SIA Chandelier

何の予備知識もないまま、ある日このMVをいきなり観ました。

Sia(シーア)のシャンデリアという曲。



その時は曲の良さもさることながら、画面いっぱいに踊っている表情豊かな少女に目が釘付けになりました。

前衛的な振り付け、交錯する無邪気な笑顔・無感情な視線・幼いのに狂喜を孕んだ瞳

歌声やダンスの素晴らしさに魅了されましたが、このシンガーは、この少女は一体誰?という疑問が。

Siaは、オーストラリア出身38歳のシンガーソングライターで、リアーナ、ビヨンセ、エミネム、シャキーラ
クリスティーナ・アギレラ他多数のスーパースターに曲を提供していたり、デヴィッド・ゲッタとのコラボで
その素晴らしい声と歌唱力で話題になった人でした。

MVで踊っているのは米ダンスオーディション番組に出演していた11歳のマディ・ジーグラーという少女。

このMVはシーアのたっての依頼でマディのダンスだけで「シャンデリア」という曲を表現する演出で
完成されたそうです。マディはシーアの分身ということなんですね。

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【シャンデリア】

パーティーガールは傷つかないの
何も感じない、いつ自覚するのかしらね
ただ気持ちを押し殺してるだけなのに

私は都合の良い女
電話も玄関のベルも鳴りっぱなし
愛されてる、私って愛されてるの

1,2,3 ハイ、飲んで
1,2,3 ハイ、飲んで
1,2,3 ハイ、飲んで

繰り返しながら、数えられなくなるまで

ブランコのようにシャンデリアを揺らす私
明日なんか無いような生き方をしたいの
明日なんか無いの
鳥のように夜空を飛んで行きたい、涙が乾くのを感じながら
シャンデリアを揺らし続ける私

でも私はなんとか生き延びたいの、うつむきもしないし、目を覚まそうとも思わない
朝が来るまでグラスは空にしない、今夜を乗り切れたらいいから
助けて、私はなんとか生き延びたいの、うつむきもしないし、目を覚まそうとも思わない
朝が来るまでグラスは空にしない、今夜を乗り切れたらいいから
今夜だけ

日が昇る頃、私はもうボロボロ
早く抜け出さなくちゃ、ここから逃げ出さなくちゃ
あぁみっともない、みっともないわ

1,2,3 ハイ、飲んで
1,2,3 ハイ、飲んで
1,2,3 ハイ、飲んで

ブランコのようにシャンデリアを揺らす私
明日なんか無いような生き方をしたいの
明日なんか無いの
鳥のように夜空を飛んで行きたい、涙が乾くのを感じながら
シャンデリアを揺らし続ける私


歌詞を訳してみながら、SiaがTV番組のライブで歌っているという動画があったので観たところ、、



マディも一緒に出演してセットの中で踊っていました。
シーアは「顔を見せたくない」ということで壁に向かって歌っていました。

マディのダンスを観ながら、感情を搾り出すように歌うシーアの声を聴いていたら
何故だかわかりませんが、涙が出ました。理屈ではなくて何か伝わってくるものがあったのか、、

シーアは最初から覆面アーティストだったわけではありません。
数年前のライブ動画などではアットホームな雰囲気で笑顔でステージに立って歌っていました。

ここ数年は有名アーティストに楽曲を提供することに専念していたそうです。
その間に色々な葛藤があったのか、アルコールと薬の依存症にも苦しんで
なんとかそこから抜け出して出来上がった曲「シャンデリア」は自分で歌うことにしたそうです。

でも、ビルボード誌の表紙では紙袋をかぶっている写真だったり、ライブパフォーマンスの依頼が
あっても「顔は見せない」という条件で、歌う時も壁に向かっていたりセットのベッドにうつ伏せだったりと
まだ彼女の中には克服できない何かがあるんでしょうか。

" I'm gonna swing from the chandelier "

というのが華やかなパーティー会場で煌びやかなシャンデリア(シーアが曲を提供したスーパースター達)
をブランコのように揺らしている(そこから飛び降りることもあるかもしれない)シーアの不安定な気持ち
を表した歌なのかなと思いました。

ですが、このライブパフォーマンスではシーアとマディの表現者としての力強さをひしひしと感じました。


【追記】



現地時間2015年2月8日夜に行われた第57回グラミー賞授賞式でのパフォーマンスでも

やはりシーアは顔を見せず壁に向かったまま歌っていました。

ステージセットではクリステン・ウィーグとマディ・ジーグラーもダンスを披露。

このパフォーマンスで誰よりも注目を集めたのはマディちゃんかもしれませんね。






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