万葉歳時記 一日一葉

「万葉集」から1300年の時を超えた現代短歌・俳句まで、
昔と今を結ぶ日本人のこころの歌を歳時記にしました。

【芸術・文化】

#4507 若人のすなる遊びはさはにあれどベースボールに如く者はあらじ

令和7年2月5日(水) 【旧 1月8日 友引】 立春・東風解凍(はるかぜこおりをとく)

若人のすなる遊びはさはにあれどベースボールに如く者はあらじ
  ~正岡子規(0867-1902)

 1936年2月5日に「全日本職業野球連盟」(現:日本野球機構)が結成されたことに由来して、今日は「プロ野球の日」。当時の加盟チームは東京巨人軍、大阪タイガース、名古屋ドラゴンズ、東京セネタース、名古屋金鯱《きんこ》軍、阪急軍、大東京軍の7チームでした。それから約90年、日本の野球はイチローや大谷など米大リーグをも牽引する選手を輩出するレベルに成長しています。

250205_春風やまりを投げたき草の原
Photo:PR TIMES MAGAZINE

 東京セネターズと名古屋金鯱軍は後に合併して現在の北海道日本ハムファイターズに繋がります。阪急軍は後の阪急ブレーブスで近鉄バッファローズと合併して現在のオリックスバッファローズに、また大東京軍は松竹ロビンス、大洋ホエールズをへて現在の横浜DeNAベイスターズに繋がります。ジャイアンツ、タイガース、ドラゴンズは当時から変わらぬ老舗球団でもあり、時おりファンサービスとして往時の復刻ユニホームで試合をしてくれるのも楽しみの一つですね。2月に入って各球団が続々とキャンプイン。今シーズン最強の寒波に見舞われている中、球春はもう始まっています。

春風やまりを投げたき草の原
  ~同

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#4497 考古学専攻生の着メロのインディー・ジョーンズが響くトレンチ

令和7年1月26日(日) 【旧 一二月二七日 友引】 大寒・水沢腹堅(さわみずこおりつめる)

接吻もて映画は閉ぢぬ咳満ち満つ
  ~石田波郷(1913-1969)

 この俳句で思い出したのはジョゼッペ・トルナトーレ監督の『ニュー・シネマ・パラダイス』。しかしこの映画は1988年公開なので69年に亡くなった石田波郷が観ているはずはありません。彼が観た映画が何だったのか少し気になります。ということで、一昨日(1月24日)、大阪フィルハーモニー交響楽団の第584回定期演奏会「ジョン・ウイリアムズ プログラム」に行ってきたので、今日は映画音楽のお話。

250126_接吻もて映画は閉ぢぬ咳満ち満つ

 この日のプログラムの前半はジョン・ウイリアムズの純クラシック作品。チューバの協奏曲は新鮮でした。そして後半は映画音楽。十数年間大フィルの演奏会に通い続けていますが、「定期演奏会」で映画音楽というのも、指揮者のスラットキンがマイクを持って解説を入れるというのも初体験。音楽でかつて観たいろんな映像が蘇るというのは当然のことですが、スラットキン曰く、観たことのない映画でもジョン・ウイリアムズの音楽を聞くと内容が想像できるというのは確かに至言です。アンコールには「帝国のマーチ」(ダースベーダーのテーマ)のおまけ付き。大入り満員で盛り上がった楽しい演奏会でした。

考古学専攻生の着メロのインディー・ジョーンズが響くトレンチ
  ~麻倉遥 「サ・ン・バ」第68回角川短歌賞 佳作作品より

Youtube:レイダース・マーチ


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#4488 ドナウ川川面に映える町並みを棲家とせしか水鳥の群れ

令和7年1月17日(金) 【旧 一二月一八日 大安】 小寒・雉始鳴(きじはじめてなく)

ドウナウの流れの寒さ一めんに雪を浮かべて流るるその音
  ~斎藤茂吉(1882-1953)『遠遊』

 旅の終わりはブダペスト市街を南北に流れるドナウ川を周遊。あまりにも有名なこの川をお題にしてもありふれた発想しか思い浮かばなかったので、今日は斎藤茂吉が1922(大正11)年にウィーン大学神経学研究所に在籍していた時に詠んだ歌を掲げておきました。

250117_国会議事堂
Photo:ドナウ川の船上から見たハンガリーの国会議事堂(1月7日)

 ところで今日は阪神大震災からちょうど30年。神戸中心部の大きな建物の多くが崩壊したのに対し、ブダペストには1000年以上も前に建てられた石積みの教会がそのまま残っているのです。というのもハンガリーは大陸プレートの真ん中にあるので大きな地震が発生することはほとんどないそうです。ということで、この日はブダペストのクラウンプラザホテルに宿泊して翌朝ヘルシンキ経由で関空へ。ヘルシンキはトランジットのみなのでオーロラにもムーミンにも出会えませんでした。

ドナウ川川面に映える町並みを棲家とせしか水鳥の群れ
  ~林龍三(1月8日)

 旅のご報告はこれでおしまい。毎日2万歩近く歩き回ったおかげで、日本に着いてから疲れが出ていきなり高熱。インフルエンザかと心配しましたが風邪だったようで3日ほどで熱が引きました。日本のほうが温かいという油断が原因だったのでしょう。出発したブダペストは7℃、帰り着いた大阪が1℃という気温差は予想の全く逆でしたから。

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#4485 冬の園緑は褪せししかすがに栄華の家の歴史語りつ

令和7年1月14日(火) 【旧 一二月一五日 友引】 小寒・水泉動(しみずあたたかをふくむ)

シェーンブルン宮殿
冬の園緑は褪せししかすがに栄華の家の歴史語りつ
  ~林龍三(2025年1月6日)

 ハプスブルク家がヨーロッパに君臨し続けて栄華を誇ったのは巧な婚姻政策によるものでした。日本で言えば藤原氏と同じ手口とも言えそうですが、規模が違うのはやはり複数の国の王室と繋がっているからでしょうか。

250106(083916)_シェーンブルン宮殿
Photo:クリスマスディスプレイで飾られたシェーンブルン宮殿

 そのハプスブルク家がヴェルサイユを上回る離宮として建てたのがシェーンブルン宮殿です。全部で1441室あるそうですが、観光客に公開されているのは41室。「ウイーン会議」が行われた大ギャラリーはもちろんのこと、マリア・テレジア、マリー・アントワネット、エリザベート、ナポレオン、モーツァルトなどこの建物に関係する人の名を聞けば足を踏み入れてよいものかと躊躇します。ところがここを住居として賃借している人がいるとか。ただし世界遺産なのでエアコンを取り付けるなど一切の変更はできません。近年の真夏は40℃近くに気温が上がるのに大変ですね。

250106(085907)_シェーンブルン宮殿
Photo:ウイーン会議が行われた大ギャラリー

鞄よりウィーンの森の栗ころげ
  ~草野准子 「第17回 HIA俳句大会」入選歌 

250106(105417)_王宮庭園のモーツァルト像
Photo:ウィーン市立公園のモーツァルト像とヨハン・シュトラウス像

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#4484 冬麗のハルシュタット湖零下二度凍えし村のさらに美し

令和7年1月13日(月) 【旧 一二月一四日 先勝】 小寒・水泉動(しみずあたたかをふくむ)

冬麗のハルシュタット湖零下二度凍えし村のさらに美し
  ~林龍三(2025年1月5日)

250105_ハルシュタット
Photo:ハルシュタット湖と湖畔の町並み

 今日はオーストリアに入りました。ハルシュタットはザルツブルクからほど近い世界遺産の村。映画「アナと雪の女王」に登場する「アレンデール王国」のモデルでもあり、また「サウンド・オブ・ミュージック」の撮影がここでも行われたといえばその景観は推して知るべし。ただし、私が訪れた時は雪に覆われて、絶景ポイントまで至りませんでした。そうそう、今日は「成人の日」ですね。成人年齢が18歳に引き下げられてから今年で3年になりました。映画「サウンド・オブ・ミュージック」の中に「もうすぐ17才」という歌がありました。トラップ家の長女リースルはもうすぐ17才、お相手のロルフはもうすぐ18才でした。この歌のシーンはザルツブルクのヘルブルン宮殿の庭で撮影されたとか。残念ながら見学できませんでしたが。

落ち葉踏むウィーンの音と思い踏む
  ~上村春子

Youtube:Sixteen Going on Seventeen from The Sound of Music (Official HD Video)

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