roze_今回は、フランス産のウイスキー、ロゼリュールを飲んでみます。

フランスには20を超えるウイスキーを製造する蒸溜所がありますが、その多くがフランスで古くから作られているブランデーの製造も兼ねています。
一方でフランスでの消費も比較的多く、ジャパニーズウイスキーも人気を得ています。

ロゼリュールは、フランスのロレーヌ地方北部にある村の名前で、そこに設立しているグラレット・ドゥピック蒸溜所で作られるシングルモルトのブランドになっています。

グラレット・ドゥピック蒸溜所は、元々プラムのブランデー、ミラベルを製造していましたが、2002年にウイスキーの製造を開始しました。

ロゼリュールのブランドで発売されているボトルは三種類あり、スモークドのほかに、オリジナル、ピーテッドがあります。

スモークドは、20ppmのピートを使ってモルティングされた麦芽を使用し、蒸留後に、フィノ、オロロソ、ペドロヒメネスの3種類のシェリー酒の樽にそれぞれ熟成、計6~7年の熟成を行った原酒を使用しています。

ではストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は少し濃いめのアンバー、香りはレーズンがしっかり鼻に届きます。

口に含むと、アルコールの刺激は少なく、すぐさまレーズン、ゴム、バニラ、カカオと続きます。
味わいは酸味がメインで、後からビターが追いかけます。後味には甘さも存在します。

ロックにすると、レーズンにラムの香りが加わり、甘い雰囲気が強まります。また、レモンの爽やかさも加わってきます。
味わいは、ビターが控えめになり、酸味がより前面に押し出されます。また、香りに釣られるように甘みを感じやすくなってきます。

最後にハイボールにすると、やはりレーズンの香りは強くしっかり広がります。その後にはシナモンのようなスパイシーな香りが続いてきます。
味わいは一転してビターが目立ち始め、甘さは消えた印象です。

ピーティなモルトを使っている割にはスモーキーさは殆どなく、むしろシェリー樽によるレーズンの香りがしっかりした印象があります。
ただ、ザ・マッカランほどの濃厚さ、香りの強さはなく、比較的すっきりした印象があります。

約6,7年と熟成期間は短いものの、スコッチやジャパニーズと比べても遜色のない出来であることは確かで、将来的にフレンチウイスキーが代表的なウイスキーの一つに数えられる可能性も十分あるでしょう。

700mL、アルコール度数46度、価格は5000円ほどです。そうした仕様を見ると、アルコールの刺激を感じられないのはちょっとした驚きです。

<個人的評価>

  • 香り B: レーズンがしっかり。ストレートではバニラ、カカオ、加水されてレモン、シナモンが現れる。ピーティなモルトと言えるほどのスモーキーさはない。
  • 味わい C: ビター、酸味が支配する。香りほど甘さは感じられない。
  • 総評 B: さほど長くない熟成期間ながら、アルコールが丸められている。将来が興味深いボトル。