令和2年7月16日(木) 【旧 五月二十六日 赤口】小暑・蓮始開(はすはじめてひらく)

五月雨のつづける年のながめには物思ひあへる我ぞわびしき
  ~詠み人しらず 『後撰和歌集』 巻4-0190 夏歌

五月雨が降り続く今年の長雨を眺めていると物思いが尽きません。そんな自分がわびしく思われるのです。

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 五月雨とは旧暦五月に降り続く雨。すなわち梅雨のことですが、この歌の詞書には「さ月ふたつ侍りけるに、思ふ事侍りて」とあります。どうやらこの年は五月の次に閏五月があったため五月雨も二ヶ月続いてうんざりだと思っているようです。今年、令和二年は閏四月があったため、7月中旬なのにまだ旧暦では五月です。別にお天気まで暦に合わせてくれることはないのですが、今年の五月雨もうんざりを通り越して、とんでもない長雨になりました。今日はもう一首、募る恋心を降り続く優しい雨に譬えた万葉歌です。

ぬばたまの黒髪山の山菅《やますげ》に小雨降りしきしくしく思ほゆ
  ~作者未詳『万葉集』(柿本人麻呂歌集)巻11-2456 寄物陳思

黒髪山の山菅に小雨が降りしきるように、絶え間なくあの人のことを思い続けています。
 
 「ぬばたまの」は「黒」にかかる枕詞。黒髪山は奈良市の北部、黒髪山稲荷神社の周辺。

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Photo:山菅(ヤブラン)

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