笹本潤・前田朗編『平和への権利を世界に――国連宣言実現の動向と運動』(かもがわ出版)


http://www.kamogawa.co.jp/kensaku/syoseki/ha/0427.html



主な内容



Ⅰ 平和への権利宣言をつくろう

平和への権利宣言をめざす運動

――世界キャンペーンの経過と意義(前田朗)


Ⅱ スペインからの呼びかけ

平和への権利宣言・世界キャンペーン(スペイン国際人権法協会)


Ⅲ 平和的生存権を掲げて

憲法前文の平和主義にも注目しよう

     ――平和的生存権の学説と判例(清水雅彦)

市民が勝ち取った平和的生存権

――自衛隊イラク派兵差止訴訟名古屋高裁判決(川口創)

5大陸を平和憲法で埋め尽くそう

――「平和への権利」サンティアゴ会議に参加して(笹本潤)

国際刑事裁判時代の平和的生存権(新倉修)

世界の人権NGOとともに

――国連人権理事会サイド・イベントを開催して(塩川頼男)

個人でできることから始めよう

――ピースゾーンと平和的生存権(前田朗)


Ⅳ 資料

サンティアゴ・デ・コンポステラ宣言(常本美春・塩川頼男訳)



編著者プロフィル


笹本 潤(ささもと・じゅん)

1962年東京生れ。弁護士。日本国際法律家協会事務局長。日本の憲法9条を世界に広めるためのグローバル9条キャンペーンを展開中。「9条世界会議」の呼びかけ人の一人でもある。著書に『世界の平和憲法 新たな挑戦』(大月書店)、編書に『5大陸20人が語り尽くす憲法9条』(かもがわ出版)『9条は生かせる』(日本評論社)。


前田 朗(まえだ・あきら)  

1955年札幌生れ。自衛隊は憲法違反であると判断した1973年の長沼訴訟札幌地裁判決に出会って以後、平和と人権を学び、運動にも取り組み始める。1994年から国連人権機関に参加してロビー活動を行なう。東京造形大学教授。日本民主法律家協会理事。主著に『軍隊のない国家』(日本評論社)『人道に対する罪』(青木書店)『平和力養成講座』(現代人文社)など。


川口 創(かわぐち・はじめ)

1972年埼玉県生れ。弁護士。現在名古屋第一法律事務所所属。2004年提訴の自衛隊イラク派兵差止訴訟(名古屋訴訟)弁護団事務局長として、多くの市民、学者、弁護士とともに訴訟の取り組み、2008年4月17日の名古屋高裁違憲判決を導く。『自衛隊のイラク派兵差止訴訟判決文を読む』(角川書店)など。

 

塩川頼男(しおかわ・よりお)
1933年長野県松本市生れ。1952年長野県立松本工業高等学校機械科卒業、同年中部電力株式会社入社、1995年同社定年退職。1975~97年中部電力人権侵害・思想差別撤廃訴訟原告90人のうちの1人。1992~97年ジュネーブの国連人権機関で訴訟を訴え、訴訟解決後も継続して国連人権委員会、人権理事会などで活動。日本国際法律家協会理事。主著に『国連人権活動の戦略と戦術・・・こうすれば日本はもっと良くなる(第二稿)(私家版)


清水雅彦(しみず・まさひこ)

1966年尼崎市生まれ。大学院生の時の1991年に、「湾岸戦争」への加担の違憲性を問う市民平和訴訟の原告になり、以後もカンボジアPKO違憲訴訟、ゴラン高原PKF違憲訴訟、テロ特措法違憲訴訟に参加する。日本体育大学准教授(憲法学)。主著に『戦争する国へ 有事法制のシナリオ』(共著、旬報社)、『治安政策としての「安全・安心まちづくり」』(単著、社会評論社)、『平和と憲法の現在』(共編著、西田書店)など。


常本美春(つねもと・みはる)

ジュネーブ大学院国際研究所修士課程終了。現在、一橋大学大学院法学研究科博士課程在籍


新倉 修(にいくら・おさむ)

1949年東京生まれ。青山学院大学教授、弁護士。国際民主法律家協会(IADL)事務局長・日本国際法律家協会会長。国際刑事裁判所日本ネットワーク共同代表としてICC加入促進運動に関わり、核兵器の違法性をめぐる世界法廷運動にも日本の民間意見書起草に関与し、アフガニスタン国際民衆戦犯法廷で裁判長を務めた。『9条は生かせる』(日本評論社)、『憲法と現実政治』(水曜社)、『9条世界会議』(大月書店)、『国際刑事裁判所の扉をあける』(現代人文社)にも寄稿。