2010年03月25日

『現代中国学―「阿Q」は死んだか』のレビュー3

現代と言っても、97年の本。
なんとも掴みどころのない半学術書という印象でした。

現代中国学―「阿Q」は死んだか (中公新書)現代中国学―「阿Q」は死んだか (中公新書)
著者:加地 伸行
販売元:中央公論社
発売日:1997-08
おすすめ度:4.5
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【紹介】
中国と言えば、これまで日本人は、格調高い中国古典に関心を抱き、伝統中国に郷愁を覚えるのが普通であり、現代中国や無数の愚民「阿Q」にはあまり関心がなかった。しかし好むと好まざるとにかかわらず、日本は現代中国と共生してゆかねばならない宿命にある。その現代中国を、表面的にではなくて、古典中国学・伝統中国の研究者の立場から本質的に分析し、「「阿Q」は死んだか」と問い続け、真の現代中国学の必要性を提唱する。
amazonより)

たしかに、中国について語る人は、古典か戦争についてのどちらかにしか興味がなさそうな気はします。
共産主義礼賛みたいな基地外まがいの人が語る以外で、現代中国について考察されている文献というのはあまり表に出てこない印象ではあります。
そういった中で、感情論を挟まず、冷静に古代中国から近代の戦争、そして文革や天安門を踏まえて、現代中国を考察している貴重な本といえます。

【内容】
現代中国を、大学の講義と演習の形式で紹介している。ちなみに、私は大学に行っていないので、実のところこの形が効果的なのかどうかの判断はつかなかった。
論考の内容はかなり幅広く、日本人と中国人の考え方の比較から始まり、経済・政治・宗教など多岐に渡る。現代中国を構成する要素を一つ一つ拾い上げていっているという印象であった。
中国における共産主義の考え方などは中々面白く、自由経済と共産主義の共存が可能である理由など、個人的に不思議に思っていた部分だったので、偶然ながら知ることができて良かった。
画家の斉白石の生き様など、すこしばかり中国人の実利主義に共感できるところもあった。
全体的に視点が面白く、個人的には新しい知識というものをたくさん得られた。

【総評】
単純に面白いかといわれれば、正直面白くはない内容。
ただ、現代中国に興味がある人なら、ぜひ読んでおくべきだと言える。
この手の本の中では比較的読みやすい方ではあるか。



reviewmylife at 22:29│Comments(0)TrackBack(0) 一般書 | レビュー

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