京都秘封探訪

「秘封倶楽部」を中心とした、東方Project関連の覚え書き。

秘封倶楽部 原盤

未知の花 魅知の旅

IMGP0641
タイトル:「未知の花 魅知の旅」
サークル:上海アリス幻楽団
作曲・編曲:ZUN
頒布:博麗神社例大祭8(2011年5月8日)
再販・1:博麗神社例大祭9(2012年5月27日)
再販・2:コミックマーケット82 2日目(2012年8月11日)
再販・3:コミックマーケット86 2日目(2014年8月16日)
イベント頒布価格:200円
委託販売価格:なし

 新曲一曲にアレンジ二曲です。ストーリーのような物は入っていませんが、テーマは魅力溢れる東北の旅と言う事で……

 平和な筈のGW最終日に急に振替例大祭が来たので、うちも何かおまけでも良いから出さなきゃなーと思って作りました。(上海アリス幻樂団の公式ページより)


【トラックリスト】

1.未知の花 魅知の旅
  (オリジナル)
2.無間の鐘 ~ Infinite Nightmare
  (「ダブルスポイラー 東方文花帖」Level9~12・Extra撮影テーマ)
3.明日ハレの日、ケの昨日
  (「東方風神録」Extra Stage道中のテーマ)

【概要】

 2011年5月8日に開催された博麗神社例大祭8にて、上海アリス幻樂団より頒布されたCD、それが「未知の花 魅知の旅(みちのはな みちのたび)」である。上海アリスの音楽CDシリーズの一つである「ZUN's Music Collecrion」の番外編となるVol.5.5と銘打たれており。秘封倶楽部のCDとしては、2006年8月のコミックマーケット70で頒布された「大空魔術」以来となる。

 およそ5年ぶりの秘封の新作であるが、あくまでイベントでの限定販売という形式が採られ、委託販売などは行われていない。その希少性ゆえ、大変なプレミアが付けられており、インターネットや同人ショップなどでは5000円~35000円程度で取引されている。

 2012年4月の時点でZUNが言うには「バルク品の為、体験版と同じで売る手段があまりない」「楽曲を公開してもいいが、そうなると新たにプレスする意味がなくなって、逆にレアリティが上がってしまうのが問題」とのことである。

 その後、二度の再販の機会があったが、いずれも一時間ほどで完売してしまったようである。なお、東方Projectの体験版はCD-Rであることが多いが、この「未知の花 魅知の旅」においてはプレスされた製品である。よって、一部では偽物の流通に対して注意を促す声もあるが、おそらくその可能性は低いと思われる……んだけど。

 また、博麗神社例大祭8では「東方神霊廟」の体験版CD-Rが頒布される予定であったが、そちらはイベントでは頒布されず。結局はメロンブックスにてCD-Rが販売されることとなった。

 なお、二度目の再販となるコミックマーケット82では、秘封倶楽部のVol.7となる「伊弉諾物質」が頒布された。

 (↓2014年8月18日追記↓)

 そして2014年の夏コミC86の2日目(8月16日)にて、まさかの再販が行われる。コミックマーケット86の1日目(つまり頒布の前日)となる8月15日、上海アリスのウェブサイト上で発表された「既刊のみ、在庫処分」と書かれた頒布物情報の中に、こっそりと「未知の花 魅知の旅」も含まれていた。

 この第三回目の頒布では、ゲリラ的な再販ではあったものの、「未知の花、魅知の旅」は開場後20分を待たずに全て完売してしまったとのこと。始発組(5時45分頃に到着する)ですら購入は叶わなかった。

(↑追記ここまで↑)

【STORY】

 秘封倶楽部のCDとしては唯一、ブックレットが付属せず。また、それに付随する物語のようなものは公開されていない。

【解説】

 2011年3月11日14時46分18秒――。非常に強く、そしてとても長い揺れが日本列島を襲った。これが、後に東日本大震災と呼ばれることになる大災害の発生であった……

 この地震の影響は極めて広く、震源地の間近であった東北地方太平洋側沿岸部はもちろんのこと、北は北海道から南は関東まで……甚大な被害をもたらすこととなった。この地震による死者は、2014年5月9日に確認されている段階でも15886人、行方不明者は2620人にも及び、日本史上においても最悪の自然災害となった。

 被害は関東地方にも及び、火災や液状化現象、交通の麻痺による帰宅難民等が発生する。また、これによって東京ビッグサイトにも施設に一部設備に破損が発生。これに伴い、東京ビッグサイトより、予定されていた各種イベントに対して中止の勧告がなされることとなる。その中の一つが、まさに2日後の3月13日に開催が予定されていた博麗神社例大祭8であった。

 これによって例大祭は開催を延期することとなる。さらには、この例大祭で頒布が予定されていた「東方神霊廟」の体験版CD-Rの頒布も延期され、そちらは4月20日よりメロンブックスでの頒布となった。そして、変更された日程が2011年の5月8日であった。

 もともとこの日は九州の福岡にて「大⑨州東方祭4」が開催される予定であったが、例大祭社務所と東方祭実行委員会の間での日程調整によって、東方祭実行委員会側が日程を譲る形となり、5月8日の振替例大祭が決定することとなった。なお、大⑨州東方祭は7月24日に変更して開催される。

 この振替例大祭にあたって、急遽製作・頒布されることになったのが、この「未知の花 魅知の旅」であった……

【補足】

 ジャケットには東北地方各県の県花、そして県の鳥。そして、帽子を外し、胸に手を当てる蓮子とメリーの姿が描かれている。

 全3曲が収録されており、完全オリジナルは1曲。その他の2曲は既存の曲のアレンジとなる。初発表となる「未知の花 魅知の旅」。焦燥感と哀愁を漂わせ、不安を煽る「無間の鐘」。そして一転、明るく陽気な「明日ハレの日、ケの昨日」……

 かつて、東北地方は「みちのく」と呼ばれたという。それになぞらえて、今も「魅知の国」というキャッチコピーがかの地では使用されている。ZUNは何も語らないが――ZUNが、このCDに込めた想いが何であったのか。それはもう一目瞭然であろう。


 ……なお。メロンブックスが独占販売することとなった「東方神霊廟」の体験版CD-Rは「東北地方太平洋沖地震チャリティーグッズ」として、その売上げは手数料を除く全収益が、東日本大震災の義捐金に充てられることが発表された。

【備考、小ネタ】

・メリーの左側~二人の背後~蓮子の右側に描かれた薄紅色の花は、福島県の県花であるネモトシャクナゲ。ツツジ科の花であり、東アジアに広く分布する花である。標高の高い場所に咲く花であり、開花は7月頃。花言葉は「荘厳・威厳」。シャクナゲの中でも、花が重なって咲く八重咲きとなるものである。

・メリーの左上に描かれている紫の花は、宮城県の県花であるミヤギノハギ。マメ科ハギ属の花で、宮城県に多く自生する花であることから宮城野萩と名づけられたという。7月~9月に開花し、花言葉は「想い」。蝶の形をした花が、しだれに咲くのが特徴。

・蓮子の上に描かれているのは、岩手県の県花である桐の花。古来から高級家財の材料とされる木であり、科については諸説がある。開花時期は4月下旬から5月上旬。花言葉は「高尚」。円錐の形に咲く花が独特である。

・蓮子の右側に描かれる鳥はヒバリ。全長20cmほどの小型の鳥であり、スズメ目ヒバリ科の鳥である。青森県の六戸町や、福島県の南相馬市における市町村の鳥でり。また、茨城県や熊本県でも県の鳥とされている。

・例大祭の他、ビッグサイトより開催中止を勧告された即売会として、3月20日のHARU COMIC CITYがある。

・東方Projectにおいては、「東方妖々夢」における「遠野」や「マヨイガ」。「蓮台野夜行」における「デンデラ野」など、東北にまつわるキーワードが時折登場する。これらの関係もあってか、2014年3月2日は岩手県遠野市のあえりあ遠野にて「東方紅楼夢9.5」、秘封倶楽部オンリーの「夢の世紀 魅知の旅」が開催された。


※最後に。かの大震災においてお亡くなりになられた方々へ御冥福をお祈り申し上げると共に、被害を受けられた方々に対して謹んでお見舞いを申し上げます。

(文中、敬称略とさせて頂いております)

大空魔術 ~Magical Astronomy

IMGP8752
タイトル:「大空魔術 ~Magical Astronomy」
サークル:上海アリス幻楽団
作曲・編曲:ZUN
頒布:コミックマーケット70(2006年8月13日)
イベント頒布価格:500円
委託販売価格:700円

永遠の浪漫、車椅子の宇宙
――民間月面ツアーと物理学の共通の最大の問題点とは。
上海アリス幻樂団が奏でる、宇宙的で激しい音楽集第五弾(CD「大空魔術」の帯より)

明るいニュースの号外が舞う
それは、民間人を乗せた月面ツアーのニュースだった
永遠の浪漫、車椅子の宇宙
――秘封倶楽部に新しい目標が生まれる

上海アリス幻樂団の、宇宙的で激しい音楽集第五弾!
「大空魔術(おおぞらまじゅつ) ~ Magical Astronomy」
物理学と民間月面ツアー、共通かつ最大の問題点とは――
秘封倶楽部の非休日のんびり音楽CD。(上海アリス幻樂団の公式ページより)


【トラックリスト】

1.月面ツアーへようこそ
  (オリジナル)
2.天空のグリニッジ
  (オリジナル)
3.東の国の眠らない夜
  (「東方文花帖」Level 6~7・Extra 撮影曲)
4.車椅子の未来宇宙
  (オリジナル)
5.Demystify Feast
  (「東方萃夢想」Stage.5 ボス曲)
6.衛星カフェテラス
  (オリジナル)
7.G Free
  (オリジナル)
8.大空魔術 ~ Magical Astronomy
  (オリジナル)
9.ネクロファンタジア
  (「東方妖々夢」Phantasm Stage ボス曲)
10.向こう側の月
  (オリジナル)

【概要】

 2006年8月13日に開催されたコミックマーケット70の3日目にて、上海アリス幻樂団より頒布されたCD、それが「大空魔術(おおぞらまじゅつ)」である。

 上海アリスの音楽CDシリーズの一つである「ZUN's Music Collecrion」のVol.5であり、秘封倶楽部のCDとしては、2006年5月の第三回博麗神社例大祭で頒布された「卯酉東海道」以来となり、およそ三ヶ月での新作と、早いサイクルでの発表となる。この年には例大祭にて、東方の旧作BGMを中心に収録した「幺樂団の歴史」シリーズも頒布が開始されており、上海アリスの楽曲CDが豊作の年となった。

 C70の頃、東京では2016年のオリンピック誘致を視野に入れた再開発が行われており、東京ビッグサイトでも一部の敷地が使用不能となっていた。また、2日目には大雨が有明を襲い、開業から10年が経過したビッグサイトでは、老朽化の影響もあり、壁からの雨漏りや、地下からの水の噴出等の問題が発生する。他にも、コミケが終了した14日のことではるが、東京で大停電が発生するなどの問題が発生した。なお、3日目の来場者は17万人にも及ぶことになる。

【STORY】

 街中を飛び交う号外、人々の関心を一挙に集めたニュース。それは「月面ツアーが実現する」というものであった。これまで人類の夢であった月面旅行が、ついに一般人にも手の届くものとなったのだ。

 宇佐見蓮子と、マエリベリー=ハーン(通称:メリー)。この日の秘封倶楽部の話題も、当然のことながら月面ツアーについてであった。大学構内のカフェテラスにて、合成卵と合成苺のケーキを楽しみながら、二人はまだ見ぬ月面について想いを馳せる。

 結界とは決して地上のみに存在するものではない。当然のことながら月面上にも存在し、月にも忘れられた世界が……煌びやかな文明と、月の都が隠されているはずなのだ。そして、その世界を開くことができるのは、境界の境目を見る能力を持つメリーをおいて他にはなかった。

 ……だが、大きな問題が秘封倶楽部の前に立ちはだかることになる。それは月面ツアーの“旅費”であった。

「ねえ蓮子。月面ツアーが高くて無理ならば、何か別の方法で月に行けないか考えてみない?」

 噴水の水面に映った月を見ながら、“魔術師”メリーはそう言った。

【補足】

 全10曲が収録されており、そのうち初発表となる曲は7曲と、オリジナル曲の占める割合が多い。その一つである「天空のグリニッジ」は、秘封倶楽部シリーズの中でも屈指の人気を誇る名曲となる。

 ブックレットはいつも通りに12ページから構成されており、ZUN曰く「今回は蓮子中心の会話が聞けます!」とのこと。その言葉の通り、ストーリー内では超統一物理学を選考する蓮子によって、秘封倶楽部の時代における物理学の現状が語られることとなる。

【備考、小ネタ】

・地上の私鉄。京都市内において地上を走る私鉄は、近鉄・京阪電車・京福電鉄の三つがある。
・大学が数多く集う地区あたりに絞れば、京福電鉄 叡山本線・鞍馬線の出町柳駅であり、京都大学もすぐ近くにある。
・スティーブン=ホーキング(実在の物理学者)を超える物理学者は登場していない。
・人類の火星探査は、まだ実現していないし、おそらく実現することもない。
・観測に要するエネルギーが莫大なものとなりつつあり、コストの問題から物理学は事実上終焉を迎えている。
・そして、月面ツアーのコストも高い。
・地上には、もう不思議はほとんどない。
・季節は冬~春?(ツアーの時期として、「夏休み」「今年の中秋の名月」という単語が登場している)
・蓮子の「星を見るだけで時間が分かる能力」は、日本標準時のみに対応している。
・世界の人口は減少へと転じている。
・日本は少子化のデメリットを回避し、選ばれた人間による勤勉で精神的に豊かな国民性を取り戻した。
・……「水面に映る月に飛び込んで、本物の月へ行く」というのは、八雲紫が第一次月面戦争において、月に攻め込む時に採った手法。

(文中:敬称略)

卯酉東海道 ~ Retrospective 53 minutes

IMGP8750
タイトル:「卯酉東海道 ~ Retrospective 53 minutes」
サークル:上海アリス幻楽団
作曲・編曲:ZUN
頒布:博麗神社例大祭3(2006年5月21日)
イベント頒布価格:500円
委託販売価格:700円

卯酉の道、心の旅
――東海道の地下は日本で最も日本的だった。
上海アリス幻樂団が奏でる、幻想的で激しい音樂集第四弾(CD「卯酉東海道」の帯より)

ヒロシゲは二人を乗せて東へ走る
極めて日本的な東海道を東へ走る
最も美しい富士の山、不老不死の富士の山
――秘封倶楽部にリアルとヴァーチャルが交錯する

上海アリス幻樂団の、幻想的で激しい音樂集第四弾!
「卯酉東海道(ぼうゆうとうかいどう) ~ Retrospective 53 minutes」
二人の休日は他愛の無い会話で過ぎていく。
秘封倶楽部の休日のんびり音楽CD。(上海アリス幻樂団の公式ページより)


【トラックリスト】

1.ヒロシゲ36号 ~ Neo Super-Express
   (オリジナル)
2.53ミニッツの青い海
   (オリジナル)
3.竹取飛翔 ~ Lunatic Princess
   (「東方永夜抄」Stage.6B ボス曲)
4.彼岸帰航 ~ Riverside View
   (「東方花映塚」小野塚小町のテーマ)
5.青木ヶ原の伝説
   (オリジナル)
6.お宇佐さまの素い幡
   (「東方花映塚」因幡てゐのテーマ)
7.月まで届け不死の煙
   (「東方永夜抄」Extra Stage ボス曲)
8.レトロスペクティブ京都
   (「東方文花帖」LEVEL8~LEVEL10 撮影曲)
9.ラクトガール ~ 少女密室
   (「東方紅魔郷」Stage.4 ボス曲)
10.千年幻想郷 ~ History of the Moon
   (「東方永夜抄」Stage.6B ボス曲)
11.最も澄みわたる空と海
   (オリジナル)

【概要】

 2006年5月31日に開催された第三回博麗神社例大祭にて、上海アリス幻樂団より頒布されたCD、それが「卯酉東海道(ぼうゆうとうかいどう)」である。

 上海アリスの音楽CDシリーズの一つである「ZUN's Music Collecrion」のVol.4であり、秘封倶楽部のCDとしては、2004年12月のC67冬コミで頒布された「夢違科学世紀」以来、およそ一年半ぶりの第三弾となる。

 この時の例大祭は、現在のようにビッグサイトではなく、池袋サンシャインシティでの開催であり、募集スペースも500と、現在の1/10程度(2013年の第10回は5013スペース)であった。

 なお、この回の例大祭にて「幺樂団の歴史1 ~Akyu's Untouched Score vol.1」が同時に発表され、同じ年の12月には「東方求聞史紀」が刊行される。

【STORY】

 「卯酉新幹線ヒロシゲ」。それは首都・京都と、東京を、わずか53分で直結する新幹線である。

 全線を地下に建設されたヒロシゲ。当然のことながら、外界の風景を乗客が見ることは叶わない。だが、その車内は天井と床を除いた半面がスクリーンとなっており、そこに偽物の美しい景色が映し出されるようになっていた。

 宇佐見蓮子と、マエリベリー=ハーン(通称・メリー)。彼岸の候、二人の大学生はヒロシゲ36号に乗って、京都から東京へ向かう道中にあった。蓮子の実家は東京にあり、彼岸参りで蓮子が東京へと帰省するのに便乗する形で、メリーも初めて東京へ旅行することになったのだ。

 「ヴァーチャルとリアルは決して区別できない」。いやむしろ、ヴァーチャルの方がリアルよりもずっと刺激的である。そんなことが常識となった時代。ヒロシゲのカレイドスクリーンに映る、いささか壮大すぎる富士山を見ながら、二人は語り合う。

 Designed by Utagawa Hiroshige...

 ……そして53分間の旅を終え、ヒロシゲは東京へと到着する。“神亀の遷都(じんぎのせんと)”によって首都ではなくなった東京の町。そこは、古き時代の様相が残る「未熟な都市」であった。

                                       
【補足】

 全11曲が収録されており、内4曲が今回のCDで初発表となるオリジナル曲である。既存の曲としては「東方紅魔郷」から1曲、「東方永遠夜抄」から3曲、2005年8月のC68夏コミで頒布された「東方花映塚」からの曲が2曲、2005年12月のC69冬コミで頒布された「東方文花帖」からも1曲が収められている。

 ヒロシゲは53分間で京都と東京を繋ぐという設定になっており、ブックレットに記載されたストーリーでは、その53分の間に行われた、蓮子とメリーのとりとめのない会話が描かれている。なお、その時間に合わせて、CDの総再生時間も53分となっている。


【備考、小ネタ】

・二人が「京都の」大学生であるらしいということが、初めて匂わされた。
・神亀の遷都によって、首都が東京から京都に移された。
・それに伴い、東京と京都を大量の人間が行き来する必要性が生まれた。
・そんな状況を受けて建設されたのが、地下を走る卯酉新幹線ヒロシゲである。
・ヒロシゲの駅は、卯東京と酉京都の二つだけ。
・ヒロシゲは53分間で二つの駅を繋ぐが、ヒロシゲが最高速を出せば、もっと早く到着できる。
・ヒロシゲが出来ても、旧来から地上を東海道新幹線は残されている。
・ヒロシゲが完成したのは、蓮子とメリーが生まれる前。
・二人は、お酒が飲める年齢……らしい。
・近年、富士山がようやく世界遺産に登録された。
・現実では、富士山が世界遺産に正式登録されたのは2013年6月22日である。
・東京は京都と違って田舎であり、懐かしい物が沢山あるらしい。
・自動車というものは前時代的な存在となり、衰退している。

(文中:敬称略)

夢違科学世紀 ~ Changeability of Strange Dream

sIMGP8746
タイトル:「夢違科学世紀 ~ Changeability of strange dream」
サークル:上海アリス幻楽団
作曲・編曲:ZUN
頒布:コミックマーケット67 2日目?(2004年12月30日?)
イベント頒布価格:500円
委託販売価格:700円

月の兎、月面探査車
――夢か現か、吉夢か、それとも悪夢なのか
上海アリスが奏でる、幻想的で激しい音楽集第三弾
(CD「夢違科学世紀」の帯より)

深い緑の森、冷たい鉄
白く輝く湖、淀んだ川
紅い洋館、灰色の塔
まあるい月、クレーターのある月
――夢か現か、吉夢か、それとも悪夢なのか

上海アリス幻樂団の、幻想的で激しい音樂集第三弾!
「夢違科学世紀(ゆめたがえかがくせいき) ~ Changeability of Strange Dream」
二人の霊能少女は、未来の悪夢を吉夢に変える。
秘封倶楽部のサークル活動記録音楽CD。 
 (上海アリス幻楽団の公式ページより)

【トラックリスト】

1.童祭 ~ Innocent Treasures
    (「東方の夜明け」 ZUN入場テーマ)      
2.華胥の夢
    (オリジナル)
3.上海紅茶館 ~ Chinese Tea
    (「東方紅魔郷」 Stage.3 ボス)
4.ヴォヤージュ1969
    (「東方永夜抄」 Stage.6 道中曲)
5.科学世紀の少年少女
    (オリジナル)
6.永夜の報い ~ Imperishable Night
    (「東方永夜抄」 Stage.4 道中のテーマ)
7.夜が降りてくる ~ Evening Star
    (「東方萃夢想」 セミファイナルステージのテーマ)
8.人形裁判 ~ 人の形弄びし少女
    (「東方妖々夢」 Stage.3 ボス曲)
9.夢と現の境界
    (オリジナル)
10.幻想機械 ~ Phantom Factory
    (西方Project 「秋霜玉」 Stage.6 ボス曲)
11.幽玄の機樹 ~ Eternal Dream
     (「東方永夜抄」 スタッフロールのテーマ)

【概要】

 2004年のC67冬コミ(おそらく2日目?)にて、上海アリス幻楽団より頒布されたCD、それが「夢違科学世紀(ゆめたがえかがくせいき)」である。

 上海アリスの音楽CDシリーズの一つである「ZUN's Music Collecrion」のVol.3と銘打たれており、C65で発表された「蓮台野夜行 Ghostly field Club.」に続く第三弾であり、また、秘封倶楽部のCDとしては第二弾となる。

 「蓮台野夜行」で封入されていたのは一枚から成るリーフレットのみであったが、「夢違科学世紀」では総計12ページから構成されるブックレットに秘封倶楽部の物語が綴られている。

 なお、余談であるがC67は2日間開催となったコミケであり、また、交通網が麻痺する程の本格的な降雪に見舞われた回でもあった。

【STORY】

 相対精神学を専攻する少女、マエリベリー=ハーン(通称・メリー)。超統一物理学を専攻する少女、宇佐見蓮子。二人は、本来禁止されている行為である「結界を暴く」オカルトサークル“秘封倶楽部”を結成し、活動を行っていた。

 ある時、蓮子はカウンセリングをメリーに依頼される。メリーは最近「夢」を見るようになったという。湖畔に佇む真っ赤な洋館の夢や、人ならざる存在が闊歩する竹林の夢……その中でメリーは、どれが夢の自分で、どれが現の自分なのか判らなくなってしまったと言う。

 結界の境目が見える能力を持つメリー。彼女の見たのは単なる夢ではなく、全て結界の向こう側で実際に起きていることであり、メリーは自身が気づかない内に結界の向こうへ飛んでしまっている。メリーの能力は、結界を「見る」ことが出来るだけのはずだったのに。

 「このままではメリーが危ない」。そして、蓮子が出した答えとは――

【補足】

 全11曲が収録されているが、今回はオリジナルが3曲と、オリジナル曲の占める割合が低い。1曲目の「童祭」は2004年開催トークイベント「東方の夜明け」におけるZUNの入場曲として作られた曲であり、上海アリス幻樂団の楽曲で唯一公式の歌詞がつけられている。ちなみに、2012年5月に行われた東方Projectオンリー即売会「博麗神社例大祭9」にて歌われたZUNの結婚おめでとうソングも、この「童祭」のアレンジとなっている。うっ、頭が……!

 2004年は、第1回博麗神社例大祭が開催された年であり、上海アリス幻樂団もこれに参加。「東方永夜抄」の体験版が頒布された。この製品版は2004年の夏コミC66で頒布され、そこで使用された楽曲が「夢違科学世紀」にも3曲収録されている。

 ブックレット内のストーリーにいおいて、メリーが見た幻想郷の光景が描かれており、「紅魔館と、そこのお手伝いさん」、「迷いの竹林と、人間の顔を持つ兎のような大鼠」、「紅く燃える炎の翼をまとった人ならざる少女」の姿が記されている。

【備考、小ネタ】

・このCDで、二人のフルネームが、初めて明かされる。
・二人の専攻も明かされるが、京都の大学生であることには一切触れられていない。
・「洋館のお手伝いさん」が、十六夜咲夜であるかは不明。
・「迷いの竹林の獣人」について、鈴仙・優曇華院・イナバなのか、ただの妖怪なのかは全くの不明。
・「炎の翼をまとった少女」は、永夜抄Exボスの藤原妹紅。
・CDのジャケットに妹紅が髪に付けているお札が描かれており、メリーが現に持ち帰っている。
・秘封倶楽部の時代では、天然の筍というものが非常に珍しい存在となっている。
・「東方求聞史紀」巻末の未解決資料の項目に、竹林でメリーが落としたメモが掲載されている。
・稗田阿求によると、そのメモは「数百年前に迷いの竹林で発見された」とのこと。

(文中:敬称略)

蓮台野夜行 ~ Ghostly Field Club.

sIMGP8745
タイトル:「蓮台野夜行 Ghostly field Club.」
サークル:上海アリス幻楽団
作曲・編曲:ZUN
頒布:コミックマーケット65 3日目(2003年12月30日)
イベント頒布価格:500円
委託販売価格:700円

そういえばこれ、誰のお墓かしら?
上海アリス幻楽団が奏でる、幻想的で激しい音楽第二段
(CD「蓮台野夜行」の帯より)

秋の夜、二人の霊能少女は幻想の世界を視る――

上海アリス幻樂団の、幻想的で激しい音樂集第二弾!
「蓮台野夜行(れんだいのやこう) ~ Ghostly Field Club」
幻想郷を知らない世代のオカルトサークル。
(上海アリス幻楽団の公式ページより)

【トラックリスト】

1.夜のデンデラ野を逝く
    (オリジナル)
2.少女秘封倶楽部
    (オリジナル)
3.東方妖々夢 ~ Ancient Temple
    (「東方妖々夢」Stage.5 道中のテーマ)
4.古の冥界寺
    (オリジナル)
5.幻視の夜 ~Ghostly Eyes
    (「東方永夜抄」Stage.1 道中のテーマ)
6.魔術師メリー
    (オリジナル)
7.月の妖鳥、化猫の幻
    (オリジナル)
8.過去の花 ~ Fairy of Flower
    (「東方妖々夢」未使用曲)
9.魔法少女十字軍
    (西方Project 「秋霜玉」Stage.5 ボス曲)
10.少女幻葬 ~ Necro Fantasy
    (「東方妖々夢」Extra Stage ボス曲)
11.幻想の永遠祭
    (オリジナル)

【概要】

 2003年のC65冬コミ3日目にて、上海アリス幻楽団より頒布されたCD、それが「蓮台野夜行(れんだいのやこう)」である。

 上海アリスの音楽CDシリーズの一つである「ZUN's Music Collecrion」のVol.2と銘打たれており、C63で発表された「蓬莱人形 ~ Dolls in Pseudo Paradise.」に続く第二弾となる。

 「ZUN's Music Collection」の第一弾である「蓬莱人形」はストーリー仕立ての楽曲CDとなっており、それは第二段となる「蓮台野夜行」においても踏襲されることとなる。だが、この「蓮台野夜行」からは“蓮子”と“メリー”、二人の少女から構成されるオカルトサークル“秘封倶楽部”の活動を描くものとなっている。

【STORY】

 結界の境目が見える力を持つ少女、メリー。星の光で今の時間が、月を見ただけで今居る場所が分かる力を持つ少女、蓮子。二人がメンバーとなる“秘封倶楽部”は、禁止された行為である「結界を暴く」霊能者サークルであった――

 蓮子がメリーの元に持って来た写真、そこに写っていたのは古い寺院であった。しかしそれはただの寺院の写真ではなく、冥界と現世が写ったものであった。そして二人は、その場所が「蓮台野」と呼ばれる場所であることもつきとめる。

 秋の日の夜、秘封倶楽部は「入り口」を暴くため、墓地へ向かう……

【補足】

 オリジナル6曲に既存の5曲(アレンジ有り)を加えた合計11曲から構成される。2003年は「東方妖々夢」が発表された年であることや、「蓮台野夜行」では冥界がテーマとなっていることが関係しているからか、妖々夢から収録された曲が多い。なお、「過去の花 ~ Fairy of Flower」も実際には作中未使用であるが、「妖々夢」で使用される予定だった曲とされている。

 また、「幻視の夜 ~Ghostly Eyes」は、当時開発中であった「東方永夜抄(2004年夏コミ発表)」のStage.1道中の曲であり、「魔法少女十字軍」は、かつてZUNが籍を置いた東京電機大学の非公認サークル「Amusement Makers」の手による弾幕シューティングゲーム「西方Project」第一弾である「秋霜玉(しゅうそうぎょく)」からの収録となっている。

【備考、小ネタ】

・物語はメリー視点の一人称で語られる。
・「蓮台野夜行」の時点では、二人のフルネームは登場しない。
・二人が京都の大学生であることにも言及されていない。
・季節は秋
・結界を暴く行為は禁止されている。
・メリーは彼岸花が嫌い。
・蓮子のセリフに「博麗神社」という単語が登場している。
・7曲目「月の妖鳥、化猫の幻」の前半部分は蓮子の、後半部分はメリーのテーマとなっている。

(文中:敬称略)
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同人サークル:京都秘封探訪です。秘封倶楽部を中心とした東方Projectのあれこれを書き綴っています。8/13のC90夏コミ2日目「l-04a(エル-04a)」にて秘封倶楽部の小説「開闢の物語」を再々販。新刊「月と星から考察する秘封倶楽部の年代」を頒布予定でございます。