Arcade Fire - Reflektor
デヴィッド・ボウイがコーラスで参加したタイトル曲を聴いた時から期待していたアーケイド・ファイアの
ニューアルバムがもうすぐリリースされます。Youtubeの公式でフルアルバムが数日間試聴できるように
なっていましたが、期間終了でもう聴けなくなってますので「Afterlife」を貼りなおします。
バックの映像はマルセル・カミュ監督の1959年作の映画「黒いオルフェ」
ギリシャ神話を元にカーニバルで賑わうブラジルのリオ・デ・ジャネイロを舞台に置き換えて
オルフェとユーリディスの悲恋物語を描いてあります。
この映画はかなり以前に一度観たきりでしたが、鮮やかな色彩とブラジルの溢れかえるような躍動感と
生命力としのびよる死の影のコントラストがとても印象的でした。
そのイメージや死生観ともこのアルバムは重ね合わせてあるようです。
このアルバムは、ハイチの音楽、映画「黒いオルフェ」、哲学者キェルケゴールのエッセイに影響を受けて
制作されたそうで、民族音楽的、文学的、芸術的、哲学的背景のある作品になっているようですが
とりあえず理屈抜きにしてまず聴いてみませんか?
そういう諸々の背景を飛び越えてアーケイド・ファイアの相変わらずエモーショナルな部分は
す~~っと沁み入るように心に響いてきます。
その後でさらに深く味わいたいと思ってから影響の元になったものに触れてもいいと思います。
個人的な感想ですが、期間限定で公開されたフルアルバム試聴では、映画の場面・ストーリーと
アーケイド・ファイアの曲・詞がピタリとシンクロするところもあってゾクッとしました。
バックグラウンドを知らなくても楽しめるアルバムですが、知ればさらに楽しめる幅が広がるでしょうね。
音的にもトーキング・ヘッズやポストパンクニュー・ウェーブ的な音だったり、ダブな始まりだったり
80年代っぽい電子音が入っていたり、70年代のグリッターなリズムだったり、、、盛りだくさんです
色々な音楽的要素が散りばめられていますが、適度なポップさが加味されていて
取っ付き難いアートロックや実験音楽にはならず、商業的に大成功に至りそうでも
オルタナティブ、インディーズの域を出てしまわない絶妙なさじ加減です。
一部の曲でレジーヌ・シャサーニュがフランス語で歌っているのも聴き心地良い響きです。
バンドの中心メンバー、ウィン・バトラーの奥さんでもあるレジーヌの両親はハイチからカナダに
移住した移民ということで、ハイチとの関わりが生まれたそうです。
「Wake Up」を熱演する以前のアーケイド・ファイアのライブもとても良かったんですが
この作品をライブで演奏するアーケイド・ファイアをぜひ観てみたいと思わせてくれます。
こちらはSaturday Night Liveで公開されたライブ
このアーケイド・ファイア、別名ザ・リフレクターズとして11月末にイギリスのブラックプール、ロンドンで
ライブが行われるというニュースがNMEに出ました。
http://www.nme.com/news/arcade-fire/73431
来年は世界各地のフェスでヘッドライナーを務めそうですね、楽しみです。