「幕末太陽傳/Dramatic S!」、どっちも楽しい!見どころ沢山!

なんですが、前の記事の流れでショーの方の感想から行きたいと思います。

ま、ぶっちゃけ、いつもの中村B(一徳先生)のショーなんですが。けど何故か飽きない。前公演が1本もののスカピンだったし、久々にタカラヅカらしいレビュー観た!という気分になる。
もはや中村Bのショーは様式美、偉大なるマンネリの域といっていいかもしれない。
水戸黄門とか戦隊ヒーローアニメが何度もシリーズ変えて放映され続けるようなもんでしょうか。

今回はセンターにちぎたさんがセリ上がってきて開演。ややロック調の主題歌。
藤井・青木コンビほどじゃないにしても中村B・西村コンビの主題歌もなかなか中毒性ある。
2階席から見てるもんだからほとんど何もない舞台に組子全員出てるのがよくわかる!楽しいです。
次のシーンへの転換は煌羽レオ君センターに若手スター4人と一緒に1曲歌う。今回芝居でもショーでもレオ君の出番がかなり増えている。

んでジャジーなナンバーが聞こえてきたかと思えば、ちぎたさんセンターでスーツの男役とカクテルドレス?着た娘役のダンスシーンに。彩彩、大ちゃん(鳳翔)、ひとこあたりの路線スターだけじゃなく職人ダンサーまでスポット浴びて踊りまくるから誰が誰だか1回観ただけじゃわかんない(笑)そして相変わらずドスの効いたヒメさん(舞咲)のソロ。

次がだいもん主役のパリのシーン。ダルマチームのリーダーの星奈のぞみちゃん、小顔でやっぱ目立つね。盆が回って真彩ちゃんセンターで貴婦人の皆さんが登場。真彩ちゃんはやはり歌の人だなあ。
しかし前半にジャズとパリの場面があるって、前の壮一帆さんのサヨナラの「MY DREAM TAKARAZUKA」でもそうだったよなあ…
と思いつつ、舞台が明るくなったのでそろそろ中詰めか、ということで、咲奈(彩風)君センターで
中詰めの導入役で1曲歌う。
はい、いつもの中村Bすぎて笑いたくなってきた。ショッキングピンクの衣装に音楽はラテンメドレー、翔君に大ちゃん、あんりちゃん、久城あす君と次々銀橋渡っていくスター。時々がおり(香綾)みたいに歌ウマチームが歌う。
つか、衣装がピンクでラテン調ってとこまで「MY DREAM TAKARAZUKA」と一緒や(笑)
中詰めからの転換は珍しく照明を落とさずひとこの「S wonderful」でつなぎ、ラインダンスに進みますけど、東京公演で初舞台生がいないから人数少なくてステージにガラ空き感が…
普段ラインダンスって後方幕で仕切って舞台前方だけでやること多いけど、舞台まるまる使ってたのでこう感じます。
そろそろフィナーレ前、退団者メインのシーンだなと身構えてたらその通りグリーンの衣装の退団者登場。「絆」がテーマなんですねこのシーン。
ちぎたさんと退団者を見送る場面なんだけど、歌詞とかメロディーとか、サヨナラの悲しさよりも雪組の暖かさがわかる演出だ。

ここからフィナーレに入りますけど、銀橋の大判振る舞いっぷりが凄かった(笑)。
まずみゆちゃんが若手娘役を率いて銀橋で1曲歌う。しっとりしたジャズがさっきのシーンで
高ぶった感情を適度にクールダウンしてくれます。
「ベサメムーチョ」にのせて黒燕尾の群舞があるとこまでは他の演出家のショーでもある王道ですが、
そこから「コーヒー・ルンバ」に曲が変わり、大ちゃんとがおりが銀橋に出て歌いつつ、大階段を娘役が降りてくる。
・・・んん、娘役まで全員銀橋に出てきた!すげえ!男役至上主義の宝塚で2回も娘役が集団で銀橋に出てくるなんて!しかも路線でもないヒメさんがセンター。
もともとフィナーレでトップ娘役に1場面持たせるの中村Bのクセだったけど、
こうやって娘役も男役と同格にスターとして扱ってくれる姿勢好きです。
さらにさっきの黒燕尾の男役も入れ替わってだいもんを中心に銀橋にズラリ。壮観の一言である。
クラシカルな曲でビシッと決める黒燕尾もいいけど、こういうお洒落なナンバーで、ややくだけた感じで色気を出す黒燕尾もいい。というか、そういうくだけたシーンを挿入してくるのもだいたい中村Bで、これも彼の個性ですね。
デュエットはちぎみゆ揃いの白い衣装で、だいもんがカゲソロで「別れの曲」を歌ってる。
ずっとちぎみゆだいもんのトリデンテを観てきたファンにはたまらんだろなあ…
ベタなフィナーレだと群舞のあとちぎさんが残って、階段上からみゆちゃんが降りてきてデュエット、てな流れだと思うけど、1場面挟んでるから衣装揃えられていい。
パレードの組子の衣装は白燕尾とドレスで、これも「雪」のイメージを思わせてぐっとくる。

あと、中村Bのショーが飽きないのって、テンポがいいせいもあると思います。
変に芝居がかった短い場面とかを挟まずに、ひたすら歌とダンスでつなぐ。最初から最後までそれで一貫してるから、中だるみせずテンポがいい。
それでいて、ちゃんと終盤にはサヨナラムードの演出もしてくれる、ファンのツボをそれなりに
押さえた構成にできるのも、ワンパターンと言われつつ氏がショーを書き続けられる一因なんだろう。
(たまたま隣で3人で観にきてた女の子、ショーで結構感極まってたっぽいし)
それと、前述のようなオシャレな、フィナーレも中村Bの強みか。「MY DREAM TAKARAZUKA」も「Melodia」もこんな感じのフィナーレで好きだった。

宝塚自体が、トップを中心のスターシステムとか、黒燕尾とか軍服とか輪っかのドレスとかステージを何十年と続けてきた集団で、そのマンネリズムにどっぷりハマってる我々、慣れれば中村Bなりの
マンネリズムにも中毒性を覚えるようになるのかもしれません。実際また彼のショー観たいし。

次は「幕末太陽傳」のまとめにいきますか。