2009年10月18日

君主論 (岩波文庫)君主論 (岩波文庫)
著者:ニッコロ マキアヴェッリ
販売元:岩波書店
発売日:1998-06

君主としての統治の仕方、手段、あるいは外交について説いたのがこのマキャヴェリの君主論。数百年経った今も読まれ続けているのには驚きです。昔の哲学書や書物は歴史的な意味を持つものとしての読まれ方をするものが多いです。しかし、この君主論は実用的で、現代でも十分に通用するだけの内容であり、マキャヴェリの先見の明というか、世情を読み解く力に感嘆してしまいます。

よく言われる話として「君主論は冷徹なリーダー論だ」というものがあります。しかし、それはあくまでも表面だけをなぞった人の意見です。きちんと読み解くことで君主に本当に必要なことや、部下への接し方というものが分かってきます。

当時でいう君主と家臣、民衆との関係が今の会社の上司、部下、顧客にあてはめられる場面が多く、上司や部下とのコミュニケーションに悩んでいる人に対する解決策を提示してくれます。一度で読み切るのではなく、何度も繰り返し読むことでより多様なことが見えてきます。

時間がある大学生や高校生のうちに読みたい一冊です。小手先のテクニックだけの啓発本やマーケティング本よりも大切だし、自分を形作る軸になる本は今のうちに読んでおきたいものです。30代になると「習慣しか残らない」というだけに、何かを自主的に得るなら10代・20代のうちにどんどん吸収していく必要があると思います。

rickey111 at 23:09コメント(0)トラックバック(0)哲学・思想 

2009年10月16日

新史太閤記 (上巻) (新潮文庫)新史太閤記 (上巻) (新潮文庫)
著者:司馬 遼太郎
販売元:新潮社
発売日:1973-05





歴史作家・司馬遼太郎が豊臣秀吉の一生を描いています。莫大な資料、圧倒的な分析力、そして表現力によって描かれる太閤・秀吉の姿は現代に鮮明に浮かび上がってくるようです。歴史小説として楽しむだけでなく、コミュニケーション論、上司との接し方、商業といった様々な要素を吸収することができます。

とにかく秀吉の機知に驚きます。もちろん、日本人が思い描く秀吉像は気が利く男、というものだと思いますが、それを遥かに超えた「怪人」っぷりを見せつけてきます。また、彼の幼少〜青年の頃のエピソードが特に印象的です。今でいうホームレスに陥ったこともある秀吉が経験した苦労・困難は計り知れません。自己を表現することにあれだけの情熱を注げる理由が分かりました。

上巻では竹中半兵衛の死までを描いています。下巻ではいよいよ信長の死が待ち受けるわけですが、秀吉が「神」とまで崇めたとされる男が死ぬことでどのような心境の変化が生まれるのか。そして、自分を唯一正しく理解してくれた男が死ぬことで一体何が起こるのか。非常に楽しみです。


rickey111 at 21:46コメント(0)トラックバック(0)歴史(日本) 

2009年10月15日

日経エンタテインメント ! 2009年 11月号 [雑誌]日経エンタテインメント ! 2009年 11月号 [雑誌]
販売元:日経BP社
発売日:2009-10-03

今月号の日経エンタテインメント!のテーマは「転機」です。自身の運命を変えた転機について、様々な人が語っています。しかし、今回の記事群の中でも注目すべきなのは「夏フェス」に関する記事です。

今年も「フジロック」「サマーソニック」といった大型野外ライブフェスが開催されました。なんと今年で「4大フェス」がすべて開催10周年を迎えたのです。今まではどんどんお客さんが入ってきたのに対し、もう頭打ち状態。放っておいても新規顧客が入ってくる状況ではなくなってきたといいます。そこで、プロモーターの考える次の一手を紹介しています。

特にチケットの購入方法と感情の関係には頷いてしまいました。今までは直接チケットを買い求めていたのが、今の若い人は簡単にネットでチケットを買えてしまう。だからこそ、どうやって買うまでに至ったのか、その過程をしっかり読み解くことで、若者のニーズを探るのだそうです。

フェスが始まった当時は大学生だった人も今は親、ということも珍しくありません。そのため、家族ぐるみでフェスを楽しめるようなマナーづくり、環境づくりも大切だと思います。単純に考えて1人だったのが家族になることで3人、4人と一緒に来る人数が増えるので、軽視できないことなのではないでしょうか。

rickey111 at 23:49コメント(0)トラックバック(0)雑誌 

2009年09月28日

生きかた上手生きかた上手
著者:日野原 重明
販売元:ユーリーグ
発売日:2001-12

90歳の現役医師による「生きかた」の処方箋です。日野原氏は97歳の今も最前線で活躍されており、睡眠時間は5時間、スケジュールは2年先までいっぱいという多忙な日々を過ごしています。その元気の源とは一体どこにあるのでしょうか。そして、生きるということは一体どういうことなのでしょうか。自身が今まで生きてきた上での経験はもちろん、医療の現場に携わる人間としての考え方も合わさり、とても重みのある言葉が詰まっています。

中でも高齢者に対する考え方に感銘を受けました。現在の日本では「高齢者は弱いもの、保護する対象」とする考え方が根付いています。そのため、社会から切り離され、経験や知恵、技術を生かせないでいます。日野原氏はそんな現状を打破することを提案しています。そもそも、どこからが老人でそうでないかは今まで色々と変わってきたと言います。50で老人だったのが定年が60になり、そして65になり。いつ高齢者になるかどうかは本人の考え方次第というのです。

自身の発想や感性の若さ、豊かさから出た考え方だと思います。高齢化社会でなく、すでに「高齢社会」となった日本。これからの日本を担うのは若者だけでなく、元気なお年寄りの方々なのかも知れません。


rickey111 at 20:55コメント(0)トラックバック(0)健康・身体 
不思議なくらい幸運がやってくる3つの法則 (王様文庫 D 50-1)不思議なくらい幸運がやってくる3つの法則 (王様文庫 D 50-1)
著者:小田 真嘉
販売元:三笠書房
発売日:2009-09-28

出版したばかりのデキタテホヤホヤを早速読みました。幸運がやってくるための3つの法則を紹介しています。この3つというのがポイント。あまりに項目が多過ぎて、何を言いたいかがぼやけてしまうということがありません。文庫本サイズに書き下ろされているため、量もそれほど多くなく、読みやすさを追求しているように思えます。

心の持ち方をメインに書いています。人生で落ち込んだ時や「最悪だ」と思う時、対人関係やコミュニケーションで悩んだ時に読むと心に響くものがあるはずです。特に、嫌な上司や相手との付き合い方で悩んだ時の解決策は「なるほど」と頷くこと間違いなしです。本の帯の「ひすいこたろう」氏が言う「10行に1回『なるほど』があります」というフレーズは的確なものなのかも知れません。

筆者は二十代で1万人以上の経営者やビジネスマンと会って来たという経歴を持っており、その分、様々な体験談を知っています。そのため、本の中に登場する具体例は多様だし、リアリティがあります。イメージが湧きやすいので初めて自己啓発本に手を出す人でも取り組やすい一冊です。


rickey111 at 20:11コメント(0)トラックバック(0)自己啓発 

2009年09月18日

人生が100倍楽しくなる 名前セラピー人生が100倍楽しくなる 名前セラピー
著者:ひすい こたろう
販売元:毎日コミュニケーションズ
発売日:2009-07-24

古くから日本では「言葉には言霊が宿る」と言われてきました。もちろん、モノや単語のみならず、人間の名前にも。この本ではその「名前」にスポットライトを照らし、その人が生まれてきた理由を名前のことだまを元に紐解いていくことを提案しています。

著者はことだまを研究している山下弘司氏と、コピーライターのひすいこたろう氏。山下さんが日本語の奥深さやひらがながそれぞれ持つ意味を具体的に説明してくれるのに対し、ひすいさんがそれを補足していくという形式。読んでいくうちに「ああ、自分の名前はこういう意味だったのか、使命はこういうことなのか、親が願ったのはこういうことなのか。」とたくさんの発見があります。

「名前」の大切さを何度も何度も強調しており、人とのコミュニケーションの際も名前を呼ぶことによって親密な関係が築き易くなるという話をより確かなものにしていました。また、漢字にまつわるエピソードも多く載っており、どこかでネタに使うと評判がいいかも知れません。

rickey111 at 23:26コメント(0)トラックバック(0)哲学・思想 

2009年09月15日

本人vol.11本人vol.11
販売元:太田出版
発売日:2009-09-11

話題の人物のロングインタビューや対談によってその人のありのままの姿を描こうとするのがこの雑誌「本人」。過去にも「ひろゆき」「宮藤官九郎」「忌野清志郎」といった、いわば曲者的な人物に絞って特集を組んできました。そんな中、今回の目玉は「明石家さんま」。デビュー当時の話から、たけし・タモリへの思い、今の芸能界の姿、自身の信念といった様々なテーマをとにかくしゃべくり倒しています。紙媒体には滅多に登場することが無いため、非常に貴重なインタビューだと思います。

インタビューの中でさんまさんは紙媒体にほとんど出ないことに対して、「紙にすることで、自分の意図と異なった伝わり方をするのがイヤ」と言っていました。つまり、テレビで自分の声・映像を通じた言葉と、紙に載り声のトーンや表情といったものが除外された言葉とでは全く違うものなのです。さんまさんほどのメジャーな人物でさえ、メディアの伝達力にこれほど気を配っているというのが驚きでした。

確かに、マスメディア、特にテレビなどでは本人の意図したものとは違った形で放送されてしまうことが多々あります。言葉をいくつかピックアップしてそこだけを集中的に放送することで、さも本人が言ったかのような映像を作ることも可能です。メディアの影響力の強さを考えると、きちんと自分の意図が通じるような番組・スタッフ・環境を見極める必要性を感じます。


rickey111 at 23:45コメント(0)トラックバック(0)雑誌 

2009年09月14日

藪の中 (講談社文庫)藪の中 (講談社文庫)
著者:芥川 龍之介
販売元:講談社
発売日:2009-08-12







芥川龍之介の傑作、「藪の中」です。謎が謎を呼ぶ不思議な話。一人の武士が殺された事件をめぐり、目撃証言や当事者の話を聞くも、彼等の話は少しずつ食い違っていたというストーリー。いくつもの視点から描くという形式は斬新で衝撃を与えたといわれています。巨匠・黒澤監督により「羅生門」のタイトルで映画化されており、こちらも名作です。

近年では登場人物である「多襄丸」を主人公にした小栗旬主演の「TAJOMARU」が公開され、今も昔も変わらないこの作品の人気を示しています。文豪と呼ばれた人々の作品にはなにか、言葉では形容し難い怨念のような、また、熱い吐息のような、魂が込められているような気がします。太宰治や夏目漱石らの作品もそうであるように。昔の名作はいつまで経っても名作なのだなあと改めて痛感しました。


rickey111 at 20:04コメント(0)トラックバック(0)小説 
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