【旧 七月一日 先勝】立秋・蒙霧升降(ふかききりまとう)
 旧暦七月一日。昨日も書きましたが、月単位で季節を区切った場合は今日から秋ということです。8月7日に既に立秋に入っていますので押しも押されもせぬ秋、あとは実際の気候だけが秋らしくなってくれるかどうか。関東以北では例年になく気温が上がらぬ残暑だそうですが、関西以西の各地では今週もまだ猛暑日が続くようです。万葉集にこの晩夏六月と初秋七月をまたいで、同じ主題で詠まれた歌がありました。

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家持の砌(みぎり)の上の瞿麦(なでしこ)の花をみて作れる歌一首
秋さらば 見つつ偲へと 妹が植ゑし 
やどの瞿麦 咲きにけるかも
  ~大伴家持 『万葉集』 巻3-0464

秋になればこの花を見て偲んでくださいと妻が植えた 
わが家のなでしこが咲いているよ

 砌(みぎり)とは軒下に作られた雨水を受ける溝のことです。天平11(739)年の晩夏六月、大伴家持が妾(つま)を亡くした時に詠んだ一連の歌の中からの2首です。この時家持は22歳。『和名抄』には「小妻」とあることから、亡くなったのは後に妻とした坂上大嬢のことではなく別の女性、もしくは長年仕えていた下女のことかもしれません。そして、月が変わって七月になって詠んだもう1首がこちら。

月移りて後に秋風を悲しび嘆きて家持の作れる歌一首
うつせみの 世は常なしと 知るものを 
秋風寒み 偲ひつるかな
  ~同 巻3-0465

この世は儚いものと知ってはいるが
秋風が寒くて亡き人を思い出すよ

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