2013年08月

2013年08月31日

ナクチュ地区シャク・ロンポ僧院続報 党のテレビショー

dathan_shang_cantonmentチベット自治区ナクチュ地区ナクチュ県にあるシャク・ロンポ僧院(ཤག་རོང་པོ་དགོན་པ།)が、当局による度重なる弾圧の結果7月末に閉鎖に追い込まれたという話しはすでに報告した。そして最近、その続報が伝えられた。

現地からの報告によれば、この僧院閉鎖を悲しく思った現地チベット人約50人が僧院を警備する警察や軍隊、役人たちと衝突した。その結果、大勢の負傷者が出て、病院に運び込まれるものもいたという。

この衝突事件の後、彼らを罰しないよう求めるために、地区の代表者や僧院僧侶たち約40人が役所に陳情に行ったという。しかし、彼らは全員拘束され、20日間の厳しい「政治教育」を科せられた。

地域の監視体制も強化され、それまで2カ所であった軍の駐屯地が5カ所に増やされ、約2000人の軍隊が常駐しているという。軍は毎日、完全武装して、地区を巡回し、住民を脅し続けているという。さらに約400人の役人が監視のために村々に派遣されている。また、住民の移動は厳しく制限され、電話やネットも遮断されたままという。

こんな中8月23日には、チベット自治区副書記を始めとする共産党の高官がTVクルーを伴ってシャク・ロンポ僧院を訪れ、地区の住民は平和に暮らしており、僧院も政府の力で拡張される予定であるというプロバガンダショウが行われた。

このために、前日からラサのセラ僧院とデブン僧院の高僧が呼ばれ、強制的に呼び集められたシャク・ロンポ僧院の僧侶たちと共にその日テレビの前で党高官に歓迎の意を示すためにカタを捧げ、「自分たちは党のお陰で幸せに暮らしている」とテレビの前で答えるようにと命令された。しかし、僧侶たちはカタを持参せず、歓迎の意を示そうとはしなかったという。これを見た役人たちは、自分たちで用意したカタを僧侶たちに持たせ、もしも言う通りにしない場合は厳罰に処すると脅したという。

また、歓迎の意を示そうとしない現地の住民たちに対し、地区の党書記であるギェルツェン・ワンチュクは「テレビの前で、笑顔を見せ、高官たちに対し拍手しなければならない。そうしない場合は政治的に違法な行為と見なされる」と脅したという。

現地の人は「テレビの放送は全くの嘘だ」と強調した。

周辺のディル県やソク県でも警戒が強化され、住民への監視が厳しく行われているという。

参照:8月30日付けTibet Expressチベット語版
8月30日付けTibet Timesチベット語版
8月31日付けphayul
8月31日VOT放送分

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2013年08月30日

ダラムサラ:ダライ・ラマ法王ティーチング 8月25日〜27日

_DSC0441遅ればせながら、今月25日から27日までの3日間、ダラムサラ・ツクラカンでダライ・ラマ法王が行われたティーチングについて、写真とともに報告する。

今回のティーチングは韓国人グループのリクエストによるもの。もっとも韓国人は250人ほどとあまり多くはなかった。その他お裾分けで参加した日本人を含む外国人、インド人、チベット人の数は約5000人。

7月初めにブッダガヤで爆弾テロ事件が発生し、インド内で仏教徒や仏教施設がイスラム過激派の標的とされた。インド情報局が入手した情報によれば、犯人たちは「ブッダガヤの次はダラムサラだ」と明言したのだそうだ。というわけで、ダラムサラのツクラカンや法王パレス周辺の警備は俄然強化され、今では法王がお出ましになっていないときでも、ツクラカンにはカメラとモバイルが持ち込めないということになっている。

今回のティーチングでも、これまで各国語通訳を聞くために各自が用意し携帯していたFMラジオの持ち込みが禁止された。代わりに日本人等には法王庁が用意したFMラジオが渡された。メディアに対するチェックも強化され、これまでOKだった携帯電話が禁止され、チェックもパレスの前にある特別室で行われた。

8今回のティーチングのテキストはゲルク派創始者であるジェ・ツォンカパ(1357〜1419)の『菩提道次第集義(ལམ་རིམ་བསྡུས་དོན།)』。アティーシャの『菩提道灯論』に範をとり著されたラムリン(菩提道次第)シリーズの1つであり、非常に簡潔に悟りへの階梯がまとめて説かれている。

テキストの流れを要約すれば、まず最初に仏教の教祖である釈迦牟尼仏陀に礼拝し、ついで文殊菩薩、ナーガルジュナ、アサンガ、アティーシャ、全ての師の順番に礼拝の偈が捧げられる。次いで、師に付く事の大事さ、宝の如くに稀で貴重な人生を無駄にせず意義あることに努力すべき事、来世以降も修行のために最適な人間という生を得るために帰依の心を起こし、悪行を避け善行に努めるべき事(下士の行)。

_DSC0473次に輪廻に生まれ続けること自体の苦しみを認識し、出離の心を起こし、輪廻の源を断ち切る方法を学ぶ事(中士の行)。

次に全ての有情の苦しみを取り除くために仏陀の位を求めるという大いなる志を起こし(発菩提心)、菩薩戒を受け、菩薩の行である六波羅蜜行を学ぶ。以下、六波羅蜜行である布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧の各行について説かれる。

次に「心を一点集中させる禅定だけでは輪廻の源を断ち切ることはできない。止の修行を離れた智慧で如何に分析しても煩悩を滅することはできない。真如を見極める智慧が揺るがぬ止の馬に乗ると極端論から離れた中道の論理という鋭い武器により極端論を支えるすべての土台を破壊することができる。」として「止観双運」の重要性を説き、

26_030さらに、「瞑想中の虚空のような空と、瞑想時以外の幻のような空の2つに瞑想し、方便と智慧を結び合わせることにより、菩薩の行いを完成させ、賞賛を受けるものとなる。このように理解して、恵まれたものたちは(方便か智慧の)片方だけの修行道に満足することはない。修行者である私も、このように修行した。解脱を求めるあなたもまた、このように修行すべきである。」として方便と智慧を鳥の両翼のように合わせ行じるべきことが説かれる。

最後にこのようにして顕教の教えを完成したものは次に密教の教えを実践すべき事が説かれ、回向により結ばれる。

8ダライ・ラマ法王は最初、いつものように仏教と他の宗教の違いを簡潔に説明し、仏教とは何かについて説かれた。次にテキストを順次解説され、3日目には菩薩戒を授けられ、同時に智慧の仏神である般若波羅蜜母の瞑想を伝授された。

この最後の部分のみ以下日本語にしてみる。

菩薩戒を授けられた後に法王:

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

菩提心を起こし、六波羅蜜の行についての説明を終えた。菩提への心を望むだけでなく、そのための行を全て学ぼうという意志を起こし、その決意を表すために菩薩戒を受けたことになる。菩薩戒を受けた者は根本戒18と副次戒46について知り、これを守らなければならない。もしも、すぐにこの菩薩戒を守るという勇気はないという場合には、菩提心を起こし、近い内にこの行を全うしようという意志を持ち、そのための能力を得ますようにと願うだけでもいいであろう。

8これから(般若波羅蜜母の)ゴムルン(瞑想口伝加持)というものを行う。ཨོཾ་སྭ་བྷཱ་ཝ་ཤུདྡྷཿསརྦ་དྷརྨཿསྭཱ་བྷཱ་ཝ་ཤུད་དྷོ྅་ཧཾ། (オーム・スンババシュダ・サルバダルマ・スンババシュッダ・ハム 全ての現象は空性にとけ込む)と唱え、あなた方弟子たちが般若波羅蜜母として現出する。この仏神の灌頂を受けたことのあるものは自身を般若波羅蜜母として観想することが許される。灌頂を受けたことのないものは般若波羅蜜母を自身の頭頂に観想する。

ཨོཾ་སྭ་བྷཱ་ཝ་ཤུདྡྷཿསརྦ་དྷརྨཿསྭཱ་བྷཱ་ཝ་ཤུད་དྷོ྅་ཧཾ། (オーム・スンババシュダ・サルバダルマ・スンババシュッダ・ハム)と唱え空に瞑想する。詳しいことは省くとして、私という存在は「我とは悪魔の心」と経に説かれるように、実体はない。「私>我」という存在を探し求めるとまったく見つける事ができない(人無我)。それだけではなく、「五蘊もまた空であると見よ」と(チベット版般若心経に)説かれているように、私と名付ける基体となっている五蘊もまた自性が空である(法無我)。自性(実体)として成立しないという真理は、究極の真理として全ての現象を覆うものである。分析しないときには定義とか(実)体ということも認められるが、その体をもとめ分析すると見つけ出すことができないということがわかる。全てが消えてしまう。心からその対象が消えてしまう。つまり正しい分析(正理智)により現れの実体を求めるならば、それは求められず、消えてしまうということになる。だから、これはなにかといえば、(現象は)何かに依って名付けられたものなのだという結論に至る。故に、何かに依らずに独立して存在する現象は何も無いのだ、ということが最終的に納得される。今、この理解に留まり、瞑想するように。

DSC_4832般若心経の中に「色即是空 空即是色」と言われるように、全ての法(現象)は空であるが故に原因に依って(現象として)生起(成立)することができるのだ。自体(自性)があるならば原因に依るということが不可能となり、生起することもないということになる。だから、「空即是色」と言われるのだ。「色即是空」というは、「色(物質的現象)」そのものが他に依って成立するものであるから「色」そのものが「空」であり、「自性」を欠くものなのだ。「色」という自性のないものの上にさらにそれが「空」であるという話しではなく、「色」そのものが自性として「空」であると言っているのだ。「空」であるが故に機能を果たすことができる。他に依ることができる。独立した存在であるなら他に依ることはありえない。だから「空即是色」なのだ。このような「色」と「色の上の空」という2つは属性は別といえる。1つは(正理により)分析する前の「色」であり(世俗諦)、もう1つは分析した後に明らかとなる「空」である(勝義諦)。この2つは体を1つとし、異なる属性を持つもの(1つのコインの裏表のようなもの)である。分析する前の属性と分析後に現れる属性である。

_DSC0618般若波羅蜜母。

このように無自性を理解する心そのものを、灌頂を受けているものは、蓮華と月輪の上に般若波羅蜜母の種子である白色のཨ(アー)字と観想し、その種子が四手黄色の般若波羅蜜母に変化したと見なす。灌頂を受けていないものの場合は、自身の無自性を一心に信じる心が、自身の頭頂にある蓮華の上のཨ(アー)字となったと観想し、それが四手黄色の般若波羅蜜母に変化したと見なす。

その般若波羅蜜母の心の中心に6つの車軸を持つ輪を観想し、その中心に白いཨ(アー)字を観想する。さらに、それぞれの車軸の上に右回りにཏདྱ་ཐཱ། (テアタ 即説呪曰)/ ག་ཏེ་(ガテ 羯諦)/ ག་ཏེ་(ガテ 羯諦)/པཱ་ར་ག་ཏེ་(パラガテ 波羅羯諦)/པཱ་ར་སཾ་ག་ཏེ་(パラサンガテ 波羅僧羯諦)/དྷི་སྭ་ཧཱ། (ボディーソーハー 菩提薩婆訶)という文字が順番に乗っていると観想する。

般若波羅蜜母の姿と化しているラマの心の中心にも同様の法輪があると見なし、(真言を唱える間に)そのラマの法輪から全ての現象に関する一般の智慧と特に空生を理解する智慧が白い光となって弟子たちの輪の中にとけ込むと観想する。般若波羅蜜母を頭頂に観想しているものはそこから多量の白い光が自身に滴り、自身にとけ込んで一般的智慧と特に空性を理解する智慧が生じていないものは生じ、生じているものは増すという特別の加持を得たと観想するように。

これからその真言を3度唱える。私の後に続いて唱えるように:テアタ・ガテ・ガテ・パラガテ・パラサンガテ・ボディーソーハー/テアタ・ガテ・ガテ・パラガテ・パラサンガテ・ボディーソーハー/テアタ・ガテ・ガテ・パラガテ・パラサンガテ・ボディーソーハー。

これで加持は終わった。ははは。ま、とにかく空について瞑想することは非常に大事だ。菩提心と空について日々考えることが大事だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

26_009日本人グループ。












26_0131日目のティーチングが終わり、日本人グループに近づかれる法王。










DSC_4858日本人グループの最前列にいた人たちと握手される法王。それら日本人大喜び。










DSC_4837以下、その他ティーチング中の写真。











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2013年08月29日

ダライ・ラマ法王の夢

217ダライ・ラマ法王は昨日、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(キング牧師)が50年前の昨日ワシントンで行った有名な演説「私には夢がある」を記念する、NBCニュースの「夢の日」企画の一環としてダラムサラの自宅で自身の夢を語られた。

法王のメッセージビデオはここ

日本語拙訳は以下:
私にはいつも1つの夢がある。今世紀中に世界が1つの本当に幸せな家族になることだ。これを実現するためには「人間性は1つであるという認識*」を持つことが必要だ。これは教育により、より全体的、現実的な思考方法を学ぶことにより、可能であると確信する。教育と自覚により「人間性は1つであるという認識」を育てることができると思う。この時、暴力や戦争の基盤は消滅する。こうして、この世紀が平和と非暴力の世紀となりえるのだ。

*法王の英語では「Sense of oneness in humanity」。簡単に言えば「人間は一緒と知ること」。

king3キング牧師として知られるマーティン・ルーサー・キング・ジュニア(Martin Luther King, Jr.1929〜1968)はアメリカの牧師であり、アメリカの黒人公民権運動の指導者として活躍した人である。

50年前の1963年8月28日に、25万人を動員したワシントン大行進においてリンカーン記念堂の前で、人種差別の撤廃と各人種の協和を説くために行った「I Have a Dream”(私には夢がある)」と後に題された演説は20世紀中に行われた最も強力な政治的演説の1つと見なされている。(演説の英語原文はここ。日本語訳はここ。)

彼を先頭に人種差別撤廃運動が盛り上がった結果、次の年の1964年には「公民権法」が制定され、建国以来200年近くの間、アメリカで施行しれてきた法の上における人種差別が終わることになった。この年、キング牧師はノーベル平和賞を受賞し、死後2004年には議会名誉黄金勲章を受賞している。

キング牧師が先導した運動の特徴は徹底した「非暴力主義」であった。これはガンディーに啓蒙され、牧師としての素養が加味されたものであった。

ノーベル平和賞とアメリカ議会の黄金勲章を受賞したという点、さらに「非暴力主義」という点でもキング牧師はダライ・ラマ法王との共通点が多いと言える。両者ともに権力に対し正当な権利を要求する闘いを非暴力で導く指導者である。敢えて違いを上げれば、キング牧師はガンディーのように自ら運動の先頭に立ち民衆を導いたが、ダライ・ラマ法王は今まで一度も具体的な運動の先頭に立たれたことがないということぐらいか。もっとも、今回の法王のメッセージからも解るように、法王の夢の中心はすでにチベットを飛び越えて、世界平和であるといえよう。仏教と中国が育てた世界平和のリーダーである。

キング牧師の運動は相手がアメリカということで、一定の成果を勝ち取ることができたが、ダライ・ラマ法王の場合は中国を相手に今のところ何の成果も得られていない。キング牧師の活躍により、アメリカの黒人が完全に人種差別から解放されたというわけではないが、それから40年以上経った後アメリカはオバマ大統領という黒人の大統領を生んだ。キング牧師の「私には夢がある」演説50周年を記念するイベントにオバマ大統領が出席したという日本語の記事も出ている。

BBCのリクエストに答えダライ・ラマ法王はキング牧師を讃えるビデオメッセージも発表されている。この日本語拙訳は以下:
私はいつもみんなに話している、「70億人の人間はみんな幸せな生活を求めている。そして全ての人間は幸せな生活を実現するための平等の権利を持っている」と。他人を虐めること、他人を搾取することを正当化できる基盤はない。

他の人々の幸せに対し真摯な思いやりを持つ人々には、遅かれ早かれ自然に発言すべき時がくるものだ。この偉大な人、マーチン・ルーサー・キング氏は、他人に対する配慮、特に虐げられた人々に対する思いやりと共に、ビジョンと勇気を持って、闘い続けたのだ。私は心から彼を賞賛する。

彼の闘い、権利を勝ち取るための闘いは完全に非暴力の手段によるものだった。彼はマハトマ・ガンジーの真の後継者であった。その精神は彼を賞賛する人々全てにより受け継がれるべきものだ。私たちには彼の精神を受け継ぐ責任がある。それは正義のための闘いであり、その方法は厳格に非暴力を守り、憎しみなく、怒りなく行われるべきものだ。彼は一度も白人に対する憎しみや怒りを表したことがない。彼らも人間なのだ。

また、現実的な意味でも、もし何かを成し遂げたいならば、実際、相手と共同しなければならないのだ。相互理解、相互尊重が欠かせない。それなしには目的を達成することはできない。だから、私のように彼を尊敬する人々は彼の精神について真剣に考え、その実践を試みるべきなのだ。

なおこのキング牧師演説50周年企画の一環としてダライ・ラマ法王だけでなく、パキスタンの勇敢な少女マララを始め世界中の人権に関わる有名人がそれぞれの夢を語っている。彼らの夢を知りたい人はここへ

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レゴンの人気歌手に5年の刑

3ee690e2-4ba2-4bec-adc6-746669de2478チベット人歌手シャオ・タシ。

チベット人歌手への弾圧が続いている。RFAによれば、青海省黄南チベット族自治州中級人民法院は最近、秘密裁判によりレゴンの人気歌手シャオ・タシ(ཤྭ་བོ་བཀྲ་ཤིས།40)に5年の刑を言い渡した。彼は焼身抗議者の写真等の情報を広め、政治的に禁止されたテーマについて歌ったとされた。

現地と連絡をとった、在ヨーロッパのチベット人ソナムがRFAに伝えたところによれば、シャオ・タシは「2012年11月7日にレゴン県ドワ郷で焼身、死亡したタムディン・ツォ(23)の最後の言葉を上書きした写真を流布し、抗議デモに参加し、チベット人アイデンティティーに関する歌を歌った」ために刑を受けたという。

判決の正確な日時や罪状は未だ不明。「彼の家族も刑を受けたと最近聞かされるまで、彼がどこにいるのか、どんな健康状態なのかについてまったく知らなかった」という。現在彼は西寧の刑務所に収監されている。彼は去年11月中に拘束され、その後行方不明となっていた。

シャオ・タシはレゴン県ドワ郷ドチョク村の出身。若いときから才能ある歌手として注目され、多くのCDを発表している。特に彼がダライ・ラマ法王のことを歌った「遥かなる父」という歌はチベット人の間で非常にポピュラーな歌となっていた。その他、環境保護、母語擁護、チベット人団結を訴える歌を多く発表している。

焼身抗議に関連したとされるチベット人歌手の逮捕、受刑が続いている。今年2月にはンガバの歌手チャクドルとペマ・ティンレーがそれぞれ2年の刑を受け、先月中頃、ラサでマチュの歌手ケルサン・ヤーペルが逮捕されている。

その他参照:8月28日付けRFAチベット語版
同中国語版
8月29日付け9−10−3の会 中国語リリース

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2013年08月28日

中国人密猟者と地元のチベット人が衝突 当局は無視

imageチベット高原に住む野生のロバ、キャン。

RFAに現地から報告されたところによれば、今年7月22日と23日、アムド、ゴロ州ペマ県マルコク・チェンポにあるチャパヤンと呼ばれる政府の保護森に中国人密猟者たちが現れ、ワイヤーの罠等を使い野生の鹿、ジャコウ鹿(གླ་བ་)、キャン(རྐྱངས་野生のロバ)、猿などを狩猟したという。

これを知り、政府から野生動物保護を委託されている現地のチベット人たち20人ほどが、直ちに現場に向かった。密猟者たちは彼らに石を投げ、「鉄棒」で襲いかかったという。チベット人たちも素手で闘い、激しい衝突となった。「警察も現場に現れたが、何もせず去って行った」という。

去年、同じようにことが起った時、チベット人たちは密猟者たちの持ち物を奪い、地方当局に証拠として提出し、対策を訴えたが政府は何もしなかった。「地元のチベット人がこの問題について当局に訴えても、彼らは何もしない」と現地の人はいう。

「中国中央政府の『チベットの脆弱な環境を保護すべき』という方針は、しばしば中国人移住者により無視される」と専門家はコメントする。

参照:8月27日付けRFA英語版
同チベット語版

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2013年08月26日

再びチベットの人気歌手逮捕

photo29歌手ケルサン・ヤーペル。

中国当局は先月15日前後にラサでアムド、ケンロ、マチュ(甘粛省甘南チベット族自治州瑪曲県)の人気歌手ケルサン・ヤーペル(སྐལ་བཟང་ཡར་འཕེལ་)を拘束し、四川省成都の拘置所に拘留した。

元政治犯ラモ・キャプが伝えるところによれば、2012年10月と11月に、彼はチベット内の他の有名歌手多数と共に純粋チベット語を奨励する趣旨の下に「雪山の華」という歌会を主催した。その時、彼が歌った「チベット人たちよ」という歌を当局が政治的に問題があるとみなし、彼は成都の警察から追われる身となっていた。

この歌会のCDは青海省、甘粛省、四川省、雲南省に広く流布されていたが、当局は発売から1ヶ月後にはこのCDを発禁とし、回収し始めた。

彼はこれまでに多くのCDを発表し、チベット全土で若者から年寄りまで広い層から人気を得ていた。彼は38歳、3人の子供がいる。

問題とされた「チベット人たちよ」の歌詞の日本語試訳は以下。

チベット人たちよ チベット語を学ぼう
チベット語を話そう チベット語を話しチベットの文字を学ぶ責任は我々にある

チベット人たちよ 我々は団結しよう 団結しよう
アムド、カム、ウツァン全てが団結しよう

チベット人たちよ 勇気を持とう
苦楽を越え 歳月を越え 勇気を持とう

チベット人たちよ 苦楽を伝え合おう
将来のチベット人の夢を語ろう

チベット人たちよ 忠誠の心を持とう
忠誠という共通の柱を支えに 前進しよう

チベット人たちよ 精進しよう
新世代にチベットの伝統を守るのは我々だ チベット人たちよ


参照:8月7日付けTibet Times チベット語版



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2013年08月24日

焼身に関わったとしてレゴンのチベット人5人に懲役刑

2012年11月にはレゴン県だけでも11人が焼身抗議を行った。特にレゴン県ドワ郷では11月中に4人が焼身してる。4人とは11月7日にタムディン・ツォ(23)、12日にニンカル・タシ(24)、同じく12日にニンチャク・ブム(20)、22日にルンブム・ギェル(18)である。4人とも死亡している。そして、今回判明した焼身抗議に関係したとして刑を受けたチベット人5人の内4人はこのドワ郷出身者である。

8月12日付けRFA英語版によれば、2012年11月中に拘束され、今年2月に秘密裁判により刑を受けていた2人の消息が最近やっと伝えられたという。当局による情報封鎖により、情報が伝わるのが遅れたと思われる。

青海省黄南チベット族自治州の中級人民法院は2013年2月8日、ドワ郷出身のアク・ギャタック(63)に対し「分裂主義煽動」の罪で4年の懲役刑、2年の政治的権利剥奪を言い渡した。

現地からの報告によれば、彼はドワ郷を視察に来た役人への態度を理由に罰せられたという。「(2012年)11月11日、州、県、地域レベルの中国人役人が焼身やその他の抗議活動の実体を調べるためにドワ郷に来た。その時アク・ギャタックは彼らに対する不満を表明した」という。

さらに、彼は焼身後の抗議デモの煽動者とされ、「焼身者の家族に悲しみを伝え、香典を差し出した」ことを白状したとされる。

imageドルジェ。

同じく今年2月初めに同法院はドルジェと呼ばれる中学校生徒に2年半の刑を言い渡した。スイス在住のチベット人ソナムが伝えるところによれば、「ドルジェは2012年11月に焼身後の抗議デモに参加したとして他の大勢のチベット人と共に拘束された」。そして特に彼は「デモの最中、チベット独立のスローガンを叫び、また、『チベットの伝統保持者』という組織を立ち上げた」とされた。

2人とも現在西寧の刑務所に収監されているという。

8月20日付けTibet Timesチベット語版その他によれば、去年11月中に拘束されていたドワ郷出身の僧俗若者3人に焼身に関わったとして、黄南チベット族自治州中級人民法院が最近、秘密裁判によりそれぞれ2年の刑を宣告したことが判明した。

Lhamo_in_Rebkon1ラモ。

焼身を唆したとして、レゴン・ロンウォ僧院僧侶ツォンドゥ・チュデン(19)に2年の刑。チベット独立を叫び、中国国旗を下ろしたとしてラモ(20)に2年の刑。同じくチベット独立を叫んだとしてドンゲ・サンメ家の17歳の学校生徒(氏名不明)に2年の刑。彼ら3人は現在西寧の刑務所に収監されているという。

その他、ドワ郷カルキャ村出身のスブム(18)と呼ばれる若者がチベット独立を叫び、また焼身者のバイクに前日ガソリンを入れたとして、同じく西寧の刑務所に収監されながら刑の宣告を待っているという。

その他参照:8月19日付けRFAチベット語版
8月20日付けphayul

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2013年08月23日

焼身者の甥とその友人が失踪し10ヶ月半

2013_8_21去年10月4日、自治区ディル県出身の作家グドゥップ(དགུ་འགྲུབ།)は感動的な遺書を残し焼身、死亡した。その後、当局により家族や親戚が大勢拘束されたが、そのほとんどは解放されている。しかし、彼が焼身した2日後、10月6日にラサで拘束された甥のタシ・チュワン(བཀྲ་ཤིས་ཆོས་དབང།)とその友人であるアプ・ソナム(ཨ་བུ་བསོད་ནམས།)は現在も行方不明のままであると最近内地から報告があった。

2人ともラサにあるドゥンカル言語学校の生徒であった。タシ・チュワンはグドゥップが焼身した時、さらに別の学校に入るために北京にいたという。叔父であるグドゥップが焼身した後、当局により北京がから追い出され、ラサに帰ったところを拘束されたのだと、報告者は語る。

その後、彼ら2人の消息はまったく途絶えたままである、家族は非常に心配しているという。

d874ba782012年10月4日にチベット自治区ナクチュの街中で焼身、死亡した作家グドゥップは目撃者の話しによれば「我々はどこに行こうと自由がない。チベットに自由を!ダライ・ラマ法王のチベット帰還を!」と叫んだという。

彼が残した遺書を以下再掲する。

命により打ち鳴らされし国家(チベット)の太鼓の音

苦楽と業を共にする雪山の人々(チベット人)の目標は、完全な独立を達成し、ダライ・ラマ法王をチベットにお招きすることである。しかし、ダライ・ラマ法王は非暴力による中道路線を提唱され、名実ともなる自治獲得に努力されている。そして、600万チベット人はこの法王のお言葉を頭上に掲げ、長期にわたり希望を共にして来た。

しかし、中国政府はこの提案に興味を示し賛同するどころか、チベット人の福祉を語るだけでもその者を逮捕し、非常な拷問を与え、ダライ・ラマ法王を非難せず、チベットが中国の一部であると認めない者を暗殺したり、失踪させたりする。チベット人の幸福にはまったく興味を保たず、真の現状を隠し続ける。

我々は非暴力の闘いをさらに研ぎすまし、チベットの真の現状を知らしめ、証拠を示すために、自らの身を火に捧げ、チベット独立を叫ぶ。虚空に有られる神々よチベットを照覧あれ、母なる大地よ悲愛とともにチベットを見守られよ。地上にある世界の全てよ真実に注目されよ。

清らかであった雪の国は赤い血に染まり、非情な軍隊により覆われ、絶え間ない弾圧の下にある。しかし、勇敢にして挫ける事のない雪の子供たちは、智慧の弓を引き、命の矢を放ち、真実の闘いに勝利するであろう。

最後に、雪山の同胞たちよ、平等と自由の権利を享受するために、チベット全体の目的を主とし、個人的な利害を捨て、団結を強めて頂きたい。これが私の願いだ。ディルの人グドゥップより。2012年3月14日。


雪の国チベットの兄弟姉妹よ、過去を振り返れば、喪失、怒り、悲しみ、涙のみで喜びを見いだすことができない。来る水龍の年(来年)には皆さんに健康と成功がもたらされることを重ね重ね祈る。

民族の誇りを保ち、喪失や苦しみに直面しても、決して勇気を失わず、団結を強めて頂きたいと強く願う。ディルのグドゥップより。


世の人々は富と権力、親愛と名声を得ることが幸せの基と思い、このために争い、利己的目的のみを追いかける。これら全てを遠く捨て去り、遥かなる目的のために進むも、何も獲得できず、蒼穹空々、大地漠々、光射さぬ闇と深淵に吹き荒ぶ強風に曝され、我が心の底に燃え続ける希望という炎により我が身は灰と化すか。しかし、火、水、風や荒々しい武器により我が身が粉々になろうとも、後悔せず、悲しみの叫びを決して上げないということが私の誓いである。


We Chatの中に

1. 最後の祈り:チベットには完全な独立が必要だ。中国人はチベットから出るべきだ。ダライ・ラマ法王をチベットにお招きすべきだ。内外のチベット人が再会できる時まで、中国政府がいくら弾圧しようとも、我々は抗議を続ける。

2. 民族のために真実を訴える。自由のために我が身を捧げる。


友人に贈る手紙

今日まで、貴殿が示して下さった愛情に支えられ、私が心身ともに健康で過ごせたことに対し、感謝の意を伝えたい。今後、私の行動について、ある者は毒の泡を撒き、またある者は賞賛の太鼓を打つかも知れない。悲しみの涙を流す者もいれば、讃える歌を歌う者もいるかも知れない。何れにせよ、私の目的の是非に関し、心開けた知識人たちが考察することを望む。    友人プンツォク氏へ グドゥプより


参照:8月22日付けTibet Times チベット語版 
8月22日付けTibet Express チベット語版 
8月22日付けphayul

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2013年08月18日

鉱山開発に抗議する数千人に部隊が発砲 負傷・拘束者多数 抗議の自殺を計る者も

970675_655207294492388_2102346683_n鉱山開発に反対するチベット人たちが描く「平和」と描かれた人文字。

8月13日から青海省ジェクンド(ケグド、玉樹)州ゲドゥン・ザトゥ県(ཡུལ་ཤུལ་ཁུལ་དགེ་འབྲོང་རྫ་སྟོད་རྫོང་)の3つの村で鉱山開発に抗議するためにそれぞれ1000人以上の地元チベット人が集結していた。これに対し、当局は2つの村に大量の部隊を派遣し、集まっていたチベット人たちを強制排除した。部隊は抗議するチベット人に襲いかかり、催涙弾を使い、一部情報によれば発砲も行ったという。

f41fb937-0fdc-4c68-97f4-f1072206f602それにより、キェツァ・スドルと呼ばれるリーダーが行方不明となり、その他8人が連行され、少なくとも15人が病院に運び込まれた。また、ソポ・チュドゥップという若者が抗議の印に刀で自殺を計った。彼はすぐ部隊により病院に運ばれ、現在生死不明という。

これらの鉱山ではダイアモンドが発掘されたといわれ、最近それぞれの鉱山に100〜200人の中国人作業員が現れ、作業を始めようとしたところでチベット人たちがこれに反対し集結していた。

2013_8_17_1チベット人たちはこの開発は中央政府の許可を受けていない不当な開発であり、環境を汚染、破壊するものであると主張していた。

参照:8月16日付けRFA英語版 http://www.rfa.org/english/news/tibet/mine-08162013183325.html
同チベット語版 http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/Update-on-Dzatod-Yushul-mine-08162013162400.html
8月17日付けTibet Timesチベット語版 http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=8007
8月17日付けTibet Expressチベット語版 http://www.tibetexpress.net/bo/home/2010-02-04-05-37-19/10981-2013-08-17-11-05-22
8月16日付けphayul http://www.phayul.com/news/article.aspx?id=33874&article=Mass+protest+in+Tibet+against+Chinese+mining

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女性焼身抗議者の夫に 妻を殺し火を点けたとして死刑

1157464_459079450856787_1189104831_n死刑を言い渡されたドルマ・キャプ。

新華社によれば、8月15日、ンガバ州中級人民法院は焼身抗議者クンチョク・ワンモの夫ドルマ・キャプ、33歳に妻を殺したとして、故意殺人罪により死刑、政治的権利剥奪終身を言い渡した。

クンチョク・ワンモ、30歳は今年3月13日午後11時半頃、ンガバ州ゾゲ県タクツァ郷の路上で焼身を行いその場で死亡した。遺体は警察により運び去られ、次の日、夫に遺灰だけが渡された。そして、当局は夫ドルマ・キャプに対し、「妻の焼身は夫婦喧嘩が原因であると言え」と命令した。しかし、夫はこれを拒否したため連行されていた。

今回、裁判所は「夫ドルマ・キャプは酒を飲み妻クンチョク・ワンモと喧嘩になり、妻の首を絞め殺した後、火を点けて焼身に見せかけた」という。

ドルマ・キャプはこれを認めず、四川省の高級人民法院に上訴するつもりであると伝えられる。

2人の間には8歳になる娘が1人いる。焼身関連で死刑が言い渡されたのはこれで2人目。今回のドルマ・キャプへの死刑には執行猶予が付いていない。

参照:8月17日Tibet Times チベット語版http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=8008
8月17日VOT中国語版http://www.vot.org/cn/西藏自焚女子贡确旺姆丈夫被判死刑/

以下、関連過去記事(2013年3月20日付け):

女性は焼身したのではなく「夫に殺された後、焼かれたのだ」!?

RFA中国語版が中国政府系報道http://www.rfa.org/mandarin/Xinwen/Zanhanshaqi-03192013004024.htmlを引用して伝えるところによれば、四川省ンガバの公安局は「妻を焼身に見せかけて、実は妻を殺した後、ガソリンをかけて燃やしていたという夫を逮捕した」という事実を突き止めたそうだ。

中国の公安は、この事件が発生したのは11日の夜と発表しているようだが、どうみてもこれは亡命側に「2月13日の夜中、クンチョク・ワンモ(30)が焼身抗議を行った」として伝えられている事件のことと思われる。

こちら側には「焼身があった後、直ぐに部隊が来て彼女は運び去られ、翌日には夫に遺灰だというものだ渡された。そして、当局は夫に対し『焼身は夫婦喧嘩が原因と言え』と脅迫したが、夫はこれを拒否したところ連行された」と言うことになっている。

これまでの焼身に関する当局の作り話については、すぐにそれはないだろう、状況からしてもおかしいと客観的判断ができるものばかりだったが、今回の場合は「ひどいことを考えるものだわい」と思いながらも、このままでは客観的判断を下すことが難しいのではないかということで、早速この情報を現地から受けたとされるRFAの友人に電話して、突っ込みを入れてみた。

質問:目撃者はいるのか?
彼:夜中だったし、いなかった可能性が高い。とにかく今全く現地と連絡できず、確かめようがないのだ。
質問:夫が警察に「原因は夫婦喧嘩だったと言え」と言われ、それを拒否したところ連行されたとなっているが、これはどうやって分かったのか?現場に誰かいたのか?
彼:誰からの情報ということはできないが、現地からの報告だ。夫の兄弟かだれかがその場にいて、その話が伝わったと思われる。警官が彼女を連れ去った時には廻りに人がいたようだ。「まだ死んでいなかった」と言っていた。情報を伝えたチベット人はこれを伝えるためにわざわざその地域を離れ、別の場所から連絡してきたのだ。嘘とは思えない。中国はこれまでにも色んな作り話をでっち上げて来たが、今度のは酷いと思う。
質問:目撃者の話が入ればベストだよね。これから追加情報が入る可能性はあるだろうか?
彼:そりゃ、あるだろうが、とにかく時間がかかりそうだ。今はまったく電話が通じない。
私:まあ、本当に夫が殺したのなら、当局が急いで遺体(?)を火葬にして遺灰だけを夫に渡すというのは、あり得ないことだよな。証拠隠滅したのは当局ということになるな。
彼:嘘に決まってるだろ!

ということであった。

中国も最近は色んなバリエーションをもってストーリーを考え出しているようである。


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2013年08月09日

8月6日にカトマンドゥで焼身・死亡した僧カルマに私は会っていた

kdkdk_僧カルマ・ゲンドゥン・ギャンツォの生前写真。

8月6日にカトマンドゥで焼身し、死亡した僧カルマ・ゲドゥン・ギャンツォ。彼の生前写真が次の日にネットにでたのを見て、私はどこかで会ったことがあるような気がした。彼は足が悪かったという記事を見て、はっとして、嘗てのブログを探って見た。

2011年11月末に彼は一度インドに亡命し、ダラムサラのネレンカン(難民一時収容所)に滞在していたことがあった。私はTibet Timesに載った彼へのインタビュー記事を訳しブログに載せた後、彼に会いにネレンカンに行ったのだった。

3cf28beb2011年11月末、ダラムサラ、ネレンカンに滞在中の僧カルマ・ゲドゥン・ギャンツォ。

下半身麻痺の彼は両手の下に靴代わりの木の塊を持ちながら、手だけで移動していた。それでも、笑顔を絶やさず、快く色んな質問に答えてくれた。ひょいひょいと手だけで階段を登ったりするところも見せてくれた。

彼はあれから一旦チベットに帰り、再び数ヶ月後にネパールに入っていたのだ。

そして、今回ボドゥナート仏塔のすぐ傍で焼身抗議を行い死亡した。私は彼だと分かった時、彼の笑顔を思い出し絶句し涙した。彼は手だけで、チベット中を巡礼した。中国の警官にいじめられながらも何千キロも巡礼した。苦しみを味わい続け、それを乗り越えて来た彼がどうして今回焼身を行ったのか?

聖なる仏塔の傍でチベットのために自らを灯明と化すことが、彼の今世最後の決意だった。来世に再び五体満足なチベット人として生まれ代われることを心から祈る。

ネパール当局が彼の遺体を早急にチベット人コミュニティーに引き渡し、来世を確かなものとする法要が行われることを強く願う。

2-DSC_0054以下、2011年11月28日付けのブログを再掲する。

僧カルマ・ゲトゥン・ギャンツォ(ཀརྨ་ངེས་སྟོན་རྒྱ་མཚོ།)は10代の時、両足が麻痺する病気に掛かった。彼は両手だけを使って、最近カイラス山経由でネパールに入り、インドへの亡命を果たした。

彼の人生やチベットの現状についてTibet Timesの記者がインタビューした記事http://www.tibettimes.net/news.php?showfooter=1&id=5185を以下要約してお伝えする。

彼はラサの北ダムシュン・ヤンパチェン(འདམ་གཞུང་ཡང་པ་ཅན་)の出身。13歳の時僧侶となり地元の僧院に入った。しかし、丁度そのころから両足が立たなくなり始めたという。仕方なく家族の下に帰り、5年間治療を続けたが足の麻痺は治らず、足が曲がったままになった。その後再び僧院に復帰したが、当局は僧侶の資格を与えず、ついに去年2月当局により完全に僧院から追い出された。

彼はそれから両手だけを使い巡礼の旅に出た。各地を巡った後、最後にマパムユムツォ(མ་ཕམ་གཡུ་མཚོ་マナサロワール湖)とカンティセ(གངས་ཏི་སེ་カイラス山)に辿り着いた。そこからラサには帰らずに、南に下りネパール西北の国境を越えカトマンドゥの難民一時収容所まで辿り着くことができた。今月17日、ダラムサラの収容所に到着した。

彼の所属していた僧院の現状に付いて彼は語る。「ヤンパチェン僧院には最初70人ほどの僧侶が居たが、当局は様々な規制をかけ40人程にしか僧侶の許可証を与えなかった。他の僧侶には僧院に出入りすることも禁止した。僧院でチャム(仮面舞踏)やモンラム(祈祷会)を行う場合でも前もって数ヶ月前から政府の許可を取る必要があった。そのために役人に金や贈り物を渡さなければ許可は下りなかった。県や郷の責任者は全て中国人であり、その下にチベット人が働いている。中国人の役人たちは下のチベット人に対し、僧院に規制をかけたり、嫌がらせをすることを強要する。結局、チベット人がチベット人と対立するように仕向けているのだ」

「当局は私に僧侶の許可を与えなかった。10年間、僧院側は私を追い出しはしなかったが、僧院に居ること自体が法律に違反する状態であった。ついに去年2月、当局は私を完全に僧院から追い出した。その後巡礼をしている間も僧侶の許可証を持っていないので、至る所で警官からきつい仕打ちを受けた。僧衣を着ることも違反だと言われた。私は自分は障害者で仕事ができず、僧衣を着ているのも乞食同様に食いつなぐために仕方ないのだ、と言ってなんとか許してもらっていた」

記者の「中国政府は障害者に対し援助を与えたりはしないのか?」との問いに、「政府から一度だけ障害者への援助だと言って、肉1キロ、バター1キロ、ツァンパ1袋を渡されたことがある。その他にはどんな援助もしてもらったことはない」と答える。

記者が「チベットを巡礼しながらどんなことを見聞きしたのか?」と問う。
「チベットと言うものは、もう無くなりつつある。例えば、その自然に付いてだが、2005年に地元の山で鉱山開発が始まった。5、6年の間、1日に何百というトラックが行き来して鉱物を中国に運び出した。結局山はすっかり姿を消してしまい、鉱山も閉鎖された。中国は地元に利益をもたらしていると宣伝するが、そんなことは全くない」

「トゥガリ(西チベット)の方に巡礼に行ったが、途中出会う僧侶も本当に僧侶の戒律を守っている人は少ないように見受けられた。どこへ行っても、中国人の方がチベット人よりも多く、町は中国の町になっていた。チベットの昔ながらの文化、慣習も計画的に破壊されていると思えた」

同じように収容所に収容されている若者たちを指差しながら、「あの子供たちも中国語ばかり習い、しゃべるのも中国語だ。チベット語を知ってる者は少ないんだよ」と。

最後に「中国政府は中国ではみんな調和の中に暮らしていると宣伝しているが、本当には少数民族、特にチベット人には法律に書いてあるような権利はない。不当な扱いを受けても、結局訴える場所や相談に行く所はなく、中国人は何でもやりたい放題だ。中国には法律も無く、規律もないに等しい。喩えれば国全体がマフィアのような所だと思う」と。

2013_8_6

rftibet at 03:59|PermalinkComments(1)TrackBack(0)

2013年08月07日

ネット本「太陽を取り戻すために チベットの焼身抗議」上梓

太陽を取り戻すために チベットの焼身抗議



















目次


















未熟ながら、チベットの焼身抗議をまとめたネット本を一冊書きました。

「太陽を取り戻すために」 チベットの焼身抗議
To regain the missing sun
Self-immolation protests by Tibetans


アクセスURLアドレスは>>>
https://docs.google.com/file/d/0B6cmrkvyxC23QmhCRTZyeWRrNm8/edit

チベット人にとって「太陽」とはもちろん「ダライ・ラマ法王」のことです。

前半でチベットの焼身の背景を概観し、後半で焼身者124人の記録を関連記事と共に列記し、最後に焼身の分析、焼身への反応をまとめてあります。

焼身抗議に関する情報はほぼすべて内地から命がけで伝えられた情報です。これを日本語で残すことができたことに対し少しは意義があったと感じています。

幾つかの記事や記録はすでに当ブログで発表したものです。これはもう読んだなというところがあれば、どうぞ飛ばして下さっても結構です。

残念ながら、昨日ネパールのカトマンドゥで、さらにもう1人のチベット人が焼身抗議を行い、死亡されています。彼を入れれば2009年以来の焼身者の数は125人となるのですが、この本には彼の記録は含まれていません。

将来、チベットの状況が少しでも改善され、もう二度とこのような悲しい抗議を行わなくてもよくなることを祈ります。

素晴らしい絵を快く提供して下さった画家の井早智代様と、レイアウトをボランティアで引き受けて頂き、短期間に素晴らしい本に仕上げて下さった@10Qwaka様に深く感謝致します。

全部で342ページと相当長いものになってしまったのですが、フリーですし、焼身者たちの死を無駄にせず、チベット問題を広めるという意味で、できるだけ多くの人に広めて頂きたいと思います。

rftibet at 21:16|PermalinkComments(1)

2013年08月06日

<速報>今朝、カトマンドゥ、ボドゥナート仏塔傍で僧侶が焼身抗議

photo_(44541)8月6日、現地時間午前7時半頃、ネパールの首都カトマンドゥにあるボドゥナート仏塔傍で1人のチベット人僧侶が焼身抗議を行った。病院に運び込まれ、生死は不明。目撃者たちはすでに死亡したと語る。

Tibet Expressによれば、僧侶の名前はカルマ・ゲドゥン・ギャンツォ(ཀརྨ་ངེས་དོན་རྒྱ་མཚོས་)、39歳。チベット自治区ダムシュン(当雄)の出身。越境し、2012年1月30日にネパールのネレンカン(難民一時収容所)に到着したという記録が残っている。その後ネパールに滞在していたという。父の名はジャミヤン・タシ、母の名はウゲン。

photo28この焼身を目の前で目撃したというオーストラリアの女性が、FBにその時の状況を報告している。

それによれば、彼女が仏塔基壇の上を右繞している時、ちょうど下の芝生の上に結跏趺坐に座る僧侶の膝が燃えているのを目撃した。

その時、彼女は「大変だ、誤ってバターランプの火が僧侶に移ってしまった」と思った。「次の瞬間、その僧侶はボトルに入ったガソリンまたは灯油を頭の上から注いだ。そして、私の目の前で立ち上がった。彼は沈黙していた。私は助けを呼ぼうと叫んだ。彼は苦痛に歪んだ顔になり、倒れ、うずくまった。しかし、何も叫び声は上げなかった。私は助けを呼ぶために叫び続けた」という。

1094820_368385583287034_685283370_nその後、2分ほどして1人の若者が火を消そうとバケツの水を彼に浴びせた。そして、他の若者が消火器を持って来て、火を消したという。多くの人が集まり見守るうちに5〜10分後に部隊が現れ、彼を運び去った。

ネパール警察は「警官が消火器を使い焼身者の火を消し、病院に急送した」とし、まだ死亡したという発表はない。実際には目撃者の話しからして、火を消したのは警察ではなく、若者であった。

ネパールにおけるチベット人焼身抗議はこれで3人目。今年2月13日には僧ドゥプチェン・ツェリンが焼身、死亡している。

ネパールには2万人ほどの亡命チベット人が暮らすが、ネパール当局は近年中国の要請に従い、チベット人の政治活動に対する取り締まりを強化している。

内外合わせ焼身者125人目。

追記(8月7日):僧カルマ・ゲドゥン・ギャンツォの死亡が確認された。焼身後8時17分、病院に運び込まれた時にはすでに死亡していたという。遺体は当局が保管中。これからまた遺体をチベット人側に引き渡すかどうかで、もめることであろう。

参照:8月6日付けTibet Express チベット語版 http://www.tibetexpress.net/bo/home/2010-02-04-05-35-27/10940-2013-08-06-04-52-43
8月6日付けAP>ワシントンポスト http://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/tibetan-monk-sets-himself-on-fire-in-nepals-capital-in-apparent-protest-against-china/2013/08/06/4ccf53a2-fe51-11e2-8294-0ee5075b840d_story.html
オーストラリア女性の目撃談https://www.facebook.com/notes/australia-tibet-council/letter-from-an-australian-who-witnessed-todays-self-immolation-in-kathmandu/596560840395493


1098127_10151864016030337_170928671_n井早智代さんが早速描かれた、「僧カルマ・ゲドゥン・ギャンツォ」に捧げる絵。

















kdkdk_追加写真:カルマ・ゲドゥン・ギャンツォの生前写真。

rftibet at 22:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年08月05日

中国国旗掲揚を拒否した村人3人拘束 / 1959年以前のダライ・ラマ写真はOK!?

46540a92-28ac-4a27-bcdf-0dcc5a12ad5fチャムドの僧院に掲げられた中国国旗

中国国旗掲揚を拒否した村人3人拘束

中国政府はチベット各地で中国の国旗を掲揚させることを強要している。特にチベット自治区では役人と警官が僻地の村々をくまなく巡り、国旗掲揚と指導者の肖像写真掲揚を強要するという共産党忠誠心キャンペーンを行っている。

RFAによれば、7月末、チベット自治区チャムド地区パシュ県にあるポルン村とムコ村に役人が現れ、各家に中国国旗を掲揚せよと命令したという。

現地からの報告を受けた在インドの亡命チベット人が伝えるには、「村人たちがこれを拒否した時、役人たちは、命令に従わない者は『反国家活動』を行ったと見なされると警告した。それでも、村人たちは従わなかった。すると役人たちはポルン村から2人、ムコ村から1人を連行して行った」という。

その後、地区には警察と部隊が派遣され、チベット人の移動を制限し、検問を行い、この情報が外部に漏れないようにするために「携帯が押収され、チャムド地区以外と通話した記録を全てチャックしている」という。

このパシュ県では共産党創立記念日である7月1日、歌舞祝賀会の最中、ドンサル僧院僧侶ロプサン・ゲンドゥンが「ダライ・ラマ法王に長寿を!ダライ・ラマ法王のチベット帰還を!チベットに独立を!」と叫び、その場で警官に逮捕されている。彼はその後行方不明のままである。(詳しくはhttp://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51794932.html

参照:8月1日付けRFA英語版 http://www.rfa.org/english/news/tibet/flag-08012013160859.html

971840_206451029511833_2120337896_n1959年以前のダライ・ラマ写真はOK!?

近年、中国政府は亡命チベット人たちに対し、チベットに戻ることを勧め、一時帰省のビザも発給するようになった。これを受け、長年別れ離れとなった家族や親戚に会うために帰省しようとする人も少なくない。

最近、そんなチベット人の1人がビザを手にして、20年ぶりに故郷であるチベット自治区のチャムドに帰ろうとした。

彼が話すには「7月20日にネパールとの国境である橋を渡り、中国内に入りシガツェ県のディンリに到着した。ディンリの検問所で警官が自分の荷物をチェックし、ダライ・ラマ法王の写真と法王が著した仏教の本を見つけた」

「すぐにディンリの拘置所に連れて行かれ、そこで10日間拘束され、厳しい尋問を受けた」

「彼らはダライ・ラマの写真がチベットでは禁止されていることを知っていただろうという。私は『最近ダライ・ラマの写真が許可になった』と聞いていたと答えた。すると彼らは『許可されたのは1959年以前の写真だけだ』と言うのだった」

結局彼はその後、ネパール国境の橋まで連れて行かれ、「インドへ帰れ」と命令されたという。

このチベット人は噂を信じてダライ・ラマの写真を故郷への土産として持参したのであろう。それに対し、「許可されたのは1959年以前の写真だけだ」と答えた警官も噂だけで答えたと思われる。

参照:7月30日付けRFA英語版 http://www.rfa.org/english/news/tibet/photos-07302013153444.html

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2013年08月04日

ゾゲの焼身 3人の僧侶に故意殺人罪

f69f58a17月20日にンガバ州ゾゲ県タンコル郷タンコル・ソクツァン僧院僧侶クンチョク・ソナム(18)が焼身・死亡した後、当局はこの焼身に関わったとして現在までに21人を拘束した。その後解放された者もいるが、今も9人の行方が不明のままという。

そして、近日その内の3人の家族の下に警官が手紙を届けに来た。手紙は四川省ンガバ州の司法当局からのものであり、彼らが「中華人民共和国刑法第17条に則り、故意殺人罪に問われる」と書かれていたという。

3人とは何れもタンコル・ソクツァン僧院僧侶である僧パルデン・イクネン、僧ロプサン・テンジン、僧サンゲ・パルデン。3人とも焼身した僧クンチョク・ソナムの親友という。

家族は手紙を届けた警官に、彼らの居所を尋ねたが、警官は「知らない」と答えたそうだ。

地元のチベット人たちは3人に長期刑が言い渡されるであろうと推測し、家族は非常に心配しているという。

彼らが拘束されて、まだ日が浅いので、裁判が行われてその結果「故意殺人罪」が決定されたとは思わない。当局は裁判を開く前にすでに罪状を勝手に決めていることをわざわざ家族に知らせて来たということであろう。「中華人民共和国刑法第17条に則り」とたいそうなことを書いているが、結局自分たちが法律を無視して、何でも決められると宣言しているようなものである。

0547074e焼身し、その場で黒こげになる僧クンチョク・ソナム。  
焼身した僧クンチョク・ソナムは明らかに現場で死亡している。何をもって故意殺人罪なのか、まったくの冤罪であることは明白である。1人が焼身抗議を行えば、これほど多くの関係者が冤罪で罰せられるぞと脅しているのである。

依然として中国は焼身抗議の根本原因を考慮しようとはせず、焼身を犯罪化し、関係者を不当に罰するという卑劣なやり方を続けることで、チベット人の反感を煽ってばかりである。

参照:8月3日付けTibet Express チベット語版 http://www.tibetexpress.net/bo/home/2010-02-04-05-37-19/10927-2013-08-03-03-46-17
8月3日付けVOT中国語版 http://www.vot.org/cn/西藏索格藏寺3名僧人被指控杀人罪/

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