現在の日本株は、巨大な熊(弱気筋)と巨大な牛(強気筋)がにらみ合いを続けているような状態である。巨大な熊(弱気筋)は世界の景気の循環的な後退を感じ取り、日本の株式市場は下落局面に入ったと考えている。一方で巨大な牛(強気筋)は日本の構造的な改革を高く評価しており、日本は長期的な株式の上昇局面に入ったと考えている。世界的に有力な投資家がそれぞれ別の見方をしており、拮抗している状態である。
ただ最近10年間の日本であれば、世界的な市場の下落局面ではどこの国よりも早く下がり、どこの国よりも深く下がった。下落をするときに支えてくれる投資家はあらわれなかった。そこが現在とは違う。現在は日本の構造改革にかける投資家が世界的に増えてきており、さらに低金利とインターネット取引の普及により、より積極的に個人が日本株市場に参入するようになってきた。相場の下支え要因ができたのである。

 行き詰るような市場の停滞感はしばらく続くだろうが、(特罎侶糞て宛 日本のマクロ経済指数 に一喜一憂しながら漂うような市場が続くことをメインシナリオとしている。この下半期は、米大統領選挙、来年度の通常国会の動向(特に会社法の制定)などの動きは目が離せない。特に2006年度以降、日本が外国株式と株式交換を可能になる方向性であり、そうなると外国企業の日本企業買収の動きが増えてくる可能性が高い。日本の大企業も世界の同じ業界の最大手の時価総額と比較すると大変に心もとない。三菱重工はGSの時価総額の5%程度。GEはたった5%の株式を放出することにより理論上は三菱重工を買収できる。これはおそろしいことだ。日本の企業は最大手といえども、株価を上昇させたり、合併をしたりして、時価総額が上昇しなければ外国企業の餌食になってしまう。日本の企業が株価を上昇させなければ生き残れない競争の時代に入ることは間違いない。企業はこれから必死になるだろう。UFJ銀行を巡って、東京三菱銀行と三井住友銀行が戦っているのも、シティバンクに飲み込まれないように、売上・時価総額ともに規模を拡大したいからだ。今後は似たようなケースが増えてくるだろう。

 2004年の後半は、日経平均は1万円から1万1500円程度程度の水準でもみあうのではないか。ただ、銘柄間格差が広がるだろう。これからは株式市場が上昇しても全体の株が上昇することはありえない。よい企業と悪い企業の選別がこれまでにも増して重要になる。

 新興市場はIPOでいくつかの大型案件をこなしながらも、順調に推移していくように思われる。ただ割高な企業を初値で買い付けるのは危険であり、おすすめではできない。

 現状のようなはっきりしない相場動向では多くの投資家がどのような戦略を立てるべきか思い悩んでいるようだ。今は足元の数字だけでなく、企業をより長期的な観点で判断するチャンスである。まずは割安で成長力の高い銘柄を目を皿のようにして探すことだ。そのような会社に投資をすることができたら、あまり市場動向に影響されずに着実なリターンを上げることができる。