万葉歳時記 一日一葉

「万葉集」から1300年の時を超えた現代短歌・俳句まで、
昔と今を結ぶ日本人のこころの歌を歳時記にしました。

三重

#4877 政治家は大なり小なり政治家になろうと思うような性格

令和8年2月10日(火) 【旧 12月23日 仏滅】 立春・黄鶯睍睆

夏草や兵どもが夢の跡
  ~松尾芭蕉(1644-1694)

 衆議院選挙の結果が判明しました。新たに選出された国会議員の活動に支障をきたさないために、前職落選議員は議員会館を速やかに退去、議員宿舎は投票日の翌日から4日以内に退去する必要があります。


 理想を捨てて現実路線に舵を切ったり、過去の誤りを改めたりして自分の主義信条を変えることは咎められることではありません。しかし選挙に当選しその地位に安住することだけが目的であれば、国民の理解を得られるはずがありません。国民を舐めてはいけないのです。哀れを誘いますが、考えの違う人の批判ばかりに明け暮れていた先生方も落選すればただの人。そんなことは覚悟の上で政治の世界に入ったのでしょうが、そもそもそれが国家国民のためなのかどうかをもう一度問い直してもらいたいものです。

政治家は大なり小なり政治家になろうと思うような性格
  ~枡野浩一(1968-)

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#4823 ひさかたの天の八重雲ふりわけてくだりし君をわれぞ迎へし

令和7年12月19日(金) 【旧 10月30日 先負】 大雪・鱖魚群(さけのうおむらがる)

ひさかたの天の八重雲ふりわけてくだりし君をわれぞ迎へし
  ~紀淑望(?-919)『新古今和歌集』 巻19-1866 神祇歌

大空の幾重にも厚く重なった雲を払い分けて降ってこられた君を、わたしこそがお迎えしたのだ。

 紀淑望《きのよしもち》は平安前期の儒学者・歌人。この歌にある「君」とは瓊瓊杵尊《ニニギノミコト》のことです。

251219_ひさかたの天の八重雲ふりわけて
Photo:猿田彦神社(三重県伊勢市)~ノバブロ神社

 今年も我が家恒例のお伊勢参りを終えてきました。今回は内宮からおかげ横丁を抜けるとすぐ近くの猿田彦神社にもお参り。『古事記』に登場する猿田彦大神(『日本書紀』ではサルタヒコノミコト)はニニギノミコトが葦原の中つ国を治めるために高天原から天孫降臨をする際の道案内を務めたという伝承から、「みちひらきの大神」と呼ばれています。紀淑望の和歌もまさにその事を指しています。ニニギノミコトは神武天皇の曽祖父にあたり、今に伝わる三種の神器はこの時に授けられています。交通安全の神様とされていますが、人生の道に迷った若者もぜひ訪れてみてはいかが。

神代より神の御末とつたへ来て名くはし宇治土公わがせ
  ~本居宣長(1930-1801)

神代から大神の末裔として絶えることなく続く宇治土公《うじのつちぎみ》、わが大切な友よ。

 本居宣長も神宮参拝の折には猿田彦神社の宮司である宇治土公家に宿泊しました。宣長はここで猿田彦大神の神威にふれて研究を深め、『古事記伝』を著しており、神社内の駐車場にはこの歌碑が残されています。

猿田彦の塚に注連結ひ鼻寒し
  ~角川源義(1917-1975)

251219_猿田彦の塚に注連結ひ鼻寒し
Photo:本居宣長の歌碑(猿田彦神社)令和7年12月15日

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#4777 己が身のほろぶる日まで詠みつがむ。しらべすがしきやまと言の葉

令和7年11月3日(月) 【旧 9月14日 仏滅】 霜降・楓蔦黄(もみじつだきばむ)

縦縞の最後の勇姿文化の日
  ~稲畑廣太郎(1957-)

 俳人稲畑廣太郎氏の母は稲畑汀子、曽祖父に高浜虚子、叔父に高濱年尾、大叔母に星野立子という生粋の俳人一家の血筋を継承しています。そして出身は兵庫県芦屋市。おそらくですが、この俳句は2003年11月3日に大阪の御堂筋と神戸の三宮で行われた阪神タイガースのセ・リーグ優勝記念パレードの風景ではないかと思われます。ちなみにこの年のタイガースの優勝は18年ぶり、監督は故星野仙一氏でした。

251103_縦縞の最後の勇姿文化の日
Photo:稲畑廣太郎氏 ~致知出版社

 さて「文化の日」は昭和21年に日本国憲法の公布を記念した日ですが、それ以前、11月3日は明治天皇の誕生日を祝う「明治節」と呼ばれていました。文化の日の趣旨は「自由と平和を愛し、文化をすすめること」とされています。そして文化とは「社会を構成する人々によって習得・共有・伝達される行動様式ないし生活様式の総体」と大辞林にあります。2021年に文化勲章を受賞され、今年101歳になられた歌人、岡野弘彦氏の短歌です。

己が身のほろぶる日まで詠みつがむ。しらべすがしき やまと言の葉
  ~岡野弘彦 (1924-)『岡野弘彦 全歌集』

251103_己が身のほろぶる日まで詠みつがむ
Photo:岡野弘彦氏  ~三重テレビ放送

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#4773 朝よひに物くふごとに豊受の神のめぐみを思へ世の人

令和7年10月30日(木) 【旧 9月10日 赤口】 霜降・霎時施(こさめときどきふる)

朝よひに物くふごとに豊受の神のめぐみを思へ世の人
  ~本居宣長(1730-1801)

朝晩に物を食べるたびに豊受大御神の恵みであることを思いなさい世の人々よ。

 豊受大御神《とようけのおおみかみ》は伊勢神宮の外宮の御祭神で、内宮の天照大神のお食事を司る神様。神社本庁では「お米をはじめ衣食住の恵みをお与えくださる産業の守護神であるとしています。ちなみに「豊受大神宮」というのが伊勢神宮外宮の正式名です。

251030_朝よひに物くふごとに豊受の
Photo:正宮 豊受大神宮(外宮)~神宮

 さて季節は美味しい食べ物に満ち溢れた「食欲の秋」です。「天高く馬肥ゆる秋」ともいいますが、世界には戦乱や貧困のために満足な食事をできない人々がいます。わが日本も戦中戦後の食糧難を乗り越えて今に至っています。「足るを知る」という言葉をもう一度噛み締めていれば、口にする食べ物が一層美味しく感じられるかもしれません。

入学す戦後飢餓の日生れし子
  ~上野泰 (1918-1973)

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#4755 幼きは幼きどちのものがたり葡萄のかげに月かたぶきぬ

令和7年10月12日(日) 【旧 8月21日 仏滅】 寒露・鴻雁来(こうがんきたる)

ぶだう食《は》ぶ一粒づつに夜の深み
  ~鷹羽狩行(1930-2024)

 四季それぞれに旬の味覚がありますが、野菜・果物・魚、それにキノコ類も加えて最も食欲をそそる食材が多いのは秋でしょうか。

251012_ぶだう食ぶ一粒づつに夜の深み
Photo:ナガノパープルとシャインマスカット ~Green Beans

 先日、息子からナガノパープルとシャインマスカットの詰め合わせが届きました。聞いてみると長野県の葡萄農家直送のもので、収穫前の夏に予約しないと手に入らない逸品だそうです。後で同じくらいの大きさの葡萄を見に百貨店に行った私は、やはりお値段が気になって仕方がない大阪人だからでしょうか。いやいや、普段はそんな高級品を自分で買い求めることはないからなのでございます。

幼きは幼きどちのものがたり葡萄のかげに月かたぶきぬ
  ~佐佐木信綱(1872-1963)

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