RERAのウイスキーブログ

40過ぎのおっさんが、ジャパニーズ、スコッチを中心にウイスキーを飲み、独断で評価していきます。

タグ:サントリー

old私の両親の世代、団塊の世代にとって日頃飲むサントリーのウイスキーがトリスやレッドであれば、オールドは贅沢な銘柄、バーやスナックでボトルキープするお酒ではないでしょうか。

1950年に発売以来、サントリーのメインストリームとして売られ続けています。その形状から、ダルマという愛称もあります。

現在のブレンドは2008年に改められ、昔ながらの味に回帰しつつ、アルコール度数を43度に上げています。

まず、ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は少々淡い琥珀色。香りは多少のピートとナシの香りがします。

口に含むと、多少のアルコールの刺激があるものの、先にレーズン、その後にバニラ、ナシ、カラメル、モルトの香りが追いかけます。

味わいは酸味が主体で、甘さが奥からゆったり追いかけるイメージです。

ロックにすると、一気にアルコールが立ち上がってくるイメージで、ストレートで感じられた香りが潜んでしまいます。代わりにピートのスモーキーさが目立ってきます。

味わいも、辛さが前に出た後、ビターも伴っていて、甘さはさほど感じ取れません。

最後に1:3の割合で水割りにしましたが、辛さは消えてロックほどのビターはなくなり、甘さを感じ取れるようになります。
香りもレーズン、バニラがほのかに香り、柔らかいピートも感じ取れます。

和食に合うウイスキーとして研究し、多くの割烹、料理屋に売り込んだだけのことはあり、和食の繊細な味わいを損なわない程度の穏やかな香り、味を堪能できます。

オールドは、ストレートでは華やか、ロックでは荒々しく、水割りでは上品で甘い香り、味わいを楽しめるようになっています。
そういう意味では、ウイスキーとしての幅をちゃんと確保していて、角瓶以下との格の違いを感じ取れます。

ただ、角瓶の復刻版に比べると華やかさに欠けるイメージがあり、もしオールドの復刻版が出たら、響 JAPANESE HARMONYすらもかすむような香り、味わいがあったのかもしれません。

価格は700mL、アルコール度数43度で、1700円前後です。

角瓶がリニューアルによって1500円になりましたが、200円出せば確実にワンランク上の銘柄を手にできますから、角瓶ファンこそ改めて飲んでほしいと思います。

<個人的評価>(A~E)
・香り B: ストレートでレーズン、バニラ、ナシ。加水するとピートが感じ取れる。
・味わい B: 甘さは控えめ。ストレートは酸味、ロックは辛さとビター。
・総評 B: 角瓶よりもウイスキーらしさがしっかりしている。水割りだと和食との食中酒に適する。


2014年に、1000円以下で買えるウイスキーの比較記事を書きました。
未だに当ブログの閲覧数ではトップ5をキープし続けています。
ウイスキーを飲みたいけど、懐が寂しいからなんとか安いものを飲みたい、という方が結構いるかと思われます。

しかし、連続テレビ小説「マッサン」によるウイスキーブームによって原酒が大幅に減ってしまったことも有り、ラインナップや価格も大きく変化があり、現状に合わない記事になってしまいました。
そこで改めて、2016年版として、幅を1000円前後に広げて比較していきたいと思います。

最初はサントリーの銘柄で比較していきます。

サントリー

トリス エクストラ

  • 700mL、アルコール度数40度、1000円
torys終戦後に庶民的な価格ながらウイスキーとして最低限の品質をもたせた銘柄として登場したトリスのラインナップの中で、2010年に発売されました。

発売当時、角瓶を使ったハイボールが人気となった際、角瓶用の原酒が足りなくなったことで販売が一時中止されたことで、代用品的な扱いでハイボール向けのウイスキーとして投入されたといえます。
 
そんな経緯もあってか、従来のトリスに比べてアルコール度数を角瓶と同じ40度に引き上げられつつも、ウイスキーとして最低限の香りは持たせている点では、大きな違いはありません。

香りはほんのわずかにシェリー独特の香りがするかどうかで、ウイスキーらしい香りとは言えません。
味にしても、甘さがあるだけでウイスキーの癖はほとんどなく、わずかにウッディな雰囲気があるほどです。

ハイボールにしてガブガブ飲むには問題無いですが、ストレートやロックでは到底飲めたものではなく、水割りでも微妙です。

もしこれをウイスキーだと言って飲んでいる人がいたら、もっと香りや味が良くて値段もあまり変わらないスコッチを勧めてあげましょう。

<個人的評価>
香り E: しっかりくぐらせるようにしてやっとシェリー樽っぽい香りがやってくるが、ほとんどしない。
味わい D: とにかく甘い。ウイスキーならではの複雑な味わいがほとんど無い。
総評 D: 気軽にハイボールにするにはいいものの、ウイスキーとして飲むには力不足。もっとお金を出していい銘柄を求めるべき。   


 

トリス クラシック

  • 700mL、アルコール度数37度、700円
toris_cl2015年9月に発売された銘柄で、マッサンブームの追い風を受けて発売されました。

アルコール度数は従来のトリス同様の37度に抑えられ、価格も700円とブラックニッカ クリア並みの価格にされています。

実際に飲んでみると、意外にアルコールの刺激が少なく、全体的に甘さを感じます。

香りは青りんごのようなさわやかさがあり、あとからカラメルの甘い香りが追ってくる感じです。ただ全体的な香りは弱いです。

エクストラに比べると香りや味わいを強くした印象があり、ストレートやロックでもそこそこ飲めます。

本当にお金がないけど、とりあえずウイスキーを飲みたい、という選択肢としては悪くないでしょう。 

 <個人的評価> 
・香り D: ほのかに青りんご、あとからカラメル。でも全体的に薄い。
・味わい D: 甘い。アルコールの刺激が少ないのでとっつきやすい。
・総評 C: 1000円以下の国産ウイスキーとしては及第点をつけられる。カクテルベースにしたほうが面白い。


サントリー レッド

  • 640mL、アルコール度数39度、800円
suntoryRedかつて、壽屋の社名だった時代に発売したウイスキーの第二弾であった「赤札」をルーツとする古いブランドです。

一度消えた後、1400mLで1000円以下で買えるウイスキーとして再登場し、現在に至っています。

1970年台から80年台にかけて、大原麗子が出演、市川崑監督によるCMが長らく流れて、40代以上には有名なウイスキーとなっています。

ただ、実際に飲むと、ウイスキーとしての香りや味は申し訳程度にしかなく、ウイスキーというよりも熟成させた焼酎と言われても何の違和感が無いでしょう。

正直、ラインナップから消えても誰も悲しまないでしょう。もし学生時代の思い出で悲しむ人がいたら、もっと安く買えるトリスクラシックを勧めましょう。すっかり忘れてくれるでしょう。

<個人的評価> 
・香り E:かすかにウッディな香りがする程度。
・味 E:アルコールの刺激が強い。水割りにすると薄まるが、ウイスキーならではの味もほとんどしなくなる。
・個人的評価 E:いまどき買うウイスキーではない。昔の価格である500円でもどうだろう...。 


サントリー ホワイト

  • 700mL、アルコール度数40度、1100円
white2こちらもルーツは壽屋時代に発売された最初のウイスキー「白札」です。
当時はスモーキーな香りが受け入れられず、しばらくは姿を消していました。

サントリーホワイトは1970年代から1980年代にかけてアメリカのミュージシャンを起用したCMを放送し、おしゃれなイメージを持つ少し格上のブランドとして今に至っています。

実際に飲むと、シェリー樽由来の華やかな香りが比較的強く出てくるものの、アルコールの刺激もそれなりにあり、角瓶よりもオールドの弟分のような味がします。個人的には角瓶よりもおいしく感じました。

コンビニやスーパーではあまりお目にかかれないものの、売れ筋である角瓶やトリスと比べても、一歩上に感じられます。普段飲み用のウイスキーとしては無難かと思います。

 <個人的評価>(A~E)
香り C: サントリーらしく、ピート香は控えめ。シェリー樽由来の華やかな香りが全面にくる。
味わい B: オールドに比べるとアルコールの刺激が強く、少々安っぽさを感じる。
総評 B:  1000円前後でサントリー派であれば、角瓶よりも勧められる。


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hibikiJHサントリーは、4月よりウイスキーの一部銘柄の値上げをすることを発表しました。

サントリーのプレスリリースによると、対象商品は下記のとおりです。
  • 角瓶(全銘柄)
  • オールド
  • スペシャルリザーブ
  • ローヤル
  • 響 JAPANESE HARMONY
  • ジムビーム(全銘柄) - ただし7月より値上げ
  • メーカーズマーク
  • ザ・マッカラン(全銘柄)
  • バランタイン(全銘柄)
値上げ率を見ると、響 JAPANESE HARMONYが25%値上げで定価5,000円、それ以外のサントリーの銘柄は平均12%の値上げになります。
海外ブランドでも1,2割の値上げが予定されています。

やはり一番大きいのは角瓶で、居酒屋でもハイボールを中心に飲み放題として提供されている所も多いですが、4月からは利益確保のためにトリスへ切り替えるお店が増えるおそれがあるでしょう。

値上げをする理由としては、ウイスキーの需要が増えて原酒が不足していることと、今後の需要増のための設備投資費用を添加させることに加え、現在も輸入に頼っている大麦麦芽(モルティング済みのもの)や樽に使用するアメリカンオークやヨーロピアンオークと言った原材料の高騰(円安による輸入価格の値上げを含めて)を挙げています。

個人的な考えですが、今後さらに円安が進めば輸入価格が更に上がってくることを考えると、長期的な戦略として国内でのウイスキー用大麦の品種開発や、国内でのフロアモルティングも行うことによって、為替相場によるリスクを緩和させる必要があるのでは、と思います。
スコットランドのモルトスターに切り替えてきたのも、元々はポンド安による恩恵を受けていたからというのもあるでしょうから、これが逆のトレンドになるのであれば、輸入に依存する体制を見直すべきではないでしょうか。 

この記事が掲載されるときには、私は41歳の誕生日を迎えたところです。
女性が何かしらいいことがあったときに自分へのご褒美に何かを買うというのがありますが、見るからにおっさんである私も誕生日を自分で祝うために奮発してみました。

yamazakiLtd02yamazakiLtd01それが今回紹介する、サントリーのシングルモルト山崎 リミテッドエディション2015です。

山崎のリミテッドエディションは2014年に最初のボトルが限定販売され、好評を得たことから2015年も限定販売されました。

リミテッドエディションはノンエイジであるものの、使用している原酒はポート樽、シェリー樽原酒の20年ものを使用しており、気合の入れ方が半端ではありません。
これらの熟成された原酒に、アメリカンオーク樽で熟成された若い原酒をヴァッティングすることで、若さと成熟さがまじりあった仕上がりになっているようです。

ボトルのデザインも気合が入っており、山崎のロゴは金色の吹き付けプリントがされているほか、裏には山崎蒸溜所のポットスチルのイラストが描かれています。

定価は1万円ほどですが、発売は5月であったため、半年経過した時点では入手不可能かと思いましたが、まだ通販でも在庫は残っていて、販売価格も12000円台からとさほどにプレミアが付いていませんでした。

ということで、見事にGETに成功しました。

yamazakiLtd03今回もストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、駅色は比較的濃い目の琥珀色で、香りはブドウとバニラの香りが感じられます。

口に含むと、口の中でブドウや青りんご、ピートの香りがいっぱいに広がり、そのあとでバニラ、バナナ、はちみつ、ライムの香りが追いかけていきます。そして最後にはカカオ、樽のウッディさも感じ取れます。
味わいは酸味がメインで、あとから甘さも加わります。
とても香りが豊かであるものの、ストレートでもアルコールの刺激、辛さがなくて比較的飲みやすくなっています。

yamazakiLtd04次にロックにしてみると、はじめはストレートのようにブドウ、青りんご、ピートの香りが広がるものの、その後のバニラやはちみつなどの香りは抑えられ、少し淡白になった印象があります。
味わいも酸味が強くなって、甘さはさほどに感じられません。

一方で加水されていくと、全体的な香りは希薄になるものの、味わいは甘さを感じ取れるようになって、ウイスキーになれない人でも飲みやすいと感じられるでしょう。

全体的に見れば、長期熟成原酒を使った限定品だけある、豊かな香りが印象的です。
香りや味わいに荒々しさを感じる12年と比べても明確で、ストレートであっても穏やかさを感じられ、アルコールに強い人だとスイスイとついつい飲んでしまうほどのスムーズなウイスキーに仕上がっています。
ロックでは少々力不足に感じる印象はありますが、ストレート、ハーフロック、水割り、ハイボールだと香りや味わいのバランスが良く飲みやすい印象です。

先述したとおり、まだまだこの執筆時点ではプレミア価格もさほどついておらず入手可能ですので、本当に大切な人への贈り物としてうってつけではないかと思います。

<個人的評価>
・香り AAA: 先にブドウ、青りんご、ピートの香り、あとからバニラ、バナナ、ライム、はちみつ、ライム、最後にカカオ、ウッディととても豊か。
・味わい AAA: フルーツのような酸味がメインであとからはちみつをかけたバニラアイスのような甘み。ストレートでもアルコールからくる辛さがなくて飲みやすい。
・総評 S: サントリーらしく日本人受けしやすいものの、スコッチ好きにも納得できるほどの香り豊かで穏やかなウイスキー。



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hibiki12yサントリーのブレンデッドウイスキーのフラグシップである「響」ですが、9月で12年物が販売終了となってしまいました。

響12年は2009年5月にヨーロッパで先行販売されたのち、 同年9月から日本でも販売されました。
従来の響が1万円近い価格で手を出せない状況で、響12年は、より手軽な価格でありながらも単なるダウングレードでは終わらない完成度をもって登場しました。 

 使用しているメインの原酒はいずれも12年以上熟成されていますが、特に梅酒を漬けた樽を使用した梅酒樽モルト原酒を使用することで、梅の香りのするオリジナリティを追求したほか、香りづけとして30年以上熟成されたモルト原酒を使うことで、ただの12年物のウイスキーにはない熟成感を出していました。

しかし、日本では「マッサン」のブームでサントリーのウイスキー販売量も急増し、さらには海外でも高い評価を受けたことで需要が増したことによって、2015年3月にノンエイジの「JAPANESE HARMONY」をリリース、4月には12年物が値上げされましたが、それでもしのぎ切れなかったと思われます。

レビューはこちらから

以前に採り上げた北杜12年同様に、わずか6年で販売終了となってしまいました。
この記事を書いている時点では、まだ在庫が残っているところが比較的ありますので、まだ飲んでない方はチャレンジされてはどうでしょうか?
ちなみに私も1本ストックしました。

 

正直、ノーマークでした。
近所のコンビニに行くと、「トリスクラシック」という見たことのないラベルが...。
どうやら9月15日にリリースされることがすでに発表されていたようです。 

トリスはサントリーのウイスキーの中でもエントリーモデルとして戦後から発売され、カストリのような品質の悪いお酒が出まわる中で、1946年に少しでも正当なものを飲んで欲しいとリリースされました。 
来年で70年を迎えるということで、新たに「トリスクラシック」を出したというわけです。

toris_cl本来はそういう飲み方をしませんが、あえてストレートから飲んでみます。
グラスからの香りはアルコールがメインですが、少々華やかさがあります。
口に含むと、意外にアルコールの刺激が少なく、全体的に甘さを感じます。香りは青りんごのようなさわやかさがあり、あとからカラメルの甘い香りが追ってくる感じです。ただ全体的な香りは弱いです。

次にロックにしてみます。
全体的な香りは開かず、むしろ閉じてしまった感じです。甘さだけが舌に感じるほどで、それ以上に響くものがありません。
ただ加水されていくごとに多少のピート感や香りがかすかに見えるようになるので、ウイスキーらしさを多少なりとも感じられるかもしれません。
あえてボトルをかき混ぜて、一部の成分を酸化させてみると面白いでしょう。

最後にトリハイにしてみます。
1:3、1:4いずれもさっぱりした印象はなく、べっとりした感じがあります。レモン汁を加えないとおいしく飲めなさそうです。

全体的に見ると、従来のエクストラやブラックに比べれば、ウイスキーらしさを少し増やした印象はあり、駄目だ、から、悪くないに変わった感じはあります。 
ただ、ライバルになるであろうブラックニッカクリアに比べると、ウイスキー感では一歩及んでいない印象があります。
それでも、ストレートでそれなりのウイスキー感を味わえるのは十分進歩した証ではないでしょうか?

700mL、37度で、価格は750円ほど。
1000円以下の国産ウイスキーとしては、平均よりは上に来ているでしょう。
お金がなくて、なんとかウイスキーをありつきたいという時には、選択肢として含んでもいいかもしれません。

<個人的評価> 
・香り D: ほのかに青りんご、あとからカラメル。でも全体的に薄い。
・味わい D: 甘い。アルコールの刺激が少ないのでとっつきやすい。
・総評 C: 1000円以下の国産ウイスキーとしては及第点をつけられる。カクテルベースにしたほうが面白い。


9月11日より、札幌市の大通公園で、さっぽろオータムフェストが開催されました。


 大通公園7丁目会場では、「大通公園7丁目BAR」と銘打って、様々なお酒とおつまみが楽しめるようになっています。
その中で、ニッカが「ウイスキーステーション2015」を開設、ブラックニッカのフリージングハイボールをはじめ、竹鶴のノンエイジ、17年、21年のほか、9月1日に発売されたばかりの新「余市」、ブレンデッドのザ・ニッカ12年も楽しめます。

DSC_0092初日にフリージングハイボールを飲んでみました。
キンキンに冷えたウイスキーと炭酸水、そして同じく凍らせておいた金属のタンブラーに氷が浮かべられ、明らかに冷たさの感じる1杯になっています。
ただ、まだ残暑の厳しい東京の昼間であればいいですが、夕方になって気温が20℃近くになる札幌の屋外では冷たく感じられてしまい、ちょっと微妙な雰囲気になってしまいました。

このほかに、角ハイボール酒場も出店していますので、双方のハイボールを飲み比べるのもありでしょう。

10月4日まで開催されていますので、札幌にお越しの際には立ち寄ってはどうでしょうか?


 

9/1に、サントリーから新しいウイスキー、知多が発売されました。
見た目には山崎や白州と同じシングルモルトに見えますが、こちらは「シングルグレーン」になります。

愛知県知多市にあるサングレイン知多蒸溜所では、サントリーウイスキー向けのグレーン原酒を造っています。
連続式蒸留器を使用するグレーンウイスキーは、サイレントスピリッツといわれるほど個性の薄いウイスキーと思われがちですが、知多では3種類の異なる原酒を、スパニッシュオーク樽、ワイン樽など様々な樽で熟成することで、多種多様な香りと味わいを実現しています。

今回は、先日にレビューした、愛知県限定発売の「知多蒸溜所」と飲み比べてみます。
chita

まずはストレートから。
「知多」は、色は輝くシャンパンゴールド、グラスからの香りは西洋ナシのさわやかさが伝わります。
口に含むと、アルコールの刺激の奥から先ほどのナシの香り、さらにはバニラ、生クリームの柔らかな香りがついてきます。
味わいは酸味が主体で、多少のビター感もあります。

一方で「知多蒸溜所」は琥珀色で、香りもドライフルーツの芳醇な香りが立ちます。
口に含むと、アルコールの刺激は少なく、先に立つのはゴムのような香り、そのあとからレーズン、ドライマンゴー、ハチミツ、カラメルの香りがついてきます。
味わいはこちらも酸味があるものの、甘みが加わって全体的に濃厚です。

次にロックで。
「知多」では、ストレートでは見えなかったゴムのような香りが現れ、「知多蒸溜所」 同様のドライフルーツの濃厚な香りが開いてきます。また、ピートの香りが立ってスモーキーさも感じられます。
味わいはビターがメインで、奥にほのかな甘さを感じ取れます。
ブラインドテストでこれをロックで出して、モルトウイスキーだと勘違いしてもおかしくないほどです。 

一方で「知多蒸溜所」は、飲み始めにタイヤの置かれた地下倉庫のような印象の悪い香りが先に来ます。芳醇な香りが強すぎて悪臭に変わるようなものでしょうか。
加水されると、ピートの香りが強く感じられ、奥からドライフルーツのエキスがどっと出てきた印象になります。
こちらはロックで飲むには重すぎて、水割りやハイボールにしたほうがいいかもしれません。

比較してみると、やはり「知多蒸溜所」のほうがより熟成された原酒を使っていると思われますが、却ってくどくなってしまい、飲み方を選んでしまう印象があります。
その点で「知多」は、若い原酒を使って比較的バランスの取れたヴァッティングにされている感じがします。

グレーン=チープというレッテルを張っている人にとっては、それが引っぺがされるほどの印象をもたらしてくれることでしょう。

これで、ニッカのカフェグレーンとカフェモルト、そしてサントリーの知多と、両社のグレーンウイスキーが出そろいました。
モルトウイスキーこそ至高だという人こそ、これらのジャパニーズグレーンをご賞味されることをお勧めします。

<個人的評価>
・香り B: ドライフルーツの芳醇な香り、加水するとピートも現れる。
・味わい B: 酸味がメインで、ビターも感じる。加水されると甘さが際立つ。
・総評 A: 「響」の豊かな香りと味わいを演出したのが知多のグレーンであることを実感させてくれるボトル。


いよいよ8月から9月となりますが、この節目に新商品と販売終了品が多くあります。
おさらいとしてまとめてみました。

1.9月の新商品

・サントリー シングルグレーンウイスキー 知多発売
9月1日に、「サントリーウイスキー 知多」が発売されます。
山崎、白州とは異なり、愛知県知多市にある「サングレイン 知多蒸留所」で製造されるグレーンウイスキーが使用されます。 

連続式蒸留器を使用するため、モルトウイスキーよりも個性が出にくいといわれますが、知多ではクリーン、ミディアム、ヘビーの3種類の原酒を、スパニッシュオーク樽、ワイン樽などに貯蔵することで、様々な個性を持ったグレーン原酒を作り上げています。
それらをヴァッティングしてボトリングしたのが、「知多」になります。 

・ニッカ 新余市、新宮城峡 発売
同じく9月1日に、ニッカはシングルモルト余市と宮城峡の新しいノンエイジをリリースします。

「マッサン」による国内でのウイスキーブームに加え、海外で賞を手にした「竹鶴ピュアモルト」の人気によって原酒が深刻なほどに不足したため、従来のシングルモルトのラインナップを改め、新しいノンエイジのみを発売することになりました。

従来のノンエイジと比べると、アルコール度数は45度となり、より熟成された原酒も含まれると予想されるため、より香りや味わいに深みが出るとみられます。

併せて数量限定で、「余市 ヘビリーピーテッド」「宮城峡 シェリーカスク」も発売されます。

・ニッカ ハイニッカ、スーパーニッカのラベルを変更
同じくニッカは、ハイニッカとスーパーニッカのラベルを(スーパーニッカはボトルも)リニューアルします。

ハイニッカは、ニッカウヰスキーのエンブレムを大きくし、赤いラインを斜めにあしらったデザインのラベルとなります。
古くからのニッカファンに愛されるも、店頭ではなかなかお目にかかれなかったハイニッカですが、ドラマの放送とともに大々的に販売されると、そのコストパフォーマンスの高さによって再評価されました。
それに伴って、ハイニッカのラベルリニューアルにつながったと思われます。

一方でスーパーニッカは、限定販売された初号復刻版に近いものとなり、ボトルは復刻版に使われたものとほぼ同じ、ラベルも現行品以前のデザインに近いものへと戻されることとなりました。

ただしどちらも、ブレンド自体は従来と同じで、香り、味わいは同じだということです。 続きを読む

sg_chitaサントリーでは、山崎、白州のほかに蒸溜所を持っています。それが愛知県にある知多蒸溜所です。
正確には子会社であるサングレインが管理していますが、サントリーのブレンデッドウイスキー向けに作られるグレーンウイスキーは、この知多市にある蒸溜所が賄っています。

実際の蒸溜所は、山崎や白秋とは大きく異なり、周辺の工業団地に並んでまさに化学プラントの様相を呈していて、観光スポットとして訪れるのにはあまりふさわしくないかもしれません。

その中で作られるグレーンウイスキーですが、蒸溜所限定で12年以上の熟成されたグレーンウイスキーをボトリングした特製ウイスキーのほか、2014年に愛知県限定で販売されたのが「シングルグレーンウイスキー 知多蒸溜所」です。ある意味、「マッサン」ブームに乗じたといっても間違いではないでしょう。

で、最近レアなボトルを入荷していたススキノの某酒屋さんでなぜかおいていました。せっかくだから買って飲んでみることにしました。

まずはストレートから。
グラスからはラムレーズンのような芳醇な香りがします。 
実際に飲んでみると、 少々ゴムのような香りがするも、やはりラムレーズンの香りが口に広がります。
味わいも酸味が中心で、ニッカのカフェグレーンとも渡り合えるレベルにあります。

ロックにすると甘さが引き出され、香りもストレートからあまり衰えることがありません。

確かに、このシングルグレーンからは、ローヤルや響のような香りの一部を感じ取ることができます。
サントリーのブレンデッドウイスキーの中で、この知多のグレーンがかなり目立っていたことを改めて感じました。
「サイレントスピリッツ」なんてとんでもない!ニッカのカフェグレーン、カフェモルトと同じく、サントリーのグレーンウイスキーも十分主役を張れる逸材だとわかります。

そのお店での価格(参考までに)ですが、700mL、アルコール度数43度で6000円ほどでした。ニッカのカフェグレーンよりもかなり割高です。

さて、この知多のグレーンですが、2015年9月に、「サントリーウイスキー知多」 として全国販売されることとなりました。ノンエイジのみですが、サントリーのグレーンウイスキーも負けていない、ということを実感できるかもしれません。

<個人的評価> 
・香り A: 芳醇なラムレーズン。サイレントスピリッツとは言えないほどの主張。
・味わい A: 酸味がメインで、あたかも余市を彷彿させる部分も持ち合わせている。
・総評 B: サントリーのグレーンも面白い。9月の「知多」も見逃せない。 


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