カルマ・サンドゥップ

2011年01月06日

刑期15年の天珠王カルマ・サンドップ氏、その妻ドルカ・ツォの言葉

カルマ・ドゥンドゥップ先の1月3日は「天珠王」とも呼ばれるカルマ・サンドゥップ氏が逮捕されて、一年目に当たっていた。

この日、ウーセルさんが妻のドルカ・ツォのブログを解説付きで紹介された。

そこには、残された家族の切実な心情が綴られている。

以下、これをいつもの雲南太郎さんの翻訳で紹介する。
原文はhttp://woeser.middle-way.net/2011/01/blog-post_9826.html

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◎ドルカ・ツォ、2回目の面会後のブログ「1周年」

 2010年1月3日、商人、美術品収集家、環境保護運動家、慈善事業家で、またの名を「天珠王」ともいうカルマ・サンドゥップが逮捕された。同年6月24日に懲役15年の判決を受け、ウイグルのアクス(阿克蘇)地区シャヤール(沙雅)県監獄で服役している。家族のうち5人が次々と監獄に入れられ、刑罰や労働教養を受けている。カルマの事件は驚天動地の冤罪事件であり、受けた苦難はチベットの現実の縮図だ。

 上にあるのはカルマ・サンドゥップの写真で、下の写真は妻ドルカ・ツォの五つ目のブログに載った最新記事だ。ドルカ・ツォが「面会時に使えるのは漢語だけ」と書いている部分に注意してほしい。この二人のチベット人がチベット語を話せないという意味ではなく、官吏が夫婦にチベット語での会話を許さなかったということだ。だから、この1年で2回目のたった30分の面会で、カルマはまったく流暢ではない漢語でしか妻と話ができなかった……。

 カルマよ、あなたが獄中に入って1年になり、新しい1年がまたやって来た。長年の友人として、私はあなたのために祈ることしかできない。健康に気をつけ、屈辱に耐えて修行してほしい……。

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ドルカ・ツォのブログ ◎1周年――ドルカ・ツォ
http://drolkar5.blog.sohu.com/165378017.html

 今日は2011年1月3日。私は早起きして寒々しい成都を離れ、また高原の日差しの中へと戻った。この暖かさは子どものころに着た羊の毛皮の上着をいつも思い出させる。こんな時はしばしば気持ちが少し緩み、まるで自分がまだ草原の純朴な若い娘のように思えてくる。

 世界には、ただ晴れや曇り、雨、雪と四季の移り変わりがあるぐらいで、自然を恐れ敬う気持ちと、それによって得られる報酬と安らぎがあるだけだと信じていた。人々が疲れも知らずにつくり出した新しい世界に陰謀がはびこり、私達の未来まで巻き込まれるとは思ってもみなかった。

 昨年1月3日、私の夫は突然行方をくらました。今日までの丸1年、彼は自由を失っていて、たくましい大男からやせこけた囚人になった。今日までの丸1年、子どもたちは父親に会っていない。体も大きくなり、絵も作文も上手になったけれど、父親の話題になると黙り込んでしまう。今日までの丸1年、私はずっと忙しく、のんきな家庭の主婦からあちこちで仕事に追われる「総理」に変わった。

 うろたえながら夫を探し、故郷ジェクンドでの地震と身内の犠牲に声を上げて泣き、裁判で悲しみのあまり涙を流した。その後、何度も借金し、何度も各地に飛び、「犯罪者の妻」、母、経営者としてのすべての責任を果たしてきた。込み入った問題を抱えながらも、降ってきた仕事をこなし、毎日の24時間を1分1秒と忙しく過ごしてきた。

 突然の重荷にため息をつく度に夫を思い起こした。私の苦しみは彼の苦しみの1万分の1にもならないだろう。あの誠実なカムパは生まれつき聡明で正直で、素朴な理想があった。このすべてが彼の魂を昇華させ、他人の尊敬を集めた。よく利用もされたし、今回の重い冤罪にもつながった。彼が身体に受けた苦しみは想像できないし、彼の素朴な心がどんな目に遭ったのか、どうすれば推測できるだろう。私の苦しみはどうして彼の1万分の1にも比べられるだろう。

 判決後、私は彼に2回面会している。今回、彼は別の監獄に移されたばかりで、更にやつれ、無精ひげが生えてごま塩になっていた。皆に心配しないよう伝えてほしいと言いながらも、こらえ切れずに自分の病状を話題にした。糖尿病で、気候に慣れず、1日が1年のように長くて苦しいことは言わなくても分かった。面会時に使えるのは漢語だけで、彼の言葉はのどにつかえることが多く、表現しようがなかった。それでも彼は得難い面会の時間を毎日待ち続けていた。
 
 1周年で私が記念したいのは何だろう? 彼の逮捕、それともこの1年で注目したたくさんのよく似た苦難?
子どもに物心がついたこと、それとも私が公正と自由を本当に理解し、望んでいること?

 あの草原の小さな娘は信じていた。誠実と尊敬の精神を持つことは、人類のために大自然が定めたルールなのだと。汚れのない魂は人と神をつなぐ唯一の道なのだと。最も「発達」していながら、最もどうしようもなく複雑な都市を今日の私はさまよっている。当時の純朴な信仰を思い出すと、草原の私は最もシンプルな真理に触れていたように思える。

カルマ・サンドゥップの子ども 長女は昨日父親に宛てた手紙で、ガラスの覆いの中にある黄色い花の絵を描いた。彼女は「このきれいな花はお母さんです。気高い色をしてるけれど、ガラスの中の世界で独り寂しい思いをしています。お父さん、一緒にいてあげて下さい」と書いた。

 遠く離れたごま塩のひげの夫に愛と祝福を届けたい。父母や娘、親友にも、あらゆる人にも、この世のすべての物にも届けたい。私はまったく寂しくはない。

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参照、過去ブログ:
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51467955.html
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51469427.html
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51470405.html
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51476286.html

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2010年08月03日

ルンギャ(ロンゲ)・アダの貴重な映像/カルマ・サンドゥップの上告却下/スーパーサンガの井本さんが拷問された!?

ルンギャ・アダ(52)<貴重な映像:カムの遊牧民ルンギャ・アダのスピーチの一部・日本語版>

http://vimeo.com/13821572

この映像は偶然一人の外人が撮影していたものが、最近チベット支援団体に渡されたというものだ。

ロンギャ(ロンゲ)・アダは今からちょうど3年前の2007年8月1日、リタンの競馬祭に集まった数1000人のチベット人を前にこの演説を行った。

(追記:これまで私は彼の名前をロンゲ・アダと表記してきた。これは英語表記のRonggye Adak(Runggye Adak)に従っていたからだ。今日初めてRFAでチベット語を確認できた。それをラサ風に読むとルンギャ・アダ(ック)となる。で、以降これに統一する)

演説は数分間に及んだという。
警官隊が押し寄せたのを見て、ルンギャ・アダは堂々と、群がる警官隊の中に逮捕されるために壇上から降りて行ったという。

これを見ていた群衆はある者は泣き、ある者は賛同を示し、声を上げ、拍手を送ったという。

ルンギャ・アダはその後8年の刑を言い渡された。

家族はこの3年間に一度しか面会を許されていない。
ルンギャ・アダは健康を害していると、伝えられる。

また、この事件を外部に伝えようとしたとして、彼の甥、リタン僧院僧侶アダ・ロプは逮捕され、懲役10年を求刑された。同じく情報を流したとしてチベット美術の先生でもあり音楽家でもあるケンキャップが逮捕され懲役9年を求刑されている。
http://newsblaze.com/story/20100802121031zzzz.nb/topstory.html

2人の刑期はルンギャ・アダのそれより長い。
これは当局が「情報を伝えようとする者」は、「抗議を行う者」以上に罰せられることを示そうとしているのだ、とも受け取れる。
それにしても、たった、数分の演説で懲役8年、それを伝えると懲役10年とは!
言論の自由が皆無という証拠だ。

「彼を解放したい」と思う人は以下を開き、下方にある欄に、ご記名お願いいたします。
http://org2.democracyinaction.org/o/5380/action/FreeAdak

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カルマ・ダンドゥップ<環境活動家カルマ・サンドゥップの上告が却下された>

8月2日付けAP->phayul.comによれば、
http://phayul.com/news/article.aspx?id=27892&article=Chinese+court+rejects+appeal+from+Tibetan+environmentalist

先に15年の刑を受けたカルマ・サンドゥップの上告が、非常に残念ながら、却下されたという。

この決定は7月7日に為されたというのに、その連絡を彼の個人弁護士である浦志強は昨日(8月2日)初めて受け取ったという。

彼はAPに対し、「なぜ当局はこれほど急いで決定したのか? 何を恐れているのか?何を隠そうとしているのか?」と、疑問を呈したという。

彼の解放運動を必ず続けるべきだ。

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もう一つ、今日は一人の勇敢なチベットサポーターとダライ・ラマに等しいぐらい立派なベトナムの高僧を紹介する。

実は昨日、ツイッター上に「スーパーサンガの井本さんがベトナムで共産側により拷問を受けた」という書き込みを発見した。

井本さんとは去年デリーで行われたITSNの会議で一緒になり、その時随分好感を持ち、それ以来親しみを感じている人だ。
気になったので本人に連絡を取ってみた。

ツイッターなどを見て心配していらっしゃる人もいるかもしれないと思い、、、
その返信メールの一部を本人了承の上、以下転載する。

「拷問と言っても、元気にピンピンして帰国しております。
捕まった理由は、共産党政府によって30年軟禁中の、
ティック・クワン・ドゥー老師に、ベトナム僧侶仲間の手助けを借りて
お寺に侵入し、直接御本人に会ったからです。

http://www.youtube.com/watch?v=bIq7q06bpWU(下に添付)

「何の目的でここへ来た?」
「誰の指図でここへ来た?」
「奴と何を話し合った?」等々の質問を浴びせかけられ、
窒息しそうでした。(苦笑)

何を言っても「信じない」と言われるので、
最後はずっと睨みかえしていましたら、
叩いたり、蹴ったりされたわけです。

が、

要は、このような真似を今後二度とするな!という見せつけだったのだと思います。
始末書を書かされ、10万円の罰金を取られて釈放されました。

お騒がせしまして、大変申し訳ありませんでした。」

「ちなみに、ベトナムで捕まったのは私一人だけです。
友人のベトナム人僧侶と分かれて、空港に行き、
バンコクへ向かう便に乗る直前のイミグレで公安に待ち伏せされてました。(苦
笑)
見事な御手際でした。(笑)

井本勝幸 合掌」

とのことです。

いやあ 流石! 井本さんやりますね。
また、このティック・クワン・ドゥー老師がほんとに素晴らしい!

添付の録画は必見です。
ビデオを見て、ダライ・ラマ法王とほぼ同等に素晴らしい人だとつくづく思った。

独裁政権の下で民衆のため、民主、自由、人権のために、こうして命がけで戦い続けている立派な人が沢山いるのだと気付かせてくれた。

共産党のやることはどこも似たようなものということでしょうか?
もっとも、思うにこれと同じようなことを中国でやったら、これぐらいでは到底済まなかっただろうと思いますが、、、
こんな人に会うこと自体、データを持ち出すこと自体不可能に近いでしょう。

とにかく、井本さんが主催する四方僧伽(Catuddisa Sangha)は、チベットだけでなく、広くアジアを中心に権力により不当に虐げられている人々との連帯、援助を目的に幅広く活動されています。
このグループを応援し(続け)ましょう。

ホームページ:
http://www.supersamgha.jp/

ティック・クワン・ドゥー老師へのインタビュー; 



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2010年07月09日

カルマ・サンドゥップ氏の従兄が消える・家族6人目の逮捕者

タシ・トプギェル15年の刑を言い渡されたカルマ・サンドゥップの妻ドルカ・ツォは、消されながらも5度目に立ち上げた自身のブログの中に
「このガン細胞のように増殖する恫喝と脅威の末に私たちの家族は一体どうなってしまうのだろうか?、、、タシ・トプギェルはジロン村で唯一教育を受けた人物だった。私は仏と世界に、彼を探し出すことに手を貸してほしいと祈る」と記している。

ここで名が上げられているタシ・トプギェル(左写真)とはカルマ・サンドゥップの従兄である。
今週、月曜日の夜、彼のラサの家に10人以上の警官が突然押し掛け、彼をどこかへ連れ去ったという。
http://www.thetimes.co.uk/tto/news/world/asia/article2591650.ece#

http://woeser.middle-way.net/

彼は故郷のチャムド地区で教師をしていたが、行方不明になっていた従兄のリンチェン・ドルジェを探すために最近ラサに来ていた。
リンチェン・ドルジェは僧侶であり、カルマ・サンドゥップの通訳を務めたりもしていた。
彼は今年の3月、瞑想のために洞窟に籠っていたところを逮捕されたという。

タシ・トプギェルは弁護士を雇い、リンチェン・ドルジェの居所を突き止めた。
彼は遠く離れた新疆ウイグル自治区の病院で火傷の治療を受けているという。
警察は「火傷は電気棒によるものだが、それは彼が逃げようとしたからだ」と説明したという。

またもう一人の従兄であるソナム・チュペルは先に逮捕されていたリンチェン・サンドゥップを救うために北京への陳情団を組織したとして、逮捕され、1年半の「労働改造所」行きを言い渡されている。

ICTによれば、カルマ・サンドゥップの70歳代の母親は警官により意識を失うまでの暴行を受けたという。
兄弟の同郷の者たちも、北京に陳情団を送ろうとしたということで、20人ほどが拘束され、審問され、拷問を受けたという。

アムネスティ・インターナショナルも今日付けで声明を発表し、
「中国は、受賞歴もあるチベット人環境保護活動家家族に対する迫害を止めよ」と訴える。
http://www.amnesty.org/en/news-and-updates/china-must-halt-persecution-award-winning-tibetan-environmentalist-family-2010-07-0



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2010年06月25日

カルマ・サンドゥップ氏、懲役15年について

b71403ac.jpgたった三日間の裁判により、カルマ・サンドゥップ氏に懲役15年、5年の政治的権利剥奪、1万元の罰金という判決が下された。

中国政府は最近「拷問により強制された自白は無効とする」と宣言したばかりだ。
これは、もちろん中国で拷問による自白が日常茶飯事として行なわれていることを、少しは政府が認めたということでもある。

カルマ氏の弁護士、浦志強氏によれば、今回の裁判には様々な不正が認められたという。
裁判中に、弁護人側から提出されたカルマの無実を証明する書類が取り上げられず、被告も弁護人も知らない誰かが、法廷でカルマ氏に不利な証言をし、さらに、起訴状を精査し反論する時間も与えられなかったという。
起訴状は中国語からチベット語に翻訳されたが、そのチベット語はカルマ氏がはっきり理解できない地方の方言だったともいう。
浦志強氏はさらに、今回の担当検察官Kuang Ying女史に対して、その正当性に疑問を投げかけている。
彼女は地区の検察官ではなく、今回のケースを担当するために特別、新疆ウイグル自治区検察官事務所から派遣されたが、これは規定に反することだと言う。

浦志強は今年1月に被告のカルマ氏との面会が許可されたのち、6カ月間面会が許可さず、2度目に会えたのは裁判の前日だった。
それも、監視付きで30分のみだった。

彼への罪状は「古墳盗掘」だ。12年前の話である。
「古墳盗掘」と聞くと、なんだかカルマ氏が「自分でシルクロードの古墳を暴いて、ひと儲けした」なんて、イメージが湧くが、話はそうではない。
浦志強氏によれば、1998年カルマはウルムチのある骨董屋から、後で問題となる絨毯、木彫り、その他を購入した。
しかし、カルマ氏はその時、それらの骨董品が古墳から盗掘されたものだとは知らなかったという。

この件では1998年にカルマを含む5,6人が検察側から訴えられたという。
しかし、同じ焉耆回族(バルスク・カザフ)自治県イエンチーの高級人民法院はこの件に関し、カルマの無罪を決定している。
他の何人かは有罪とされた。
この時、高級法院で無罪となった、同じケースが今度は中級法院で有罪とはどういうことなのか?
この時、有罪とされた他の者たちの刑期はどれほどだったのか?
疑問点は多々ある。
今回も裁判官はカルマ氏の拷問についての証言を、まったく審議の対象としなかったという。

彼が逮捕された時期が、同じく冤罪で囚われている2人の兄弟を救出しようと動き始めた時期と重なることからみて、彼は当局に逆らうものとして、はめられたと見るのが普通だろう。
死ぬまで獄に閉じ込め、全財産を没収するつもりらしい。

カルマ氏の妻ドルカ・ツォは「これは裁判と呼べるものではなかった、初めから決まっている判決に向かってただ急いで進められただけだった」
「夫に会い話しをしたかった、会って一言言いたかった。私たちのことは心配しなくていい、親戚の全員あなたのことを誇りに思っている、と。しかし、話かけることは一度も許されなかった」と語る。

彼女は10歳と8歳の2人の娘にまだ、「お父さんが捕まえられている」ということを知らせることができず、「お父さんは外国に行っている」とうそをついたままだという。

上告は10日以内に行なわねばならないことになっている。
法廷でカルマ氏は罪状を否認した。
妻と弁護士は必ず上告するという。

明日は国連によって定められた「拷問の犠牲者を支援する国際デーInternational Day in Support of Victims of Torture」だ。
カルマ氏は、昨日載せたウーセルさんのブログの中で報告された拷問以外にも、自白強要のため「真冬に凍る水の中に長時間浸けられた」とも証言している。
私はこれまでに、この「真冬に水の中に長時間立たせる」という拷問に遭ったというチベット人の話を直接沢山聞いてきた。

嘗て中国の公安部に勤め、今は亡命チベット政府の情報省で働くあるチベット人は「拷問技術100選」というレポートを私に手渡した。
中々訳す気になれないレポートだ。

中国は間違いなく拷問大国だ。
そして、浦志強が言うように中国には「法律の上に指導者がいる」。
法治国家ではないのだ。

参照:
http://www.nytimes.com/2010/06/25/world/asia/25tibet.html

http://www.rfa.org/english/news/tibet/sentenced-06242010103713.html

http://phayul.com/news/article.aspx?

http://woeser.middle-way.net/ id=27586&article=Tibetan+activist+sentenced+to+15+years+in+prison

ちなみに、明日は、チベットに大昔からある「地球環境デー(ザムリン・チサン)」でもあり、ギャワ・カルマパのお誕生日でもあるそうだ。

最後になったが、このカルマ・サンドゥップ氏の解放キャンペーンをSFTが行っている。
以下がオンライン署名サイト。
http://actionnetwork.org/campaign/karmasamdrup
署名、よろしくお願いします。


追記:チベットはおそらく世界でもっとも古くから、「地球環境デー(ザムリン・チサン)」を定めた国だ。
この日、チベット人たちは、その地方ごとに聖山と定められる山に新しいタルチョをもって登る。頂上で「地球(宇宙)上に住むすべての有情の幸せと、その環境の保全を祈り」香を焚き、ルンタを空に撒き、タルチョを取り換える。
ラサではこの日、デブン僧院の裏山に多くのチベット人が泊りがけで登ると言う。

BBCからカルマ・サンドゥップのニュースをはじめ、最近のチベット人知識人弾圧に関する、多くのインタビューを含む、かなり詳しいレポートが出された。
英語が聞ける人はどうぞ。
http://www.bbc.co.uk/iplayer/console/b00sr3rc
このうち16分〜22分。

カルマ・サンドゥップ氏は環境活動家としても有名だった。
拷問も受けた。
ウルムチ事件(7月5日)一周年が近いこともこの厳罰に関係があるのか?
これは、すべての記念日への中国当局のたちの悪い揶揄、当てつけか?



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2010年06月24日

カルマ・サンドゥップ氏の法廷陳述/拷問による自白強要

42fe075b.jpg昨日URLのみ紹介したカルマ・サンドゥップさんの公判に関するウーセルさんのレポートをさっそく、U女史が翻訳して下さった。

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<昨日(6月22日)の法廷で、カルマ・サンドゥプは拷問による自白強要について陳述した>

http://woeser.middle-way.net/2010/06/blog-post_6719.html

昨日の開廷に当たり、法廷に現れたカルマ氏を見た時、夫人の驚きは極度に達した。「もし彼の声を聞かなければ、私はまったく、彼が我が夫だと気付かなかったでしょう」夫人は悲憤を込めてそう語った。

カルマ氏が陳述した、拷問による自白強要の事実は、実に凄惨なものであった。ここ半年程の間、彼は新疆のバインゴリン・モンゴル自治州で拘束されており、チャルクリク、コルラを経て、現在は同自治州内の焉耆回族自治県内に収監されている。尋問は毎日十数時間、90回以上に及び、うち3回だけ腰掛けに座ることを許可された他は全て、吊されたり、身体を反らせたままにさせられるなど、警察によって、曰く言い難い様々な不自然な姿勢の強要による虐待を受け、毎回気を失うまで殴り続けられた。甚だしきに至っては、鼻孔に無理矢理、ある薬物を詰め込まれた。薬物は大脳を刺激し、(頭の中で)大音響が炸裂、目や耳から出血した。警察はそれでも「これは公安部によって使用を批准された合法な薬物だ。こんなもので死ぬことは無いよ」とうそぶいた。

カルマ氏は尋問の後、牢に戻ってからも、休むことはできなかった。関連部門から派遣された所謂"犯罪者"にあの手この手で苦しめられるのである。彼は数分ごとに殴られ、一晩中一睡もできない。これらの"犯罪者"は自称"マフィア"。獄中でカルマ氏を殴るのみならず、彼の行動全て、トイレに行くのにさえ借用証書を書かせる。借金の額面の累計は既に66万元に達した。支払わなければ家と妻子を捜し出し取り立てに行くと脅す。カルマ氏の食べる物をごみのように扱い、蒸パンを床に転がして踏みつけ、汚くなった蒸パンを彼の口に押し込む。硫酸で(溶かして)完全に消してやる、と脅す。

カルマ氏は、「このような残虐な体刑と苦難に精も根も尽き果て、生きる希望すら失わされた」と話した。世界が斯くも残酷で、人心が斯くも悪辣であることを身に沁みて思い知らされ、今が歴史の最も暗黒な時代に退行したのだと感じた彼は、死を覚悟して遺言状を書き、身内に渡して後のことを託そうとした。彼は絶望のあまり確かに遺言状を書いたのだが、警察は未だ、彼の遺言状を身内に渡してはいない。

カルマ氏が、自らの受けたこれらの非人道的な待遇について陳述する様子は極めて平静で、自身の体験を話しているのかどうかすら見極めがたく、まるで遠い過去に起こった恐ろしい出来事について話しているかのようであった。生死はもう彼にとってどうでも良いことのようにも見えた。しかし、陳述を聴いていた彼の親友によれば、これは地獄の如き苦難であった。(法廷にいた)たくましいカムの男達は雨の如く涙を流していた。まして夫人は - 彼女はこの半年余りの間に5回、遠い新疆に通い、心身共に疲れ果てつつも、幼い二人の娘には無理に笑顔を見せていたが、実際のところ最近彼女は衰弱により何度も倒れている - 胸も張り裂け、涙の海に沈まんばかり。2名の通訳も陳述を聴くに忍びず涙にくれ、浦志強、李会清両名の弁護士も涙を禁じ得なかった。

中国の法律、否、世界中のあらゆる国家の法律においては、拷問による自白強要を禁じる明確な規定がある筈だが、実際はどうなのだろうか。

2010年1月3日に逮捕されたカルマ・サンドゥプ氏の裁判は、6月1日に開廷予定であったものが遅延し、同22日に正式に開廷、6月23日現在も審理は続いているが状況は不明。従い、詳細を尽くすことは不可能ながら、昨日の法廷でのカルマ氏本人の陳述について得られた断片的な記録を世に広めるべく、ここに記す。

2010年6月23日 15:40

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尋問の間、拷問が行なわれることは、広く知られているが、このように、法廷で証言されることも、それが法廷から外の世界に直接伝えられることも非常に稀だ。

最近逮捕された知識人たちはもちろんのこと、逮捕された後に程度の差こそあれ拷問を受けないチベット人、特に政治犯はまずいないと思われる。

公安が、外部の拷問専門家(請負人)を雇っているという話は、私も初めて聞いた。
同じマフィア同士、金のために連帯するのは当り前ということだろう。



追記:
カルマの弁護士、浦(Hu)志強氏はtwitter上で逐次裁判の様子を報告されている。
http://twitter.com/puzhiqiang

New York Timesの記事:
http://phayul.com/news/article.aspx?id=27583&article=Tibetans+Fear+a+Broader+Crackdown



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2010年06月23日

カルマ・サンドゥップ氏の裁判が始まる

4593e0ef.jpg6月22日付AP
http://www.phayul.com/news/article.aspx?id=27571&article=Tibetan+environmentalist+goes+on+trial+amid+claims+of+police+torture

によれば、先日お知らせした、環境活動家カルマ・サンドゥップ(42)
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51467955.html
の裁判が火曜日(6月22日)新疆ウイグルで始まった。
裁判には彼の妻と弁護士が同席を許された。

彼は今年1月3日に逮捕されたのち、新疆ウイグル自治区の焉耆回族(バルスク・カザフ)自治県のイエンチー(ウルムチの南南西約200キロ)で6カ月以上拘束され尋問を受けていた。
妻のZhenga Cuomaoはやつれ果てたカルマを見て「声を聞くまで、彼だと判らなかった」とAPからの電話に答えたという。

カルマ・サンドゥップは法廷陳述の中で尋問中に受けた拷問について語ったという。
「数か月間に及んだ尋問の間、係官は私を撲打し、数日間不眠を強制した。薬を飲まされ、鼻と耳から出血した。数時間、髪の毛だけで吊り下げられた」等と。
この日の法廷は朝10時から、夜11時まで続いたという。

拷問その他についてはもっと詳しくウーセルさんのブログに掲載されている。
http://woeser.middle-way.net/2010/06/blog-post_6719.html
どなたかに訳してもらいたいぐらいだ。

カルマ・サンドゥップ氏の妻ドルカさんその他、カルマさんの奥さんが自身のブログで詳しい報告を逐次更新されている。
http://drolkar.blog.sohu.com/奥さんのつらい心情が察せられ、読むのが苦しいほどだ。
私は翻訳ソフトでしか読めなので、翻訳は控える。

彼は相当痛めつけられたようだ。
それでも、彼は本物のカンパだった。
正気を失わず、生き残り、恐れずにこうして法廷で拷問の事実を証言している。

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追記;朝日の記事

<世界の独裁者、金総書記1位 中国主席10位 米誌番付>

【ワシントン=村山祐介】米外交専門誌「フォーリン・ポリシー」(7・8月号、電子版)は、世界の独裁者23人の番付をまとめ、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記を「世界最悪」の独裁者に選んだ。中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席も10位に入った。

 同誌は、金総書記を「乏しい資源を核計画に費やしながら国民を窮乏させ、数十万人を収容所に送り込んだ」と講評。胡主席は「外国人投資家をほほ笑みと会釈でだます一方、反体制派を残忍に抑圧するカメレオンのような暴君」と評した。2位はジンバブエのムガベ大統領、3位はミャンマー(ビルマ)のタン・シュエ国家平和発展評議会議長。イランのアフマディネジャド大統領は8位だった。

 同誌によると、世界には少なくとも40人以上の独裁者がおり、ランク付けした23人の独裁者の下で19億人が暮らしているという。

朝日新聞 2010年6月23日
http://www.asahi.com/





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2010年06月20日

チベット天珠の王、逮捕

カルマ・サンドゥプ以下、まず6月11日付phayulに掲載された、ガーディアン紙の記事の訳。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=27478&article=Chinese+government+urged+to+release+Tibetan+environmental+activists&t=1&c=1
<中国政府、著名チベット人環境活動家の解放を迫られる>

人権ウォッチ(Human Rights Watch)はカルマ・サンドゥップ、リンチェン・サンドゥップ、及びジグメ・ナムギャルの解放を要求した。
http://www.hrw.org/en/news/2010/06/10/china-drop-charges-against-tibetan-environmental-philanthropist

人権ウォッチは、中国政府に対し、世界の屋根の脆弱な環境システムを保護するために中心的役割を果たしてきた、三人のチベット人環境活動家の解放を要求した。

最近逮捕されたカルマ・サンドゥップは裕福なチベット人美術品収集家であり、黄河、揚子江、メコン河源流地域の環境保護を推進する「三河源生態保護協会」の創始者でもある。
彼のグループはその環境保護貢献により、幾つかの賞を受賞している。
フォード自動車が「ホンコン・地球の友」と共に主宰する環境賞も受賞している。

今年初め、彼は12年前の、一旦は無罪とされた、文化財盗掘の嫌疑により逮捕された。
6月1日に行なわれる予定であった彼の公判は延期された。
彼が逮捕されたほんとうの理由は、彼が先に逮捕された2人の弟の解放を執拗に要求したからだと言われている。

彼の2人の弟である、リンチェン・サンドゥップとジグメ・ナムギャルは去年8月逮捕されている。
2人は、彼らの主宰する、カムのボランタリー環境保護団体「アンチュン・センゲナムゾン」が、「地域の政府の役人たちが、隠れて絶滅危機種に指定されている野生動物を狩猟していること」を公表しようとしていた時、拘束された。

ジグメ・ナムギャルは21カ月間の労働再教育を言い渡され、現在労働キャンプで働かされている。
彼の罪状は「危害国家安全罪」とされ、当局は彼が環境、資源、宗教に関する情報を不法に入手し、陳情を組織し、ダライ・ラマ支持者にプロパガンダ情報を渡したとした。
リンチェン・サンドゥップは未だ裁判も行なわれないまま拘束されている。

「今回の一件は中国政府を試す、テストケースだ」と語る、人権ウォッチのアジア担当官であるソフィー・リチャードソン氏は
「彼らは中国政府が求める、現代チベット人の有るべき姿を体現していた人々だ。経済的に成功し、政府に認められた文化、環境面の活動しか行わず、非政治的だ。それなのに彼らまで非合法とされたのだ」とコメントした。

中国の環境保護活動家が危険に晒されるということは、公害キャンペーン活動により賞を与えられた、ウー・リーホンへの当局の対応を見ても分かる。
最近3年の刑期を終えたばかりの彼は、刑務所で暴力を受けたことを証言している。

「Xie Lixinという政府の保安役人は私を柳の枝で鞭打ち、タバコの火を押し付けた。Wang Kewei という男が私の頭を壁に打ち付けた。Shenというもう一人の男がうその自白を引き出すために殴りかかった」と。

ウーは江蘇省のタイ湖の汚染を取り除くために貢献したとして、2005年人民議会において「環境戦士」として讃えられた。しかし、彼はその後、恐喝罪に問われた。

中国の市民社会は厳格に統制されている。中央政府は環境関係のNGOに地方政府や工場が環境規制を守らない時には、それを告発することを奨励していた。
しかし、中央政府の権限も限定的で、NGOは地方の公安の役人から社会の安定を乱すと訴えられやすい。

中国政府の環境保護副大臣であるZhang Lijunに対し、ガーディアン紙が、この問題を問い正した。しかし、彼は個別のケースについてコメントすることを拒否した。

「中国政府はNGOが環境保護の活動を行なうことを奨励し、支援している。
法律に従う限り、彼らが環境保護に努力することを政府は支援する」と彼は話した。

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カルマカルマ・サンドゥップの個人弁護士であるPu Zhiqiangは、5月31日、彼との二度目の、ほんの短い面会を許された。
Puは「その仏教的信念により、彼は10年でも監獄で耐え続けることができよう。しかし、20キロもやせていた」と語ったという。
面会はほんの数分で、監視カメラがすぐそばにあったという。

彼はチベット人から「シィー(天珠)の王」と呼ばれていた。
彼は、日本でもチベットのお守りとして少しは有名にもなった、この目玉石のマーケットをコントロールする男だった。
「世界的にも、個人として彼ほどチベットの美術品を収集、所蔵している者はいないであろう」とウーセルさんも言っているほどだ。
彼は実際、「チベット文化博物館」を個人で建てようとしていた。

中国政府からも賞をもらい、チベットのセレブとして北京にもよく招待されていた。
そんな彼が逮捕され、すでに半年近く、拘束されたまま、家族との面会も許されていない。

2008年以降、当局の弾圧の対象は当初、僧侶、尼僧、路上での抗議者だった。
それから学生、農民、遊牧民をターゲットにした。
最近では作家などの知識人がターゲットとされている。
すでに30人のチベットの知識人が逮捕された。
これは文革以来かつてなかった規模の知識人弾圧だ。

そして、今や、この政治的弾圧は彼のような「潜在的対抗勢力」、「隠れ抗議者」に対しても行われるようになったと言えそうだ。

このケースについてはウーセルさんが詳細なレポートを何度も出されている。
http://woeser.middle-way.net/2010/06/blog-post_18.html
http://woeser.middle-way.net/search?updated-max=2010-06-08T12%3A01%3A00%2B08%3A00&max-results=30
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/asia/article7141677.ece
http://www.phayul.com/news/article.aspx?id=27422&article=Old+charge+resurfaces+against+prominent+Tibetan







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