

<個人的評価>

  • 香り AA: ストレートではメロン、青リンゴやマスカットがメイン、加水されるとピート、柑橘系、メロンが立つ。水割りやハイボールでも簡単に消えない。
  • 味わい A: 酸味が主体、後から柑橘系から感じられるようなビターがあり、とてもフルーティ。
  • 総評 AA: 単に爽やかではなく、ピートからの癖、メロンなどの深みがある香りが重なって、とても豊かに感じられる。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

白州12年 43% 700ml
価格:8000円(税込、送料別) (2016/12/16時点)


このページのトップヘ