万葉歳時記 一日一葉

「万葉集」から1300年の時を超えた現代短歌・俳句まで、
昔と今を結ぶ日本人のこころの歌を歳時記にしました。

#4737 風わたるあさぢがすゑの露にだにやどりもはてぬよひのいなづま

令和7年9月24日(水) 【旧 8月3日 仏滅】 秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)

青空とせめぎ合ふなり秋の雷
  ~宮津昭彦(1929-2011)

 二十四節気「秋分」の初候5日間(9/23~27)は七十二候の第46候「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)。夏の間に見るような入道雲も見られなくなり、夕立とともに鳴り響くような雷も影を潜めてきます。

250924_青空とせめぎ合ふなり秋の雷
Photo:雷と調布市の町並み ~photoAC(makoto.hさん)

 同じく七十二候の第12候にはこれと対峙して「雷乃収声《かみなりすなわちこえをはっす》」が置かれています。春の初め「春分」の末候にあたり、この頃から雷が鳴りはじめます。俳句では「春雷」「秋雷」「冬雷」のように季節を添えず単に「雷」とした場合は夏の季語となります。そして「稲妻」は秋の季語。語源は古代、この閃光をうけて稲が実ると信じられたところから名付けられています。

風わたるあさぢがすゑの露にだにやどりもはてぬよひのいなづま
  ~藤原有家(1155-1216)『新古今和歌集』-0377 秋歌上

風が吹き渡る浅茅が原の葉末の露にも及ばぬ程の短い稲妻の光だよ。

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#4649 梅雨雲にかすかなる明りたもちたり雷ひくくなりて夏に近づく

令和7年6月28日(土) 【旧 6月4日 先負】 夏至・「菖蒲華(あやめはなさく)」

梅雨雲にかすかなる明りたもちたり雷ひくくなりて夏に近づく
  ~中村憲吉(1889-1934)『しがらみ』

 昨日(6月27日)、気象庁は九州・中国・四国・近畿で梅雨明けを発表しました。統計のある1951年以降、九州南部では過去2番目、九州北部から近畿にかけては過去最も早い梅雨明けの発表だそうです。

250628_うしろより忽然と日や梅雨あがる
Photo:Brise

 その前日(6月26日)の大阪では朝から雷を伴う大雨。運悪く昼間のコンサートに行く予定があったので傘を差して出かけたのですが、夕刻、演奏会が終わって外に出ると真夏のような日差しになっていたので驚きました。まさかその翌日に梅雨明けの発表があるとは思いませんでしたが、梅雨の季節が終わるということはすなわち「真夏」です。梅雨入りの時もそうですが、明けてもまた外出をためらってしまう季節が続きます。

うしろより忽然と日や梅雨あがる
  ~加藤楸邨(1905-1993)

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#4560 花誘ふ春雷深夜の吾が腹の底に響きて天に納まる

令和7年3月30日(日) 【旧 3月2日 仏滅】 春分・「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」

花誘ふ春雷深夜の吾が腹の底に響きて天に納まる
  ~村瀬廣(1891-?) 『麗』

250330_花誘ふ春雷深夜の吾が腹の
Photo:桜と雷|多摩川河川敷 ~flickr

 今日は、七十二候の第12候「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」。二十四節気「春分」の末候にあたります。いわゆる「春雷《しゅんらい》」というのはこの時期、すなわち春分以降に発生する雷。一方3月上旬、啓蟄の頃に落ちる雷は「虫出しの雷」と呼ぶのだそうです。冬眠していた虫達に電気ショックで起床を促すのでしょうか。俳句ではどちらも春の季語ですが、単に雷とか遠雷、軽雷とすると夏の季語、稲妻なら秋、寒雷なら冬の季語になります。

春の雷轟く世相かなしめば
  ~山口青邨(1892-1988)

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#4371 いなづまはかげろふばかり有し時秋のたのみは人しりにけり

令和6年9月23日(月) 【旧 八月二一日 仏滅】秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)

いなづまはかげろふばかり有し時秋のたのみは人しりにけり
  ~詠み人しらず 『古今和歌六帖』 第1-0816

稲妻がかげろうのようにほんの一瞬光った時、秋の逢瀬などどれほどのものかを人は知るのですよ。

240923_いなづまはかげろふばかり有し時
Photo:稲妻 ~ことくらべ

 期間としての「秋分」は次の「寒露」の前日までの半月間です。それを3等分した最初の5日間は七十二候の第46候「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」。春から夏にかけて鳴り響いた雷もそろそろ鳴りを潜める頃。秋の雷は稲が育つ時期と重なるため昔の人は雷が稲を実らせると考え、稲妻と呼びました。科学的にも必ずしも間違っていないそうで、雷は大気中の酸素や窒素に化学反応を起こさせ天然の肥料である窒素酸化物を作り、雨とともに大地に降り注ぐのだそうです。とはいえ、毎年のように雷による死亡事故が発生しています。ゴロゴロと遠くで雷鳴を聞いたら建物や車の中に即避難です。

かみなりの墓場もあらん見にゆかん
  ~金子兜太(1919-2018)

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#4261 草をとる手に蟷螂の上り来て透けたる細き脚もて身構ふ

令和6年6月6日(木) 【旧 五月一日 大安】・芒種 螳螂生(かまきりしょうず)

草をとる手に蟷螂の上り来て透けたる細き脚もて身構ふ
  ~山岡弘道 『碧き湖』

240606_草をとる手に蟷螂の上り来て
Photo:でれすけ

 二十四節気「芒種」の初候5日間(6月5日-9日)は七十二候の第25候「螳螂生(かまきりしょうず)」。前年の秋に交尾し、草の茎や小枝、建物の壁などに産み付けられたカマキリの卵が一斉に孵化する時期です。昆虫を大まかな印象で、カワイイ系、コワイ系、キモチワルイ系の3つに分けると、カマキリはおそらくコワイ系に入るのでしょうが、生まれたばかりのかまきりはまだカワイイ系と言ってもいいかもしれません。大きくなったからと言っても毒があるわけでもないのですが、交尾の後にメスはオスを頭からかじって食い殺すといいます。やっぱりコワイ系ですね。私もカマキリではなく、人間のオスに生まれてつくづく良かったと思っております。

野の風や蟷螂生る雷神
  ~島田五空(1875-1928)

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