令和7年1月23日(木) 【旧 一二月二四日 大安】 大寒・款冬華(ふきのはなさく)
朝ぼらけ有明の月とみるまでに吉野の里にふれる白雪
~坂上是則 (生没年不詳)『古今和歌集』 巻6-0332 冬歌
空がほのかに明るくなりはじめた早朝、有明の月が出ているのかと思うほどに吉野の里には白々と雪が降っているよ。

Photo:吉野山の雪景色 ~なら旅ネット
年が明けても春にはまだまだ遠い大寒の真っ只中。北国や山地では雪が降り続きます。「小倉百人一首」の31番に採られたこの歌の出典は『古今和歌集』。詞書には「大和国にまかれりける時に雪の降りけるを見てよめる」とあって、坂上是則は延喜8(908)年に大和国の権少掾《ごんのしょうじょう》として赴任した時の経験を詠んだものと思われます。権少掾は国司の三等官。主に書記業務や雑務に携わる官職で位階は従七位上相当。五位以上を貴族と呼ぶので、それほど身分が高くはない役人でした。
み吉野の山の白雪つもるらし ふるさと寒くなりまさるなり
~同 『古今和歌集』 巻6-0325 冬歌
吉野の山では雪が積もっているに違いない。奈良の古京がこんなに寒くなっているのだから。
こちらも吉野の雪を詠んだ歌ですが、「奈良の京にまかれりける時に、やどれりける所にてよめる」との詞書があります。これは旧都平城京に宿泊した時の寒さから雪に埋もれた吉野を想像しているようです。あまり気が進まない吉野への赴任途上の歌ではないでしょうか。
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朝ぼらけ有明の月とみるまでに吉野の里にふれる白雪
~坂上是則 (生没年不詳)『古今和歌集』 巻6-0332 冬歌
空がほのかに明るくなりはじめた早朝、有明の月が出ているのかと思うほどに吉野の里には白々と雪が降っているよ。

Photo:吉野山の雪景色 ~なら旅ネット
年が明けても春にはまだまだ遠い大寒の真っ只中。北国や山地では雪が降り続きます。「小倉百人一首」の31番に採られたこの歌の出典は『古今和歌集』。詞書には「大和国にまかれりける時に雪の降りけるを見てよめる」とあって、坂上是則は延喜8(908)年に大和国の権少掾《ごんのしょうじょう》として赴任した時の経験を詠んだものと思われます。権少掾は国司の三等官。主に書記業務や雑務に携わる官職で位階は従七位上相当。五位以上を貴族と呼ぶので、それほど身分が高くはない役人でした。
み吉野の山の白雪つもるらし ふるさと寒くなりまさるなり
~同 『古今和歌集』 巻6-0325 冬歌
吉野の山では雪が積もっているに違いない。奈良の古京がこんなに寒くなっているのだから。
こちらも吉野の雪を詠んだ歌ですが、「奈良の京にまかれりける時に、やどれりける所にてよめる」との詞書があります。これは旧都平城京に宿泊した時の寒さから雪に埋もれた吉野を想像しているようです。あまり気が進まない吉野への赴任途上の歌ではないでしょうか。


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