法廷闘争が必至の局面になったような気がする。
フジテレビの奇策は、資本市場的にどうだろうかと思う。フジテレビ株が、ニッポン放送の上場廃止をも視野に入れて行動をしているが、フジテレビの株主がニッポン放送が上場廃止になることを前提に、かつ支配権を握ることができない状態で株式を取得することが問題にはならないのだろうか。フジテレビは時価総額が現在約2600億円であるニッポン放送株の25%の取得を目指すが、その意図にニッポン放送を上場廃止に追い込むことがある。2600億円の25%は650億円。650億円の資産価値が未上場になることで大幅に毀損することはフジテレビの株主にとっては重大な問題である。

もちろんライブドアの影響力を排除することが目的であるが、650億円の資産価値を大幅に毀損するほどのコストを払って、ライブドアの影響力をはずさなければならない根拠をフジテレビが持っているのだろうか?ライブドアも800億円のCBを発行しており、堀江氏も「これまでの人生を賭けた勝負」と言っているが、この意思決定に妥当性があるか、成功するかどうかはともかくとして、ライブドアの株主に対して説明はつきやすい。事業シナジーや投資としてポジティブな影響があるという説明ができるからだ。

一方で、フジ側は、まだ直接影響を行使していないライブドアに対して、ライブドアの介入や資本提携や業務提携が、フジテレビの株主に対して、それがいかに問題があり企業価値を破壊するのかを説明しなければならない。ライブドアがうっとうしいから、というような理由で、資産の毀損を伴う行動を取ることは難しい。もし、このままニッポン放送をあえて、上場廃止に追い込むような行動に出ると、役員陣は株主代表訴訟に備えねばならない。現在は祭りの状態なので、ホリエモンの行動に刺激されて、フジテレビに戦いを挑むような振り切れた人生観を持った若者が訴訟行為に出てくる可能性を笑い飛ばすこともしにくい。ま、彼らはそのくらいのことは想定済みなのでしょうが。

現実的にありうるのは、フジが楽天やYAHOOなどを持ってきて提携交渉をして、彼らと提携するほうがライブドアと提携するほうがよい、という議論に持っていくことだろう。楽天 VS ライブドア の構図が形を変えて展開されるだ。楽天もYAHOOも、実はメディアには関心が高いので、今回もライブドアのバンジージャンプを契機に、楽天やYAHOOがまたも漁夫の利をかっさらうかもしれない。

さらに、ライブドアの35%の市場外クロスが形式要件ではクリアしても脱法行為ではないかという論点もあるので、当然、フジ側もSECを動かしたり法廷闘争の準備もするだろうし、そのこともライブドア側も考えているはずである。戦いはどこかで法廷へも飛び火するだろう。

メディアとITの融合は識者はみな、指摘をしていたが、その融合はメディア側の旧勢力がやすやすと明け渡すわけもなく、新興勢力が闘争を経て獲得をしていくことになりそうだ。昔、ソフトバンクがマードックとテレビ朝日の株式取得を行っているが、実質的に排斥されている。そのようなことをもにらんで、楽天は経団連に入り、熟した柿が落ちるがごとく今回の成り行きをみているのに違いない。

前回の仙台闘争と違うのは、ライブドアは売名批判も浴びながらコストゼロ円で、莫大な広告効果を得たことに対し、今回はすでに700億円のコストを使っていることである。もちろん、これは資産の獲得であり、売却可能資産ではあるので、消費したわけではないのだが。

今回の件について、堀江氏もBLOG上でこのような指摘をしている。

つまり企業価値が過小評価されている会社(PBR一倍割れだったり、一倍近辺だったりする)に新しい風が入る可能性が高くなったことで、企業業績が将来的に良くなることを見越して株価に反映されることを考慮にいれ、日本株への投資量が大きくなり、ひいては市場全体の上げ圧力になるのではないかということ

多分、そうなのだろう。私が現在ファンドの中でPBR1倍割れをそれなりに仕込んでいるのはそれを読んでいるわけだし、ホリエモンのバンジージャンプに続く奴らはでてくる。日本市場にもマーケットの小鬼が誕生しつつある。