ラプラン僧院

2009年05月19日

ラプランからの5人の勇者

今日5月19日午前11時より、ダラムサラの亡命政府情報国際関係省内のホールで、
先頃亡命に成功しダラムサラに到着した5人のラプラン僧院の勇者を迎え、記者会見が行われました。

実はこの会見は先日も行われたのですが、このときは英語の通訳がいなくて外人はおろかチベット人メディアも彼らの言葉を理解しかねたらしく、二度目の英語通訳付きの会見が開かれたというわけです。
実は私はちゃんと一回目の時には「どうせ行ってもアバ語は理解不可能であろう」と思い行かなかったのです(たださぼっただけ)。

一年間、山から山へと逃亡生活を送った彼らは、顔は日焼けし、野人化して身体は強そうでした。
5人の内2人は2008年3月14日の大デモを先導した僧であり、3人は4月8日外人記者団の前で訴えた僧たちです。(全員長髪、普段着と化しています)
90aa2702.JPG写真左端からジャミヤン・ジンパ24歳、ゲドゥン・ギャツォ37歳、ケルサン・ジンパ39歳、ロプサン・ギャツォ24歳、ジグメ・ギャツォ22歳。

彼らは一様に行動の動機は「中国が嘘ばかり言っていることに我慢できず、真実を世界に訴えたかったからだ」と言っていました。
また、「とにかく記者の人たちはチベットに実際行って、それも少なくとも一か月ほどはいて、ちゃんと人権状況を調査してほしい」と何人かが訴えていました。

「3月のデモで逮捕された者たちが大勢拷問を受け、中には障害者になった者もいる、軍隊が僧院に押し掛け、お堂のドアを壊し中から金目の物をそっくり盗み出したり、各僧房へも法王の写真を探し出すと言って荒らし、同じく金目の物を取っていったという。
僧を集め、法王の写真に火を点けるよう強制したこともある」

「去年から逮捕を恐れて山に逃げ隠れているチベット人は、チベット中至る所に今もたくさんいるはずだ」と話していました。

会見が終わりお茶の時間になったとき私も彼ら勇者(ここでは彼らはパオ「勇者」と呼ばれています)一人一人と握手。
「中国人じゃない日本人だ。中国の敵でチベットの見方だ。心配ない、日本が助けるから近いうちチベットは自由になる!」と勝手なことを言って悲しい笑いを取っておきました。






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2009年05月10日

ラプラン僧院を逃れデリーに到着/ラプラン、ジグメの証言日本語訳

去年の4月9日、アムド、ラプラン僧院に外国記者団が入った時、その目の前に躍り出て、カメラの前でチベットの現実を訴えた6人の僧侶のことを思い出して下さい。
以下のYouTubeでその時の映像を見ることができます。



彼らのうち5人が昨日無事インドのデリーまで逃げて来ることができたそうです。
近いうちにダラムサラで法王に謁見されることでしょう。

RFAが昨日伝えたものをパユルがレポートしています。
http://phayul.com/news/article.aspx?id=24686&article=Protest+Monks+Escape+Tibet

ゲンデン・ギャツォ、ケルサン・ジンパ、ロプサン・ギャツォ、ジャミヤン・ジンパ、ジグメ・ギャツォの5人は示威活動の後逮捕されることは判っていたので、別々に山に逃げ込んだ。

ゲンデン・ギャツォはインタビューに応え「私たちはまるで動物のように、次々に場所を移動しながら生き延びた。それでも監獄の中よりましだった」

「二か月後、一度自分を含めた3人が中国の武装警官隊に囲まれたことがあった。
自分とケルサンは何とか逃げることができたのだが、仲間の一人は捕まってしまった。彼は今監獄にいる」と語った。

ジャミヤン・ジンパは「初め、我々はRFAのアムド語放送の中でラプラン僧院に外国の記者団が来る計画があることを知った。でもその時それがいつなのかは判らなかった。
ロプサン・ギャツォとジグメ・ギャツォが仲間に加わり、これは世界にチベットの真実を知らせるための<よい機会>だと感じてそのための準備を始めた」

「我々はチベットの自由とパンチェン・リンポチェを含めたすべての政治囚を解放することを要求して声を上げた」

「デモのあとすぐに僧院は中国軍に囲まれた。私のラマが逃げるようにと言ったので我々は僧衣を脱ぎ一般人の格好をして僧院を抜け出し山に逃げたのだ」と語った。

これからどうするつもりか?の質問にはジグメは「今は早く亡命政府のあるダラムサラに行って法王にお会いしたいと思っているだけだ。
逃げてくることはできたが、特に嬉しくもない。
あまりに多くのチベット人が今も苦しめられているからだ、、、」

と話した。


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入院中のラプラン僧侶ジグメ・ギャツォ<ジグメの証言日本語訳>

同じくラプラン僧院の僧侶ジグメ・ギャツォの近況は昨日お伝えしました。
左の写真は病院に入院中のジグメです(VOAの放映から)。

彼の証言は去年ちゃんと日本語にされていました。

翻訳して下さったDaysさんの去年11月13日のブログから以下転載されて頂きます。
尚英語訳を付けられたのはウーセルさんです。
http://woeser.middle-way.net/2008/09/blog-post_7346.html



http://www.mobileplace.org/dias/blog/jigme-speaks
甘粛省のラプラン寺出身の僧侶、ジグメは、2008年3月から4月にかけて中国のチベット人地域で広がった抗議活動とその後の経験について話した。
(20分間の放送に関するこの英語訳は内容的には正確であるものの、語句、単語、比喩をそのまま置き換えた直訳ではない。また、中国公安や拘留施設の名称は口語チベット語から聞き取ったもので、正確なものではないかもしれない。)

今年、チベット暦の2月15日(2008年3月22日)、毎朝行われる読経が終わってから自分は町に出た。自分はタクシー乗り場の端で、靴を修理させた。
僧院に戻ろうとしたとき、携帯電話が鳴った。自分は携帯の画面を見たが、番号は表示されていなかった。
白い車輛が走って来て、自分の前で停まった。4人の兵士が自分を車に押し込み、拘束した。
振り返ると尼僧が見えた。「アニ!アニ!(尼さん!尼さん!)」と何度か叫ぶと、彼女がこちらを見るのが確認できた。
車の中で彼らは自分の頭に黒い布を巻き、手錠をかけた。銃が頭に押し当てられ、体が拘束された状態で自分は武警の留置場に連行された。

留置場はサンチュ(夏河)県公安局の裏にあった。そこで彼らは自分の頭に巻かれた布を取ったが、手錠は外されなかった。それから身体検査され、携帯電話、財布などすべての所持品が取り上げられた。自分は椅子に座らされ、後ろ手で拘束された。
若い兵士が自分に自動小銃を向け、中国語で言った。「これで殺せるんだぜ、この阿老(チベット人に対して中国人が使う蔑称)。少しでも動いてみな。俺は確実に撃ち抜けるんだぜ。俺がおまえの死体をゴミ置き場に捨てれば、あとは『行方不明』だ」。
それを聞いて、頭に押し当てられた銃が怖いというよりも、この男は兵士や公安職員というよりも、刑務執行官なのだと思った。それがここでは一般市民に銃を向けて、そんなことを言っている。
自分は非常に悲しかった。まるで心臓が2つの断片に砕かれるかのように思った。

これは強い権力による民族的な嫌がらせであり、少数民族に対する迫害だ。少数民族を抹殺するために国家が兵器を作っている。現場レベルでそのようなことが行われているのだから、上層部はもっと悪いことを考えていると言わざるを得ない。
自分がそんなことを言われ、銃を突きつけられながら脅されている状況が、まさしくチベット人が迫害され、抹殺されていることを象徴している。言われたようにチベット人が殺されて、死体がゴミ置き場に捨てられたとしても、誰も気付かないだろう。
自分たちは犬や豚以下にしか扱われていないのだ。人が飼っている犬や豚をどうしようと、他の人が文句を言うことはないだろう。チベット人が殺されても、誰が文句を言うというのだ。仲間が死んでもその遺体返還を求めないように自分たちは言われている。だから、人種的な平等などないのだと自分は悟った。

拘留のあいだ、繰り返し聞かれた質問のひとつは「お前たちを煽っているのはダライ・ラマか? ダライ・ラマが窃盗や放火や破壊を指図したのか?」だった。
「お前にとってダライ・ラマとは何か?」自分にとってみれば、自分は仏教信者だ。ダライ・ラマ猊下は自分の人生であり、心であり、魂だ。だから自分は独りではない。600万人のチベット人にとって、猊下は来世と同様に自分の人生での霊的な信頼を置いている人だ。猊下は世界平和に向けた途方もない努力のために広く尊敬されている。猊下は世界平和のチャンピオンだ。猊下は非暴力の方法を確立された。
猊下が窃盗や放火、破壊を目論んだというような非難を自分は絶対に拒絶する。ダライ・ラマ猊下はそんな方ではない。自分のような一介の僧侶でさえ、窃盗や放火、破壊をさせるようなことはない。

ダライ・ラマ法王はチベット人600万人の精神の拠り所だ。誰も自分たちを法王から引き離すことはできない。一介のチベット僧として、歴代に渡って自分たちには師弟関係があり、将来も同様だ。自分たちは猊下に揺るぎない信頼を持っている。
ダライ・ラマとは何かという質問に対して、これが自分が答えたことだった。

拘置所に数日間拘留された後、自分たちは刑務所に連行された。
刑務所では兵士たちが自分たちに「イー、アル、サン」と命令をしたので、中国語のわからない何人かは「けだもの」「この馬鹿」と叱られ、警棒で殴られた。なぜ殴るのかと自分たちが尋ねると、お前たちは中国語がわからないから、体でわからせるしかないのだと言われた。
自分は疑問に思う。中華人民共和国の憲法や法律には、少数民族の居住する地域ではそれぞれの民族の言葉が使われ、民族の権利が尊重されると書かれている。だとすればチベットにおいて、チベット語の代わりに「けだもの」だとか「馬鹿」だとか言われたり、中国語がわからないというだけで暴行を受けたりするのはいったいなぜなのだろうか。

それぞれの行動や年齢はまったく考慮されなかった。14、15歳の若い僧侶と、60、70代の老僧が同じように逮捕された。本当に抗議活動に関わったかどうかも関係なかった。
上着も靴もなかった。2人ずつ縛られ、トラックで連れて行かれた。丸太のようにトラックに投げ入れられた。頭を怪我していても、腕が骨折していても、全員刑務所に連れて行かれた。親類や友人からの食べ物や衣服、寝具の差し入れは許可されなかった。
どうして激しく暴行されるのかと言えば、それは自分たちがチベット人だからだった。そのことを自分たちは本当に悲しく感じた。

自分たちはカチュ(臨夏)の刑務所に送られた。囚人のほとんどが漢族とイスラム系中国人で、チベット人は自分たちだけだった。
排泄物で汚れた床を毎日裸足で掃除しなければならなかった。刑務所では僧衣ではなく俗人の服装が強制された。自分は僧侶だ。僧衣を脱いで手錠をかけられ裸足で連行されるのは屈辱的だった。
刑務所の状態は悪かった。食糧や飲料水は不足していて、着るものもなかった。顔を拭うための布巾さえないのだった。

昼間も夜も常に手錠をかけられた状態で、1ヵ月ほど拘束されていた。
尋問では、ダライ・ラマやサムドゥン・リンポチェ、アジャ・リンポチェなど、外部との接触を問われ、自分はそれを認めなければならなかった。同じようにチベット内部の学者や教師たちと接触があると自分は疑われた。
「お前は活動に関与し、組織を率いただろう。お前は何度も外国へ電話をかけた。それで何をやろうとしたんだ? チベットの旗はどこで印刷したんだ? 何枚印刷したんだ? お前のグループには何人いたのか?」とか、「お前は犯罪を認める以外にない」とか。
自分は腕にロープをかけられ、何時間も吊り下げられた。足を上にして天井から。顔、胸、背中を思いっきり殴りつけられた。ある時ついに意識を失い、病院に連れて行かれた。
自分が意識を回復すると、自分が吊り下げられ暴行されたあの刑務所にまた戻された。結果として自分はまた意識を失い、再び病院送りになった。
ある時は2日間ずっと殴られ続けた。食べることはおろか、一滴の水も飲めずに。自分は腹部と胸部の痛みに苦しんだ。2度目の病院では6日間意識不明のまま入院し、目を開けることも話すこともできなかった。
最終的に、死ぬかどうかの瀬戸際になって、彼らは自分を家族に引き渡した。解放する際、暴行は行っていないと看守は当局に嘘の報告をした。同じように家族に対しても伝え、「私は拷問を受けていません」と書かれた書類に拇印を押させた。
結局20日間入院し、治療費が2万元もかかった。

僧院に戻る途上、180人の僧侶が逮捕されたと仲間たちから聞いた。僧侶たちは何も間違ったことをしていない。先達の僧や教師役の僧侶も逮捕された。
彼らは毎晩、つま先立ちをさせられ、銃把で背中を殴られた。その模様を中国人は首から下げた携帯電話のカメラで撮影していたという。

警察と兵士が僧院の捜索を行っている最中、彼らが僧侶の私室などから仏像やタンカ、金銭、身の回り品から食糧までも盗んでいたのを自分は見つけた。
本当の略奪者であり殺人者が、中国共産党の兵士たちであることは明確だ。彼らが違法行為に手を染める一方で、逆に自分たちが捕らえられ、暴行され、拷問されて、殺されている。

また、「ダライ一派」と共謀して暴動を煽動したと自分たちは訴えられている。もし本当に民族が平等で、表現の自由、信教の自由があるなら、自分たちが心から信じるものの肖像を崇拝してはいけないのだろうか?
自分の目が正しければ、彼らは「尊い存在」ダライ・ラマ猊下の写真を足で踏みつけ、銃把で額を壊し、ばらばらに細かく裂いて、炎の中で燃やした。チベット人であり、仏教徒である自分たちが、亡命されている存在の肖像が踏みつけられ、ちぎられているのを見たら、それはもう取り返しがつかないことだと感じるだろう。
チベット人が窓ガラスをいくつか割っただけで、それが数億元の損害になったと彼らは言う。自分たちが最も尊敬すべき存在の肖像が踏みつけられたのを見たときの心理的な苦痛に対する慰謝料はどうやって見積もるのだろうか?
中国首脳は実践の目標は「和諧社会」だというが、同時にチベット人全員が敬愛し、誇りとしている精神的指導者、ダライ・ラマを彼らはけなし続けている。自分たちの価値観が否定されているというのに、どうやって「和諧」を感じることができるだろうか。

僧侶たちはずっと殴られ続けている。それだけではない。報道記者と話したある僧侶は、警棒で殴られ、足を折られた。
ひどいと電気棒を口の中に突っ込まれた。電気棒は脳を麻痺させ、精神障害を起こすこともある。自分たちはそういう拷問に耐えた。
いまの望みは、国際的なメディアや国連の調査官がチベットを訪れ、現実の状況を調査し、その結果を評価した上で報告することだ。これが自分たちの望みだ。

中国は、チベット人が法を犯したと言い、逮捕し、暴行を加え、多くのチベット人を殺している。多くの人たちが山に逃げ込み、家や家族の元に戻れないでいる。国際メディアがこれを報じてくれれば、彼らは助かるだろう。

ダライ・ラマ猊下は、自分たちのアクションについて何も促していない。独立のために戦えとは法王は言っていない。法王はこの種のことについて決して言及しないのだ。
自分たちのほとんどはダライ・ラマの「中道路線」と、平和的対話によるチベット問題の解決を支持している。が、一方で自分たちが受けているひどい迫害に、悲しみを覚える。
きょう、自分は、真実の目撃者として、刑務所で続く拷問によってチベット人が殺されていっていることや、無数の人々が山中に逃げ、恐怖のために帰宅できないでいることを、メディアを通して伝えたい。この状況をメディアが報じてくれることが、自分の願いだ。

公安事務所と秘密警察の職員たちはチームを組んで僧院の自分の部屋を訪れ、自分をしっかりと見張っている。いまも見張りがついている。
自分は外出することも電話をかけることもできない。手元には分厚い中国の法律書を学習用に置いている。自分は自白を書くように言われているのだ。自分はただ刑務所にいないというだけで、自由がないのには変わりはない。

ラプランやアムドだけでなく、カムや中央チベットでもここ数日連続的に抗議が起きているようだ。たくさんのチベット人が殺された。また大勢が迫害され、逮捕された。200人以上のチベット人が殺され、数千人が逮捕されたと聞いた。暴力と逮捕は極秘裏に続けられている。
自分たちのところでは、情報が厳しく制限されている。米国など外国からのニュースを受信することはおろか、衛星アンテナを設置したりすることもできない。国内のニュースをテレビで観たり、ラジオで聞いたりするしかない。
こんな状況のどこに表現の自由があるというのだろう。どこに宗教の自由があるのだろうか?

チベットの人々はあらゆる種類の苦しみを受けている。自分はラプラン寺の一介の僧侶だ。今年逮捕されたうちのひとりだ。
拘束されたとき、自分は言った。自分を殺せば、それで終わりだ。が、もし自分が外に出て話す機会があれば、自分が経験した拷問についてすべて話すつもりだ、と。自分は善良なる目撃者として、いまも仲間たちが受けている受難を世界中のメディアに伝えてもらうために話すつもりだ、と。

解放されたとき、自分が受けた暴行については話さないように言われた。また外部と接触しないようにと言われた。が、自分が受けた経験、仲間たちの身に続いている受難を、とても話さずにはいられない。これもまた、いま自分が話している理由だ。
チベットではまだ厳しい弾圧が続き、チベット人の行動が制限され続けている。

最近当局は自分たちに、五輪開催を支持するように言ってきたが、チベット人は蘭州にさえ旅行に出られないし、まして北京へ観戦に行けるわけではない。自分たちはここから出られないのだ。
五輪のために、伝統的な祝祭、祭典、宗教的な儀式がすべて禁止されてしまった。

夏河県では武装兵士が草原中にあふれている。
この僧院の納屋で彼らは、わら人形を作って、僧衣をそれに着させた。中国兵はそれを使って銃剣の訓練をしている。つまり彼らの敵は、チベットの人々と僧衣を着た僧侶なのだ。
逮捕されたチベット人全員が抗議に関わったわけではない。なぜ彼らは訓練のためにチベット僧を模したわら人形に銃剣を刺しているのか?
中国人がチベット人を敵と見なしていることを恐れているのは僧侶だけではない。僧院の職員、学生、その他のチベット人もみんな恐れている。
強大な政府、強大な国家の、強大な民族が、軍隊や警察、銃や戦車、キャノン砲を使って、ただの弱小民族、チベット人を脅かしている。何千人もの兵士が自分たちを取り囲み、「反抗的なチベット人を殺せ」と命令されている。

この21世紀、世界中の人々が平和を謳歌している。平和を愛する人々、真実を尊重する人は、中国の報道制限をやめさせ、チベットで自由に取材や調査を行って、何がチベットで起きているのかを明らかにするべきだ。世界中のメディアや国連、人権擁護団体に対し、注目してもらいたいし、チベットの人々が置かれている状況を解決するための方策を見つけてほしいと自分は思う。
皆さんは中国に反抗して拘束されているチベット人を解放するよう、またチベット問題について、ダライ・ラマの代表団と有益かつ有意義な対話を行うよう、中国政府に促すことができる。それは、猊下にチベットに帰ってきてほしいというチベットに住むチベット人の望みと期待でもある。
安定と団結が中国共産党の国家としての重要な目標だと中国共産党は言う。もしいま猊下と共産党とが有益な対話を通してチベット問題を解決しようとするなら、持続的な平和や安定、団結を疑うことはなくなるだろう。




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2009年05月09日

法王ダラムサラにお帰りになる

9.5.09ダラムサラにお帰りの法王法王は先ほどダラムサラにお帰りなさいました。

今日は道に出てお迎えする人の数がいつもより多かったようです。
法王は今月末にヨーロッパに行かれるまで、ダラムサラにいらっしゃると思われます。

昨日新しく発表された、法王のダラムサラでのスケジュールがあります。
6月24日と25日、ダラムサラのTCVで法王はこのところ毎年行われている、チベットの若者を対象にした仏教講座を今年も行われるそうです

去年はホールの中に入ることができなくとも、TCVの校庭にテントが張られ、前のスクリーンに法王の講義がライブで映り、日本語の同時通訳をマリア(さん)がやって、と言う具合でした。
内容は相当に濃いものでした。
今年も今年と同じなら日本人も参加されるとよろしいかと思います。

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アムド、ラプラン中等学校でのデモ次に左の写真ですが、これが4月末に行われたラプランの中級蔵族学校のチベット人生徒による中国に対する抗議デモです。
VOAテレビが流したものを映したので変な写真になっています。





ラプラン中学のデモ子どもたちの前に中国軍のトラックも映っています。





ジグメ・ギャツォVOAにチベットの状況、刑務所内での拷問などについて話すことにより、再逮捕され、最近解放されたラプラン僧院の僧侶ジグメ・ギャツォ氏の話と映像を昨日お知らせしました。

そのジグメ氏の気になる近況をRFAが伝えています。
http://www.rfa.org/tibetan/sargyur/china-arrests-three-youths-in-amdo-ladrang-05082009210027.html(下段)

彼は今僧院内の僧房にいますが、度々突然警官が押し寄せ、部屋を捜査すると言って荒らして帰る。
また一週間に一度必ず警察署に行って書類にサインすることを義務付けられているそうです。

嫌がらせは続いているようです。

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最後は中国の悲しいお話です。


中国、人身売買目的の誘拐組織を大量摘発…女性、子供を保護
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090509/chn0905091013000-n1.htm

2009.5.9 10:11
 【北京=矢板明夫】中国国内で最近、女性や子供を誘拐する事件が多発していることを受け、中国公安省は4月上旬から全国規模で集中捜査を開始、5月初めまでの約1カ月間に72の誘拐グループを摘発し、誘拐された女性214人、子供196人を保護した。同省刑事捜査局の杜航偉局長が9日までに中国メディアに明らかにした。

 中国で発生する誘拐事件は、欧米や日本でよく見られるような被害者の家族に身代金を要求するケースは少なく、ほとんどが人身売買を目的としている。中国政府が30年前から推進している1人っ子政策により、農村部での男女バランスが大きく崩れたことが誘拐事件多発の背景にあると指摘する声は少なくない。

 男尊女卑の観念が強い農村部では、1人っ子政策が実施された直後から女児の堕胎が後を絶たず、当局の統計でも最近の新生児の男女比率は120対100よりもさらに不均衡になっている。それに加え、都市部に出稼ぎにいく若い女性が増えており、とくに内陸の農村部では深刻な嫁不足の状態となっている。

 今回摘発されたケースの中でも、誘拐グループに「仕事を紹介する」などといわれ、農村部に嫁として売り払われた若い女性が多くいた。女性の値段は地方によって大きく異なり、最も安い貴州省などでは1人5000元(約7万円)程度にしかならないという。

 誘拐される子供も同じく農村部に売られることが多い。嫁不足から結婚できない男性が跡取りとして男児を必要としていることから、男児の方が女児よりも高い値が付くようだ。4万元(約56万円)で売買されたケースもあると伝えられる。

 こうした誘拐犯罪は省をまたぐことが多いため、横の連携の少ない各地の警察はこれまで、捜査が難航することが多く、犯行グループを摘発することは少なかった。しかし今回、公安省は全国規模で専門のプロジェクトチームを作り、各地の警察をまとめて統一行動を取ったため、大きな成果につながったという。

 公安省では「今回はあくまでも中間報告であり、プロジェクトチームによる捜査は今後も続ける」としている。




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2008年05月10日

アムド、ラプラン僧院再び緊張

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9日付でTCHRDが伝えるところによれば、
http://www.tchrd.org/press/2008/pr20080509b.html

サンチュ(夏河)のラプラン僧院の状況が再び緊迫してきている
5月7日には人民武装警察、公安合わせて約5000人が僧院を囲みこみ、
突然僧院に押し入り、強制捜査が始まった。その日140人の僧侶が逮捕された


翌日多数の僧侶たちが前日逮捕された仲間の僧侶の解放を要求するデモを行った。
これに対し当局は騒ぎの拡大を恐れて18人を除き他の僧侶を解放した。
しかし僧侶たちはあくまで全員を解放する事を要求するデモを行った。
そこで当局はさらに18人のうちの11人を解放した。

僧侶たちは残りの7人の解放を要求してデモを続けているが、当局は更に武装勢力を増強し、この要求を断固拒否した上に、武力弾圧を仄めかしているという。

TCHRDは更なるデモの拡大とそれに対する中国側の発砲等を恐れる。
僧侶側は命を掛けても逮捕されている残りの僧侶を救うと言っており、中国側も強硬姿勢を強めているからだ。

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ラプラン僧院には2000人近い僧侶がいたはずだ。
ラプランは名刹であり、学問寺としても名高いゲールック派の一大僧院だ。
市民の支持も高い。ここで中国側が強硬姿勢で向かうとほんとに危険なことになると思われる。



メディアの前で訴えた僧侶二人行方不明のまま

先の4月7日に同じくサンチュに国外メディアが招待されたとき、突然メディアグループの前に現れ、隠されたチベットの現状を訴えた僧侶たちがいた。

この映像はBBC等を通じて世界に流された。
私もその時の映像を見た、10数人の僧侶たちが一様に切羽詰まった、極度に緊張した顔をしてカメラの前に走り来たって「チベットに自由はない!全部やらせの嘘だ!ダライラマ法王に長寿を!」と叫ぶのを聞いた。

その内タップケとツンドゥという二人の僧侶はその後まったく消息がつかめないままだ。家族や周りのチベット人たちは彼らは中国に相当の打撃を与えたわけだし、すでに超法規的やり方で射殺されてしまったのではないかと心配しているという。
家族が当局に問い合わせたが、「知らない}と言われただけという。




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その他
http://www.tchrd.org/press/2008/pr20080509a.html

ラサ近郊チュシュルのラトゥー僧院の僧侶50人が4月16日逮捕された。
その後うち18人は解放され、現在32人逮捕されたままだという。
詳しくは英語版へ









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2008年04月09日

春の嵐(報道被害)/ チベット式応急治療法/ニントプリン/ラブラン蜂起

以下うらルンタの藤田さんの嘆きから。

 朝も昼も夕方も、ワイドショーや情報バラエティ番組が公式聖火リレーに触れている。どれもこれも、ロンドンやパリの混乱ぶりをセンセーショナルに紹介、もみ合いになってるとことか、血だらけで取り押さえられる活動家とかを映した後で「聖火は長野にも来るんですよねー!?」「長野は大丈夫なんでしょうか!」とカメラは長野の商店街へ。
 ちゃっちゃっちゃっちゃ……とおどろおどろしいBGMに乗せて町行く人にインタビュー。
 (長野市民)「長野はあんなふうになってほしくないですねぇ」
 インタビュアー「チベット人が抗議活動をしに来る計画を立ててます」
 (長野市民)「えーっ、そうなんですか、怖ーい」
 インタビュアー「どう思いますか」
 (長野市民)「長野にはチベットを持ち込まないでほしいですねぇ」
 (東京の街頭)「(イギリスの映像を見て)チベット人もちょっとやりすぎじゃないっすか? もう暴力になってるじゃないすか? 中国人への恨みを、外国で関係のない聖火ランナーにぶつけないでほしいですね」
 ……ああもう何もコメントしたくない。私的な感想を口にする、街頭インタビューの当事者は悪くないよ。でもそれが、何の付随情報もないままに電波に垂れ流されて、残るのは「チベット人がきたら長野が危ない」っていう漠然としたイメージだけ。
 “暴動”前の去年から、「非暴力で」「平和的に」「合法的に」「正々堂々と」訴えたいことを声にしたいんだ、って、それだけを考えて、市役所や警察にこっちからコンタクトして、どうしたら法律に違反しないか、周囲とトラブルなく意見を表明する機会をつくれるか、相談してきたチベット人の行動も何もかも無視されるの?
 デモもやりません、集団も作りません、拡声器も持ちません、場所も指定したところから動きません、ただ横断幕で意思表示できればいいです、って、たったそれだけの希望さえ通るかどうかわからない状況で、なにが憲法の言論の自由の保証だよ、とか悲しくなりながら、それでも「個人行動での抗議がトラブルになるのは避けたいからなんとか調整したい」って、聖火リレー成功との両立を願ってるチベット人と、「さぁ長野どうなる!?」って何かが起きるのを期待させて煽る“情報番組”の、どっちが暴力的なのよ。
 で、追い討ち、社会貢献活動でも広く知られるマラソンランナーに「聖火リレーの走者はなにも悪くないのに、身の危険を感じながら走らなくてはいけないのはおかしいです。(あなたも走りますが)はい、不安がないといったらうそになります。ダライラマさんが平和に、と呼びかけていることをもっと考えてほしいですね」とコメントさせて、チベット問題そのものにはいっっっさい触れず、「大丈夫か長野!」で終わり。
 友人が取材に応じたワイドショーは、わざわざシメのナレーションに「チベット学生自由組織(※SFTのことらしい・笑)の日本支部からは、まだ逮捕者はでていないようです」って締めたそう。
 なにそれ。“これから逮捕されるかもしれないけどね”って当てこすり!? ふざけんな。そのワイドショー、プロダクションの電話取材が当たり柔らかく「暴動シーンのみを流すチベット報道は間違っていますよね、そういう切り口を正したいんです」なぁんて甘い言葉を並べて電話コメントを要請したから、期待した友人は「いい取材だったので明日が楽しみ」とまで言ってたのに、ホント最悪。
 友人もチベット人も、テレビメディアとの付き合いなんてこれまでまったくない、ほんと普通の人なの。メディア側は「テレビに出たら顔と名前が売れてあなたの意見が広まる」なんて基準ですぐに「ギブアンドテイク」とか言い出すんだろうけど、その論理自体が傲慢なんだって。そっちが一般人を、電波に乗せる商品として、対価も払わず、おもしろおかしく消費してるだけじゃん。
 友人たちは、マスメディアになんて載らなくても、ウェブサイトとか会報とかで地道に身の丈にあった活動をしてきたし、それはこれからだって続く。この機に名前を売り込もうとか有名になろうとか思う訳がない。何か自分たちがこれまで接してきた事実を話すことが、少しでもチベットを知ってもらうことにつながるなら、と思って協力した友人たちが、正反対の仕打ちを受けて、振り回されて精神的にぼろぼろになっているのが本当に許せない。

 チベット人は、命を危険にさらして行動しているのに。殺されている人がたくさん出ている、今も続いている、そういう状況で、チベット人がなんでこんなに面白おかしく消費されなきゃいけないのか。悔しくてしかたがない。



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 「もう、自分はどうしていいか分からないです」
 深夜、ずっとひとりで取材に応えてきたチベット人と話す。はあ、とため息が混じる。「なんか、チベット人が聖火リレー壊すって言うじゃない。テレビの人、皆『どうして北京五輪に反対しますか』って聞くね。『反対じゃない』『五輪反対してません』て言っても聞いてくれない」
 「海外のチベット人の暴力行為をチベット人としてどう思いますか、なぜあんなことをするんですか、て何度も言われて。でもあれは彼たちのやったことで、日本と海外は違うじゃん。僕たちは、日本で、非暴力で、ってやってるだけで、海外のことで責められても答えようがないじゃん……」
 背後に車の走るような音が聞こえる。
 「家じゃないの? まだ外にいるの?」と聞くと、電話がたくさんかかってくるから、小さい子供や家族には聞かせられないから、アパートにいられなくて出た、という。胸が詰まる。電話は涙声になる。
 「いま、チベット人がこれから長野で暴動する、とか思われて、チベット人は怖い、みたいになってる……。テレビつけると全部『チベット人が妨害してます』って映る……。みんな、チベット人が悪いって思ってるよね。これで、チベットの国旗を持って長野に行ったら、僕たち、犯罪者みたいに思われて、石をぶつけられたりするんじゃないかな……怖いよ。長野に行くの怖い。外に出るの、怖い。どうしてこうなっちゃったんだろう」
 日本で僕たち何か悪いことした? どうして? と尋ねられて言葉がない。なだめる言葉も見つからない。

 「あと、へんなことばかり聞かれる。『ダライ・ラマは結婚していますか』とか」
 チベットのことを何っにも知らない人が電話かけて来るんだね、と答えつつ、それにしてもひでえなそりゃ、と局名を頭に刻む。そんな的外れ、かつ冒涜的な質問をチベット人本人に直接投げつける前に、自分で調べろ。何でも聞けばいいってもんじゃねえぞ。
 「それから、『反ダライ・ラマ主義のチベット人は日本に何人いますか』って。反ダライ・ラマって何? どういうこと? そんな人がいるの?」
 いやーそこまでワケわからん展開になると私もなんと言っていいか……。反ダライ・ラマって、チベット仏教を否定するチベット人、ってこと? 中国政府側の立場でダライラマ法王を批判するチベット人ってこと?(だとしたら、中国国籍のチベット人がダライラマ法王を賞賛できるのか、「フリーチベット」って言える状況なのか、そっちで考えろ)

 「一生懸命チベットのことを話しても全部無視されて、長野で何するかばっかり聞かれる。チベットでは、今日だって、アムドの寺院で警察がお坊さんを撃って、何人か殺されたって言ってるでしょ。でも、そういうニュース全然なくなっちゃって、長野しかテレビに出ない。長野でチベット人が暴れる、危ない、って。どうして? それニュース?」

 AFPの中国語版には、甘粛甘南蔵族自治州卓尼県で僧侶の騒乱が発生、公安に鎮圧されたことが分かった、と載っている。

 「反ダライ・ラマとか、なんでそうなるの、おかしいよ。本当に今日はもう、何か一つ間違えたことを言ったらずーっとテレビに流れて、チベット人が悪く思われるどうしよう、と不安でそればかり考えて。でも、きちんと話せたかもと思っても、チベットのことが悪く出てる。もう、どうしていいか分からない」

 朝から電話が鳴り続け、午前中「これから行く」って電話があってテレビが来て、午後は新聞の人が来て、夜帰ってきたらまたテレビ局から電話で取材依頼があり、「もうたくさん話したしつらくていやです、って説明してるのに、テレビの人が、だったらなおさら意見を言わなきゃダメだって強く言われて、断り切れなくて……」午後9時過ぎにテレビ局に行って、午前零時ごろまでカメラ回されていろいろ聞かれていたらしい。一般人を午前0時まで拘束って、どんなテレビ局だよ。もう信じられない!!
 取材断ろうよ。「SFTJapan活動してます、っていってるから、だから答えなきゃいけないって言われて……」いや、それ義務なんかじゃないから。頼まれるまま断り切れずに全部受けてたら精神的に潰されちゃうよ。ああ、でも人が良くて、口べたで、頼み込まれたら強く拒絶できなくて、ああ言えばこう言うで日本語で言い返せないでいる間に取材を受けることに誘導されちゃうんだろうなあ。ああ、誰か日本人が防波堤になってあげないといけないのに、何もできなかった、ごめん。
 中国政府からチベットを守ろうとか言う前に、日本で、メディアスクラムからチベット人を守らないと。助けてください、ほんと。



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 ダラムサラから、逮捕されるくらい頑張れ、と言われたので、日本では、冗談でもチベット人が「聖火リレー失敗したらいいな」なんても言えない異様な雰囲気なんだ、と伝えたら、なぐさめられた。

以下私のメール

 中国が今までに、今もチベット人にやってることに比べれば何の暴力でもありません。中のチベット人は実際、銃口に向かってそうして闘ってるのですし。
 中国がそれをどう利用しようが、日本の馬鹿メディアがどんな解説をつけようが、大したことはないのです。デモとは、注目を利用する為にやるものだし。
 RFAでこのところ毎日、海外でのチベット人やサポーターの活躍について報道されていますが、それに対し本土からは、「大変な激励になる。私たちを助けようとして声を上げてくれてる人々が世界中に沢山いると知ることは、私たちを大層勇気付けてくれる」と電話が掛かっている。日本からのニュースもそうなればいいと思うだけです。

 みんなで静かに座ってるだけというのもいいんじゃないですか。第一、法王はトーチを妨害しないようにとおっしゃってますしね。心は玉砕だが体は静かに歩いたり座るだけ、というのは仏教的でいいですかね? 相手がそれで解ってくれるならね。

 要するに、チベットに対する愛情問題だからね。泣き叫ぶもの、助けようと突進する者もいるわけですよ。
 チベット人の勇気が今の腰抜け日本人に解るわけがない。真理のために死を覚悟することを知っているアムドパやカンパの心を誰が知り得よう。死を覚悟する僧侶たちの心を誰が知ろう。




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<チベット式緊急治療法>

 2日前のRFAで放送されていた中で興味を覚えた話について。
 カムのタウ(発音はダウが近い)での事件について、現地からの銃弾を受けた人たちの電話の終わりに「沢山の人が銃弾を浴びたり、暴行でけがをしたが、捕まることを恐れて病院に行くことができない」という話があった。その後ですぐに「このようなけが人に対し、どのような緊急処置をほどこしたらよいかについて、これからチベット医学院のテンジン・ターユ医師にお話を伺います」と、アナウンサーの声。その後、アムド語訛りのターユ医師が話し始めました。
 面白そうなこと言っているな、とは解るのでしたが、いかんせん訛りについていけずはっきり解りませんでした。そこで、ここはK君、と思い、チベット医学院を卒業して今はインターンをなさってるK医師に、直接その先生に会って(強調はうらるんた)レポートして頂きました。以下、その興味深い? チベット式応急手当法の一部を紹介します。

 まず、傷を負っている場合には第一に感染症(化膿)を防ぐことが大事だということで、もし市販の薬が在るならそれを使いなさい、ない場合にはアラッ(蒸留酒)で洗いなさい、無ければチャンでもいい、それもない時には自分の尿、動けない時には人の尿でもよい、できればこの場合8歳の子の尿が手に入れば一番の効果が期待できる。
 化膿を抑えるためには食事についても気を付けるべきだ。傷が新しいうちは肉類、古くなった食べ物、バター、卵を与えてはいけない。傷が治ってきたら血液を増やすために新しいバター、ミルク等を与えるとい良い。
 ここで、私が思わず「へーおしっこって本当に化膿止めになるの!?」とK医師に訊くと、「尿はシンブを殺すと経典に書いてある」とのこと。
 「シンブって何?」
 「ブ(虫)だよブ、小さい虫ってことだよ。足が無くて、丸い虫。まあ細菌みたいなものだよな」
 「何! チベット医学は細菌のこと知ってたの?」
 アユルヴェーダからきたらしいのですが、その起源はBC5000年とも!? それは大袈裟としても、少なくともその経典が書かれたのが12世紀だから、その時点までには細菌の存在がインドやチベットでは知られてたということなのです。どうやって? 顕微鏡が発明されたのはいつ? 
 経典によれば、この発見はすべて薬師如来の瞑想直観智に起源するのだそうです。ここから、K君、いや先生と実際の経典を前に相当長いチベット医学論議が始まったのでした。
  話を続けます。次は卒倒した時の対処法。
 ナツメグを砕いてその粉末を布に包み、てるてる坊主状にして、ごま油を加えた熱い湯に浸す。これを頭頂、首の後ろの脛骨、胸の中央、両足の裏、両掌にあてる。これを「モンゴル式お灸法」と呼ぶそうです。ナツメグが無いときにはパンとかツァンパでも代用できる。何もない時には、両足の裏、手のひらを強く擦る。
 ハリを刺す場合には、両手足の指先に計20本、プラス頭頂、鼻の下に射し、少し出血させる。そばでツァンパとバターを混ぜたものを燃やして薫香するもよし。香りのよいお香などは利かない。腫れを取るためには、鳩、無い場合は小鳥の糞を塗るのが一番良い。
 これについてK氏は「小鳥の糞はアルカリ性が強いからシミ、ソバカス予防になるよ。昔の日本では鶯の糞を化粧品として売っていたいたぐらいだよ」と解説。でも、腫れとシミは一緒なのかいな? 
 そして最後になんと、銃弾の抜き方! まずヤギの糞と雀などの小鳥の糞を混ぜ、それに自分の尿をよく混ぜる。それを傷口の周りに塗る。これだけで銃弾は自然に出てくるんだそうです!  以上でした。
 これを現場で聞いたチベット人たちは本気で小鳥の糞など探し始めるかも知れない。どうか火事場の神秘現象により奇跡が起こりますように。

 あまりの「チベットらしさ」に嬉しくなった。やっぱチベットっていいわ。というか、独自の文化、価値観があるってすばらしい。と思うのでした。


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<ニントップリン(勇気園)>

 続いて、ダラムサラ郊外にある、心身障害者施設ニントプリンを訪問した話。

ニントップリン

 今日、日本人7人、インジ2人でニントップリン(ダラムサラにある子供のための心身障害者施設)とノルブリンカを訪れました。
 ルンタでも何人かをスポンサーしてたよね。今は50人の子供たちがここに暮らしてるそうです。最近完成したお堂の中で、子供たちが大きな声でオーマニペメプーンを唱え続けていました。この念誦は心を落ち着けるのにとても役立つ、とラモ・ツェリン館長さんの話。
もっともそこに集まった子供たちはダウン症の子供がほとんどですから、その念誦もばらばらです。でもみんな一生懸命唱えています。
 実に、ここだけでなく、今ではチベット人のいるところどこでも、法王の呼びかけにより皆寄り集まってこの観音菩薩の真言を唱え続けているのです。
 写真に写ってる手前の女の子はその中でも一番大きな声で激しい様子で唱え続けていました。でも目が合うと、ふわっと明るい笑い顔になりました。
 実はこの寺も私の設計です。その中でこの子たちが一生懸命祈っている姿を見て、私は正直泣けてきました。



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 そして、チベット人も心配していた、チベット本土の話に戻る。

http://phayul.com/news/article.aspx?id=20452&article=
Tibetan+monks+protest+in+front+of+foreign+reporters
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 さっきBBCにラプラン僧院の僧侶たちが、国旗をかざしながら、法王の名を叫ぶところが流れました。今日のことです。画面に映った僧侶たちの運命は……ですね……。



rftibet at 18:05|PermalinkComments(1)TrackBack(0)