令和7年6月22日(日) 【旧 5月27日 先勝】 夏至・「乃東枯(なつかれくさかるる)」

古への武具の名持てるうつぼぐさ誰が侍女としてわれは果てけむ
  ~大西民子(1924-1994)

 二十四節気「夏至」の初候5日間(6/21-6/25)は七十二候の第28候「乃東枯(なつかれくさかるる)」。乃東枯は「夏枯草《かこそう・なつかれくさ》」とも表記され、夏になると紫色の花穂をつけますが、その後は茶色く変化して枯れたように見えることから名付けられました。もう一つの呼び名は「靭草《ウツボグサ》」。漢方薬の原料でもあり、今ではこちらの名前のほうがよく使われています。円筒形の花穂の形が、武士が弓矢を入れて背中に背負って運ぶ「靫《うつぼ・ゆき》」に似ていることに由来しています。まさに「いにしえの武具」ですね。

250622_古への武具の名持てるうつぼぐさ
Photo:靫草《ウツボグサ》と矢を入れる靭《ゆき》

 大阪の西区、四つ橋筋を挟んで「靭《うつぼ》公園」という東西に広がる公園がありますが、これも矢を入れる靭が由来です。昔、この場所には魚市が立っていて、商人が『やすいぞ!やすいぞ!』と叫んでいたのを豊臣秀吉が見て『やすとは靭(矢巣)のことであろう』と言ったのが市場の名前になった由来だと言われています。

夏枯草の畦に座れば雨落つる
  ~西口百艸

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