2013年06月28日

HRW:6年間に200万人のチベット人農牧民が強制移住させられた

_68414511_tibet_houses_gettyニューヨークに本部を置くHRW(Human Rights Watch)は最近チベットの強制移住<生態移民>問題に関する詳細な報告書を発表し>http://www.hrw.org/sites/default/files/reports/tibet0613webwcover_0.pdf
中国政府に対し、チベット人の伝統的な生活を完全に破壊するこのような政策を即時中止するよう要請した。

同時に6月26日、この問題を紹介するための約3分間ほどのビデオも公開している。以下はその日本語訳とビデオ。

中国政府はチベットで容赦のない弾圧と統制を続けている。何百何千というチベット人が逮捕されている。これが、中国がチベット全域で大規模な移住政策を強行している背景だ。

この6年間に2百万人以上のチベット人が代々住み続けた家や土地を強制的に捨てさせられ、政府が言うところの「新社会主義村落」に移住させられた。チベット人がこれに異議を唱える事は許されない。これは伝統的生活形態を全面的に変えさせた。

HRWが集めた衛星映像を見れば、何世代にも渡り住み続けた村全体が完全に破壊されていることが分かる。これは単に新しい住宅を建てるためというのではなく、伝統的な村々を破壊するというキャンペーンだ。キャンペーンが進むに従い、列をなす同様な住宅が並ぶ社会主義的村が出現する。これは立地、標高を無視し、農民、遊牧民の違いも無視して行われる。チベットの村々の伝統的秩序を作り替えているのだ。政府が統制機能を向上させるために行っているということは明らかだ。

チベットの遊牧民は何代にも渡り、草原の上を年に数回移動しながら生活してきた。新政策はこのような生活形態を捨てさせ、二級市民になることを強いる。政府はこれらの住宅は政府が出資しているのではなく、彼ら自身が金を出しているのだという。多くのチベット人たちは、この新しい家を建てる資金がないので、自分たちの農地や草原を売って金を作るしかないという。

彼らはこの完全に自分たちの生活形態を変化させる政策に対し、ノーとは言えないのだ。国際社会がこの中国の大規模な移住政策に対し、考え直すように圧力を掛けない限り、彼らの伝統的生活様式は数年の内に消滅するであろう。



中国政府はこのHRWの報告に即座に反応し、中国外交部報道官華春瑩は「人権団体は北京の開発政策に対する『色眼鏡』を外す事を望む」と述べ、「外部の批判は中国の少数民族や宗教政策に対する正しい理解に欠けている。中国人民が選択した開発の道を尊重すべきだ」と続けた。

参考:6月27日付けBBC http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-china-23081653
6月27日付けThe Telegraph http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/asia/tibet/10146867/Seven-years-in-Tibet-2-million-displaced-by-Chinese-relocation-policy.html

過去関連ブログ>チベット遊牧民強制移住 <生態移民>http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51785548.html
ウーセル・ブログ:「生態移民村」の「マニ石」http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51781804.html

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rftibet at 21:25│Comments(0)TrackBack(0)

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