万葉歳時記 一日一葉

「万葉集」から1300年の時を超えた現代短歌・俳句まで、
昔と今を結ぶ日本人のこころの歌を歳時記にしました。

露霜

#4840 小竹が葉のさやく霜夜に七重かる衣に益せる子ろが膚はも

令和8年1月5日(月) 【旧 11月17日 先負】 小寒・芹乃栄

黒松の幹の粗さや寒に入る
  ~森澄雄(1919-2010)

260105_黒松の幹の粗さや寒に入る
Photo:兼六園の雪吊り ~aini

 二十四節気の23番目は「小寒」。新年を迎えて、これからが本格的に寒さが厳しくなっていきます。この半月を過ぎると次は「大寒」。小寒と大寒の期間を「寒中」と言い、その入口にあたる今日は「寒の入り」とも呼ばれます。寒さには少しずつ慣れてきた頃ですが去年から引き続いてインフルエンザの患者数も増え続けています。油断しないように気をつけましょう。

小竹《ささ》が葉のさやく霜夜に七重《ななへ》かる衣に益せる子ろが膚はも
  ~作者未詳 『万葉集』 巻20-4431

笹の葉がそよぐ霜の降る夜には衣を幾重に重ね着しても及ばない彼女の肌には。

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#4800 草の上にここら玉ゐし白露を下葉の霜と結ぶ冬かな

令和7年11月26日(水) 【旧 10月7日 仏滅】 小雪・虹蔵不見(にじかくれてみえず)

草の上にここら玉ゐし白露を下葉の霜と結ぶ冬かな
  ~曾禰好忠(平安中期)『新古今和歌集』 巻6-0619 冬歌

草の上にしげく玉となって置いていた白露を、今は下葉の霜として凍らせている冬であることよ。

 昨日の大阪はほぼ一日中雨でした。雨はあっても大阪の平野部で雪が降ることは滅多になく、雪が積もったり霜柱が立ったりする日は年に1度あるかないかというお天気です。

251126_遠山に日の当たりたる枯野かな
Photo:霜柱 ~文京区立八ヶ岳高原学園

 ある年の誕生日に娘からも息子からも手袋のプレゼントをもらったことがあるのですが、旅行の時以外にはほとんど使うことはありません。そんな気候ですから夜間の最低気温が10℃を下回ると随分寒く感じるのです。北国の人からは羨ましく思われるかもしれませんが、その分風邪を引きやすい虚弱体質になってしまいました。ぽかぽかと日が当たる季節が待ち遠しい今日このごろです。

遠山に日の当たりたる枯野かな
  ~高浜虚子(1874-1959)

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#4771 秋の雨に濡れつつ居ればいやしけど我妹が宿し思ほゆるかも

令和7年10月28日(火) 【旧 9月8日 仏滅】 霜降・霎時施(こさめときどきふる)

古簑や芒の小雨萩の露
  ~正岡子規(1867-1902)

 七十二候の第53候は「霎時施(こさめときどきふる)」。秋の小雨しとしと降る頃。二十四節気「霜降」の次候に当たります。


 少しは秋らしくなったかなと思ったのは今月中旬。それでも半袖のシャツを着ていました。それから一週間もしないうちに朝夕は晩秋のような肌寒さに変わりました。人間も刀鍛冶に焼入れされるように高温と急激な冷却を繰り返されて鋼のようにたくましくなっていくのなら結構なことですがそうはいかないようです。私は先日インフルエンザの予防接種をしてきましたが、皆様も風邪を召しませんようくれぐれもご注意を。

秋の雨に濡れつつ居《を》ればいやしけど我妹《わぎも》が宿し思ほゆるかも
  ~大伴利上《おほとものとしかみ》 『万葉集』 巻8-1573 雑歌

秋の雨に濡れていると、みすぼらしい家でも、彼女の家が恋しく思われるよ。

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#4766 霜曇り為とにかあるらむひさかたの夜渡る月の見えなく思へば

令和7年10月23日(木) 【旧 9月3日 大安】 霜降・霜始降(しもはじめてふる)

霜降やさりげなく来て去るあきつ
  ~阿部ひろし(1919-)

 ※「あきつ」はトンボのことです。

251023_霜降やさりげなく来て去るあきつ
Photo:五行舘山川鍼灸療院

 今日は二十四節気の第18、「霜降」。『暦便覧』に「露が陰気に結ばれて霜となりて降るゆゑ也」とあるように、朝露も冷気によって霜になってくる頃です。期間としては次の「立冬」の前日までの半月間。その初候5日間は七十二候の第52候「霜始降(しもはじめてふる)」。この時期になって、やっと秋らしい気温に落ち着いてきました。季節の移り変わりは遅いのにもかかわらず、インフルエンザの流行は今年も例年より早くなっているようです。急に冷え込んできましたので朝夕は特にご注意を。

霜曇り為《す》とにかあるらむひさかたの夜渡る月の見えなく思へば
  ~作者未詳 『万葉集』 巻7-1083 雑歌

霜曇りをするとでもいうのだろうか。夜空を渡る月が見えないことを思えば。

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#4751 秋の夜の露をば露と置きながら雁の涙や野辺を染むらむ

令和7年10月8日(水) 【旧 8月17日 赤口】 寒露・鴻雁来(こうがんきたる)

汲み置きの水平らかに寒露の日
  ~角川照子(1928-2004)

 今日は二十四節気の17番目「寒露」。晩秋、寒気によって草木に露が降りる頃。『暦便覧』には、「陰寒の気に合つて露結び凝らんとすれば也」と記されています。

251008_汲み置きの水平らかに寒露の日
Photo:朝露 ~Kuka

 昨日、北海道の一部では最低気温がマイナスになったと報道されていました。晩夏から初秋にかけては一日の寒暖差が大きい日があり、そんな日の朝は水蒸気が地表に近い草木に宿りやすいと言われます。二十四節気は15日ごとに次の節気に移っていきますが、「寒露」の間に夏山の緑が気づかないほど少しづつ色づき始めてゆくようです。

秋の夜の露をば露と置きながら雁の涙や野辺を染むらむ
  ~壬生忠岑(860-948) 『古今和歌集』 巻5-0259 秋歌下

秋の夜の露をつゆほどに置きながら雁の涙が野辺を染めていくのだろうか。

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