堀江社長の逮捕は非常に残念である。賛否両論あれど、若者に夢を与えたり資本市場を活性化させたことの功績は大である。しかし、このような結末では落差が大きすぎ、大きな失望を生み、変化を望まぬ者に大きな支援材料を与えることになってしまった。

後はライブドアがU.Gとのつながりがなければと祈るような気持ちである。

これですべての新興市場の企業が不信任を受けるようなことになるべきではないし、逆にそのようなパニック売りが出てくれば買いの大チャンスになるに違いない。この一週間で多くの優良企業、また高くて手が出なかったIT企業が大幅に下落をした。当社は地味で地道な企業を中心にファンドを組成してきたが、もし大幅に下がるようであるならば、高成長のIT企業に投資できるかもしれない。

ライブドア復活のための隠し球

ライブドアグループには堀江社長とはまったくタイプの違う本格的な経営者がいる。それは弥生の平松社長だ。ソニー出身で外資系の超大手企業の経営を担い、プロ経営者である。語学が堪能で、かっこいい絵になるおじさんである。彼を中心にコンプライアンスの強化を打ち出し、外人記者クラブで英語で再生計画をプレゼンをし、実際に問題のある子会社を整理し、収益事業に特化して社員を結束させれば、もし上場廃止になっても再上場することは可能であろう。上場廃止=倒産、というわけではないので、現状のライブドアの現金残高と弥生を初めきちんと収益のあがる事業や子会社をたばねていけば、それなりの潜在的価値があるように思える。江副社長が逮捕されても大きな成長ができたリクルートがベンチマーク企業になる。

もしこれを外資系ファンドがお買い上げをし、上場廃止後に社内体制を整備し、収益事業に特化し、再上場して大きな価値がついたとすると、日本は新生銀行の教訓を生かすことができなかったと思える。外資系ファンドにただ同然に長銀を買われて、大きなキャピタルゲインを取られ、かつ税金を取ることができなかった。ハゲタカと言ってその外資系に地団駄踏んだが、とはいえ、破綻した長銀を買おうとした日本企業やファンドがいなかったのが背景であり、ハゲタカというのはお門違いである。

私は外資系にいたこともあるし、外資=悪なんて全く思っていないが、情緒的な判断をしてライブドアの始末を日本人の手でやれずに外資の手を借りることになったら恥の上塗りではないだろうか。ライブドアという鬼っ子を正常な資本市場の中で対話をできる優等生に変化させられる知恵があるかどうかが今、日本の資本市場で問われている。堀江氏の裁きは司直の手に任せるとして、希代の鬼っ子経営者が作った鬼っ子企業を正常化し、かつ尊敬される企業へと変貌できるかどうか、その社会の懐が問われているように思う。堀江社長をたたえた者もけなした者も、今回の件で傷ついた者もざまあみろと喝采をおくっている者も、大きな違いがあるようには思えない。日本の資本市場が世界から尊敬される市場になるためにも、外資に食われて後で後悔をするよりも、その始末を考えたらどうだろうか。楽天でもフジテレビでも日本の再生ファンドでもぜひ出てきてライブドアの始末をつけて欲しいと思う。ライブドアを尊敬される会社にすることができれば、それが堀江社長に対する介錯になると思う。