万葉歳時記 一日一葉

「万葉集」から1300年の時を超えた現代短歌・俳句まで、
昔と今を結ぶ日本人のこころの歌を歳時記にしました。

#4796 螢田てふ駅に降りたち一分の間にみたざる虹とあひたり

令和7年11月22日(土) 【旧 10月3日 赤口】 小雪・虹蔵不見(にじかくれてみえず)

小雪や実の紅の葉におよび
  ~鷹羽狩行(1930-2024)

251122_小雪や実の紅の葉におよび
Photo:南天の実 ~mkbkc’s diary(Hatena Blog)

 二十四節気の第20「小雪」。『暦便覧』には「冷ゆるが故に雨も雪となりてくだるが故也」とあり、わずかながらも雪が降り始める頃です。期間としての「小雪」は次の「大雪」までの半月間で、この間に日差しがどんどん弱くなり、紅葉も殆ど散ってしまいます。そして「小雪」の初候5日間は七十二候の第58候「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」。さすがに雨が雪に変わるほど寒くなってくると大気中に水滴は残らず虹も現れにくくなるようです。

螢田《ほたるだ》てふ駅に降りたち一分の間にみたざる虹とあひたり
  ~小中英之(1937-2001)『翼鏡』

 小中英之は京都市舞鶴市生まれの歌人ですが、螢田駅は神奈川県小田原市、小田急小田原線の駅です。

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#4676 打ち水の柄杓のさそふ虹の風神輿の行きし路鎮めたり

令和7年7月25日(金) 【旧 閏6月1日 赤口】 大暑・桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)

打ち水の柄杓のさそふ虹の風神輿の行きし路鎮めたり
  ~林龍三(1952-)

 我が家では朝に鉢植えの花に水をあげたあとで前の道路に水をまくのですが、ものの一時間もすればすっかり乾いてしまいます。それでも打ち水は地面にまいた水の気化熱によって周囲の熱を奪い、気温を下げる効果があるので欠かせません。

250725_打水のゆきわたりたる風の来し
Photo:「梅田打ち水大作戦」(大阪市北区)~GRAND GREEN OSAKA

 昨日は祇園祭の後祭の「山鉾巡行」が無事に行われました。そして今日は天神祭の本宮。大阪の街は陸渡御の神輿、大川では船渡御と打ち上げ花火で夏祭りは最高潮に達します。そしてもう一つ、1933年のこの日、山形市で最高気温40.8℃を記録したことにより今日は「最高気温記念日」とされています。その後2007年に埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で40.9℃を観測してこの記録が更新されましたが記念日は変更されていません。今年は北海道でも気温が初めて40℃に達するかという異常な暑さになりました。「最高気温」というのもいつか更新される日がきっとくるのでしょうね。

打水のゆきわたりたる風の来し
  ~下田実花《しもだじつか》(1907-1984)

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#4576 土砂降りの夕立あがり雲間からアーチをもたげ背伸びする虹

令和7年4月15日(火) 【旧 3月18日 友引】 清明・「虹始見(にじはじめてあらわる)」

初虹や白川道を花売女
  ~中川四明(1850-1917)『四明句集』

250415_初虹や白川道を花売女
Photo:七十二候だより by 久栄社

 今日は七十二候の第15候「虹始見(にじ はじめて あらわる)」。二十四節気「清明」の末候にあたります。乾燥注意報が頻発するような冬にはあまり現れることのない虹ですが、この時期になると空気が潤ってくるため雨上がりに虹を見ることが多くなります。俳句では虹は夕立の後に現れることが多いため、夏の季語とされています。ただし頻度は違っても四季それぞれに現れることがあるため「初虹」「春の虹」「秋の虹」「冬の虹」などの季語があります。

土砂降りの夕立あがり雲間からアーチをもたげ背伸びする虹
  ~松田和生 『風』No.213 2022年9月号

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#4433 冬の虹途切れたままにきらめいて、きみの家族がわたしだけになる

令和6年11月23日(土) 【旧 一〇月二三日 友引】 小雪・虹蟄不見(にじかくれてみえず)

冬の虹途切れたままにきらめいて、きみの家族がわたしだけになる
  ~大森静佳(1989-)

241123_冬の虹途切れたままにきらめいて
Photo:冬の虹 ~木瓜帽子のぶログ

 二十四節気「小雪」の初候5日間(11月22-26日)は七十二候の第58候「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」。虹は太陽の光が大気中の水滴に反射し、屈折して現れるので、気圧配置の関係で日本海側では初冬に虹がよく現れるそうです。ところが真冬になると雨は雪に変わってしまうため、水滴が大気中に残らず、虹を作り出すことが難しくなるというわけです。実際に少しづつ寒さが強くなってきました。私の感覚では最低気温が10℃を切るとまさしく冬に突入した感があります。体調に気をつけなければ。ということで「勤労感謝の日」の俳句を一句。

今日仕事忘れ勤労感謝の日
  ~稲畑汀子(1931-2022)

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#4208 わが恋は虹にもまして美しきいなづまとこそ似むと願ひぬ

令和6年4月14日(日) 【旧 三月六日 友引】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)

わが恋は虹にもまして美しきいなづまとこそ似むと願ひぬ
  ~与謝野晶子(1878-1942)『恋衣』

240414_わが恋は虹にもまして美しき
Photo:七十二候だより

 今日は七十二候の第15候「虹始見(にじはじめてあらわる)」。二十四節気「清明」の末候にあたる5日間です。空気が乾燥した寒い冬から春にかけて少しづつ潤い始め、これからは雨上がりに虹を見ることが多くなってきます。晶子の恋はそんな美しい虹ではなく、稲妻のように激しいものであってほしいと言っています。それ、自分で言うか?というところが与謝野晶子の晶子たるところで、12人もの子だくさんに恵まれたわけですね。

春の虹となりの家も窓ひらく
  ~大野林火(1904-1982)『早桃』

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