令和4年6月11日(土) 【旧 五月一三日 大安】・芒種・腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)
声はせで身をのみこがす蛍こそ言ふよりまさる思いなるらめ
~蛍兵部卿宮『源氏物語』第25帖
鳴く声もなくただ我が身を焦がす蛍こそ、言葉を口にする人より深い思いを持っているものです。

Photo:夕日ヶ浦温泉温泉「海舟」より
暦の上では今日が「入梅」。そして七十二候では第26候、「腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)」で、二十四節気「芒種」の次候にあたります。暑さに蒸れて腐った草の下で、サナギから孵化した蛍が夕闇に光を発し始めるという、そんな季節です。冒頭の和歌を詠んだ兵部卿宮は『源氏物語』中の架空の人物ですから、もちろんこの歌の本当の作者は紫式部。この帖に登場することから「蛍兵部卿宮」と呼ばれます。作者、紫式部のライバル?の清少納言は和歌を詠んではいませんが、『枕草子』の中で蛍を愛でています。春は「あけぼの」に続いて「夏は夜」です。
夏は夜。月のころはさらなり。
やみもなほ、蛍の多く飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。
雨など降るもをかし。
~清少納言 『枕草子』


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