【旧 四月廿三日 友引】立夏・竹笋生(たけのこしょうず)
 百合(ユリ)は夏の花。しかし原種や交配種が多く、また栽培法によっても開花期が異なってきます。オニユリやカノコユリ、ヤマユリなどは7月から8月のいちばん暑い盛りに咲きます。もう少し早く咲くのはササユリやスカシユリで6月前後から。最も早いのは清楚な白い花を咲かせるテッポウユリで自生地では4月から6月。ただし、今は栽培方法が進んでいるので年中出荷されています。

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Photo:テッポウユリ

うつつなき 眠り薬の 利きごころ 
百合の薫りに つつまれにけり
  ~長塚節 『長塚節全歌集』

 歌人で小説家の長塚節(ながつかたかし)が喉の痛みを訴えるようになったのは1911(明治44)年8月頃でした。咽頭結核で余命1年から1年半という診断を受けます。その後、京都医科大病院、九州帝大などの名医を訪ね、手術、治療を受けて一旦は治まったものの、1913(大正2)年に再発しました。この短歌に詠まれたテッポウユリは1914(大正3)年5月、東京神田錦町の橋田病院に入院中の長塚節を、元婚約者の黒田てる子が見舞いに来た時に置いていったものです。投薬で半睡状態のときに漂うユリの香りにささやかな安らぎを覚えたのでしょう。翌年2月、九州帝大病院隔離病棟にて35年の生涯を閉じています。

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