令和5年12月9日(土) 【旧 一〇月二七日 赤口】・大雪 閉寒成冬(そらさむくふゆとなる)
神無月はるの光か晴るる江の南にめぐる空の日影も
~武者小路実陰(1661-1738)『芳雲集』
神無月に春の光であろうか。晴れ渡る長江の南に巡る空の光もこうであったろう。

Photo:長江(揚子江)~みんなのランキング
週間予報によると、今日から明日にかけては全国的に暖かくて穏やかな小春日和になりそうです。いわゆる「小春日和」というのは「初冬のころ」の暖かく穏やかなお天気のこと。ですが、初冬の頃というのはかなり大雑把な表現で、正確には「旧暦10月」に生じるお天気です。というのも「小春《しょうしゅん》」は神無月の異称でもあるから。そして上記の和歌ですが、これは白居易が小春を詠んだこの漢詩を前提としたものでした。
十月江南天氣好
可憐冬景似春華
~白居易(772-846)『早冬』
十月、江南 天気好《ことむな》し
憐れむべし、冬の景《かげ》の春に似て華《うるは》しきことを
「江南」は長江、すなわち揚子江の南。平安貴族達はこの漢詩を元に多くの小春日の歌を詠み、「小春日和」という言葉が今に残されました。


d ^_^; よろしければ 1Day 1Click を↑