令和6年12月7日(土) 【旧 一一月七日 大安】 大雪・「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」

大口の真神原《まがみがはら》に降る雪はいたくな降りそ家もあらなくに
  ~舎人娘子《とねりのをとめ》 『万葉集』 巻8-1636 雑歌

大口の真神原に降る雪よ、ひどく降らないでおくれ。家もないのだから。

 「真神」はニホンオオカミを神格化したもの。「大口の」はその枕詞です。鹿や猪などの害獣から作物を守り、悪人を懲らしめてくれるものとして信仰されてきました。その名を冠した大和国の真神原は、奈良県高市郡明日香村の飛鳥寺を中心とした一帯を指します。

241207_大口の真神原に降る雪は
Photo:『鉄道員(ぽっぽや)』(1990年東映)から

 さて今日は二十四節気の21番目「大雪」。『暦便覧』には「雪いよいよ降り重ねる折からなれば也」とあります。期間としての「大雪」は次の「冬至」の前日までの半月間です。その初候12月10日までの4日間は七十二候の第61候「閉寒成冬(そらさむくふゆとなる)」。天地の気が塞がれ、本格的な冬に入ったという意味です。映画の中で大雪のシーンが印象的だったのは、『八甲田山』と『鉄道員(ぽっぽや)』かな。雪のイメージが全く異なりますけどね。

駅凍てゝ曠野につゞく深雪かな
  ~前田普羅(1884-1954)『飛騨紬』

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