RERAのウイスキーブログ

40代のロスジェネおっさんが、世界各地のウイスキーを飲み、独断で評価していきます。

タグ:サントリー

サントリーが、響17年と白州12年の販売を休止すると発表しました。いずれも原酒不足が原因と言われています。

最近でも、響17年は定価が12,000円に対して、すでに3万円を超えるプレミアが付いています。白州12年も定価が8500円に対して、すでに2万円を超える販売価格が付けられています。

すでにニッカが長期熟成ボトルをザ・ニッカと竹鶴に集約して久しいですが、サントリーも苦境に立たされていると言えるでしょう。

両社とも、ハイボールやドラマによるブームによって増産体制に入っていますが、12年以上のモルトができあがるにはニッカは10年、サントリーも3年の月日は必要であり、長期熟成のウイスキーが潤沢になるにはまだまだ時間がかかります。

一方で、全国各地で新しいウイスキーの蒸溜所が産まれ、2020年以降から本格的な販売が行われようとしています。

まさに今が日本のウイスキーの正念場と言えるでしょう。


hibiki21_1今回は、サントリーの響21年を飲みます。

響自体が、多くの原酒をブレンドすることによるハーモニーを重視した銘柄ですが、響21年においては、そのキーになるのが山崎のシェリー樽原酒になります。

この響21年においては、国際的なコンテストで多くの賞を獲得しています。
ワールド・ウイスキー・アワードは2010年より5度のワールド・ベスト・ブレンデッドウイスキーを獲得、インターナショナル・スピリッツ・チャレンジに至っては、最高賞であるトロフィーを2013年から5年連続で獲得、さらには2017年にすべての蒸留酒の頂点に輝く、シュプリーム・チャンピオン・スピリットを獲得しました。

現時点でジャパニーズウイスキーとして最も評価されたボトルだ、と言っても過言ではないでしょう。

いつものように飲んでみますが、今回は比較として、ノンエイジのJAPANESE HARMONYと、すでに販売終了した12年も飲みます。
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まずはストレート。
21年をグラスに注ぐと、かなり濃厚なアンバー、香りはドライマンゴーが得られます。

口に含むと、アルコールの刺激は殆どなく、先にレーズン、続いてマンゴー、ハチミツと続きます。
味わいは酸味がほんのり通った後、軽くビターが追いかけます。

JAPANESE HARMONYの場合、アルコールの刺激が強めなれど、香りはとてもフローラルです。さらには白檀の芳しさも付いてきます。
味わいはアルコール由来の辛さが目立つものの、その後は酸味が支配します。

一方で12年の場合、ほんのり梅の香りがした後、軽くピートのスモーキーさが続き、その後はシナモンのスパイシーな香りが続きます。
味わいは多少の辛みがあるものの、後になるとビターが追いかけます。

続いてロック。
21年では、オレンジの爽やかさの後に白檀の香りがしっかりと咲き開き、その後にピート、マンゴー、ナシ、黒こしょう、シナモンが続きます。ストレートで感じたレーズンは跡形もなくなっていました。
味わいはビターが強めになるものの、後になるほど甘みが増します。
加水が進むとフローラルさが増し、味わいも酸味が支配していきます。

JAPANESE HARMONYは、カスタードクリームの香りが前に出てきて、白檀が後ろを支えるように感じ取れます。
味わいは、21年以上にビターが真っ向から得られ、他の味わいが消えてしまうほどです。

12年では、ナシとピートが強くはじけるように香り、後からナシ、カカオ、ウッディと続きます。
味わいは軽くビターの後、ほんのり甘みが得られます。

最後にハイボールで。
21年では、ナシ、レーズン、マンゴーの香りがしっかりと伝わります。
味わいはビターがメインで、甘くて飲みやすいというものではないです。

JAPANESE HARMONYは、軽く白檀が香り、その後にナシなどのフレッシュなフルーツを感じられます。
味わいは、21年同様にビターがメインです。

12年になると、梅、ナシが先に訪れ、次にピートからのスモーキーな香りへと続きます。
味わいは、やはりビターが主体で、後から酸味を得られます。

興味深いことに、この3つの響は、味わいにおいては総じてビターがメインで、決して甘さを売りにしたウイスキーではない、という共通点があります。

しかし香りは三者三様で、JAPANESE HARMONYは華やかでライト、12年はピートと梅の香りが個性的、そして21年はレーズン、ドライマンゴー、バニラ、カカオ、黒こしょう、シナモンなど、多彩で濃厚な香りを醸し出します。

正直に言うと、パッと飲んで第一印象で選ぶとなると12年です。
しかし何度も飲むたびに、21年はその奥深さが垣間見られるようになり、実に奥が深いウイスキーだと感じます。

響21年は700mL、アルコール度数43度、実売価格は4万円を超えます。
中古のボトルですら同じ価格で売られているのですから、異常です。
原酒不足が深刻になっている上に、海外での極めて高い評価を得ていることから考えても、これほどのプレミアが付くのは仕方ないでしょう。

ただ、個人的に飲んでみると、そのプレミアはあながち誤りとは言えない、という感想に落ち着きました。
2万円で売っているなら、個人的にNo.1に挙げてもいいと思いますが、プレミアが付いて4万円になると、相応に思えます。

<個人的評価>
  • 香り AAA: ストレートではレーズンとマンゴー、加水すると白檀、オレンジ、さらにカカオ、ピート。とても豊か。
  • 味わい B: 全体的にビターがメイン。後から酸味が来るが、甘さは殆どない。ただ、あまり味が強くない。
  • 総評 AA: 4万円オーバーのプレミアが付いているが、あながち伊達ではない。

reserve_silky_今回は、サントリーリザーブの古酒、シルキーを飲んでみます。

サントリーリザーブは、1969年に発売されました。

1961年に、鳥井信治郎から社長の座を引き継いだ次男、佐治敬三は、1970年に開催される大阪万博を前に、外国人にも見劣りのしない素晴らしいウイスキーを作りたいとの一心で手がけたボトルです。

当初は山崎のモルトのみをキーにしていましたが、1973年に白州蒸溜所が出来ると、徐々に白州モルト主体へとスイッチしていきました。

今回採り上げるシルキーは、1984年に発売されました。従来のリザーブが黒いボトルとラベルをつけていましたが、このシルキーは白いラベルとクリアーなボトルを採用しており、繊細な香り、味わいをPRしたものとなっています。

終売年は不明ですが、今回入手したボトルには、ネック部分に特級と表記されていますので、酒税法改正で等級表示が廃止される1989年4月以前のものとみられます。

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は中庸な琥珀色、香りはアルコールの奥にブドウを強く感じます。

口に含むと、ラムレーズンが主体となり、奥からレモン、バニラ、ウッディと続きます。
味わいはアルコール由来の辛さがあるものの、その後は酸味がメインになります。

ロックにすると、レーズンの香りが更に引き立ち、奥からモルトの甘い香りも追いかけます。
味わいは酸味がかなり強くなります。

最後にハイボールにすると、ほのかにブドウ、バニラ、樽香を感じ取れます。
味わいは酸味がほのかに存在します。

フレッシュな印象のある現行品と比べると、シェリー樽モルトの影響があり、比較的濃厚な印象を感じます。
シルキーと標榜しますが、それほどに繊細なイメージは感じられません。むしろ当時のレギュラーのリザーブが骨太だったのではと想像されます。

1980年代のオールドにしても、このシルキーにしても、ストレートやロックでもしっかり飲める熟成度合いを持っていて、現行品とは雲泥の差に思えます。

760mL、アルコール度数43度で、発売当時の定価は3800円でした。酒税の違いから考えると、今だと2000円台後半というところでしょうか。

<個人的評価>

  • 香り A: ラムレーズンの香りが強く、後からバニラ、レモン、モルト、ウッディが続く。
  • 味わい B: ストレートではアルコールの刺激が強いが、酸味が主体の味。
  • 総評 B: 現行とは異なりシェリー樽原酒がメインで、濃厚な印象。




zen_今回はジャパニーズウイスキーの古酒、サントリーの和イスキー 膳を飲みます。

和イスキー 膳は、1998年に発売され、2010年で終了しました。

すでに和食に合うウイスキーとして白角がでていましたが、膳ではさらに推し進めて「淡麗旨口」を標榜、一部に杉樽で熟成させたモルト原酒を使用し、竹炭を使って濾過をすることで杉材の癖を抑える工夫を凝らして作られました。

ノンエイジのブレンデッドモルトでありながらも、当時の定価は1200円と破格で売られ、和食店でも置かれるほど人気を誇りました。
それに拍車をかけたのが、真田広之が主演するユーモラスなCMでした。


しかし、角ハイボール人気に火が付くと、膳に使う原酒も不足する事態となり、2010年をもって生産終了しました。
ある程度潤沢な状況になった現在でも、復活は成し遂げられていません。

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は少々薄い琥珀色、香りはリンゴが比較的強めに感じられます。

口に含むと、アルコールの刺激の後で、モルト、バニラが先に訪れ、リンゴ、ミカンが後を追いかけます。
味わいはアルコールからの辛さがしっかり来るものの、後から酸味がほのかに訪れます。

ロックにすると、メロンのようなエステリーさが一気に現れ、モルトやウッディが続いていきます。
味わいは軽い酸味の後に甘さが付いてきて、なかなかに飲みやすく感じられます。

最後にハイボールにすると、ほんのりウッディとモルトが香る程度で、とてもあっさりしています。
味わいは少々のビターと甘さがあります。水割りだと甘みの方が強く感じられるでしょう。

CMを見ると、ロックで飲むことを主体に作られた印象がありますが、確かに日本酒に近いフルーティさがあり、和食と一緒に飲むことを主眼に苦心したことをうかがい知れます。
しかし水割りでもすっきりとしながらもほんのりとした甘みがあり、お酒があまり強くない人ならこちらでもいいかもしれません。

生産終了して久しいですが、ネットではまだ在庫を残している所もあるので、かつて愛飲していた方、これから飲んでみたい方も、探してみるといいでしょう。

仮に復活するにしても、2000円台になることは仕方ないですが、それでも相応の価値を得ることは可能でしょう。

<個人的評価>
  • 香り B: ストレートでモルト、ウッディ、バニラが目立つ。加水でメロン、奥からリンゴ。
  • 味わい C: ストレートではアルコールの辛さが目立つが、ロック、加水では甘さが引き立つ。
  • 総評 B: 白角以上に和食と合わせることを計算して作られたボトル。
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red02_今回はサントリーレッドを改めて飲んでみます。

まずはストレートから。
グラスに注ぐと、液色は淡い琥珀色、香りはアルコールの奥にナシっぽいものがあります。

口に含むと、アルコールの刺激が先に現れ、その後にナシ、ナッツ、カラメルが続きます。
味わいはアルコールの辛さが強く、しばらくしてから甘さがほんのりやってくる印象です。

ロックにすると、香りはアルコールの刺激を伴って消毒液っぽさが増した印象です。その後から、ナシ、バニラ、ナッツ、カラメル、ウエハースへと続いていきます。
味わいは人工甘味料のような不自然な甘さが先に表れ、その後にほんのりと酸味とビターを感じます。

最後にハイボールにすると、香りはほんのわずかにナシ、カラメルが感じられます。
味わいは人工的な甘さがあり、わずかながらに酸味も出てきます。

3年前に飲んだときには酷評しましたが、改めて飲んでみると、そんなに酷評するほどでもないかな、と感じました。
ストレートではアルコールの刺激が強くて飲みにくいですが、ちょっぴり加水するだけでも柔らかくなり、飲みやすくなります。

ロックも香りは悪くないものの、甘さが不自然な印象で、飲んでいる内に心配になってきます。

しかしながら今だと、値段がさらに安いトリスクラシックの方がウイスキーらしさを残していて、わざわざレッドを買うべきだとは思いません。

640mL、アルコール度数39度、価格は900円ほどです。

<個人的評価>
  • 香り C: アルコールの刺激が強いものの、ナシ、ナッツ、カラメルが香る。加水でバニラ、ウエハースも加わる。
  • 味わい E: ストレートでは辛くて飲みにくい。加水すると、人工甘味料的な甘さが気になる。
  • 総評 D: ウイスキーらしさの片鱗はあるが、今から買うべきボトルではない。

個人的に長期的な夏休みを得ることができたので、これを機にサントリーの山崎蒸溜所に行くことにしました。
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山崎蒸溜所は、日本初の本格的なウイスキー蒸溜所です。大阪府三島郡島本町に建てられており、すぐ先は京都府、目の前には木津川、宇治川、桂川の流れる場所にあります。

鳥井商店(現:サントリー)創業者の鳥井信治郎が、輸入したスピリッツのようなアルコールを樽に詰めて貯蔵し数年経過したところ、樽の成分がしみこんで香りと味が深まったお酒となっていました。
これを瓶詰めして「トリス」のブランドで販売したところ、飛ぶように売れたことから、鳥井はウイスキー作りを志すことになりました。

ウイスキー作りに当たって、当初はスコットランドから職人を招聘する予定でしたが、そこにスコットランドでウイスキー作りを学んで帰国したものの、その腕を発揮できずにいた竹鶴政孝(後のニッカウヰスキー創業者)と出会い、彼と総責任者としての契約を交わしました。

竹鶴は当初、スコットランドの気候に近い北海道に蒸溜所を建設すべきだと主張しましたが、当時は青函トンネルもなく、船便でしか原料や原酒を運べないため、輸送コストは時間の問題で鳥井は却下、当時の本社のあった大阪に近い場所という条件をつけました。

この難題に対し、竹鶴が見つけたのが、大阪と京都の府境にある山崎の地でした。
山崎の地は、元々名水の湧く場所として古くから知られ、千利休も茶室を作っていました。
また、付近には木津川、宇治川、桂川の3つの河川が流れ、下流で合流して淀川となる場所でもありました。
それにより、霧が立ちこめるほどの冷涼で多湿な気候をもたらしていました。

ウイスキーを作る上でも、近畿圏でスコットランドに最も近い気候を持つ山崎を、竹鶴は建設の場所として提案、鳥井も承諾しました。

こうして1923(大正12)年、日本初のウイスキー蒸溜所、山崎蒸溜所が建設されました。

今やこの蒸溜所で作られるモルト原酒は、シングルモルト山崎として日本だけでなく海外でも高い評価を得ています。

さて、私が山崎蒸溜所に行く計画を立てたのは7月下旬、お盆明けも休めることが決まってから。
しかし、その時点で蒸溜所内部の有料見学はすべて埋まっており、見学できるのは無料のウイスキー館見学だけ...。
スケジュールを見ると、9月の平日でもすでに埋まっているところを見ると、人気の工場見学なのでしょうね。今度は長期的に計画を立てないと...。続きを読む

kaku_1960_04今でこそ世界的にも確固たる地位を築いたジャパニーズウイスキーですが、その歴史において、戦争は避けて通れない事実もあります。

戦前のサントリーもニッカも、本格的なウイスキーが当時の国民に受け入れられたとはいえない状況がありました。

両社が進出する前の、アルコールに着色しただけの焼酎にも匹敵するアルコールを、当時の国民はウイスキーと認識していました。

その中で、本格的に製造したウイスキーのスモーキーさに、違和感を感じたのは否めませんでした。

そんな状況でしたから、サントリーもニッカも苦境に立たされていました。
サントリーは国内での試作ブレンドのモニタリングの末、現在の角瓶に当たるサントリーウイスキー12年をリリース、ニッカもようやく第一号ウイスキーを出したときでした。

しかし第二次世界大戦、大東亜戦争が勃発すると、日本はイギリスと敵対したことで、スコッチウイスキーの輸入が途絶えることとなりました。

rareold明治からイギリス式を規範とした大日本帝国海軍は、オフの時のたしなみであるウイスキーが途絶えることは深刻なリスクでした。

その中で、海軍はウイスキーの蒸留、製造をしていたサントリーの山崎とニッカの余市を海軍指定工場として、ほぼ独占的にウイスキーの製造を行わせ、買い取っていきました。

その中で入手困難だった大麦麦芽などの原料も、海軍が独占的に供給を行いました。

こうしてサントリーとニッカは、倒産の危機から脱出しただけではなく莫大な利益を上げることにも成功したのです。

そして戦後、生きて帰還した海軍の兵士や士官によって、サントリー、ニッカの評判が広まることとなりました。

もしこの事実がなかったとしたら、日本のウイスキーは国内で多く飲まれただけでなく、海外に知れ渡るほどに発展したのでしょうか?

戦争を賛美するわけではないですが、ジャパニーズウイスキーが賞賛される背景には、戦争の事実をしっかり受け止める必要があるのです。

hibiki21前の記事でも紹介したインターナショナル・スピリッツ・チャレンジ2017ですが、グレーンウイスキー部門のトロフィーを獲得したニッカのカフェモルトよりもさらに上の賞を獲得したのが、サントリーの響21年です。

これまでも響21年は、ワールドウイスキー部門で今年を含めて5年連続でトロフィーを獲得する快挙を成し遂げましたが、さらにすべての蒸留酒の中でトップに輝く、「シュプリーム・チャンピオン・スピリット」までも獲得しました

響21年は山崎のシェリー樽原酒をキーモルトにした21年以上の熟成を経たモルト、グレーンをブレンドしたボトルになります。

わたしはまだ17年までしか手をつけていないので、いずれ21年もテイスティングしたいと思います。
ただ、早めに手をつけないと、さらにプレミアがついて手に入らないかもしれませんね。

suntory21_今回は、1980年代に発売された、サントリーウイスキー21を飲んでみます。

サントリーウイスキー21は1984年に発売されました。
この当時は、1970年代後半に始まった第一次焼酎ブーム(本格焼酎ではなく、甲類焼酎メイン)が訪れ、若者を中心にチューハイなどで多く飲まれるようになりました。

一方で高度経済成長が終わり、高根の花だったウイスキーも手が届くようになり、カフェバーなどではカティサークなどの安価なスコッチも嗜まれるようになりました。
しかし、ウイスキーの消費は1980年ごろをピークに下がり始めていました。

そんな中でサントリーは、より若者にターゲットを絞り込み、カティサークのように軽くて飲みやすいウイスキーをリリースしていきました。

まず1983年に出されたのが、「サントリーウイスキーQ」(1級)で、当時日本でも人気のあったデュラン・デュランを起用し、カティサークよろしく、緑のボトルで登場しました。
しかし、単に緑でまねるだけではなく、ウイスキーらしくないボトル、ラベルデザインにして、今までにない挑戦をしました。

そして第二弾として出たのが、特級ウイスキーのサントリーウイスキー21でした。
こちらもライト&スムースというコンセプトはQと同じく、モルト原酒を多く使ったものでした。
21という名称は、21世紀を担う当時の若者をターゲットにした目的があったように思えます(そんな若者も今は50を過ぎているわけですが...)。

発売当時はCMも作られ、フランス バイヨンヌ出身のピアニストデュオ、ラベック姉妹(カティアとマリエル)を起用しました。現在はそれぞれ結婚しましたが、活動を続けています。
(しかし、「二十歳を過ぎたら21」って、どこの新潟のテレビ局のオープニングをパクったのでしょうか?(前年に件のテレビ局は開局、作詞をしたのが秋元康ですが、関係する?))

しかし販売は思わしくなく、1980年代終盤には販売が終わっていたようです。

では、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は淡いシャンパンゴールド、香りは青リンゴが強く出てきます。

口に含むと、アルコールの刺激がとても強く、後から青リンゴ、接着剤、その後はナッツ、ウエハースの香りが追いかけます。
味わいは、とても辛く、落ち着いてきてから酸味が現れる印象です。

ロックにすると、アルコールの刺激は一気に抑えられ、先にナッツ、バニラの香りが出てきます。あとになると、ほんのりとナシ、ブドウもやってきます。
加水が進むと、ほんのりと燻製のようなスモーキーさも出てきます。

味わいは依然として辛さがメインで、後になるほど酸味、ビターが強まってきます。
しかし加水されていくと、辛さは落ち着き、後味に甘さが加わってきます。

最後にハイボールにすると、軽くナッツ、バニラ、青リンゴの香りがやってきます。
味わいは、少々酸味が強めです。
ただし、1:3くらいの濃いめでも、香りはそれほどやってきません。

ライト&スムースの名の通り、全体的にはさわやかなフルーツの香りと酸味がメインで、白州モルトが主体になっている印象です。しかし加水されるとスモーキーさも出てきて、一筋縄ではいかない側面もあります。

ただ、ストレートではアルコール由来の刺激、辛さが強く、正直おすすめはできません。
1980年代前半だと、まだまだ水割り、ロックが主体で、それに合わせたブレンドのように思えます。

緑のボトルで見栄えをよくする目的なのか、敢えてカラメルでの着色を抑えていますが、使用している原酒の熟成年数はかなり短いように思えます。

前述のとおり短命に終わったボトルですが、これをもとにスモーキーさをさらに抑え込んで淡麗に仕上げたのが、白角だといえます。

500mL、アルコール度数40度、当時の値段は2200円でした。700mL換算で3000円ほど、当時の角瓶が2750円でしたから、それよりは少し上、オールドよりは下、という位置づけになります。

ネットオークションだと3000円ほどで取引されていて、よほど天日にさらしてない限り、状態の悪いものをつかまされる確率は低いでしょう。

<個人的評価>

  • 香り B: ストレートではアルコールの刺激が強すぎる。青リンゴ、ナッツ、バニラが香る。加水でスモーキーさが現れる。
  • 味わい C: 飲み始めは辛さが目立つ。ロックや加水により、酸味が前に出て、後味に甘さも感じる。
  • 総評 C: 軽めでさわやかだが、スモーキーさもあって侮れない。ストレートに向かないのが難点。


今回は緊急企画として、日本の大手メーカー2社が手掛けたクラフトジンを飲み比べてみます。

クラフトジンとは

ジンそのものは、オランダで生まれた後、イギリスでドライジンとして発展し、現代に至っています。
その中で、近年ではイギリスやオランダだけではなく、ドイツやアメリカなど、世界各国で小規模の工場で生産されるジンが増えつつあります。
日本でもクラフトジンを扱うお店が増えつつあり、ブームが巻き起こっています。

ジンそのものは、蒸留酒にジェニパーベリーをはじめとした植物を漬け込んで作っていくため、ウイスキーに比べても手間暇が少なく幅広い香りや味わいを持つお酒に仕上げられるメリットがあります。
国内においてもクラフトジンが登場しつつあります。

そんな中で、サントリーとニッカが、ほぼ同時期にオリジナルのクラフトジンをリリースしました。
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サントリー ジャパニーズクラフトジン ROKU

サントリーは50年以上前からジンを製造しています。現在でも、アイスジン、ドライジンが発売されています。

そんなジンの製造では老舗に入るサントリーですが、傘下に収めたビーム・サントリーと共同で、日本らしさを持つクラフトジンとして「ROKU」をリリースしました。

一般的にジンで使用されるジュニパーベリーをはじめとする植物のほか、桜(桜花、桜葉)、ゆず、山椒、緑茶(煎茶、玉露)の6種類の日本ならではの植物も使用しているのが特徴です。

ニッカ カフェジン

一方でニッカウヰスキーは、ジンの製造についてはあまり歴史はなく、新参者といえるかもしれません(ウィルキンソンのジンを作っているという文句を言う人がいましたが、製造はベン・ネヴィス蒸溜所であり、ニッカ本体ではありません。ギルビージンも一時期作っていましたが、現在はキリンが販売しており、ジンの製造技術は絶えています)。
しかしながら、ウイスキーのノウハウを生かしたジンをリリースしました。

最大の特徴は、グレーンウイスキーで使用されているカフェ式連続蒸留器をジンの蒸溜に使用している点です。

一般的な連続式蒸留器では、比較的純粋なエタノールが得られるので、素材となるもろみの香り、味わいはほとんどありません。
しかしながら、カフェ式蒸留器では素材の香りがある程度残る、悪く言えば中途半端な蒸溜になることで、蒸留したスピリッツに個性を残せるメリットがあります。

このカフェ式蒸留器で作ったカフェジンに、一般的な植物のほか、山椒、ゆずやみかんなどの日本由来の柑橘系の皮を漬け込んで作られています。

飲み比べてみた

では、この2つのジンを飲み比べてみます。まずはストレートで。

まず、「ROKU」ですが、香り自体はジュニパーベリーの独特の香りが主体で、そのあとにゆずの香りが続いてきます。しばらくすると、山椒とお茶の持つ香りが奥から顔をのぞかせてきます。
味わいは独特の苦みがメインですが、山椒由来のピリピリ感も伴います。

次にカフェジンです。香りはゆずやみかんの柑橘系が強烈にアピールしてきます。その奥から山椒がついてきて、一般的なジンに比べるとかなり異質な印象です。最後にジュニパーベリーがやってきます。
味わいも山椒からのピリ辛さが強く、苦いというジンならではの味わいとは一線を画します。

次に1:3の比率で炭酸水で割ってみます。

「ROKU」の場合、香りはジュニパーベリーが先にしっかり立ち上がり、神らしさがしっかり感じられます。ただ、桜や緑茶の香りは消えてしまいます。
味わいは苦みが前に出て、ジンとして安心して飲める印象です。

一方でカフェジンは、先に山椒の持つ香りがフワッと立ち上がり、その奥からゆず、みかんなどの香りが追いかける感じです。
味わいはジンならではの苦さがあるものの、柑橘系由来の酸味も感じられ、ジンを飲んでいるという感覚とは違和感を感じます。

まとめ

両社とも大きく対照的です。
「ROKU」は、ジンの老舗でもあるサントリーならではの安心できるジンのイメージがしっかり出ていて、ストレートでは和風のエレメントをほのかに感じ取れる多様性があるように感じます。

カフェジンは、ジン業界に殴り込みをかけるチャレンジングな新参者の印象で、ジンの愛飲家にとっても今までにない香りと味わいで、強烈なインパクトを与えるかもしれません。

ジンといえば、ジントニックやジンライムをはじめとして、数多くのジンベースのカクテルがありますが、「ROKU」であれば、今までと同じレシピで、ちょっと異なる個性を味わえるように思えます。

しかしカフェジンは今までのジンとは印象が大きく異なり、カクテルのレシピも大きく変える工夫が必要でしょう。
むしろ今までのジンベースのカクテルで行き詰まりを感じるバーテンダーにとっては、大きく変える起爆剤になるかもしれません。

どちらも700mL、アルコール度数は47度と高めです。
ROKUは4000円ほど、カフェジンは4300円ほどです。
どちらにしても、定番のジンに比べると3倍の値段になりますが、ROKUは日本らしい深さを、カフェジンは今までにないインパクトを与えてくれるでしょう。


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