RERAのウイスキーブログ

ロスジェネ世代のおっさんが、世界各地のウイスキーを飲み、独断で評価していきます。 Whisky reviews and informations

タグ:デュワーズ

今回はデュワーズのカスクシリーズから、ポルトガルスムースを飲みます。

カスクシリーズ第三弾

_DSC5071_01デュワーズのカスクシリーズは2021年からスタートし、第一弾はカリビアンスムース、第二弾はイリーガルスムースでした。

このカスクシリーズは、8年以上熟成させたモルトとグレーン原酒をブレンドさせたあとさらに後熟を行い、さらに特定の樽でフィニッシュを行って仕上げるものになっています。

カリビアンスムースはフィニッシュの樽としてラム樽を、イリーガルスムースはメスカル(リュウゼツランを原料にしたお酒。特定の品種、地域で作られたものがテキーラを名乗れる)樽を使っています。

そしてポルトガルスムースで使われる樽は、赤(ルビー)ポートワインの樽を使っています。
ポートワインはポルトガルのポルト地区で作られる酒精強化ワインで、発酵途中でまだ原酒に糖分が残っている時点で、加水をしていないブランデーを入れてアルコール度数を20度以上にして酵母菌を殺菌、発酵を止めて長期熟成を行う特殊な工程を経ます。

糖分が残った状態で熟成、出荷されるため、アルコール度数が高い反面、甘味が強い側面を持っています。

メーカーの公式サイトによるレポートだと、フルーティな香りと甘味が感じられる仕上がりになっているとのことです。

テイスティング

グラスからの香り、液色

グラスからは、レーズンの甘い香りが広がります。
液色は赤茶色です。

ストレート

グラスから香っていたレーズンの香りが強く感じられ、あとからバニラ、バナナの香りが続きます。
味わいは、アルコールからの辛みがそこそこ強く、あとから渋味、酸味が続きます。

ロック

スモーキーな香りと共にレーズンの香りが強烈に鼻を突き抜けます。奥からは樽の香りも得られます。
味わいは、苦みが強めで、スパイシーさもしっかりしています。

ハイボール

レーズンと共にサクランボの香りが広がり、後からスモーキーさとカカオの香りが続きます。
味わいは、苦みが強く、多少の酸味、甘味があるかどうかと言う感じです。

8年熟成らしくない、パンチの効いた個性

レーズンを思わせる香りが全体的に強く、スモーキーさもある上に、苦みやスパイシーさがあって、ガツンと来る仕上がりになっています。
むしろストレートの方が穏やかに思えてしまいます。

レギュラーのホワイトラベルが比較的飲みやすいので、それをイメージするとかなり面食らってしまうでしょう。

700mL、アルコール度数は40度、価格は2500円ほどです。
それほど高くはないので、個性の強いボトルが飲みたいときは買ってみるのもいいかもしれません。

<個人的評価>

  • 香り B: レーズンの香りが強い。加水でスモーキーさが目立ち、サクランボやカカオも感じる。
  • 味わい C: 苦みやスパイシーさが目立ち、とっつきにくさが強い。
  • 総評 C: アクの強い香りや味わいのウイスキーが飲みたい時に選んでもいいかも。


今回は、スタンダードなスコッチウイスキー、デュワーズから発売された「カリビアンスムース 8年」を飲んでみます。

ラム酒メーカー傘下だからこそ生まれたボトル

_DSC3912_01ホワイトラベルをはじめとして、スタンダードなブレンデッドスコッチを発売するデュワーズから、2021年5月に数量限定ボトルとして「カリビアンスムース 8年」が発売されました。

8年以上熟成されたモルト、グレーン原酒をブレンドし、一旦後熟を行った後、最後にラム酒樽でさらに後熟させたものになります。

現在、デュワーズはラム酒などを手がけるバカルディ社の傘下にあり、今回のボトルも、「バカルディ」の貯蔵に使った樽を使用しているかと思われます。

ラム酒由来の甘い香りが特徴

グラスからの香り、液色

グラスからは青リンゴ、ブドウ、パイナップルの香りが得られます。
液色は中庸な琥珀色です。

ストレート

若干、栗のような甘い香りが先に訪れ、ラムレーズン、リンゴの香りが続きます。奥からはパインの独特の香りも顔を出します。

味わいは、アルコールからの辛みが少々強めで、あとは苦みが先んじ、奥からは甘みが広がります。

ロック

ラムレーズンの香りがしっかり感じられるようになり、カラメル、リンゴの香りが続きます。

味わいは、苦みが強めになりますが、落ち着いたときに甘さがやってきます。

ハイボール

ラムレーズンの甘い香りが先に訪れ、後からリンゴへと続きます。ストレートで感じられたパインの香りは感じられなくなります。

味わいは、軽い酸味の後に甘みが続きとても飲みやすく感じられます。

まとめ

ラム酒樽でフィニッシュさせることで、レギュラーのホワイトラベルに比べてラム酒独特の甘い香りがプラスされ、ハイボールでもしっかりと特徴を得られます。

反面、8年熟成のまろやかさは少なく、ホワイトラベルよりはちょっとましというイメージです。
700mL、アルコール度数40度、価格は2500円ほどです。

<個人的評価>

  • 香り C: ラム酒由来の香りが主体。ストレートではパインも感じられる。
  • 味わい C: 後から甘みがしっかり得られる。一方で8年熟成のまろやかさは感じにくい。
  • 総評 C: 割高ではあるものの、様々な飲み方でも甘みが得られて、初心者でも安心できる。

今回の安旨ウイスキーは、デュワーズ ホワイトラベルです。

アメリカで最も売れているスコッチウイスキー

dewars_wl1_デュワーズを製造、販売するジョン・デュワー・アンド・サンズ社は、1846年にジョン・デュワーによって創業しました。
19世紀中頃になってから登場し始めたブレンデッドウイスキーの流れに乗り、同社が出したのがデュワーズでした。今回紹介するホワイトラベルは、1899年に登場しました。

デュワーズは海外への販売拡大も積極的に行い、日本にも1905年に代理店が誕生していました。

アメリカにおいては、1891年に、2代目であるトミー・デュワーが、スコットランド出身で鋼鉄王と呼ばれていた実業家、アンドリュー・カーネギーを通じ、当時のアメリカ大統領であったベンジャミン・ハリソンへ、樽詰めされたデュワーズを送ったことがきっかけとなりました。

バーボンが当たり前だった当時のアメリカにおいて、その様子が報道されると、大統領やデュワー社を非難する世論と共に、大統領が求めるスコッチとはどのようなものかという興味も持たれるようになりました。

興味本位で飲み始めた人々の口コミなどによって、デュワーズはアメリカで最も売れているスコッチウイスキーの地位を確立しました。

またデュワーズは、ハイボールの由来となった説の一つとして知られています。
トミー・デュワーがニューヨークのサロンでウイスキーを頼んだところ、グラスが小さかったため、「もっと背の高い(high)グラスであれば、ウイスキーを大いに楽しめる(have a ball)ぞ」と要求したことをきっかけに、背の高いグラスにウイスキーを注いで飲むことをハイボールと呼ぶようになったと言われています。
デュワーズ自体も、古くからハイボールで飲むことを勧める広告戦略を打っています。

ラインナップとしては、今回飲むホワイトラベルのほか、12年、15年、18年、25年があります。

では、実際に飲んでみます。

ストレート

ラムレーズンの香りが先に広がり、その後にピートのスモーキーさとカカオと続きます。

味わいはアルコールからの辛みは少々強めで、後から軽いほろ苦さと酸味が続きます。

思った以上にスモーキーでどっしりした味わいがあります。

ロック

先にブドウとナシ、青リンゴの香りが広がり、後からオレンジ、ピートと続きます。
加水が進むと、オレンジの香りがさらに揮発した印象に変わります。

味わいは、多少アルコールからの辛みが残るものの、その後はほろ苦さに変わり、軽い酸味と甘さが締めます。
加水が進むごとに、ほろ苦さが目立った柑橘系の苦みに変わり、甘さは後味として残る程度になります。

水割り

トゥワイスアップにすると、ピートのスモーキーな香りが先に感じられ、後からリンゴ、ブドウの香りが続きます。最後にオレンジの爽やかな香りで締められます。

味わいは、酸味がしっかり感じられ、ほろ苦さは少々抑えられた印象になります。後味に多少の甘みを得られます。

1:4で割ると、リンゴの香りが先に広がり、後からオレンジ、奥からほのかにピートも感じられます。
味わいは、苦みが抑えられ、酸味が前に来ます。

水割りであっても、かなりおいしくいただけるように思えます。

ハイボール

1:3で割ると、リンゴの香りが口いっぱいに広がり、続いてピート、奥からブドウとオレンジの香りが続きます。

味わいは、酸味が先に現れ、苦みは炭酸の効果もあってマスキングされている印象です。

確かに、ハイボールでバランスがよくなり、飲みやすさも出ます。

まとめ

デュワーズがハイボールを勧めていることもあって、ハイボール、水割りなど加水して飲む上では、ピートのスモーキーさもあってウイスキーらしさを残しつつ、フルーツのような酸味が主体で飲みやすくなっています。

一方でストレートやロックだと、アルコールの刺激が強めですが、香りが豊かで、比較的ボディがしっかりした印象になります。

少々値段が張りますが、常飲するには悪くないボトルと言えます。
  • メーカー:バカルディ
  • 容量:700mL
  • アルコール度数:40度
  • 香り:リンゴ、ブドウ、ピートの香りが主体。後からオレンジ、カカオ。
  • 味わい:ほろ苦さが先に出るが、加水されるごとに酸味が上回る。
  • ストレート C: アルコール感が強め。奥からカカオの香りがする。
  • ロック B: ほろ苦さが主体で少々飲みにくいが、香りは爽やかさが主体になる。
  • 水割り A: 苦みが薄れ、フルーツの酸味が目立ってくる。香りもオレンジが主体になる。
  • ハイボール A: リンゴの香りが前に来る。苦さは大幅に減ってとても飲みやすい。

今回はブレンデッドウイスキー、デュワーズの15年ものを飲みます。

女性マスターブレンダーによって生まれたウイスキー

dewers15_デュワーズは、長期熟成ものとして12年と18年がラインナップされていましたが、両社には価格差が大きく、おいそれと18年ものを手にすることは難しい状況でした。

そんな中で近年ラインナップに加わったのが、15年ものです。

この15年ものを手がけたのが、デュワー社の7代目マスターブレンダーのステファニー・マクラウドです。
女性のブレンダーも珍しく、しかも頂点であるマスターブレンダーに就任することは非常に希ではありますが、彼女はアメリカで行われる「インターナショナル・ウイスキー・コンペティション」の2019年大会で、マスター・ブレンダー・オブ・ザ・イヤーに輝きました。

また、同コンテストでは、デュワーズ15年もベスト・オブ・ブレンデッド・スコッチ・ウイスキーに輝きました。

デュワーズの長期熟成ものにおいては、伝統的にダブルエイジング製法と呼ばれる、一旦ブレンドした後で6ヶ月間後熟を行う製法が採用されていますが、15年もダブルエイジング製法が使われています。

フルーツの甘みがしっかり届く

では、ストレートから飲んでいきます。
グラスに注ぐと、液色は少々黄色みの強い琥珀色、香りはリンゴとハチミツが漂います。

口に含むと、多少のアルコールの刺激の後、リンゴとレーズンが交互に香ってきます。奥からは樽香、カカオ、バニラがやってきます。

味わいは、多少のアルコールからの辛みはあるものの、全体的に優しい甘みと軽い酸味が最後まで続きます。

ロックにすると、紅茶の香りがほんのりと現れ、リンゴの香りも少々強めになります。後からブドウ、バニラ、ハチミツが追いかけます。

味わいは、ほろ苦さが多少出てくるものの、フルーツの甘み、酸味が比較的柔らかく舌に広がります。

ハイボールでは、リンゴの香りが全体を覆うようになりますが、レーズン、紅茶が奥に潜んでいるのを感じ取ることが出来ます。

味わいは、ビターが強めになりますが、後から柔らかい酸味が訪れます。

12年ものに比べると、甘みのある香り、味わいが目立つように思えます。ボディも12年の弱さは幾分かカバーされ、それなりの広がり、深みのある香りや味わいを得られるように思えます。

700mL、アルコール度数40度、価格は5000円ほど。
コスパが優れているとは言い切れませんが、15年もののブレンデッドスコッチとしては平均レベルかな、といったところです。

<個人的評価>

  • 香り B: リンゴ、レーズン、カカオ、バニラ。加水で紅茶が顔を出す。
  • 味わい C: 全体的に柔らかい酸味、甘みが支配する。加水でほろ苦さが目立つ。
  • 総評 C: 15年もののブレンデッドスコッチとして、悪くはないボトル。




dewarsデュワーズは1846年にジョン・デュワーによって製造が開始されたスコッチで、ハイランドのアバフェルディをキーモルトにしています。

アメリカでは、スコットランド出身の鉄鋼王と言われたカーネギーが、当時の大統領に樽ごとのデュワーズをプレゼントしたことがきっかけで知られるようになり、現在もアメリカで最も飲まれているスコッチウイスキーと言われています。

ロックで飲んでみると、スコッチにしてはとてもあっさりしていて、ピート香はほとんど無く、アルコールの刺激が強めであるものの、後からナッツのような香りが強く出てきます。
ある程度水が入ると飲みやすくなり、上記の香りがすぐに現れてきます。

コーラハイのようにして飲んでみると、あっさりした味が災いしてアルコールの感覚以外コーラが勝った味になってしまいます。ハイボールだとスイスイ飲めるものになるでしょう。

価格は700mlで1100~1400円ほど、ほかに500mlのボトルがあり、こちらだと1000円以内で買えます。

癖のあるものをスコッチに求めるのであれば、デュワーズはそれにかなう銘柄ではないでしょう。ただ、サントリーのウイスキーが好きな人には、デュワーズは違和感なく受け入れられるでしょう。 

<個人的評価>
・香り C:最初はそれほど強くないものの、後からナッツの香りが漂ってくる。
・味わい C:アルコールの刺激があるものの、比較的飲みやすい。ただ、全体的な味わいはそれほど無い。
・総合評価 C:気軽に飲むにはいいものの、スコッチとしては物足りない印象。 

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