【旧 六月七日 赤口】小暑・鷹乃学習(たかすなわちわざをならう)

霍公鳥 花橘の 枝に居て 
鳴き響《とよ》もせば 花は散りつつ
  ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1950

ほととぎすが花橘の枝に止まって
鳴き声を響かせるあいだ 花は散りつづけています

 今までも「橘」の和歌をいくつか引用してきましたが、何しろ万葉集の中だけでも72首も収録されていますから、まだまだ在庫は豊富です。そろそろこのあたりで少し掲げておかないと今年は機会を失くしてしまいそうです。タチバナの開花期は5月から7月。春から梅雨が明ける初夏にかけて星のような形の、白くて可愛い花を咲かせます。ミカン科ミカン属の常緑樹で古くから自生する日本固有の柑橘です。別名はヤマトタチバナ、学名も"Citrus tachibana"。

180719_橘の蔭踏む道の八衢に.JPG
Photo:タチバナ

橘の 蔭踏む道の 八衢に 
物をぞ思ふ 妹に逢はずして
  ~三方沙弥 『万葉集』 巻2-0125

橘の木陰を踏む分かれ道にいるように
あれこれ迷って物思いをするのは妻に逢わないからです

 八衢《やちまた》は道が交差する分かれ道のこと。三句目までが物思いを引き出す序詞になっています。三方沙弥《みかたのさみ》は持統、文武朝の人で僧として新羅に留学後、帰朝してからは還俗して学者として活躍しています。この歌は三方沙弥が結婚して間もなく病に伏した時に詠んだ歌です。結婚しているのに逢えないと言っているのは、この当時は妻は実家に住んだまま、夫がそこに通うという通い婚であったためなのでしょう。

  にほんブログ村 ポエムブログ 短歌へ にほんブログ村
d ^_^;  よろしければ 1Day 1Click を↑